妊娠糖尿病の主な原因8つ。罹りやすいかチェックしてみて
妊娠を期に、体の中の糖代謝に異常が起きて、高血糖状態が続くことを、妊娠糖尿病と言います。これは妊娠したことによる病気で、普通の糖尿病とは分けて考えます。
妊婦さんの8人に1人がこの病気にかかるという統計があり、妊娠するとまず気を付けるべき症状の1つです。
妊娠中に血糖値が高くなることは、母体にも胎児にも良くないのです。妊娠糖尿病は何故起きてしまうのでしょうか。その原因についてご説明します。
この記事の目次
胎盤性ホルモンのせいでインスリンが働かなくなってしまう
食事をとると血糖値が上がります。すると、すい臓からインスリンと言うホルモンが分泌されます。そして食べた糖質を分解し、血糖値を下げます。
しかし、妊娠中はインスリンを抑えるコルチゾールなどのインスリン拮抗ホルモンが分泌されます。胎盤から分泌されるので、胎盤性ホルモンと言います。
インスリンが働かなくなると、摂取した糖質が分解されなくなるので、常に血糖値が高い状態が続きます。これが糖代謝異常による妊娠糖尿病です。
妊娠糖尿病になってしまう原因は主に8つ
妊娠前に明らかな高血糖が見られる場合や、インスリンを阻害する胎盤性ホルモンの影響が少ない妊娠初期の血糖値が高ければ普通の糖尿病です。
妊娠糖尿病は、妊娠をきっかけにして発症する糖尿病です。それまで血糖値に問題の無かった人でも発症するのです。
血糖値が高くなるのは、胎盤性ホルモンのインスリン阻害と述べました。それ以外にも原因があります。原因に該当する人は、妊娠糖尿病にかかりやすいのです。
主な原因は8つ考えられています。それはどのようなものでしょうか。ひとつひとつ見ていきましょう。
1.生活習慣の乱れ
日本人に多い糖尿病は、2型糖尿病と言われるものです。これは後天的なインスリン分泌異常によって起こります。
2型糖尿病の原因は次の通りです。
- カロリーの高い食事が続く
- 栄養のバランスが悪い
- 運動不足
2型糖尿病は、生活習慣病の代表例とも言われます。妊娠を期に食生活や運動習慣が乱れてしまう人もいますよね。
昔から、妊娠したらお腹の赤ちゃんのために栄養をどんどん取らないと、と言われます。そのため食事の量が普段より増えたり、高カロリーになってしまいがちです。
こうした食事での栄養過多で、肥満状態になる妊婦さんは、妊娠糖尿病になる可能性が高いのです。
妊娠中の食事の変化と肥満や運動不足、これらが血糖値を高くする要因になり、妊娠糖尿病を招きます。
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2.妊娠前から肥満だった…
妊娠をきっかけに太ってしまったのではなく、もともと肥満体質だった方は、妊娠糖尿病を発症するリスクを持っています。
肥満の方は、妊娠する前から生活習慣が乱れている事が多いです。先に述べたように、食べ物の偏りや運動不足が糖尿病の原因になります。
肥満は、妊娠していなくても糖尿病の原因になります。既にすい臓が疲労しているからです。食生活の改善に特別な注意を払うべきです。
3.妊娠してから過剰に体重が急増した
妊娠してからは、胎児の成長と羊水の量が増えることと含めて、7キロ~10キロ程度は体重が増えると言われています。
ですが、それを超えて体重が増えてしまうと、妊娠糖尿病の原因になりかねません。通常の糖尿病と同じです。
妊娠中は食べづわりと言って、無性に食欲が湧いてしまう妊婦さんもいますね。そして食べ過ぎてしまうことで、肥満になり、体脂肪が増えてしまいます。
胎盤性ホルモンと同様に、体内の脂肪細胞もインスリンの働きを邪魔します。体重が増えて脂肪細胞が大きくなってしまうと、血糖値が下がりにくくなるのです。
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4.尿糖検査がの結果が陽性になる回数が多い
妊婦健診の時に、尿検査が行われます。尿糖検査とは、妊婦さんの尿にブドウ糖が解けだしていないかどうか調べます。
血糖値が高くなると、身体にあふれた糖質が尿にも現れるのです。尿検査をすれば高血糖になっているのか、妊娠糖尿病であるのかが分かります。
尿糖検査では、-(陰性)、+(陽性)、2+、3+の4段階で、糖分の量を検査されます。この時、陽性になる回数が多ければ、妊娠糖尿病の可能性があります。
身体のケアをして病気にかからないために、妊婦健診は必ず受けなくてはなりません。体調が悪ければ、誰かについてきてもらって検査してもらいましょう。
5.妊娠高血圧症候群だと合併症として発症もある…
妊娠高血圧症候群は、妊娠を期に高血圧状態が続いてしまう病気です。高血圧の合併症として、糖尿病を発症することもあるのです。
高血圧の方は、そうでない人よりも3倍近くも糖尿病の発症率が高いと言われています。血圧が高いと全身の臓器に負担を掛けるので、インスリンの働きも悪くなります。
妊娠高血圧症候群は、既往だと発症しやすくなります。原因はよく分かっていません。一つに、胎盤が形成されにくい体質というものがあるようです。
6.遺伝的に糖尿病の性質を持っている
糖尿病は、遺伝によるものという考え方もあります。糖尿病の因子を持っている家系があることが分かっています。
遺伝的要因を持っている人たちは、インスリンの働きが生まれつき弱いのです。普通の生活をしていても、糖尿病になりやすいのですね。
身内に糖尿病の方が居る場合は、妊娠時にその事を担当医師に相談しておきましょう。血糖値の検査が迅速になります。
7.高齢出産だとホルモンの働きが乱れやすく確率が高くなる
高齢出産も妊娠糖尿病の原因の1つです。35歳以上初産の高齢出産の妊婦さんは、妊娠糖尿病になる率が高くなります。
35歳~40才にかけては、女性ホルモンの働きが乱れやすい時期に当たります。ホルモンの影響で神経の働きも阻害されます。
インスリンは通常ならばすい臓から問題なく分泌されます。ですが、ホルモンの乱れはインスリンの分泌も邪魔してしまうのです。
30代後半からは女性の体質が大きく変化する時期です。35歳以降で初産を迎える人は、特に食事や運動のコントロールが必要です。
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8.過去に巨大児を出産したことがある
巨大児とは、ママのお腹のなかで胎児が過剰に成長してしまうことを言います。
- 巨大児の定義
- 出生時体重が4000グラム以上の赤ちゃんのこと。予定日を過ぎての出産ではなく、通常分娩で体重が重いことを言う。
お腹の中で赤ちゃんが過剰に育ってしまうのは、赤ちゃんに送られる糖質が多いためです。つまり、母体が高血糖状態に陥っている場合です。
胎盤ホルモンの働きが活発になると、赤ちゃんへ送られる糖分、エネルギー源も多くなります。その状態がつぎの妊娠まで引き継がれてしまうのです。
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妊娠中は要注意!血糖値の変化を見逃さないで
妊娠すると、どんな妊婦さんでも血糖値が上がりやすくなります。お腹の赤ちゃんにエネルギー源を送るためです。
血糖値の上昇は、運動や食事療法である程度対処出来ます。でも、遺伝や既往症の場合は自己管理にも限界があります。
妊娠中の異常は早めの治療が肝心です。気になることがあったら検診の時、先生に話してみてくださいね。
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