幼稚園の一日の流れも園選びの参考に!過ごし方やカリキュラムを知ろう
幼稚園も保育園と同じように、子どもを預けるために利用するところ、と思っていませんか?実は両者は大きな違いがあります。
幼稚園に入るかの選択は、子育ての方針を決定する基準にもなります。園によっても違いはありますが、大まかな流れを見ていきましょう。
この記事の目次
保育園と幼稚園の違いは、目的が「保育」なのか「教育」なのかという点
幼稚園が保育園と異なる点は、保育園が「養育者が不在の場合にそれを肩代わりする」のに対し「教育」を目的としていることです。
保育園には子どもを保護し、心身を養うための場所という要素が強く、管轄は厚生労働省になっています。
そのため、幼稚園で実践されていることは将来小学校で習う国語や算数の基礎となるものです。遊びの中に勉強の要素が取り入れられているのです。
ただし保育園によっては教育カリキュラムを持っているところも!
保育園の目的は、仕事をしているママパパが子どもを預けて安心して勤務出来ることにあります。
そのため園に居る時間が幼稚園よりも長いのが特徴です。そのため、国語や算数などの教育活動を行ったり、体力づくりに力を入れる園もあります。
また、音楽や芸術などのお稽古事の時間を多く取っていることもあり、カリキュラムとしては幼稚園に近い場所もあります。
幼稚園での1日の生活
子どもが幼稚園でどんな1日を過ごしているのか見ていきましょう。行事があるときや園の方針によって若干の違いはあります。
- 朝
- 9時までに付き添い、登園バスなどで園に行きます。出席ノートにシールを貼る、カバンをロッカーに片付ける、制服から運動着に着替えるなどの作業をします。
- 朝の会が開かれて、先生からのあいさつ
- 健康状態の確認、歌を歌う、または日直さんの確認などをクラスごとに行います。
- 10時~12時
- 子どもが自由に遊ぶ時間、クラスで工作や音楽、体育などみんなで同じことをする時間になります。年長になると文字や数字を習うこともあります。
- お昼ご飯
- 園によってお弁当持参だったり、給食が出たり、米飯のみ持参、米飯とパンが日替りなど様々です。
- 13~14時
- また各教室で絵本の読み聞かせを行ったり歌を歌う時間を過ごし、帰る準備を始めます。帰りの会を開き1日を振り返ってからそれぞれ帰宅します。
- 延長保育
- 用事や仕事があって、迎えに行くのが遅くなる場合は帰宅時間以降も園に滞在します。おおむね17時まで預かる園が多いようです。
延長保育の間も運動の時間や勉強の時間をとることもあります。おやつが出たり自由遊びをすることもあります。
未満児クラスの過ごし方
2歳以下で幼稚園に入園する子ども達は「未満児クラス」という教室に分けられます。年齢が小さいので遊びが中心になります。
その中で行われるトレーニングです。
- 自分で給食が食べられるようになる
- トイレが使えるようになる
- 自分で着替えができるようになる
このようなことを目指して訓練が行われます。それ以外の時間では、外遊び、リズム遊び、絵本の読み聞かせ、砂場遊びなどを行います。
1日のスケジュールです
- 朝
- 登園、健康チェック、荷物の片付け。
- 10時~給食まで
- 朝の会、自由遊び、おやつの時間。
- 昼
- 給食、その後トイレに行ってお昼寝の準備。1時間程度午睡。お昼寝の後もトイレに行く。
- 1時~3時
- おやつの時間と自由遊び。保育区分に合わせて順次帰宅。延長保育絵の場合は6時ごろまで園に滞在。
また年長さんに交じって散歩に出かけたり(まだよく歩けない子はカートを使います)、クッキングに参加したりもします。
幼稚園で行われる教育活動
年長組になると、小学校に向けて自立を目指す活動がとられますが、年少、年中の間は遊びが中心です。
1人で遊んだり友だちと同じことをすることで、自分の興味を伸ばしたり数や文化の概念を身につけることを目指します。
ごっこ遊びを通じて知能を伸ばす
遊び方の代表が、おままごとやヒーローごっこなどのごっこ遊びです。1人で没頭する子もいますが多くは複数人で遊びます。
玩具の食器や組み合わせブロックを使い、思い思いの役割を考えて、ストーリーの中で遊ぶのが特徴です。
ごっこ遊びに含まれる教育要素です。
- 道具を使うことで末梢神経の発達を促す
- コミュニケーションを通して言葉の使い方を覚える
- 玩具を取り分けることで数の概念を学ぶ
- 想像力を養う
このように国語や算数の要素がバランスよく取り入れられているのがごっこ遊びのメリットです。
年間行事で体力や芸術性を培います
生活発表会や運動会、料理会や地域のお年寄りを招いたお餅つき、老人ホームの訪問など様々な行事がカリキュラムに含まれています。
運動会では徒競走を中心に、器械体操をしたり障害物走をしたりなど、体を複雑に動かす訓練を行います。
体力づくりの面ではに紫外線を気にせず利用できる屋内プールを設置しているところもあり、水泳大会が企画されます。
また足のツボを刺激して、筋肉をバランスよくつける目的ではだしでマラソン大会を行なったり、普段からはだしで遊ばせることも。
生活発表会では合奏や合唱などの音楽要素、工作や絵の展示作成、劇を行うなど感性や表現力を鍛える場となります。
またお年寄りとの交流は「命の教育」にも繋がります。同じ目的で、保育園と連携し赤ちゃんとの交流を計画するところもあります。
ネイティブの先生を招いた英会話の時間
イングリッシュネイティブの先生を招いて英会話の授業を行っている園 もあります。耳を通じて発音を身につけるのが大きな目的です。
単語カードを使ってゲームをしたり、英語の歌を歌ったりしています。アルファベットを勉強することもあるようです。
小学校の教育指導要領が変わり、英語の授業が始まる事に合わせて、早期からの英語教育が取り組まれているのです。
独自の教育方法を取り入れたカリキュラム
民間で研究開発された幼児教育のメソッドもあります。本来は塾などの習い事の場で行われますが幼稚園で取り入れられていることもあります。
- 七田式
- 日本で60年以上支持されている幼児教育の理論です。0歳からトレーニングを始めて、子どもの生まれ持った才能を伸ばし、豊かな人格を養うことを目指します。
- ヨコミネ式
- 「すべての子どもは天才である」という理念を持っています。他人を思いやる心、バランスのよい強靭な肉体を作る、学力の基礎を学ぶことが3つの柱になっています。
教育要素が強いことから「スパルタ式では」と懸念されていますが、本質は子どものやる気を刺激して自主性を伸ばすことにあります。
- フラッシュカード
- フラッシュカードとは、画像の記されたカードを幼児の前で高速で入れ替えることで「映像記憶」を鍛えることを目的としたものです。
人にはもともと高い記憶力が備わっているとされていますが、成長によって失われていきます。
フラッシュカードの訓練は一瞬見ただけでも情報を記憶にとどめるようになることをめざし、脳の神経細胞を刺激することを目指します。
子育て中のママへの講習会
ママ同士の交流を深めて、子育ての情報を交換し合えるようにPTAの行事がいろいろと企画されることもあります。
講師を招いた勉強会や子育ての悩みを話し合う懇談会、これらは参観日の後に設けられる場合が多いです。
また親睦を深めるためのスポーツ大会が開かれる場合もあり、保護者同士の横のつながりを大切にする傾向にあります。
講習会や親睦愛は任意の参加がほとんどで強制ではありません。ですがよそのお宅のお子さんの様子を知る機会なので、可能ならば参加してみたいですね。
山間部で始まった「森の幼稚園」
都市部では難しいですが、山間部を中心に「森の幼稚園」活動が広がりを見せています。今に無かった自然教育の実践です。
森の幼稚園では、森林や海辺、川辺、山の中が毎日の生活の場になっており、子どもたちが自主性の元に創意工夫して遊ぶことを促します。
教育の場として様々な姿を持つ幼稚園
幼稚園とは、一番最初の学校とも言える物で知能の発達を促すことを目的に、各々の方針に基づいたスケジュールが組まれています。
時間通りに過ごすことは、社会適応の上でも重要です。幼児の年齢に合わせた学習を行うことを目指して、体育、音楽、国語、算数が実践されます。
あるいは創造性を養うための新しい形の幼稚園や、オリジナルの教育方法を追及する園もあり、どんな子育てをしたいのかによって選ぶこともできるのです。