ペット飼育は本当に効果がある?子供の情操教育について考えよう
勉強などの知識を積むことももちろん大切なことですが、子供の心を育てるための情操教育も大切だと考えている親御さんは数多くいらっしゃると思います。
とりわけ、小さい頃からペットを飼うことで命の大切さを身近に感じることができるので、子供のためにペットを飼う事を検討するご家庭もあります。
しかし、情操教育のためにペットを飼うだけで本当に子供のためになるのか疑問に思う事も。そこで、情操教育の本来の意味やペットが子供に与える影響や効果についてご紹介します。
情操教育の本来の意味は何でしょうか?
皆さんは「情操教育」と聞くとどんなことをイメージしますか?
- 人や動物に優しくできる
- 生きていくために人として人間力がある
- 感情を理性的にコントロールできるようになる
- 世渡り上手になる
- 失敗してもへこたれず、また頑張れる力
ざっくり言うと、情操教育は「心を育むもの」というイメージだと思います。「情操教育とはズバリこういうこと!」という定義は特にないので、上記にあげたいくつかのイメージどれも正解だと思います。
こんな効果が期待できる!ペット飼育の良い面
まずは、ペットがいることで子供に与える影響や効果の良い点についてみていきましょう。
命の大切さが実感できる
ペットを飼うことの最大の利点は”命について知ることができる”という点です。口では「命は大切に」と言われて頭ではわかっていてもピンとはきません。その言葉の意味をより理解できる方法の1つがペット飼育です。
犬や猫に限らず、ハムスターや金魚、昆虫など多くの生き物は人間より寿命が短いので、看取る可能性が大です。
逆に一人っ子が増えたり、病院での出産が主流になった現代では、生の瞬間に立ち会う機会も減りました。しかし、飼っているペットが出産した場合、命が産まれる瞬間を目撃することになるので、子供からしたら衝撃的な出来事だと思います。
筆者も子供の頃、ハムスターを飼っていました。ある日小屋から「ニー、ニー」と小さな鳴き声がするのでそっと覗いたら何と飼っていたハムスターが赤ちゃんを産んでいたのです。
あの日のことは鮮明に覚えていますし、赤ちゃんハムスターが日々成長していくのが毎日楽しくて仕方がありませんでした。しかし、数日しか生きられなかったハムスターもいました。
ペットの世話をすることで責任感が湧く
ペットを飼う以上、食事の準備やトイレや寝床の掃除、必要であれば散歩など、毎日のお世話が必要です。
それを毎日することで、「毎日食事をやらなければペットは生きられないから自分がしっかりお世話をしないと!」など責任感が芽生えてきます。
また、ペットの世話を通じて「自分も1人で生活しているわけではない」、「生きていくには手助けしたり、してもらったりが必要」ということを徐々に感じてきます。
飼うと決めたら、まずは子供と一緒に動物について詳しく勉強しよう
色々考えたうえでペットを飼ってみようと思ったら、飼う予定の動物についてまずは子供と一緒に勉強しましょう。
本屋さんで飼い方のハウツー本や生態について書かれた本など数多く売られています。実際に飼っている人から話を聞くこともいいでしょう。
また、ケージやエサ代、予防接種代やマイクロチップ代など初期投資にどれぐらいかかるのか子供と一緒に計算機とメモを片手に計算してみましょう。ちなみに猫の場合だと、初期投資に3~5万円ほどかかります。
逆効果になる場合も!ペットを飼うにあたっての注意事項
ペットが子供に色々教えてくれて、子供にいい影響や効果はもちろんありますが、ペットを飼うときに気を付けて置かないと、子供にとって逆効果になることもあります。
日常の生活費以外の費用がかかることも考えて
ペットを飼うには普段のエサ代の他にも予防接種代や病院代、おもちゃや家具の傷み防止などの費用がかかります。
飼う主としてかけるべきお金をかけるのも責任です。「めんどくさいから」といってしなければいけないことを怠ると結果的にペットにストレスを与えることになり、ペットが不幸になってしまいます。
「子供の情操教育のために」と思うなら、ペットが健康で毎日家で暮らせるような環境を整えてあげ、それをペットが亡くなるまで維持することが大切です。
動物の治療費は結構かかります。そのとき「もう寿命なのにこれ以上お金をかけてもなぁ」と大人の事情で、子供に意見もきかずに治療を受けなかった場合、子供はどう思うでしょうか?
親も一緒にペットの世話をやりとおす覚悟を
子供に全てを任せっきりにするのはNGです。「ご飯あげる時間でしょ!?」や「大切にするって約束したよね!?」と叱るのはもっとNG。
子供は親の姿をよく見ています。親が決まった時間に食事をあげたり、定期的に掃除をしたりしている姿を見て子供もやる気になります。
子供に任せっきりにすると「ペットがいると叱られるから邪魔」など情操教育どころか、動物虐待などの逆の発想に繋がってしまう危険性があります。
ペット飼育だけが情操教育なの?いいえ!他にも方法があります
“情操教育”というとペットを飼うことをイメージする方が多いと思いますが、ペットを飼わないと情操教育にならないということはありません。
芸術に触れることも立派な情操教育
むしろ、マンションやアパートなどの賃貸でペット禁止のご家庭もありますよね。
情操教育を平たく言うと「心は育むこと」と冒頭で言いました。音楽やアートなどの芸術に触れることも立派な情操教育です。
子供と美術館や博物館、科学館、映画館などにお出かけするのもよし。おうちで工作をしたり、絵の具でお絵描きをしたりするなども効果があると思います。
手軽にできる!オススメは植物を育てること
家で実際に何かしたいのであれば、植物を種から育てることをオススメします。何でもいいですが、小さい子であれば朝顔やパンジー、ひまわりなど比較的開花しやすく、世話もしやすい植物だといいでしょう。
しかし、毎日世話をすればちゃんと育ちますし、上手くいけば枯れたあとも新たな種が出てきてまた育てることができます。こういった体験でも情操教育になると思いませんか?
情操教育は子供に合っているかがポイント
情操教育を行うにあたって大切なのが、子供本人の興味関心だと思います。
例えば、子供は昆虫のほうが好きなのに、子供の情操教育のためだからと言って、強引に犬を飼っても意味はありませんよね。
ペットが子供にいい影響をもたらすのか否かは紙一重です。他にも情操教育の方法はあるので、ペットを飼うかどうか、本当に世話ができるのか、子供も交えて家族会議でじっくり話し合ってから決めて下さいね。