簡単・美味しい・お腹にやさしい「りんごの離乳食レシピ」
秋から冬にかけて美味しくなるりんごは、種類も豊富でアレンジもきき、人気の高い果物です。大人も子どもも大好きだからこそ、赤ちゃんにも美味しさを知ってほしいですよね。
りんごは離乳食初期から使える便利な食材ですが、その一方で食物アレルギーのアレルゲンという側面も持っています。食物アレルギーを防いでお助け食材になってもらうために、上手なりんごの使い方をマスターしましょう。
この記事の目次
りんごの与え方の基本!食物アレルギーを防ぐポイント
りんごは、お腹にも優しく、味も良いので大好きという人も多いですね。保存もきき、栄養価も高く、子どものおやつとしてもとても優れた食品”りんご”ですが、実はアレルゲンでもあります。初めての与え方のコツをマスターしましょう。
りんごもアレルゲン…食物アレルギーを起こす可能性のある食品
食物アレルギーに悩む子どもが増えていると言われています。食物アレルギーは、アレルゲンと呼ばれるアレルギー物質を含む食べ物を食べると発症します。アレルゲンは人によってさまざまです。
卵・牛乳・小麦は、3大食物アレルゲンとされています。それ以外にも、いろいろな食べ物がアレルゲンになる可能性を持っていて、法律で食品に含まれていることを表示するよう義務付けられているものもあります。
表示義務がある食品は特定原材料と呼ばれており、卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かにの7品目が定められています。三大アレルゲンも含まれていますし、そばや落花生など強いアレルギー反応が出るものも含まれています。
それ以外に、特定原材料に準ずるものと呼ばれる食品が20品目指定されています。健康被害が報告されている食品で、牛肉や鶏肉、豚肉などの肉類や、いか・さばなどの魚介類、バナナやオレンジなどの果物が入ります。
りんごも、特定原材料に準ずるもののひとつです。つまり、食物アレルギーを起こす人が少なからず存在しているということですね。果物はクセがないから生でも大丈夫、と油断しないことが大切です。
【口腔アレルギー症候群】花粉症と関わるりんごのアレルギー
さらに、りんごは口腔アレルギー症候群を起こす可能性があることも、最近わかってきました。口腔アレルギー症候群とは、花粉症を持つ人などに起きる症状です。
花粉症を持つ人が、共通抗原性と呼ばれる、共通してアレルギーを引き起こすたんぱく質を含む食べ物を食べると、口の周囲にアレルギー反応が起こります。口の中や周りがかゆくなったり、ときには呼吸困難におちいることもあるそうです。
特にイチゴやモモ、サクランボなど、バラ科の植物に反応しやすいそうです。
りんごもバラ科植物のため、口腔アレルギー症候群を引き起こす可能性があります。
実は、私も、我が家の子どもも口腔アレルギー症候群です。私も子どもも花粉症を持っており、私はサクランボ、子どもはイチゴにそれぞれアレルギー反応が出ます。しかし、果物自体のアレルギー検査を行っても、反応は出ません。
口腔アレルギー症候群の場合、加熱調理するとアレルギー反応が出にくくなることも少なくないようです。私も子どもも、ジャムやコンポートなど調理済みの果物ではアレルギー反応が出ません。
ですので、離乳食でりんごを使う場合は、”加熱調理”して食べさせるという方法を取り入れていくことが安心です。
【加熱が基本!】離乳食で初めて食べさせるときの安心ポイント
りんごはアレルギーを引き起こす可能性のある食べ物です。健康に良い食べ物、特に果物だと、生で食べることが当たり前という感覚がありますよね。でも離乳食として使用する際は、加熱してから与えるようにしましょう。
りんごを食べさせてみて、アレルギー反応が出たらまずは専門医に相談しましょう。赤ちゃんの肌は弱いので、食べこぼしが少し口の周囲についただけでも赤くなることがあります。
できるだけ少しずつ口に入れ、食べこぼした際はすぐにふき取るようにしましょう。パパママがアレルギー体質だったり、赤ちゃんが他の食品でアレルギーを持っているなど、不安な場合はアレルギー専門医の診察を受けましょう。
素人判断でいろいろな食べ物を除去してしまうと、離乳食も進みませんし栄養もかたよります。食物除去は必ず専門医の指導のもとに行いましょう。
また、りんごにアレルギーがあることがわかっても、悲観することはありません。食物アレルギーの多くは、成長とともに軽減していくことが知られています。
赤ちゃんのころに反応が出たものでも、成長後は食べられるようになることもあるようです。あまり気にせず、食べられる果物を探しながら赤ちゃんの成長をのんびり待ちましょう。
初めての食品を赤ちゃんに与える時の与え方のコツ
1.りんごに限らず、初めての食品を赤ちゃんに与えるときは、体調が良い時を選びます。また何種類も一緒にトライするのではなく、すでに食べ慣れている食事に、新しい食品を1品だけプラスしていきましょう。
2.また、基本は1さじからです。いきなりたくさん食べさせることはせず、少しずつ増やしていきましょう。口のまわりが赤くなるなど、ちょっと気になった時は無理をせず、また体調が良い日に再度チャレンジします。
3.明らかにくちびるが腫れてきたり、吐き戻しや下痢などの症状が出た場合は、医師に相談しましょう。その際、アレルギー反応が出た食品を特定するためにも、新しいチャレンジは1品1さじからのスタートがおすすめです。
【離乳食初期・ゴックン期】初めて食べるりんごの離乳食レシピ
りんごは離乳食初期から与えることができる食べ物です。また、旬は秋から冬にかけてのシーズンですが、年間通して安定して手に入り、保存もきく便利な食材でもあります。
【基本の離乳食!最初の1口はこれから】基本のりんごペースト
りんごはにんじんや小松菜、かぼちゃなどと同じ、ビタミンやミネラルをおぎなう緑のグループに属します。
ただ、フルーツは糖分も高く嗜好性もある食べ物です。野菜を食べないからといって代わりに食べさせすぎると、野菜が苦手になってしまうことも。
小松菜やキャベツなど苦味がある野菜を嫌うときに、少しりんごを混ぜると食べやすくなったりします。野菜をおぎなったり、食事にいろどりをそえたり、甘味をプラスしたりと、上手に使ってメニューを豊富にしていきたいですね。
基本のりんごペースト
りんご…1個
水…適量
- りんごの皮をむいて8等分に割り、5ミリのいちょう切りにする
- テフロンの小鍋や小さなフライパンにりんごを入れる
- 少量の水を加え、蓋をしてごく弱火で加熱する
- りんごから水分が出てきたら蓋をとる
- こげないように注意しながら水分をとばす
- 粗熱をとって裏ごしする
りんごは、甘味が強く酸味が弱いものを選ぶとよいでしょう。加熱すると甘味が増すので、より食べやすくなります。なるべく新鮮なものを選びます。農薬など不安な場合は、国産のものを選びましょう。
りんごはしっかり洗い、皮をむいて与えます。りんごの皮は食べられますが、離乳食として与える場合は必ず皮をむきましょう。切ったらすぐに調理できるよう、調理器具を準備してからスタートしてくださいね。
1さじぶんのりんごを調理するのはかえって面倒なので、作りやすいりんご1個分を調理し、冷凍しておきましょう。鍋で加熱するのが面倒な場合は、耐熱皿に敷き詰めてラップをかけ、レンジでチンしても作れます。
すりりんごからペーストを作る方法もあります。りんごをすりおろしてから水分を加えてテフロンの鍋でゆっくり弱火で煮ましょう。ジャムのようなペーストになります。
少量であればレンジでチンしてもよいでしょう。ただし、りんごはすぐに色が変わってしまいます。たくさんすりおろすと途中でかなり色が変わるので、きれいな状態のペーストを作る場合は蒸し煮りんごから作った方が上手に仕上がりますよ。
初めて赤ちゃんに与える際は、基本のりんごペーストを1さじから食べさせます。アレルゲンのひとつということで、他の食材よりも慎重に与えてもよいでしょう。いつも食べ慣れているメニューにプラスして様子を見ます。
もったりしすぎているようなら、白湯かミルクで水分を補い、赤ちゃんが食べやすい固さに調整してくださいね。食べさせるときはできるだけ口の周囲にこぼれないようにし、かゆがったりぐずったりしないかチェックします。
【小松菜とりんごのペースト】小松菜嫌いを克服しよう!
緑の野菜は繊維が固く、苦味もあるのでイヤ、という子も多いですよね。基本の小松菜やキャベツで挫折してしまったときは、りんごをプラスして再チャレンジしてみましょう。
小松菜とりんごのペースト
基本のりんごペースト…小さじ1
小松菜のペースト…小さじ1
- 小松菜のペーストを用意する
- 小松菜の葉先を2枚分柔らかくゆで、よくすりつぶす
- 基本のりんごペーストを同量加える
- 水分が足りない場合はミルクを加えてのばす
どうしても苦手な場合はりんごを少し多めに、1:1からスタートします。食べてくれたら、少しずつ小松菜の割合を多くしていきます。いろいろな食材が食べられるようになってきたら、にんじんやかぼちゃ、卵とも合わせ、小松菜に慣れさせていきましょう。
【鯛のりんご和え】パサパサして食べにくい白身魚を美味しく!
たんぱく質も、赤ちゃんにとってはとても大切な栄養です。でも、最初にトライする白身魚はとてもパサパサしているので、食感の違いから食べてくれないこともあります。そんなときは、りんごペーストに助けてもらいましょう。
鯛のりんご和え
鯛のお刺身用切り身…1切れ
基本のりんごペースト…小さじ1
- 鯛はお湯でしっかりゆで、細かくほぐしてする
- 基本のりんごペーストに鯛のほぐしを加える
- よく練りあわせる
鯛の身の食感に慣れるように、りんごで食べられるようになったらにんじんペーストやさつまいもペーストとも合わせてみましょう。レシピの幅も広がり、栄養のかたよりもなくなりますよ。
【離乳食中期・モグモグ期】便秘のお腹に嬉しい!りんごレシピ
離乳食中期に入ると、母乳やミルクにくらべて離乳食の比重がどんどん高くなってきます。それと同時にやってくるのが、便秘の不安です。また中だるみなど、さまざまな悩みも出てくる頃です。
【基本の蒸し煮りんご】ペースト状から一歩進んでモグモグ期に
離乳食中期に進み、りんごにも慣れてアレルギー反応も出ないようであれば、りんごペーストから一歩進化させてみましょう。基本の蒸し煮りんごを作ります。
基本の蒸し煮りんご
りんご…1個
水…適量
- りんごの皮をむいて8等分に割り、5ミリのいちょう切りにする
- テフロンの小鍋や小さなフライパンにりんごを入れる
- 少量の水を加え、蓋をしてごく弱火で加熱する
- りんごから水分が出てきたら蓋をとる
- こげないように注意しながら水分をとばす
- 粗熱をとる
作り方はりんごペーストと変わりません。ただ、蒸し煮にしたあと裏ごしせずに、そのまま使います。食べさせるときにフォークの背で軽くつぶして食べやすい大きさにカットしてあげましょう。
冷凍保存もそのままできます。いちょう切りの蒸し煮りんごの状態で、1回分ずつまとめて冷凍しておきましょう。やはり1個分作っておくと、手間もかからず便利ですよ。
【アップルキャロットヨーグルト】便秘が気になる赤ちゃんに
りんごは食物繊維を豊富に含んでいます。お腹にやさしい、お腹の健康におすすめの食材と言われています。医者いらず、と呼ばれるほど栄養価の高い果物です。
一方、離乳食中期の赤ちゃんをもつママの悩みのひとつが便秘ですよね。離乳食が進みミルクや母乳を飲む量が少なくなったことや、離乳食の量が足りていない、腸の発達が追い付かないなど、いろいろな理由で便秘になりやすいのです。
また、まだハイハイやあんよが上手にできないため、運動不足で便秘につながっていることも。成長とともにうんちもしっかり出るようになってきますが、一時のこととはいえ気になりますよね。
そこで、赤ちゃんの便秘解消におすすめしたい離乳食をご紹介します。
アップルキャロットヨーグルト
プレーンヨーグルト…大さじ2
基本のりんご蒸し煮…小さじ1
にんじんすりおろし…小さじ1
- にんじんのすりおろしに倍量の水を加えて柔らかくなるまで加熱する。
- 水分が半分に飛んだらりんごを加えて軽く熱する
- 粗熱をとり、冷蔵庫で冷やす
- 食べる時にプレーンヨーグルトに彩りよく加える
加熱すると、りんごもにんじんも甘くなります。オレンジ色がキレイなヨーグルトで、お腹に元気をプラスしましょう。
【キャベツとささみのりんごサラダ】野菜もタンパクもモグモグ!
なかなか離乳食が進まない、何品も作るのが面倒…そんな時は、いろいろ入ったサラダとおかゆでボリュームを出しましょう。
キャベツとささみのりんごサラダ
キャベツ…みじん切り大さじ1
ささみ…ゆでてほぐしたもの小さじ1
基本のりんご蒸し煮…小さじ1
- キャベツはみじん切りにしたものを柔らかくなるまでゆでる
- ささみはゆでてほぐしたものを1回分ずつ冷凍しておくと便利
- 基本のりんご蒸し煮に少しミルクを加え、ざっとフォークでつぶす
- まずりんご蒸し煮とささみを和える
- キャベツを加えて混ぜる
やはりパサパサして食べにくいささみと、苦手な子も多いキャベツも、りんごのねっとり食感と甘味で食べやすくなります。
【離乳食後期・カミカミ期】魅力的なメニューで遊び食べ防止!
離乳食後期に入ると、赤ちゃんも3食しっかり食べるようになってきます。それと同時に出てくるのが、手づかみ食べや遊び食べといったお悩みですね。解決メニューをご紹介します。
【基本の蒸し煮りんご】カミカミ期は食感を残してしっかり味わう
この時期になったら、基本の蒸し煮りんごの作り方も少し変えていきましょう。やはりりんご1個分をまとめて作ると便利です。これまで5ミリ厚さのいちょう切りにカットしていましたが、この時期からは1センチの角切りにしましょう。
基本の角切り蒸し煮りんご
りんご…1個
水…適量
- りんごの皮をむいて8等分に割り、1センチの角切りにする
- テフロンの小鍋や小さなフライパンにりんごを入れる
- 少量の水を加え、蓋をしてごく弱火で加熱する
- りんごから水分が出てきたら蓋をとる
- こげないように注意しながら水分をとばす
- 粗熱をとる
冷凍保存も可能です。多少シャキシャキっとした食感が残り、食べごたえあるりんごになりますよ。子供もこの頃になると指で上手につまんで食べることができるようになっているので、手づかみ食べの練習にもなりますね!
【りんごとかぼちゃのサンドウィッチ】手で食べられるメニュー!
この時期に入ると、赤ちゃんもやる気が出て自分で食べ物を口に入れたがるようになります。手づかみ食べは大切な発達の過程なので、手づかみ食べできるメニューを作り、自主性を育ててあげましょう。
りんごとかぼちゃのサンドウィッチ
蒸してつぶしたかぼちゃ…大さじ2
基本の角切り蒸し煮りんご…大さじ1
サンドウィッチ用食パン…1枚
- サンドウィッチ用食パンを掴みやすい大きさに切り、軽くトーストしておく
- かぼちゃは蒸すかレンジでチンして柔らかく加熱し、フォークの背でつぶす
- 水分が足りない場合はミルクを加えて少し練る
- 角切り蒸し煮りんごを加えてディップ状にする
- 食パンに塗り、もう1枚のパンで挟んでサンドウィッチを作る
かぼちゃの甘さの中に、りんごのさわやかな酸味とさくっとした歯ごたえが楽しめます。手づかみで食べられて、栄養満点ですよ。
【りんごのゼリー】お楽しみメニューで、さっと食べ終える
食べる量が増えてくると、食事に時間がかかり、嫌いな食材の日などは飽きて遊び食べをするようにもなってきます。そこで、短時間で食べ終えることができるよう、お楽しみメニューもプラスしてみましょう。
デザートなので赤ちゃんはとても喜んでくれると思います。
りんごのゼリー
プレーンヨーグルト…大さじ1
粉ミルク…大さじ2
水…150㏄
粉寒天…1g
基本の角切り蒸し煮りんご…大さじ2
- 水に粉寒天を加えて火にかけ、よく混ぜる
- プレーンヨーグルトをなめらかに混ぜる
- 寒天がしっかりとけたら火からおろして粗熱をとる
- ヨーグルト・ミルク・基本の角切り蒸し煮りんごを加え、よく混ぜる
- グラスなどに入れて冷やし固める
寒天を煮溶かす水分量は、パッケージの表示に従って変えてくださいね。また、ヨーグルトやミルクに直接寒天を溶かすと、上手に固められないことがあります。必ず水だけで寒天を煮溶かしてから、加えてください。
甘酸っぱい!美味しいりんごで離乳食をスムーズに進めよう
離乳食でりんごを与える場合は、必ず加熱したものからスタートしましょう。できれば1歳くらいまでは加熱したりんごを食べさせると安心です。生のりんごは様子を見ながら、1歳過ぎから与えてくださいね。
りんごは、デザートはもちろん工夫ひとつで赤ちゃんが食べにくい食材も美味しくアレンジしてくれる優秀な食材です。
ペーストと角切りなど、食感の違いも楽しみながらいろいろなメニューにチャレンジしてみましょう。
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