母子手帳に、妊婦自身の記録を書き込む方法と使い方
妊娠判明後、すぐにはもらえない母子手帳。「無事に母子手帳をもらうところまでやってきた!」嬉しい瞬間ですよね。
妊娠中の母子手帳の使い方や書き方をご紹介します。
交付後すぐに記入すべきところ
まず、母子手帳を交付されたらすぐに記入しておくべき場所をチェックしておきましょう。
まず「表紙」を記入!保護者の名前の書き方
まずは母子手帳の表紙に、「保護者の氏名」をふりがなと共に記入します。
原則必要な名前は母親の名前ですが、スペースがある場合は、父親の名前も一緒に記入しても良いですよ。
- 入籍前に母子手帳を書く必要がある場合
- いずれ入籍する予定がある場合も、現状の氏名を書く必要があります。
自治体によっては表紙の氏名を書いてくれるところもありますが、旧姓になることがわかっている姓を、長年使う母子手帳に記載されたくないこともありますよね。
近々姓が変わる予定があるなら、「もうすぐ入籍をする」ということを窓口で申し出てみましょう。
姓の部分に剥がせるシールを貼った上で現在の姓を記入できるようにしてもらえたり、姓部分はえんぴつ書きにしてくれたりと、対応を取ってもらえますよ。自分自身で記入する際も、当面えんぴつ書きで良いかなど、確認をとっておくと良いですね。
尚、姓が変わった時点で再度手続きが必要となることを必ず覚えておきましょう。
健康状態にプラスして、「流産」や「中絶」の経験についても記載が必須
母親の健康状態を書く欄には、今までに流産や中絶の経験があるかどうかを記入するところがあります。
流産や中絶は女性にとって辛い経験です。そのため、正直に書くことがはばかられることもあるでしょう。
特に、現在のパートナーとの間の経験ではない場合は、より書きづらいことです。
しかし、これからの妊娠の経過を診察していくにあたり、流産や中絶の経験の有無は医師に正しく伝えておかなくてはなりません。
職業と環境も正直に記載する必要がある理由
職業や職場の環境についても記入する欄があります。「職業」には、大まかに仕事内容がわかるような職業名を記入します。
正社員なのか、フルタイムでのパートなのか、短時間のアルバイトなのかという雇用体系についても合わせて記入しておくと、医師が把握できるためよいですよ。
「職場環境」には、職場の現状について記入します。
- 立ち仕事である
- たばこの煙がひどい環境下である
- ストレスが多い職場である
- 時間外労働の有無や多さ(残業が月に○時間)
- 重いものを運ぶ業務内容がある
- 特別に暑い場所・寒い場所での勤務がある
このように、特別に伝えておくべき内容を記入しましょう。
医師の判断や妊娠経過状況によっては、職場側に配慮を申し出なければならないこともあるため、正直に記入しておきましょう。
合わせて、自宅の環境についても記入します。
「住居の種類」は、戸建てなのか集合住宅なのか、何階建てで階段なのか、エレベーターなのかなどを、母子手帳の書式に従って記入します。
騒音・日当たりについても記入します。これは、妊婦のストレス環境、産後の育児環境の把握のために必要な情報となります。
母子手帳をもらってきたら、できるだけ早めに書いておきましょう!
妊娠~出産についての記録を記入(医師)
妊娠届出書を出し、母子手帳をもらってきたあと、母子手帳は妊婦健診の際には必ず産婦人科に提出することになります。
母子手帳と共に交付される「妊婦健康診査受診票」とともに、窓口に提出しましょうね。
妊婦健診の結果を、医師が受診票と母子手帳の所定のページに記入してくれますよ。
毎回健診の際に記入!「妊娠中の経過ページ」
母子手帳の「妊娠中の経過」のページは、妊婦健診のたびに結果を医師が記入していくページとなります。
毎回書かれる内容は、主に以下のものとなります。
- 診察月日
- 妊娠週数
- 子宮底長
- 腹囲
- 血圧
- 浮腫
- 尿タンパク
- 尿糖
- 体重
その他、必要に応じて記入される内容には、以下のものがあります。
検査の記録
母子手帳によっては、「妊娠中の経過」とは別に「検査の記録」というページを設けているものがあります。
こちらには、検査項目が事前に記されており、検査年月日や備考を記せるようになっています。
主に妊娠初期の健診の際に受ける検査内容を、医師が記入するページとなります。
妊娠中と産後の歯の状態も書き込んでもらう必要あり!
母子手帳には、「妊娠中と産後の歯の状態」を記入するページがあります。
母子手帳を交付してもらう際に、「妊婦歯科検診」の助成券を配布したり、自治体側で健診を設けていたりするところも多いです。
このページは、その妊婦歯科検診に訪れた際に、歯科医師に記入してもらうページとなります。
妊娠中は、つわり時に歯みがきが満足にできないことがある・カルシウムが不足するなどして、歯にダメージを受けやすい状況下にあります。
特に自治体側が健診を設けていない場合も、安定期の間に1度歯科医で検診を受けておくと安心ですね。
妊娠中の経過を記入(妊婦さん自身)
母子手帳には、妊婦自身が記録を残しておくページがあります。まず、記入欄が設けられている内容は以下の通り。
- 最終月経開始日
- 初診日
- 胎動を感じた日
- 分娩予定日
また、母子手帳によって、ページ数やスペースに増減はありますが、「妊婦自身の記録」を記入できるページを設けている母子手帳もあります。
母子手帳を、簡単な「マタニティ日記」として活用することができますよ!
スペースが多いとたくさん書き込むことができます!フリースペースの使い方は自由です。以下のような内容を書き込んでみてはいかがでしょうか。
「妊娠判明時、どう思った?」夫婦の気持ちを書き残そう
妊娠がわかったときの言葉にならない嬉しさや、「正直、不安でいっぱいになってしまった…」という不安感など、正直な気持ちを書き残しておくことをオススメします。
「喉元過ぎると…」と言われるとおり、最初に抱いた気持ちは、忙しさに負けて忘れ去られてしまいがち。
書き残しておくことには、出産後、育児ストレスがいっぱいになってしまったときに読み返せるメリットがあります。
「ああ、こういう気持ちだったんだな」と初心に返れるきっかけになります。
その際、ママだけで記入するのではなく、ぜひパパにも書いてもらえるよう促してみることもおすすめです。
「つわりが辛かった…」妊娠期の不調もよい記録に
妊婦によっては、妊娠期にマイナートラブルに苦しむ人も多いです。
また体調面ではなく、メンタル面での不調を抱えるママもいるでしょう。
不安でいっぱいになっているときには、その不安を文字にして書き記すことで、気持ちの整理ができることもあります。
こうした妊娠中の不調についても、ありのままを記入しておくと、振り返ったときによい記録になりますよ。
「痛くて目が覚めた!」胎動についても書き残そう
安定期頃から感じ始める人が増える「胎動」
こちらについても、感じ始めた時期だけではなく、「どんな風に動いていたか」、「どういうときに感じていたか」など、具体的に書き残しておくことをオススメします。
赤ちゃんが大きくなっていくにつれて、感じる胎動の雰囲気には変化がみられるものです。書き残しておくことで、変化の様子を振り返ることもできますね。
「音楽を聴いていたらものすごく動く」、「夜寝ているときに思い切り蹴られて、思わず目が覚めた」など、具体的に書いておくと、懐かしい記録になります。
赤ちゃんが成長したのちに、「おなかにいたときにはこんな風だったんだよ」と見せながら話すこともできますね。
赤ちゃんへの手紙のように…パパ&ママの気持ちを書いてみよう
おなかの赤ちゃんに対する気持ちを書いておくこともオススメです。
- 「やさしい子に育って欲しいなあ」
- 「早く会いたいよ」
- 「生まれてきたらこういうことをしたいね」
こちらも、ぜひママだけではなくパパにも書いて欲しいところ。
「パパは、あなたが大きくなったら一緒に釣りに行きたいって言っているよ」など、聞き出した内容を書いておくと、パパがどう思っていたかも残しておくことができますね。
また、おなかの中の赤ちゃんに、「胎児ネーム」として呼び名をつけているママ&パパもいるでしょう。
その胎児ネームも書き残しておくと、あとから「ああ、この名前で呼びかけていたなあ!」と思い出すことができますよ。
赤ちゃんの名前、どうする?名づけの記録もよい思い出に
赤ちゃんの名づけ、難しいですよね。こだわりすぎて、「わけがわからなくなってしまった!」と嬉しい悲鳴を上げているママ&パパもいるのではないでしょうか。
実際に決まった名前だけではなく、決定に至るまでの候補も書き残しておくと、よい思い出になりますよ。
成長した子どもに見せて、「えー、こんな名前になるかもしれなかったの?」と会話する機会がやってくることも楽しみですよね。
妊娠期の記録は、大切な「最初の育児記録」
ささいなことでも書き残しておくと、あとで振り返ったときに「最初の育児記録」として思い出せる、貴重な記録になるでしょう。
2017年1月に、「子どもが20歳になるまで」使える母子手帳が作製されました。自治体購入・個人購入ともに可能なため、お持ちの方もいるでしょう。
20歳までの記録を残せる母子手帳。なおさら妊娠中からしっかり記録を書き留めておきたいですね!
もし個人で購入したい場合、価格は1部400円。お問い合わせ先は一般社団法人「親子健康手帳普及協会」(080-2371-0977)です。
母親学級やマタニティイベント参加の記録も残せる
母子手帳には、自治体や産婦人科が行なう「母親学級」や「両親学級」、企業などが開催している「マタニティイベント」に参加した際の記録を残しておけるページもあります。
あとで振り返ったときに、「あんなイベントに参加したなあ」という思い出になります。
アイディアいろいろ!母子手帳の活用法
母子手帳には、どのような活用法があるのでしょうか。チェックして、ぜひ有効利用してくださいね!
色々な情報が含まれているので先に産後の予習ができる
母子手帳には、育児書に書かれているような便利な情報がギュギュッと詰まっていること、ご存じですか?
育児中に起きやすい赤ちゃんの事故についてや、離乳食に関する情報など、事前に一読しておくと、産後のイメージをもつことができますよ。
旅行先などでいつもの産院とは別の産院にかかることになっても、今までの記録があるので安心
妊娠中は、いつどこで体調が急変するかわからないものです。
「安定期で経過が良好だから旅行を計画したけれど、旅先で急に体調が悪化した…」ということも起こりうるのです。
そうした「自宅から離れたところで病院に行くことになったとき」にも、母子手帳があれば、医師がすぐにこれまでの経過を確認することができます。
忘れずにいつでも携帯しておくことが大切ですね。
ほかの科にかかる時にも治療法などを考えてもらえる
妊娠中は、薬の処方や治療法などを考慮しなくてはならないことも多いものです。
産婦人科以外の病院にかかる際も、母子手帳は持参しておくと安心ですね。
エコー画像やお守りを入れておく
母子手帳には、透明のビニールカバーがつけられていることが多いです。
そのカバーの折り返し部分に、健診の際にもらったエコー画像や、安産のお守りなどを入れておくこともできますよ。
お守りは常に持ち歩きたいものですので、同じく常に持ち歩く母子手帳に入れておくと便利ですよね。
健診時に「質問したい内容」メモを入れておく
「次の妊婦健診で先生にきこう!」と思っていても、いざ診察室に入ると、スピーディーに診察が進んでしまい、「きき損ねてしまった…」という経験をしたことのある方もいるのではないでしょうか。
事前に質問事項をメモ書きにしたものを母子手帳に挟み込んでおくと、質問をし忘れることを防止できます。
特に健診の間隔が空く妊娠中期は、次の健診までの期間が長くなるため、ききたいことは忘れずにきいておきたいものですよね。
母子手帳をもらったら、肌身離さず持ち歩こう!
母子手帳は、妊娠中のママの健康の情報が詰まっている大切なものです。
そのため、妊婦健診日以外のときにも、常にカバンに入れて持ち歩く習慣を身につけておきましょう。
万一、外出先で体調が急に悪化したり、事故に遭ったりした場合に、母子手帳は母子の命を救う大事な情報源となります。
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