赤ちゃんの口臭の原因と対策を知って、体調管理に役立てよう!
ママやパパにとって、愛する赤ちゃんの匂いはとっても心地よく愛おしいもの。でもそのはずの赤ちゃんのお口から、いつもとは違う不快なニオイ…これって口臭!?
言葉を話せない赤ちゃんにとって、口臭はおうちの方にSOSを出す方法のひとつになり得ます。赤ちゃんの口臭に関する正しい知識を知って、体調管理に役立てましょう!
気を付けたいのは、不快と感じる臭いがした時!
本来、人間の口には必ず何らかの匂いが存在します。その匂いの中で、不快に感じるようなものの場合を口臭と呼びます。
母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんのお口からは、甘い、もしくは甘酸っぱいような匂いがしますよね。このような不快でない匂いは、口臭とは呼びません。
口臭とは、主にアンモニアや硫黄化合物が原因の腐敗臭です。病院で行われる口臭の検査には、30cn程度離れてもこの臭いが感じられる場合に口臭と判断するものもあります。
腐敗臭とは具体的に、「酸っぱい」「カビ臭い」「生臭い」などと表現されるような匂いと言えるでしょう。
病的口臭は治療やケアが必要!生理的口臭もおうちケアで改善
口臭には、外因的口臭、生理的口臭、病的口臭の3種類があります。
- 外因的口臭
- 匂いの強い食べ物やアルコール・タバコを摂取したことで起こる口臭で、赤ちゃんの時期にこの口臭が起こることは少ないでしょう。もし起きたとしても、食べ物が消化されるまでの一時的なものなので心配は不要です。
- 生理的口臭
- 寝起きや空腹時、緊張している時に唾液の量が減ることで起こる口臭で、こちらも誰にでも起こり得る、治療の必要がないものです。時間の経過や水分摂取によって改善します。
- 病的口臭
- 虫歯や歯周病など口腔内の病気、もしくは内臓疾患などの症状として起こる口臭のことです。家庭でのケアに加え、病院での治療が必要となります。
生理的口臭の原因とおうちケア!
生理的口臭は、以下のようなことが原因で起こります。
- 口呼吸:鼻詰まりや鼻炎・蓄膿症などで鼻呼吸ができなくなったり、口呼吸が癖になってしまったりすることで、口内が乾燥する
- 寝起き、空腹時:唾液分泌が抑制されるタイミングなので、口内が乾燥しやすい
- 風邪などによる発熱:口内温度が上がり唾液分泌が抑制されるが、体調が戻れば口臭もなくなる。発熱を疑うきっかけになり得る。
- ストレス:ストレスを感じると唾液の分泌が抑制される
- 口内を洗浄し過ぎ:唾液を洗い流してしまい、かえって唾液不足に陥っている可能性が…
【唾液不足】5つの原因をチェックし対策を!
唾液が少なくなると、自浄作用や殺菌・抗菌作用が得られなくなり、雑菌が繁殖して口臭が発生してしまいます。
- 口呼吸による唾液の不足
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鼻づまりを解消し、口呼吸をやめさせてあげましょう。
- 入浴や蒸しタオルで血流を良くすると共に、鼻腔に湿気を与える
- 吸引器で鼻水を吸い出す
- 根菜など、体を温める食材を食べる
- 小児科や耳鼻科での鼻水吸引や、薬の処方
▼赤ちゃんの鼻水の対処法についてはコチラも参考にしてみて!
もし口呼吸が癖になっているようなら、鼻呼吸に戻してあげる必要があります。赤ちゃんが自力で戻すことは難しいので、おうちの方が対策を取ってあげてくださいね。
▼子供の口呼吸についてはコチラも参考にしてみて!
- 寝起き、空腹時
- 寝起きや空腹時の口臭は誰にでも起こり得るものです。水分を摂って、お口の中を潤わせるようにしましょう。
- 風邪などで発熱している
- 口内の温度が上がると唾液の分泌が抑制され、口臭がすることがあります。
これは逆に、口から普段と違う臭いがした時に、発熱を疑うきっかけになり得るということです。
お子さんの口臭を感じたら、「ゾクゾクしない?」「喉が痛いんじゃない?」などと尋ねてみましょう。もともと発熱時は水分不足に陥りがちなので、意識的に水分補給をして口臭を改善しましょう。 体調が戻れば、自然と口臭もなくなるはずです。
- ストレス
- ストレスによって唾液の分泌が抑えられることが分かっています。水分摂取により一時的に改善はしますが、お子さんがストレスのかかる環境下にないかどうかを確認する必要があります。
- 口内を洗浄し過ぎている
- 口臭が気になるからと言って、マウスウォッシュなどで口をすすぎ過ぎるのも良くありません。唾液を洗い流してしまい、かえって唾液不足による口臭を引き起こしてしまいます。
薬剤を使ったうがいはほどほどにして、水や麦茶の摂取に切り替えましょう。
唾液を増やすのに有効な方法の例
- こまめな水分補給
- こまめに水分を摂取し、お口の中が乾燥しないように気を付けてあげましょう。授乳や離乳食の後に湯冷ましを飲ませると、口内の汚れを洗い流すこともでき一石二鳥です。
- ダラダラ食べをやめる
- お口の中を清潔に保つため、食事やおやつをダラダラと食べることは避け、時間を決めて食べるようにしましょう。
- よく噛んで食べる習慣をつける
- 噛む回数が少ないと、唾液の分泌が促されなくなってしまいます。月齢に合わせた適度な硬さの離乳食をあげましょう。
【口腔ケア不足】歯磨き・お口ケアをしっかりと!
母乳やミルク、離乳食のカスが口中に残っていると、そこに細菌が繁殖し、異臭がすることがあります。食後の歯磨きをしっかりと行ってください。
お子さんに歯ブラシを持たせるだけでなく、必ずおうちの方による仕上げ磨きをしましょう。歯間ブラシ・フロスでのケアも有効です。
食べカスの汚れは歯につくイメージがあるので、歯が生える前なら大丈夫なのでは?と思ってしまいますが、実は舌にも「舌苔(ぜったい)」という白っぽい汚れが着くのです。
赤ちゃんの舌の表面が白くなっていたら、濡らしたガーゼで優しく拭って綺麗にしてあげましょう。
病的口臭の原因とケア・治療法
病的口臭は、以下のような疾患が原因で起こります。
- 虫歯・歯周病:虫歯菌が放つ独特の臭いが、口臭の原因に
- 便秘:便秘により発生した腸内ガスが血液に乗って、呼気と共に排出され口臭になる
- 内臓疾患:内臓の病気により体内に臭いを持つガスが発生したり、臭いを抑える機能が低下したりして、口臭がする
- 病院に行くべきケースは?
- この記事でご紹介している口臭対策を実践してみても口臭が変わらず続く場合には、既に虫歯や歯周病になってしまっている可能性や、何らかの病気が原因になっている可能性があります。
虫歯や、口臭そのものの相談であれば、歯医者さんや口臭外来で診察を受けましょう。口臭以外に発熱、顔色が悪い、元気がないなどの症状がある時は、小児科を受診する必要もあります。
【虫歯・歯周病】歯磨きで予防、歯医者で治療!
口腔ケア不足が続くと虫歯や歯周病になり、口臭の原因となることがあります。実は病的口臭の原因のほとんどが、虫歯や歯周病など口腔内の疾患です。
この場合、心配すべきは口臭よりも歯の健康。永久歯の成長に影響を及ぼし兼ねないので、歯医者さんで診察と治療を受けましょう。
虫歯というと黒いイメージがありますが、初期の虫歯は白っぽく変色するので、毎日赤ちゃんの歯の色をチェックしてあげてくださいね。
また虫歯の予防は、口臭の改善とほぼ同じと考えて差し支えありません。口内の清潔を保つようにするのが一番です。
赤ちゃんの時期からこういったケアをしてあげることは、赤ちゃんがお口のケアに慣れ、ゆくゆくの歯磨き習慣へと繋がって行くことにもなるので、とても大切です。
- 「口臭=虫歯菌」ではない!
- 赤ちゃんから口臭がした時に「もしかして虫歯菌が移ってしまったんじゃないか」と心配される方がたくさんいらっしゃいます。赤ちゃんに虫歯菌が感染しないよう日頃から気を付けている親御さんにとってはショックですよね。
でも、これまでに挙げてきたように、虫歯や歯周病が原因でないケースもたくさんあります。口臭がしたからと言って、赤ちゃんのお口に必ずしも虫歯菌が感染してしまっているわけではないので、必要以上に心配せず、赤ちゃんの様子を観察してじっくりと原因を探りましょう。
【便秘】おうちケアでもダメなら受診を!
赤ちゃんの便秘は、口臭以外にも心配なことがたくさんですよね。水分摂取やマッサージ、綿棒浣腸などの改善法を試して、それでもダメならお医者さんに相談しましょう。
▼赤ちゃんの便秘の原因と解消方法についてはコチラも参考にしてみて!
【内臓疾患】口臭以外に症状がなく元気なら心配無用!
内臓疾患が原因で口臭がする、という話も聞きますよね。そんなことを言われると心配になってしまいますが、実は口臭の中で、内臓疾患が原因のものは全体の10%ほどです。
もし内臓疾患にかかっているとしたら、口臭以外にもっと重篤な症状が現れているはずです。口臭以外に異常がなく元気であれば、内臓疾患が原因ということはまずないので安心してくださいね。
赤ちゃんの口臭は健康のバロメーター
おうちの方が赤ちゃんのお世話をするときは、赤ちゃんとの距離が近い分、他人よりも口臭に敏感に気付けることでしょう。
しかし、お子さんの健康を心配するあまり、必要以上にお子さんの口臭を気にして改善しようと頑張ってしまう親御さんもいらっしゃいます。本当に改善が必要なレベルなのかどうかを見極めて対応しましょう。
赤ちゃんの時期は、口臭を周囲へのエチケットとして気にするのではなく、体の不調に気付くためのツールだと考えれば大丈夫です。
正しい知識と日頃のチェックで、口臭を赤ちゃんの体調管理に役立てましょう!
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