子宮外妊娠の完全な予防は不可能…リスクを上げないための心得

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2017/09/04

子宮外妊娠にならないためにどうすればいいかを考えている女性

妊娠を希望する女性にとって他人事ではないのが子宮外妊娠です。

出来れば事前に予防をしたいと考える人は少なくないと思いますが、子宮外妊娠を完全に予防することは事実上不可能です。

しかし、子宮外妊娠のリスクが上がる要因は解明されています。リスクマネジメントを行うことで、子宮外妊娠の予防に繋げましょう。

そこで今回は、子宮外妊娠のリスクを上げないために心得ておくべきポイントについてまとめました。

子宮外妊娠のリスク対策…予防法に繋げよう

全ての妊婦さんの中で、子宮外妊娠が生じる確率は約1%程度と言われていますが、母体の条件や既往歴などによって、子宮外妊娠のリスクが高い人と低い人とがいます。

▼子宮外妊娠の原因や確率についてはコチラも参考にしてみて!

子宮外妊娠の完全な予防は現在の医学では不可能ですが、子宮外妊娠になりやすい傾向の人、リスクを高くする要因については明らかになっています。

子宮外妊娠のリスクの中には対応できない仕方のない事もありますが、中にはリスク管理することが出来るものもあります。

実践できるリスク対応を行うことが、間接的に子宮外妊娠の予防策となると言えるでしょう。

  • 開腹手術歴がある
  • 子宮外妊娠の経験がある
  • 性感染症
  • 経産婦、高齢出産、不妊治療
  • タバコ

これらは子宮外妊娠のリスクのうち、私たちが対応策を講じられる物です。リスク別にひとつずつ詳しく見ていきましょう。

開腹手術歴がある人は子宮卵管造影検査がおすすめ

妊娠を望む時点で開腹手術歴があるのならば、産婦人科のある病院で子宮卵管造影検査を受けることで、卵管に癒着やつまりがないかどうかを調べることが出来ます。

子宮卵管造影検査を受けると卵管の詰まりや狭窄部の確認だけでなく、子宮と卵巣組織を総合的に検査できるので、子宮外妊娠が起こりやすいかどうか事前に把握することができます。

開腹手術歴は子宮外妊娠のリスクを高める

様々な理由で外科手術の経験のある人は少なくないと思いますが、一度でもお腹を切ることで内臓は少なからず空気に触れたことがある状態となり、腹腔内の組織同士がくっつきやすくなるため癒着が起こりやすくなります。

開腹手術を受けると約90%の確率で癒着が起きるとも言われており、癒着部分によっては卵管が狭くなることも起こり得るため、子宮外妊娠が起こりやすくなるリスクとなります。

そのため、帝王切開や虫垂炎(盲腸)など何らかの理由で開腹手術を受けた経験のある人は、ない人よりも子宮外妊娠を起こしやすいと言えます。

子宮外妊娠経験者は医師と相談を

過去に1度でも子宮外妊娠をしたことがある人は、約10%の確率で再び子宮外妊娠が起きてしまうとされています。

子宮外妊娠の外科的治療法には、卵管切除手術をして卵管摘出し根治手術する方法と、卵管を残す卵管保存手術(卵管温存手術ともいう)という治療方法がありますが、保存的治療法のほうが再発率は高いです。

子宮外妊娠経験者も、先述のような子宮卵管造影検査によって、卵管の所見を確認しておくことが出来ます。

子宮の粘膜に傷がある場合もリスク上昇

子宮外妊娠は、先述の開腹手術歴の他、子宮外妊娠の治療での手術や人工妊娠中絶、帝王切開などで子宮の粘膜が傷付いていると起こりやすくなります。

帝王切開など病気の治療によるものは仕方のないことですが、で人工妊娠中絶は自分の注意で避けられるリスクですので、倫理的な意味以外でも自分の身を守るために注意して過ごすようにしましょう。

不安な点がある場合、前回の子宮外妊娠からの経過期間などを振り返りながら、家族計画について医師が相談に乗ってくれます。

専門家の立場からのアドバイスや意見を真摯に聞くことも大切です。しっかりと体と心を休ませてから家族計画を前向きに検討するようにできると良いでしょう。

性感染症予防は様々な面で必要なリスク管理

性感染症のリスク管理は、子宮外妊娠だけでなく自分自身の健康管理のためにも必要なことです。

  • 不特定多数の人とは性交しない。
  • 性交時にはコンドームを正しく装着する。
  • パートナーと話し合い性感染症などの検査を受けておく。

これらの基本的な事を守れば、性感染症の予防だけでなく、結果的に子宮外妊娠の予防にもつながります。

性感染症は卵管に悪影響を残す可能性

クラミジア、淋病などの性病が原因で卵管炎などになり、子宮外妊娠が起こりやすくなることがあります。

クラミジア感染症によるものは代表的で、感染によって卵管内部の粘膜部分が癒着して狭くなってしまったり、卵管の周囲が癒着し受精卵が通りにくくなることがあります。

性感染症を放置しておくと、その菌による炎症が骨盤内にまで広がる可能性がありますので、妊娠を希望する場合は一度検査を受けておくことをおすすめします。

経産婦、高齢出産、不妊治療は予防困難…全て早めに動くこと

40歳以上の高齢での妊娠の場合、10代の人と比べて発生確率が約3倍になります。また、子宮外妊娠の全体の件数のうちおおよそ8割は二人目以降の経産婦です。

経産婦の場合、前回の妊娠から期間が空いているほど子宮外妊娠の発症の確率は上がります。

高齢での妊娠の場合と前回から年数が経った妊娠を予防することは出来ませんが、妊娠を疑った時点で出来るだけ早く病院へ行き、検査を受ければ、万が一の際に早期の治療を受けることが出来ます。

体外受精などの生殖補助医療リスクにも留意して

また、子宮外妊娠の原因として不妊治療で行われる体外受精などの生殖補助医療も考えられます。

体の外で受精させた受精卵を体内に戻す時、子宮体部を通り越して卵管に受精卵が行ってしまったり、その手前の子宮頸部という部分に着床してしまうことによるものが考えられるからです。

人工授精には子宮外妊娠のリスクが高まる要素があることを認識し、事前に担当医と納得がいくまで話し合い、準備を万全にしたうえで治療に臨むようにしましょう。

喫煙は絨毛の動きに影響あり

妊娠すると喫煙を制限され完全禁煙とすることはよく知られていますが、タバコのニコチンは、卵管の表面を覆っており受精卵を子宮へ送る働きを担う「絨毛」の運動を妨げるとされています。

そのことから、自身の禁煙だけでなくパートナーなどからの受動喫煙を避けることで、子宮外妊娠の予防効果があるとされています。

子宮外妊娠の完全予防は困難…早めに動くことでリスクカバー

ここまで見てきた子宮外妊娠のリスクの中には、リスクそのものを減らす対処が出来るものと、リスク自体は変わらない中でいかに自分が動くかが大切だというものとがありました。

上述のように、卵管や子宮などの生殖器官にに異常が出ること以外にも、生まれつき卵管に受精卵がとどまってしまいやすい体質などメカニズムが明らかになっていない子宮外妊娠もあります。

そのため、子宮外妊娠を完全に予防するこは現代の医学では不可能であるのが現状です。

しかし、明らかに自身で実践できるリスクマネジメントは行い、リスクを知った上で行動をするように心がけることで、子宮外妊娠の間接的な予防やカバーにつながります。

子宮外妊娠のリスクについての認識を正確にして、上手くリスクを軽減していけると良いですね。

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