子宮外妊娠の処置方法や手続き、費用など。時期によって変動も!

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2017/09/04

子宮外妊娠になってしまった女性

妊娠した!と思って病院へ行ったら子宮外妊娠と診断された、もしくはその可能性があると言われたら、不安や心配な気持ちになるのは当然のことです。

子宮外妊娠は早期治療、出来るだけ早めの処置が大原則になりますので、気持ちが追い付かないうちに具体的な治療方法について話を進められることもあります。

処置の内容だけでなく、治療に保険は適用されるのか、費用はどれくらいかかるのか、今後の妊娠に影響があるか、など気になることもたくさん出てくるでしょう。

今回は、子宮外妊娠の処置、治療法やかかる費用、また母体への影響について見ていきましょう。

子宮外妊娠の処置は時期によって違う!主な治療方法

子宮外妊娠とは、本来であれば子宮内膜に着床するはずの受精卵が、何かしらの理由で子宮内膜以外の場所で着床してしまった状態です。

正式には「異所性妊娠」と呼ばれ、残念ながら妊娠を継続することはできません。

子宮外妊娠のうちおおよそ98%は卵管で生じますが、他にも卵巣、腹膜などの場所でも時着床が起こることもあります。

▼子宮外妊娠の原因についてはコチラも参考にしてみて!

子宮外妊娠を放置しておいた場合、子宮内以外でも受精卵が成長し、母体へ悪影響をもたらすことがあります。そのため一刻も早い発見と治療が必要です。

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治療方法は、子宮外妊娠の確定診断後、母体にどれほどの影響が出ているか、症状の程度などを総合して決定されるのが一般的です。

では、具体的にはどのような治療方法があるのでしょうか。

  • 待機療法
  • 薬物療法
  • 外科手術による治療
  • 入院期間

それぞれを詳しく見ていきましょう。

自然流産を待つ…待機療法

子宮外妊娠中の女性の全身状態が安定していて、女性ホルモンの分泌を促す成分であるhCGの血中濃度が低く減少傾向を示しており、妊娠部分の大きさが3cm未満であることなどの条件を満たすと、経過観察をする場合があります。

これは、hCGの値が上がらなければ受精卵が成長する見込みが低いため、成長しない受精卵が母体の中に吸収されるのを待つ方法です。

子宮外妊娠の経過として、ママの身体への負担が最も少なく望ましいのは、子宮内膜以外で着床した受精卵が育たず自然流産することだからこそ取られる方法です。

ただし、エコー検査の時点で胎嚢の中に胎芽(妊娠初期の赤ちゃん)が見えている場合は、その後成長して破裂する可能性があるため、待機療法を行うことは不可能です。

抗がん剤による副作用の可能性も…薬物療法

受精卵が成長しつつあっても自覚症状が軽度であり切迫した状態ではなければ、細胞の増殖を抑える作用のある薬品の投与によって治療する方法を選択します。

薬物治療で使うのはメトトレキサート(MTX)という薬剤で、肥大化している卵管などの着床部分に直接注射などで投与し、胎嚢の成長を止めます。

メトトレキサート(MTX)は抗がん剤としても使われる非常に強い薬であり、子宮外妊娠への保険適用からは除外されています。

そのため全額負担での治療になるほか、抗がん剤の副作用として、口内炎や白血球減少、脱毛などが起こる可能性があります。

外科的に受精卵を取り除く処置…外科手術療法

卵管などの着床部分がすでに大きくなっており、薬物で抑えても効果が期待出来ない場合は、外科手術により物理的に胎嚢を除去する必要があります。

手術は、体の負担が少なくて済む腹腔鏡下手術を行うのが一般的ですが、大量出血によるショック状態の場合や肥満の場合、着床部分の様子などによって開腹手術が選択されることもあります。

手術方法は主に3種類あります。基本的に卵管を残そうとして治療しますが、卵管破裂を起こして危険な場合などには卵管ごと患部を切除します。

卵管圧出術
主に腹腔鏡下手術で選択される方法で、卵管に着床している胎嚢を鉗子などで絞り出すように排出します。
比較的胎嚢が小さい早めのタイミングで行われる手術方法です。
卵管線状切開術
腹腔鏡下手術か開腹手術で卵管を切開してそこにある胎嚢を除去した後、切開部分を塞ぐ方法です。

本人に今後妊娠の希望があり、hCGの値が低く、妊娠部分の大きさが5cm未満で心拍確認が出来ず、初めての子宮外妊娠で卵管が破裂していない場合に適応されます。

卵管そのものは除去せずに温存することができますが、次回の妊娠の際に子宮外妊娠を繰り返す可能性が15%程度あるとされています。

卵管切除術
胎嚢部分を卵管ごと切除する方法で、腹腔鏡下手術と開腹手術の双方のケースがあります。卵管破裂後の手術では必ずこの方法が選ばれます。

卵管を残す先述の卵管洗浄切開術が「卵管温存手術」なのに対して、この方法は卵管事切除するため「根治手術」とも言われる手法です。

卵管ごと子宮外妊娠部分を切除するため、片側の卵管自体がなくなりますが、反対側の卵管に問題がなければその後自然に妊娠することも可能です。

入院期間は個人差が大きい

薬物療法の場合は、どれほどの量の薬品を投与するか、それによる副作用の出方などによって入院期間に個人差がありますが、最低でも5日間は覚悟しておきましょう。

腹腔鏡手術であれば5日前後、開腹手術であれば10日程度が目安となります。また退院後もしばらくの間出血がみられることもあります。

ただし、開腹手術の場合には切開部分が完全に治るまで時間がかかるため、退院後1ヶ月程度は安静にする必要があります。

子宮外妊娠の治療費用と保険

子宮外妊娠の治療のためにかかる費用は、症状や選択した治療方法などによって個人差があります。

ここでは、目安となる治療費と保険適応の有無について紹介していきます。

  • 薬物療法の場合
  • 手術療法の場合

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

薬物療法の治療費は保険適用外の自己負担

薬物療法の場合、使われる薬剤への保険適用がないため、100%自己負担になります。

本人の体調などによって入院期間に差がありますが、1回の注射で入院が5日前後、これを1クールとして約5万円前後の負担という方が多いようです。

ただし、1クールの投与で治癒するとは限らず、その後も薬物療法を続ける場合や手術療法に切り替える場合もあります。

健康保険の適用外ではありますが、民間の生命保険の女性疾病特約などが対象となっている場合もあります。加入している保険に問い合わせてみると良いでしょう。

手術療法の場合は健康保険適用、高額療養費制度も対象

普通の妊娠出産の場合は健康保険の適用外ですが、子宮外妊娠の外科的治療の場合は健康保険の対象となります。

腹腔鏡手術の方がかかる費用も低額となりますが、それでも保険適用されて3割負担となっても、15万円程度はかかると見込んでおきましょう。

開腹手術となると30万円以上かかることもあり、自己負担額が高くなるため高額療養費制度が対象となります。

高額療養費制度とは、同月内に同一人物が同一の医療機関で健康保険を利用して支払った医療費が、ある一定の金額を超えた場合、超えた分が加入している保険によって払い戻される制度です。

自己負担限度額は本人の年齢や所得などを総合して決まるため変動しますので、詳しくは加入している健康保険組合に問い合わせましょう。

また、民間の保険によって給付がある場合もありますので、事前に調べておくと安心です。

子宮外妊娠は予期できないトラブル…落ち着いて受診しよう

子宮外妊娠になると、妊娠した喜びから急に赤ちゃんを失わなければならない悲しみを味わうことになり、治療について考える余裕がなくなってしまう人も多くいます。

子宮外妊娠の治療への不安だけでなく、次の妊娠に対する心配や恐れを感じることもあるでしょう。

しかし、子宮外妊娠は予知できないトラブルですが、早期発見できれば早急に対処し、次の妊娠への影響を最小限に抑えることが出来ます。

早期の治療によって、次の妊娠に繋げられたという先輩ママもたくさんいますので、恐れずに治療方針を検討し、早めに病院を受診して処置を行うようにしましょう。

もし治療方針で不安な事があったら、遠慮なく産婦人科の先生やスタッフさんに相談し、ひとりで気持ちを貯めこまないようにしてくださいね。
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