妊娠高血圧症候群は産後にも影響が出るって本当!?症状について
妊娠高血圧症候群の症状は、出産後すぐに落ち着きはじめます。ただし、重症の場合には産後も高血圧や尿蛋白が続くケースもあります。
また、将来的には生活習慣病や心疾患を発症しやすくなるので、症状が改善してからも、食生活や睡眠など日常生活の過ごし方に気をつけましょう。
妊娠高血圧症候群で出産後に症状が続くケースと、生活習慣病の発症についてまとめました。
産後に症状が続くこともあり・・・長く続く場合は別の病気かも!
妊娠期間中に頭を悩ませた高血圧と蛋白尿も、赤ちゃんを産むことで改善に向かっていきます。おおむね産後12週で回復するでしょう。
それ以降も症状が続くようであれば、別の病気を患っている可能性があります。精密検査を受けて原因を解明しましょう。
多くの場合は出産で症状が回復する
妊娠高血圧症候群の一番の治療法は「出産」です。そのために、妊娠高血圧症候群で母体の状態が悪いケースでは、自然分娩を待たずに帝王切開を行うこともあります。
合併症を発症していたり、血圧や尿蛋白の度合いが高い場合には、産後にも症状が続く場合があります。
高血圧と尿蛋白が続く場合あり
妊娠高血圧症候群を経験した人の中には、出産後も高血圧が続く人もいるようです。産後の高血圧のために、めまいや頭痛、倦怠感に悩まされることも。
産後に使われる降圧薬は授乳に影響のないものを処方されることがほとんどですが、ママの体の状態によっては、安静のために授乳を制限される場合もあります。
そうでなくとも、出産直後は、頻回授乳や出産による傷口の痛みなどで、血圧が上がりやすいものです。入院中は、お医者様や看護師さんに体調を相談し、早く回復できるようにしましょう。
症状が続く期間の目安は3ヶ月(12週)
妊娠高血圧症候群の症状として、高血圧や蛋白尿が続くのは出産後約3ヶ月(12週=84日)です。
それ以降も症状が続く場合には、次のような原因が潜んでいる可能性があります。精密検査を受けるようにしましょう。
- 高血圧が続く原因と考えられるもの
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- 育児による過労やストレスにより、自律神経が乱れている
- 妊娠前から高血圧気味であり、妊娠を機に高血圧を発症した
- 腎臓疾患、副腎ホルモン分泌異常、甲状腺機能の異常などの病気
また、蛋白尿が続く原因としては、腎臓やその前後の器官に疾患があることが考えられます。
妊娠高血圧症候群後遺症の症状が消えるまでの期間には個人差があり、体験談では、数ヶ月~数年かかるといわれています。
産後への影響・・・生活習慣病や心血管疾患に注意
妊娠高血圧症候群の症状が消えても、忘れたころに影響が出ることがあります。妊娠高血圧症候群を経験した人は、生活習慣病と心疾患を発症しやすいといわれています。
生活習慣病に気をつけて!産後の高血圧発症確率が高くなる
日本妊娠高血圧学会のサイトによると、妊娠高血圧症候群はその後の生活習慣病の発症と関係があると記されています。
「産後5年後に高血圧を発症しているかどうか」という調査においては、正常妊娠の女性の発症率が約3%なのに対し、妊娠高血圧症候群を経験した女性では20%近くが高血圧を発症していたといいます。
生活習慣病は気付かないうちに進行し、脳・心臓・血管を傷つけてしまいます。出産後も、食事や睡眠など生活習慣に十分気をつけて、健康管理に努めましょう。
心臓発作や脳卒中の原因「心血管疾患」に用心しよう
筑波大学生命領域学際研究センターの研究によると、妊娠高血圧症候群を経験した女性は、産後に心血管疾患発症リスクが高くなると発表されています。
症状が現れたときには、すでに重症になっていて、まれに命を落とす危険もあります。癌と並んで「サイレントキラー」と呼ばれる病気です。
さらに、マウスによる実験の結果から、妊娠高血圧の既往がある女性が授乳をすると心収縮力低下を招く可能性があると指摘しています。
今後、さらなる研究がすすんでいくと思いますが、出産後も体の変化に注意していくことが重要です。
出産後も油断しないで!常に健康状態に気を配ろう
妊娠高血圧症候群を乗り越えて、やっと赤ちゃんと対面できると、とても大きな喜びを感じられることでしょう。
しかし、産後の体は自分が思っているよりも疲れが溜まっています。時間があるときには睡眠をしっかりとり、体を休めるようにしましょう。
また、妊娠高血圧症候群の症状が消えてからも、高血圧や心血管疾患に気をつけてください。食事や適度な運動で生活習慣病を予防することが重要です。
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