赤ちゃんの緊張性迷路反射は前方と後方の2種類。感覚を養う原始反射
緊張性迷路反射”は、赤ちゃんが正常な発達をしていくプロセスとして必要不可欠な反射である“原始反射”のひとつです。
原始反射の種類はいろいろとありますが、なかでも緊張性迷路反射は赤ちゃんが生まれてすぐ胎外の生活に適応するために大変重要な反射です。
この記事の目次
緊張性迷路反射は頭を傾けると手足も動く反射!重力の影響のある胎外生活に必須!
緊張性迷路反射とは、赤ちゃんの頭を前や後ろに傾けた際、一緒に身体や手足も曲がるという反射です。
緊張性迷路反射には、「前方」・「後方」の2種類があり、それぞれ以下のような反射です。
- 前方緊張性迷路反射
- 赤ちゃんの頭を前に傾けると、体が丸まり手足がギュッと曲がります。
これは筋肉の緊張が低くなったためであり、うつ伏せの状態で行うと、手足が身体の下に入って腰が浮きます。
- 後方緊張性迷路反射
- 赤ちゃんの頭を後方に反らせると、身体と手足をグーッと伸ばします。
これは筋肉の緊張が高くなったためであり、仰向けで行うとピンと伸びたようになります。
寝ている赤ちゃんを移動させようと抱き上げた時、バッと手足が広がり伸びることがありますね。
また、赤ちゃんは生まれてすぐに外の世界の重力の影響を受けることになります。これに適応するために、(前方の)緊張性迷路反射が胎内で出現していることはとても大切なのです。
前方・後方で、出現や消失時期に差がある!
前方・後方をまとめて緊張性迷路反射とひとくくりとされていますが、双方は出現時期(見られ始める時期)や消失時期(終わる・卒業する時期)に違いがあるのです。
前方緊張性迷路反射はお腹の中で出現しはじめる!
前方緊張性迷路反射は、胎児の姿勢のイメージからもわかりやすいですが、赤ちゃんが生まれる際には必要となってくることは上で述べたとおりです。
前方性迷路反射は体内で出現しはじめます。そして、消失するのは生後3~6ヶ月頃となります。
後方緊張性迷路反射は生まれる頃出現し、消失もゆっくり!
一方、後方緊張性迷路反射は、生まれる頃の出現となります。
多くの原始反射が生後数ヶ月~0歳の内には消失しますが、後方緊張性迷路反射は、3歳頃まで見られるのです。
動きがおかしい、消失しない場合には専門家に相談を!
緊張性迷路反射は、体の正常なバランス感覚を養うのに必要な反射です。よって、前方・後方に伴う動きがおかしい際や、時期が来ても反射が消失しない場合には、中枢神経系の異常が疑われます。
「何かおかしいのでは?」と感じた際には、パパやママだけで抱え込まずに早めに専門家に相談をしましょう。
異常反応をチェック!前方・後方の動きに合っていない際は注意
- 赤ちゃんをうつ伏せに抱いた際に、身体を後ろ向きに反らせる
- 赤ちゃんを仰向けに抱いた際に、胎児のポーズのように体を丸めこむ
このように、通例と逆であったり、通例でない反応が見られる場合には異常反応の可能性があります。
消失しないと成長に影響が!発達障害と診断される場合も
この反射が上手くいっていない、なかなか消失しない場合には、以下のような影響が出てくる場合があります。
- 身体のバランスをうまく保てなくなる(段の昇降が難しい、高所が不安になる等)
- 視覚の異常が起こる(距離感を掴めない、前方が良く見えない等)
- 全身を使ったり連動させる動き(運動等)が苦手になる
- 猫背等姿勢の異常が起こる
また、幼稚園・保育園での運動遊びや、学校での黒板の書き写し等が困難になることも多く、発達障害(グレーゾーンを含む)と診断される場合もあるようです。
しかし、現時点では、緊張性迷路反射と発達障害の直接的な関連性は見られていないようです。この反射の異常で困難となっていることが「学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴と関連している」という点が指摘されています。
丸まったポーズ、抱っこをする際のポーズを観察してみて!
異常や障害と聞くと不安になってしまいそうですが、赤ちゃんがうつ伏せで丸まっているポーズや抱き上げた際にピンと伸びる反応は、本当に可愛いですよね。
ときどき意識的にチェックをしてみるとともに、日頃は赤ちゃんの今だけの可愛いポーズをたくさん観察して幸せな気分を感じてくださいね。
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