妊娠中の外食を楽しもう!店選びやメニュー選びなど注意するポイント
妊娠すると、先輩ママたちから「オシャレなお店に行けるのも今のうちよ。外食楽しんでおきなさい。」なんて言われることがありますね。
その通り!子供がいると、雰囲気の良いデートにピッタリの静かなお店などでは、入店を断られる場合があります。先輩ママたちの助言の通り、今のうちに旦那さんや友達との外食を楽しみたいですね。
それに外食をするのは、精神的に不安定になりやすい妊婦さんにとって良い気分転換になり、とても大切な時間です。
ここでは、妊婦さんが外食をするにあたっての、店選びやメニュー選びのポイントをまとめました。これらを把握して、赤ちゃんにもママにも優しい、そして楽しい外食にしましょう!
この記事の目次
赤ちゃんとママの為の店選び!気を付けたい3つのポイント
まずは妊娠中のお店選びについてです。妊娠中は、仕事先の送別会や友達とのランチなども多いです。
「どんなお店がいい?」とリクエストを問われることがあると思いますが、できるだけ配慮してもらうようにしましょう。
1.お腹の中で赤ちゃんが苦しんでいるかも!受動喫煙に注意
特に夜の飲み会となると、分煙されていないお店が多く、受動喫煙してしまう可能性があります。
おそらく同席している人たちは、妊婦さんに気遣って席でのたばこは控えてくれると思いますが、他の席から流れてきた煙は吸ってしまいます。
受動喫煙の赤ちゃんへの影響は大きく、赤ちゃんは酸欠状態になり苦しむことになります。また、早産、低体重児の出産、突然死などの危険が高まる危険性もあるので注意が必要です。
できるだけ禁煙のお店や、個室になっているお店を選ぶと安心です。
2.体の冷えに注意!寒さ対策はしっかりと
妊娠中は特に体が冷えやすく、お腹の張りや浮腫みなどの悪影響が出てしまうことがあります。
外食に行ったときに、出入り口付近の席に座りとても寒かったという経験はありませんか?特に冬場は、冷たい外気が入ってきて冷え込んでしまいます。
出入り口付近は避け、ブランケットを使用するなどして体が冷えないように注意しましょう。
3.立食は妊娠中の体に負担が!ゆっくり座って楽しんで
立食パーティーに参加するといった機会は少ないと思いますが、疲れやすい妊婦さんにとって立食は不向きです。立ち続けていると、お腹の張りや浮腫みの症状が出やすくなります。
ゆっくりと座って過ごせるような席だと安心です。小上がりの席は、のんびり過ごすのに人気ですが、妊婦さんにとっては意外と大変。お腹が大きいため、足を延ばして座るのは辛いんです。
そこでおすすめなのが掘りごたつ。お腹を圧迫することなく足を下げて座ることができ、お腹が張ったら横になって休むこともできます。ただし、掘りごたつのお店は少ないので探すのに一苦労。
一般的には、ダイニングテーブルなどの足を下げて座る形が良いでしょう。
妊娠中の外食時のメニュー選びは?レバー、葉酸、カフェインなど気にすることが沢山!
妊娠中は赤ちゃんへの影響や、太りやすくなっているママの体重管理の為に日々の食生活に注意する必要があります。
外食は、自分で作った料理と比較すると高カロリーになりやすいです。パスタや丼物などの単品メニューになってしまうことも多く、炭水化物の摂りすぎなど栄養面が偏りがちです。
カロリーや栄養表示のあるファミレスなども多いので、是非活用してみましょう。野菜多めのメニューや妊婦が控えるべき食材を意識してください。
それでは、外食時のメニュー選びについて、注意するポイントを具体的に見ていきましょう。
栄養バランスの良いメニューを選んで!おすすめは和食やビュッフェ
妊娠中はお腹の赤ちゃんの為、またママの健康や体重増加予防の為にもバランスの良い食事を摂ることが大切です。
- 和食
- 和食は多くの食材が使われ、調味料も様々。塩分の摂りすぎには注意は必要ですが、多くの栄養素が含まれ妊婦さんにおすすめです。
焼く、煮る、蒸す、炒める、揚げるといった様々な調理方法があるため、油の摂りすぎを防止できます。特に油を控えたい人は、蒸し料理や煮込み料理を選ぶと良いでしょう。
- ビュッフェ
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ビュッフェは自分で食べたいものを選ぶことができます。必要な栄養素や食べてはいけない食材を考慮しながらメニューを選べるのは、妊婦さんにとって嬉しいですね。
ご飯、メインの肉料理、魚料理、温野菜、サラダ、野菜スープ、果物と野菜を意識しながらバランスよく食べることができます。
しかし、ついつい食べ過ぎてしまうので、一品の量を抑え、沢山の品数を食べるようにましょう。
- イタリアン
- イタリアンはオリーブオイルを大量に使うイメージがあり、妊娠中には不向きでは?と思うことでしょう。
しかし、食事内容を調整すれば問題ありません。植物性の良質な油であるオリーブオイルは便秘解消に効果的です。食物繊維を多く摂取するとより効果が期待できます。
たまの外食ですから、オシャレな気分でイタリアンを楽しむのも良いでしょう。ただし、パスタやパン、ピザなどで炭水化物を多く食べてしまうことが多いので、野菜不足にならないよう注意しましょうね。
積極的に摂りたい妊婦さんに不足しがちな葉酸、鉄、カルシウム
妊婦さんは、葉酸、鉄、カルシウムが不足しやすいため、特に意識して摂取する必要があります。
- 葉酸
- 葉酸は胎児の神経管閉鎖障害(無脳症、二分脊椎、髄膜溜など)のリスクを減らすために、妊娠1ヶ月前から妊娠3ヵ月まで積極的に摂るようにしましょう。厚生労働省から、妊娠中は400μg/日の葉酸を摂取するように推奨されています。
葉酸が多く含まれる食材
- 枝豆
- モロヘイヤ
- ブロッコリー
- 菜の花
- アスパラガス
- 水菜
野菜を多く摂取するのが難しい人はサプリメントの使用もおすすめです。ベルタ葉酸サプリなど、定期便でお得なものもありますのでチェックしてみましょう。
- 鉄分
- 妊娠中は赤ちゃんに血液を送るため、貧血症状に悩まされる妊婦さんが多いです。下記のような鉄分の多く含まれる食品を意識して摂りしょう。
鉄分が多く含まれる食材
- レバー
- 煮干し
- アサリ
- カツオ
- ひじき
- ほうれん草
- 小松菜
上記の食材は一例で、鉄分は様々な食材に含まれています。その中でも、レバーや赤身の肉、魚介類、大豆、野菜、海藻等に多く含まれ、吸収率は植物性食品よりも動物性食品の方が高くなります。
ただし、レバーを妊娠初期に過剰摂取すると奇形児が生まれる可能性が高まります。この時期はレバーは控え、他の食材から鉄分を摂取しましょう。
- カルシウム
- カルシウムは妊娠中だけでなく、普段から不足しがちな栄養素の一つです。女性は1日あたり650mg必要です。
カルシウムが多く含まれる食材
- 牛乳、チーズ、ヨーグルト等の乳製品
- 小松菜
- モロヘイヤ
- いわし
- ししゃも
- 桜エビ
- しらす干し
外食メニューは味の濃い物が多い!塩分摂取量に注意
妊娠中の塩分の摂りすぎは、妊娠高血圧症候群につながります。妊娠高血圧症候群になると、お母さんと赤ちゃんへ悪影響を与える病気を合併することがあります。
例えば、子癇(けいれん発作)、脳出血などの脳血管障害、常位胎盤早期剥離(早くに胎盤がはがれてしまう)、HELLP症候群(赤血球が壊され肝臓の働きが悪くなり血小板が減少)、肺水腫などがあります。
外食メニューは、味付けの濃い料理が多いです。特に居酒屋などの飲食店のメニューは、お酒と合うように調味料が多く使用され、塩分が高めです。できるだけ味付けを調節できる物や、薄味の物を選ぶようにしましょう。
また、うどんやラーメンなど麺類の汁は飲まない、ソースやドレッシングを少量にするなど注意すると良いです。
妊娠糖尿病の原因になることも!高カロリーな食事に注意
外食で食べる美味しい料理は高カロリーなメニューが多いですね。高カロリーな食事の摂取や肥満は、妊娠糖尿病の一因となります。
妊娠糖尿病の原因は、遺伝的な要因もあり生活習慣が全てではないものの、妊娠中の食事や太りすぎには注意しなければなりません。
妊娠糖尿病を発症すると、母体と胎児に様々な危険を及ぼします。例えば、新生児への影響だけ見てもこれだけの症状があります。日本医科大学多摩永山病院女性診療科産科・医局http://www.nms.ac.jp/hahanet/sign1_4_5.htmlの内容を参照しました。
- 巨大児
- 胎盤機能不全による低体重児
- 呼吸窮迫症候群(RDS)
- 低血糖
- 先天奇形による周産期死亡
- 高ビリルビン血症
- 低カルシウム血症
- 肥厚性心筋症
また、分娩後に母親の血糖値は改善されると妊娠糖尿病が治りますが、将来、糖尿病を発症するリスクがあります。妊娠糖尿病の治療は、主に栄養管理とインスリン療法が主となります。
妊娠中は食欲が旺盛になる人も多く、食事管理が難しいです。しかし、日頃から妊娠糖尿病になっては、様々な危険要因が出てきてしまいます。
日0頃から夕食のカロリーは控えめにするなど食事管理を徹底し、散歩などの適度な運動をするなどして太りすぎを予防しましょう。
レバー、生ハム、生ものなどに注意!
妊娠中に注意すべき特定の食べ物があります。
- ナチュラルチーズや生ハム
- 妊婦は免疫力が弱くなっているため、一般の人よりもリステリア菌に感染しやすくなっています。もし感染してしまうと、お腹の中の胎児が流産、早産、死産する可能性があります。その為、下記の食べ物に注意してください。
- 未加熱のナチュラルチーズ(カマンベール・ウォッシュチーズ・ブルーチーズなど)
- 生ハム
- スモークサーモン
- 未滅菌の牛乳
- 生もの
- 生魚や生の魚介類にも、リステリア菌が生息していることがあります。妊娠中は免疫力の低下から、生もので食中毒にかかってしまう可能性があるため控えることをおすすめします。
- 水銀を含むマグロ
- 金目鯛やマグロにはメチル水銀が含まれ、妊娠中に摂取する場合、摂取量に注意する必要があります。
妊娠中にメチル水銀を摂取すると、母体から赤ちゃんに水銀が運ばれ、障害を引き起こす原因となってしまいます。厚生労働省では、妊婦の摂取量を1週間に80g程度までと定めています。
- ビタミンAを多く含むウナギやレバー
- 妊娠中はビタミンAが特に多く含まれるウナギやレバーは控えましょう。妊娠初期にビタミンAを過剰摂取すると奇形児生まれる可能性が高まるため、特に妊娠初期は我慢しましょう。
緑黄色野菜に含まれるβカロテンは過剰摂取しても必要量しかビタミンAに変化しませんが、動物性のレチノールは全てビタミンAとして働いてしまいます。
貧血対策のために鉄分豊富なレバーを沢山食べたいところですが、ビタミンAが多く含まれるレバーやウナギは妊娠三ヶ月まで控えると安心です。
高カロリーなデザートは体重制限の敵!ヘルシースイーツがおすすめ
せっかくの外食ですから、甘いスイーツも食べたくなりますよね。しかし、体重制限を課されている妊婦さんにとって高カロリーなスイーツはもはや敵!
それでも甘い物を食べることでリフレッシュしたり、ストレス発散になることもあるでしょう。
妊婦さんにおすすめなのが、ヘルシースイーツ。糖分や脂肪分を控えめにしたり、小麦粉の代わりに米粉を使ったりと、ダイエット中の女性に人気のヘルシー志向なスイーツを扱うお店は意外とあるものです。
毎日厳しい食事制限をしていては、長い妊娠期間中、気が狂ってしまうことも…ヘルシースイーツを食べて気分転換をしましょう!
アルコールやカフェインに注意!禁酒の徹底とカフェインの制限を
飲み物にも注意が必要です。アルコールとカフェインの赤ちゃんへの影響を見てみましょう。
- アルコールは控えて
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夜の食事会や飲み会の席に欠かせないアルコール。みんながビールやワインで盛り上がっている中、お酒好きの妊婦さんにとって禁酒は辛いかもしれませんが我慢しましょう。
妊娠中にアルコールを摂取すると、胎盤を通してアルコールは赤ちゃんへ運ばれ、奇形を伴う先天異常を引き起こす可能性があると産婦人科のHPで確認できます。これは、胎児性アルコール症候群(FAS)と言い、精神の発達の遅れの原因にもなっています。
本来、子供の身に発達障害や発育障害、身体の奇形などの障害が起こるはずではなかったのに、ママのアルコール摂取のせいで起こってしまったとしたらどう思いますか?
「ちょっとくらいいいや。」と一時の楽しさ、快楽を優先してしまいがちですが、ママが吸収した物が子供の身体に大きく影響を与えるということを自覚しなければいけません。
- カフェインの摂りすぎに注意
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カフェでコーヒーを飲んでホッとするのが好きだったり、ランチのセットドリンクは必ずコーヒー!という人は多いでしょう。コーヒーブレイクも毎日の仕事の中で欠かせませんよね。
しかし、カフェインの摂りすぎに注意が必要です。農林水産省によると、妊娠中の高濃度のカフェイン摂取は、赤ちゃんの成長を阻害し、低体重児を出産する可能性を高くしてしまうとのこと。
妊娠を予定している人、妊娠中の人、授乳中の人は一日のカフェイン摂取を制限し、最大300 mgまでに抑えるようにしましょう。コーヒーではマグカップで約2杯程度までは問題無いとされています。カフェインが含まれる飲み物としては、下記の物があげられます。飲みすぎには注意してください。
- 玉露
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶、抹茶、ほうじ茶
- ウーロン茶
- 栄養ドリンク
- ココア
- コーラ
コーヒーよりもカフェイン濃度が高い物として、玉露があげられます。それ以外の飲み物のカフェイン含有量は、コーヒーと比較すると低いため、一日に何杯も飲まない限り問題はなさそうです。
心配な方は、カフェインを含まないノンカフェインのコーヒーや紅茶、タンポポコーヒーなどを利用すると良いのですが、外食時はメニューにない可能性が高いです。ソフトドリンクで我慢しましょう。
つわり期は、食べたい物や食べられる物を食べて!
妊娠初期のつわりのある時期には、妊婦さんの体調や味覚の変化により、好物だったものが食べられない、急にこれしか食べられなくなったなど、バランスの良い食事が難しい人もいます。
妊婦さんに特に多いのが、「ファストフードのフライドポテトが食べたくて仕方ない!」という意見。本来、添加物の多く含まれるファストフードは妊婦さんにとって好ましくない物です。
また、コンビニ弁当やスーパーのお総菜、手軽に食べられる冷凍食品やレトルトなどの加工食品も添加物が多いためおすすめできません。
しかし、つわりのせいで、買い物に行ったり家で料理ができないこともあると思います。そういう時は、食べたいもの、楽に食べられるものを食べましょう。
頻度が高いと赤ちゃんとママの身体が心配ですが、時々であれば気持ちの切り替えにもなって良いでしょう。その際、先にあげたNG食品は食べないように注意してください。
つわりが辛く、食べられない日が続いて栄養面が偏りすぎて心配な人は、検診のタイミングなどでお医者さんに相談してアドバイスを受けてくださいね。注意すべきことを意識しながら妊娠中も外食を楽しもう!
妊娠中の外食には、多くの注意点がありましたね。外食に行っても食べられない物ばかりで嫌だなぁと思ってしまうかもしれません。でも、これらは全て赤ちゃんとママの身体のためです。
出産は何があるかわかりません。誰もが当たり前のように健康で生まれてくるものと思っている人が多いのですが、それは違います。原因不明の事態も起こり得ますが、ママの食事で防いであげられるものはしてあげたいですね。
その中で外食を思いっきり楽しんで、楽しい気分でマタニティライフを満喫しましょう。
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無記名さんさん
イタリアンがおすすめとありますが、輸入チーズではリステリア菌感染の恐れがあること、生ハムも同様に注意することを忘れずに。