出産の痛みを軽減!陣痛を和らげる方法と、いきみ逃しのやり方

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2018/09/10

産婦さんにとって、出産に関する一番の不安は「痛み」ですよね。

「出産の痛みを軽くする」と聞くと、無痛分娩や和通分娩など、麻酔を使う方法が一番に思い浮かびます。ですが、麻酔を使わない自然分娩にも痛みを軽減する方法はあります。

痛みを軽減する方法を知っているのといないのとでは、出産当日の辛さだけでなく、妊娠中の不安な気持ちにも差が出るはず。

出産を楽にする「陣痛の和らげ方」と、「いきみ逃しのやり方」をご紹介します。

出産で辛いのは「陣痛」と「いきみ感」

出産の辛さと聞いて一番に思い浮かぶのは陣痛ですよね。でも実は、多くの産婦さんが陣痛だけでなく「いきみ感」にも苦しめられています。

陣痛といきみ感とは、どういうものでしょう?

陣痛とは
陣痛は、子宮が赤ちゃんを外に出そうと収縮する時に起こる痛みです。痛みのある時間と無い時間が入れ替わり立ち替わり規則的に訪れ、分娩が近づくにつれその周期が短くなり、痛みの強さも増していきます。

▼出産の痛みについてはコチラも参考にしてみて!

いきみ感とは
お産が進むにしたがって、陣痛時に「いきみたい感覚」というのが生まれます。これがいきみ感です。「赤ちゃんを外に出すために力を入れたい」という感覚のことで、「排便したい」と感じる時に似ているとよく言われています。

陣痛といきみ感、この2つを軽減させられればお産はかなり楽になります。

陣痛の和らげ方

まずは陣痛を和らげる方法をご紹介します。

呼吸法

痛みの緩和には呼吸法がかなり重要です。呼吸に集中することで痛みから意識を逸らしたり、体を弛緩させることができます。

有名なラマーズ法を始め、痛みを和らげる様々な呼吸法が考案されています。これらを参考に、事前に練習しておくと良いでしょう。

  • ラマーズ法…出産の段階ごとに「胸式呼吸」「ヒッフー」「ヒッヒッフー」と変化させる呼吸法
  • ソフロロジー…鼻から吸い、口から長く息を吐き切る腹式呼吸
  • リーブ法…息を吸いながらお腹をへこませ、吐きながら膨らませる逆腹式呼吸

▼ラマーズ法の特徴ややり方についてはコチラも参考にしてみて!

▼ソフロロジーについてはコチラも参考にしてみて!

▼リーブ法についてはコチラも参考にしてみて!

大声を出す

やろうと思っていなくても、陣痛がピークに達すると自然に大声を出したり叫んだりしてしまう産婦さんは多いもの。

体力を消耗させるとの理由で医療的な側面からは推奨されていないのですが、産婦さんの経験談として「大声を出して痛みを紛らわせられた」という声をよく聞きます。

大声を出すということは、息をちゃんと吐けている、つまりちゃんと呼吸ができているということ。息を止めると体に無駄な力が入ってしまったり、産婦さん・赤ちゃんに十分な酸素が行き渡らなかったりと悪いことずくめです。

体力の温存も大事なのですが、きちんと呼吸をするという意味では、大声を出すのも悪いことではありません。

マッサージやツボ押し

マッサージや指圧で痛みが和らぎます。旦那さんが立ち会ってくれる場合は、自分でやるより力の強い旦那さんにやってもらった方が効果的かもしれませんね。

痛みが来るタイミングに合わせて、以下のように行いましょう。

  • 背中~腰をさする…陣痛の初期段階に効果的。痛む箇所を手のひらの下半分で強めにさする
  • 腰の指圧…仰向けになって腰の下に拳を入れ、体重をかけて圧迫する
  • 足の付け根の指圧…痛いと感じるところを親指で押す
  • 三陰交の指圧…内くるぶしから指4本分上にあるツボを指圧する。お産の進行を早めるツボでもある

楽な姿勢を取る

痛みの波に合わせて楽な姿勢を取りましょう。

  • 四つん這いになって背中を反らす
  • 横向きに寝て抱き枕を抱く
  • 椅子に逆向きに座る
  • ベッドの角度を調整して頭側を40°ほど上げる
  • あぐらをかく
  • 立つ、歩く

楽だと感じる体勢は人それぞれなので、自分に合っているものならどんなものでも構いません。ただし仰向けの体勢は、血管が子宮に圧迫されて血の巡りが悪くなる危険性があるのでおすすめしません。

何かを握る

立ち会ってくれる旦那さんの手を握る方が多いようです。他にもタオルや分娩台のグリップなどを力いっぱい握ると痛みが紛れる方もいるそうです。

ただしこの方法は心理的な不安を取り除くのに有効な一方、体に無駄な力が入ってしまう可能性もあるため注意が必要です。

体(特に腰)を温める

体を温めて血行を良くすると痛みが和らぐそうです。特に腰を温めるのが効果的。ホッカイロや湯たんぽを用意しておきましょう。

うちわや保冷剤などで顔を冷やす

陣痛中は体に力が入っていたり、産院の室温が赤ちゃんのために高めに設定されていることでとても暑く感じます。特に顔周りは汗びっしょりになるはず。

基本的にお産の時は体を温めなければいけませんが、顔周りを涼しくするだけでもかなりリフレッシュできます。うちわで扇ぐ、保冷剤で顔を冷やす、濡れタオルで顔を拭くなどして少しでも快適に過ごしましょう。リラックスすることで痛みも和らぐはずです。

出産を助けるアロマでリラックス

良い香りだけでなく体に様々な効能を与えてくれるアロマですが、実はお産に良い効果を持つものもあります。最近ではそんなアロマオイルを活用して、お産にアロマテラピーを取り入れる産院もあるほど。

お産を助けるアロマには以下のようなものがあります。

アロマ 効能
クラリセージ、ジュニパー 陣痛緩和、分娩促進
ローズ、イランイラン 陣痛緩和、鎮静効果
ゼラニウム、ジャスミン 子宮収縮

お好きな香りを選べば、リラックスの効果もアップ!アロマディフューザーを使用する、ティッシュに数滴垂らして枕元に置く、タオルに染み込ませ鼻に当てて嗅ぐ、お湯に溶いて足湯をするなど、お好きな使い方で活用してみてくださいね。

ただしアロマの香りは人によって快・不快が分かれるので、周囲に迷惑が掛からないよう必ず産院に許可を取ってから使用しましょう

ラズベリーリーフティー

ラズベリーリーフティーは「安産のお茶」とも呼ばれるハーブティーです。その効果には次のようなものがあると言われています。

  • 陣痛緩和
  • 子宮収縮を促す
  • 子宮口を柔らかくする
  • 出産時の出血を抑える
  • 産後の子宮収縮を助ける

子宮収縮の効果があることから、妊娠中は控えるべきラズベリーリーフティー。出産の時にはこんなにも役立つ効能を持っているんですね。陣痛はあるのになかなかお産が進まないという苦しい状況になった際には、ぜひその力を借りてみてください。

いきみ逃しは、産婦さんと赤ちゃん両方の安全を守るのに必要

いきみ感を感じても、医師や助産師から「いきんでいい」と指示があるまではいきんではいけません。そこで、体が勝手にいきみそうになってしまうのを上手く緩和する必要があります。これを「いきみ逃し」と言います。

陣痛を和らげる必要性は簡単に理解できますが、いきみ逃しがなぜ必要なのかはよく分かりませんよね。いきみ逃しをする理由には以下のようなものがあります。

産婦さんの無駄な体力の消耗を防ぐため
出産は時に数十時間にも及ぶ、長丁場の闘い。いきみ感がある度に全身に力を込めてしまっていてはヘトヘトになってしまい、いざいきまなければいけない場面で力が入らなくなってしまうことも。

それを防ぐためにもいきみ逃しをして、体力を無駄に消耗しないようにしなければならないのです。また体力を産後まで温存しておくことは、産後の回復を早めるのにも有効です。

子宮口が切れるのを防ぐため
子宮口が全開になり、十分柔らかくなる前に無理やりいきんで出産してしまうと、子宮口が切れてしまったり、それが原因で大量出血してしまうことも。いきみ逃しにはそのリスクを回避する意味もあります。
赤ちゃんに十分な酸素を送るため
準備のできていない狭い出口を無理やり通されると、赤ちゃんは低酸素状態になってしまいます。

上手にいきみ逃しができ、苦しい思いをしなかった赤ちゃんは、酸素が行き渡りピンク色の体で産まれてくるそうです。逆に、上手に酸素を供給してあげられなかった赤ちゃんは紫色や赤紫色で産まれてきてしまいます。

一般的に「子宮口が全開になったらいきんでいい」と言われていますが、それは人それぞれ。

医師や助産師は、赤ちゃんがどこまで下がってきてどの向きをしているか、子宮口がどれだけ柔らかいかなど、個人個人に合わせたタイミングでいきみの指示を出してくれます。指示があるまではいきみ逃しを頑張りましょう!

いきみ逃しの方法

いきみ逃しはとても難しいのですが、自分だけでなく赤ちゃんのためでもあると思って頑張りましょう!

呼吸法

陣痛の和らげ方としてご紹介した呼吸法は、いきみ逃しにも効果的です。いきみ感がある時に呼吸法を取り入れれば、体に力が入ってしまうのを防ぐことができます。

肛門付近を押す

お産が進むと、始めは下腹部だった痛みの箇所が、だんだんお尻の方に降りてきます。肛門が傷むと同時にいきみたくなったら、赤ちゃんを押し返すイメージで肛門付近を押すのが効果的です。

そんな時の産婦さんの定番アイテムがテニスボール。中には出産準備リストにテニスボールと書かれていたり、あらかじめテニスボールを用意してくれている産院も!

自分や旦那さんの手でテニスボールを強く押し当てたり、テニスボールの上に座ったりして、肛門付近を圧迫しましょう。

陣痛の波が来ていない間はとにかくリラックス

いきみ逃しには心の余裕が必要。体力が落ちてしまうとそんな余裕がなくなってしまいます。陣痛の波が去ったら、とにかく体を休めて体力回復に努めましょう。

立ち会いする旦那さんにお願いしたいこと

産婦さんにとって、出産はただ痛みと闘うだけのものではありません。自分と赤ちゃんの命が懸かった、間違いなく人生で一番不安な局面です。

愛するパートナーがそれに勇気を持って対峙するということの重大さを理解した上で、旦那さんもぜひ人生で一番のサポートをしてあげてください。

手を握り、汗を拭き、水分を摂らせてあげ、うちわで扇ぎ、声を掛け、その他奥さんが望むことを何でもやってあげましょう。

産婦さんの経験談として多く聞くのが「夫が一緒にいてくれたから、痛みを乗り越えられた」という意見。旦那さんが与える精神的安定も、痛みの軽減に大きな影響を持つのです。

「出産すれば終わり」ではない!?産後にも色々な痛みが…

「出産時の痛みについては調べていたけど、産後にも痛いことが待っているなんて聞いてなかった!」という方はとても多いです。でも実は、「出産よりも産後の方が辛かった」と言う人も少なくないほど、産後の痛みも侮れないものなのです。

  • 後陣痛…子宮が元の大きさに戻ろうと収縮する時に起こる痛み
  • 帝王切開の傷跡…寝返りを打つこともできないほど
  • 会陰切開の傷跡…円座クッションがないと座れないほど
  • 筋肉痛…出産時に力を入れすぎて全身が筋肉痛に
  • 胸の張り…母乳の分泌により胸が急速に張ったり、乳腺炎に
  • 痔…分娩時のいきみや産後の便秘で痔になってしまう

「無痛分娩が大成功して、出産は全く痛くなかった!」という方でも、産後の痛みは同じようにやってきます。出産という大仕事を終えてもなお、ママには大変なことがたくさんなのですね…。

産後の痛みに関しては、状況に応じて痛み止めを処方してもらえることもありますので、医師や助産師に相談してみてくださいね。

痛みを和らげれば、不安も和らぐ

痛みが怖くて出産に不安を感じるのは当然のこと。でも、その痛みを和らげる方法があるということを知るだけで、少し心が軽くなりませんでしたか?

この記事でご紹介した方法が、出産の痛みだけでなく不安な気持ちも和らげることができれば幸いです。少しでも辛さを軽減して、赤ちゃんとママの最初の共同作業である出産を楽しみましょう!

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