防災キャンプの内容や目的は?子どもと参加・体験し親子で災害に備える!
台風、水害、地震など、災害を身近に体験することが多くなってきた昨今、いざというときに子供とどうしたらいいのか悩みますよね。
家族で防災について話し合いが必要とわかってはいても、なかなか実践には移しにくいことがあります。
非常時に身近にあるもので必要なものを作り、生き延びる術を学べる「防災キャンプ」に目を向けて、子供と一緒に防災について考える機会を作ってみませんか。
この記事の目次
防災キャンプの目的とは、いのちを守ること
防災キャンプの目的は、子供が非常時に自分で自分の命を守れるように、実際に体験をしてみながら防災について考える機会を作ることです。
- 災害について知る
- 防災について考える
- 子供が自分で自分の命を守る
開催団体により異なりますが、火起こし体験や非常食づくり、段ボールでの寝床作成など避難所生活を視野にいれた体験もあります。防災キャンプを通して、具体的にどのような体験ができるのか、詳しく説明していきます。
防災キャンプに期待すること・効果について
普段でも子供達は学校で避難訓練をしたり、消防訓練をしたりする機会はあるでしょう。ですがそのような訓練は大人が主体となって行うため、子供達は受け身になりがちで、体験できる内容も限られてきます。
防災キャンプは日帰り型もありますが、通常は丸一日から数日かけてじっくり防災について考える時間を持ち、様々な体験ができます。
非常時の体験を実際にしてみることで防災の必要性を知り、そして自分達で生き延びるために必要なものを作ることで非常時に役立つ知識と技術を身に付けます。
- 当り前の日常が当たり前ではないことの気づき
- 非常時に備えることの大切さを学ぶ
- 身の回りにあるもので数日間を過ごすための方法を学ぶ
- 災害への漠然とした不安からの解放
防災キャンプが行われる場所はどんな所?学校や公民館など
防災キャンプは都道府県や市区町村が主体となって行うものや、青少年センターや自然の家などの団体が主催するもの等さまざまです。
実際の避難所として使われる小中学校や公民館などで行うことが多く、青少年センターなどは自身の施設で開催することが多いです。
地方自治体や民間団体が協力して行うこともあり、地域住民を交えて実行委員会を立ち上げるなど、地域社会での取組が幅広くなされています。
防災キャンプのプログラム内容について
防災キャンプは「キャンプ」と名前はついていますが、実際にはキャンプ形態のものばかりではなく、日帰りや体験型の気軽に参加できるプログラムもあります。
非常食体験や煙道体験などを日常の中で経験することで、災害時に避難した時の子どもの負担を少しでも減らすことができたらいいですよね。
実際に多数の地域や団体により、様々なプログラムで実施されています。
【防災キャンプで体験できる事の一例】
災害体験 | 避難体験 | 展示 |
---|---|---|
煙道体験 | 避難所体験 | 防災グッズ展示 |
起震車体験 | 灯り作り体験 | 災害パネル展示 |
消火訓練 | 非常食づくり体験 | |
降雨体験 | テント泊体験 | |
救急訓練 | 火おこし体験 |
上記はあくまで一例であり、主催団体によって内容は異なりますが、非常時の体験をするもの、避難生活を体験してみるもの、避難生活に必要なものを作成してみるものなどがあります。
中には自衛隊と協力し、自衛隊の炊き出しを体験できたり、消防署と連携し消火訓練をしたりと、有事の際のシミュレーションをよりリアルに体験できる防災キャンプもあります。
【知識】色々な災害についてまずは知ることから。パネル展などもある
まずは災害について詳しく知るため、どのような災害が起こり得るのか、地域の特色によって起こりやすい災害について学びます。
過去に実際に起きた災害時の写真をパネルにし、わかりやすく展示されたものを見たり、降雨体験装置を利用して、土砂災害が起きるほどの大雨を体験してみたり。
防災に力を入れている県では土石流を3Dシアターで体感できる設備を整えていることもあるようです。
他には地震について、起震車に乗り上下の揺れや前後左右揺れた時はどのような感じになるのかを体験し、起こり得る津波についても模型装置を用いて目で見て災害の恐ろしさを知ります。
また、身近な災害である火事については煙発生装置を用い、煙が部屋に充満した状態を作り出し、その中を歩いてみる体験をします。立ったままでは前が見えず、口にハンカチをあてて姿勢を低くして進むことの必要性を学びます。
【食事】非常食体験や炊き出しなど被災時に役立つ内容
非常食は家庭でも備蓄できるので身近な存在です。非常時に初めて食べるのではなく、事前に食べてみて確認することで非常時でも安心して食べることができます。
水を入れるだけで食べられるようになるご飯や缶詰のパンを食べてみたり、牛乳パックを着火剤にして火をつけ、空き缶やビニール袋を利用してご飯を炊いてみたり。お皿にはラップやビニール袋をかけて、洗い物をしなくてもいいような知恵を学ぶこともあります。
【救急】応急処置や声のかけ方などの訓練体験
災害時は病院も混乱し、交通網も麻痺することがあるため小さなケガなどは自分達でなんとかしなければならないこともあります。
簡単な応急処置の仕方や、倒れている人を発見したときの声のかけ方などを学びます。AEDの体験を行うこともあります。
【避難体験】避難所生活の体験 段ボールで寝床づくり等
避難所は学校の体育館や区民ホールなど、広い場所に多くの人が身を寄せ合う形となるため、プライバシーをいかにして守るかが大切となります。避難所体験として段ボールを活用した寝床づくりやテント泊体験などもあります。
- 【段ボールで寝床づくり】
- 段ボールを使っての寝床づくり体験は、最初、子供は工作感覚で楽しんでするようです。
囲いを作成し、丸めて枕を作ったり、中には屋根をつけたりして遊び感覚でする子供もいるようですが、実際に暑い体育館の中で寝てみると、蒸し暑く寝苦しいのだとか。
このように大変な体験を通して非常時の備えの必要性を痛感し、家族で備えについて考える機会を持つことが大切だと言えます。
- 【テント泊体験】
- テントを自分達で張り、火起こしをしてキャンプファイヤーなどを行うプログラムが用意されている防災キャンプもあります。起こした火と空き缶で作った飯盒でご飯を炊き、ラップをしいたお皿でカレーを食べてキャンプ気分を味わえることも。
ペット同伴ができない避難所の場合は、テント泊を余儀なくされる場合もあります。防災キャンプを遊び感覚で楽しんでおくことで、非常時にテント泊をすることになっても、キャンプ体験の楽しい記憶のおかげで安心できそうという声もありました。
- 【灯り作り体験】
- 身の回りにあるもので灯りを作る体験をすることもあります。アルミホイルやティッシュ、食用油などを使って灯りを作ったり、空き缶を使ってランタンを作ったりして、非常時の灯り確保を自分達で出来るような技術を学ぶことができます。
【防災グッズ】防災備品の説明・展示
防災グッズ販売店と協力し、備蓄食品等多数の防災グッズの説明や展示販売を行う防災キャンプもあります。
- 防災セット(非常持ち出し袋)
- ヘルメット
- 簡易トイレ
- 保存水
- レトルトご飯
- モバイルバッテリー充電可能な多機能ライト
- 防災用灯り
- アルミブランケット
防災キャンプをきっかけに、家庭での備えの大切さに気付くこともあるので、このような展示でどのような防災グッズがあるのかを確認できます。
防災リュックや防災コンテナの実物展示がある場合もありますので、実際のグッズを手に取って確認したり、自宅での置き場所をシュミレーションしたり。このような機会を活用して、普段なかなか備えられない防災グッズに手が伸びたらいいですね。
【防災ゲーム】バケツリレーや災害に関するクイズなど
緊張感の必要な防災キャンプですが、やはり子供が対象のものはゲーム形式で楽しく防災について学べるようなプログラムを用意しているところもあります。
防災すごろくを楽しんだり、消火訓練時のバケツリレーや災害についてのクイズ、ハザードマップを自分達で作成してみたりと体験を通して気づく事のできる、身のある体験ができそうです。
防災キャンプに必要な持ち物について
主催団体により必要な持ち物は異なりますが、参加者が出来るだけ身軽に参加できるよう考えられていることが多いです。
- 米
- 水筒
- 寝袋
- 歯ブラシ
- 着替え
- ビニール袋
※あくまでも一例です。実際に参加するときは主催団体のお知らせを良く読んで持ち物を準備しましょう
防災について親子で考える機会になる「防災キャンプ」に参加してみよう!
有事の際、協力しあうのは地域住民同士となります。防災キャンプは地域で開催されることが多いため、防災キャンプに参加することで、地域のつながりを広げることが出来たら安心ですよね。
普段から近所の人と接する機会を持ち、その人の顔と名前を憶えているだけでも、いざというとき助け合うことが出来るのではないでしょうか。
また、防災キャンプでは自分で考え行動することが求められます。そのような経験を活かして過酷な避難体験をする中で他人に思いやりを持ち、協力しあうことの大切さを実感できるのはいいですよね。
子供の成長を垣間見ることがもでき、家族で防災について考えるきっかけとなります。
大切なのは日頃の備え、そして自分で自分の身を守ること。
防災キャンプで体験と実践を重ね、日常の中で防災を身近に考えることができればいいですね。
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