子供が園で喧嘩…相手に怪我をさせた理由を聞いて心をケアする方法
自分の子供がお友達に怪我をさせてしまった時は、相手親への謝罪や子供のしつけが中心になりがちです。
しかし、怪我をさせてしまった本人が現状を認識できる年齢にあるなら、叱るばかりでなく心のケアも重要です。
場合によっては、怪我をさせた本人にはほとんど非がない防衛本能だったという事もありますよね。それなのに親に叱られてしまった子供は心に深い傷を負ってしまう事も。
さらに、相手に謝罪をしている親を見ながら大きな不安を抱えている子も少なくありません。
友達に怪我をさせてしまった自分の子供と上手に向き合い、心のケアをする方法をご紹介します。
この記事の目次
喧嘩後のアフターケアが欠かせない理由
子供が幼稚園・保育園で喧嘩をして友達を傷つけてしまった…そんな時はつい大声で叱りつけたくなります。
それには親なりの理由もあり、他人を傷つけるような子になってほしくない、人間関係を壊してほしくない、社会性を身につけてほしいと思いは沢山ありますよね。
一方で子供自身全く理解していないわけでもなく、自分が悪者になっている雰囲気を感じ取り、不安に思ったり心が傷ついたりしている事も。
そして園でのトラブルは、親の現状認識が欠けるので全てを把握する事ができず、ケンカの理由や状況を汲み取るのは困難です。
頭ごなしに叱りつけるのではなく、子供の声にそっと耳を傾ける事。すると子供が隠していた心の傷や、ケンカに対する不満も自然と癒す事ができるはずです。
子供の心のケアと叱り方3つの方法
友達に怪我をさせてしまった子供と上手に向き合う3つの方法をご紹介します。
- 危険性を教える時はシンプルに短く伝える
- 加害者・被害者にこだわらない
- 喧嘩の理由と子供の気持ちを聞く
怪我をさせてしまった事はきちんと叱るべきです。一歩間違えれば命の危険に及ぶ事もあるためです。
「危険である事」「痛い事」「避けなければならない事(我慢する事)」はシンプルに短い言葉で表現しましょう。
そして、子供の気持ちをじっくり聞いてあげましょう。子供のアフターケアで一番重要な事柄です。以上3つの点について深く掘り下げてみましょう。
危険な行為はシンプルに短く伝えるべき
叩いたり突飛ばしたりする危険な行為は、今すぐにでも理解してもらいたい事柄ですよね。そのためには分かりやすく印象づける事も重要です。
危険な行為を教える時は、複雑な説明を加えるよりもシンプルで短い言葉を使う方が有効です。
長い言葉で遠まわしな説明は返って子供を混乱させるだけ。子供の理解力に合わせて分かりやすい言葉を選びましょう。
- 「後ろから押したら絶対ダメ。転んで怪我するよ」
- 「顔を引っ掻くのはダメ。血が出て痛いから」
傷ついた子供の心をケアするのとは別物と考えてよいでしょう。短い言葉と表情を使って真剣に伝えてあげてください。
また叱る時は、「おまえはダメだ!」と子供自身がダメな人間だというニュアンスにならないように気を付けます。
幼少期の喧嘩は加害者・被害者にこだわらない
喧嘩の因果関係は4,5歳の子供でも理解が難しい事もあります。相手の気持ちに共感する事はできても、喧嘩が起きた理由や自分の感情を整理するにはまだまだ難しい年齢。
他人を傷つけてしまった子供は複雑な感情を抱く事が多く「悪いと思っているけどどうしたらいいか分からない」「相手にも原因があるけど上手く伝えられない」と混乱している事も。
ですから加害者・被害者といった分け方が大変難しく、間違った判断をすれば子供の心の傷はさらに深まっていきます。
仮にわざと怪我をさせたりいじめているようなら、家庭環境のストレスや親の接し方が要因であるケースもあり、それこそ心のケアが重要になってきます。
喧嘩の理由と子供の気持ちを聞いてみよう
喧嘩の原因について聞く時は、まずその時の背景が見えるように質問してあげます。
- 「〇〇ちゃんと何して遊んでたの?」
- 「〇〇くんと何をお話していたの?」
背景が見えてきたら、子供の気持ちを代弁する方法で質問していきます。
- 「早くおもちゃを貸してもらいたいと思ったの?」
- 「自分が一番になりたかったの?」
すると、子供も整理がついてきて自分の感情を表現できるようになってきます。子供の考えが見えてきたら共感してあげましょう。
- 「あなたも〇〇ちゃんの玩具で遊びたかったのね」
- 「嫌だって言われて悲しかったのね」
- 「わざとじゃなかったんだよね」
共感してあげると心が落ち着きます。気持ちが蘇ってきて泣いてしまう子もいます。押さえこんでいた辛い気持ちを吐き出す事ができたので、その時はすでに反省できているかもしれません。
最後に、怪我をさせない解決方法を提示しましょう。
- 「悲しくても、痛い事するのはよくないね。今度は言葉で伝えてみて」
- 「玩具を貸してもらえなかったら、違う玩具で遊びながら待っていたらどう?」
痛いことや怪我をさせる事がいけないことである理由はシンプルに伝えます。
- 「押したら下に落ちて怪我をするよ。痛いからやったらいけないよ」
- 「叩いたら怪我をするよ。痛くなるからやったらいけないよ」
最後には聞き入れられる体制になっていると思うので、ダメな事はダメと分かりやすく伝えましょう。
気を付けて!子供を傷つけるしつけ方
「反省させるのに刺激的な言葉を使った方がいい」と思ってしまう事もありますが、間違った言い方をすると子供のストレスが過剰になり、将来的にも悪影響である場合もあります。
親の発言で気を付けていきたい言葉がけを挙げていきましょう。
「なんで〇〇なの!?」と責める言い方をする
以下の例のように、自分の子供に非がある事が前提で「なんで~なの?」と質問するのは避けましょう。
- 「なんで怪我させたの?」
- 「なんで謝らないの?」
- 「いつからそんな子になったの?」
このようにあなたが悪いと責めるような質問の仕方はNGです。
なんで~なの?という言い方は疑問形の問いかけですが、親は子供から明確な答えが出てこない事を分かっていて、責め立てるような言い方をしている事がほとんどです。
子供が答えやすいように順を追って分かりやすく質問し、気持ちに共感することを忘れないようにしてあげましょう。
条件付きで子供の行為を正そうとする
- 「男の子なんだから我慢できない?」
- 「お姉さんだからできるでしょ?」
上記のように、大人の固定概念を押し付けるのはよくありません。大人でも「母親なのに働くなんてあり得ない」と固定概念を押し付けられると嫌ですよね。
〇〇なのに、〇〇だからと条件を付けずに個人を尊重してあげる事が大切です。そのままの子供の姿を受け入れてあげる事から始めてみましょう。
また、いけない行為を正そうとするあまり条件を付けて抑えつけるのもよくありません。
- 「喧嘩するなら保育園行っちゃダメ」
- 「泣いてたら家に入れないよ」
このような言い方をすると親の前ではいい子にして、親の見えないところでストレスを発散させたり精神的なバランスが取れない状況になる事も考えられます。
大事なのは、親がいない時に人と上手に関わり合える社会性を身に着けること。焦らず少しずつ理解していければいいので、賞罰を与えて無理に強制させなくてもいいケースがほとんどです。
他の子と比べるような言い方をする
子供の成長スピードや能力を他の子と比べて「なぜうちの子は分からないの?」と不安になる事も少なくありません。些細な行動でも子供の個人差を受け入れられずに焦ってしまう事もしばしば。
- 「あなただけ恥ずかしいよ」
- 「他の子と同じようにできないのはおかしいよ」
- 「あの子はいい子なのに」
このように他の子と比べるような言い方は、子供の自信を奪う事に繋がり引っ込み思案になる恐れもあります。
他の子と比べて、できない事を見つけるのではなく「できなかった事ができるようになった」事を認めてあげられるように子供の成長を見守っていきましょう。
無理に反省させないで。使ってはいけないNGワード
子供がまだ小さいうちは無理をせずに、時間を掛けて解決する事も視野に入れましょう。早く子供に反省させたいと思うかもしれませんが焦りは逆効果です。子供と向き合う時間を増やせるように意識しましょう。
「謝りなさい」はNG。謝った=解決にはならない
「謝りなさい!」と強制的に謝らせるのはよくありません。
子供は自分が悪い事をやっていると理解していても、なかなか口にする事ができなかったり抵抗したりするものです。強制的に謝らせたとしても、子供が心から反省していなければ解決した事になりません。
すると子供は言葉で謝罪を述べるだけで反省ができず、同じ過ちを繰り返す可能性もあります。
大切なのは、自分から「ごめんなさい」と言える子供に育てていく事です。
その場で反省ができない場合は、時間をかけて丁寧に教えていきましょう。反省してもらうには、叱るよりも自分の頭で考えてもらわないといけません。子供の思いや感情を整理する、相手の痛みを考えてもらう事が重要です。
「言い訳するな」はNG。言い訳を聞いてから理解させる
小さい子供の喧嘩は、一時的な感情に左右され「自分も悪いけどしょうがない理由があった」事がほとんどです。
「あなたが悪い!」「嘘つかないで!」と頭ごなしに子供の考えを否定するのはよくありません。
一方的に親に拒絶されると、子供は「愛されていない」「どうせ私なんか…」と愛情不足に苛まれストレスを抱え込んでしまいます。
相手の痛みを理解するには、まず自分の感情を府に落とさないといけません。
自分の思いを吐き出す事ができれば、自らの力で問題点を見つけ相手の感情も理解できるようになると思います。
子供のしつけは共感・提案することが大事
子供にしつけをするには、正しい価値観や社会性をしっかり伝える事必要ですが、幼少期はまだ理解できない事も多いです。
無理に子供なりの感情を押さえつけては、将来の人格形成にも支障をきたす場合もあります。叱るのではなく、子供の心を育てる事を意識した方が良いでしょう。
人と上手く関わり合える社会性は、人への共感から生まれます。まずは親が子供にやってみせる事で、共感する事を学ばせましょう。
- 「言われて嫌なことがあって、叩いちゃったんだね」
- 「悪いのは分かってたけど、怒られるのが嫌で黙ってたんだね」
このように子供の複雑な心境を拭い取るように語りかけてあげましょう。
提案するのは、子供が自主的に解決方法を探し出せる力を身につけてもらうためです。親がこうしろと命令口調で訴えたり、無理に強制すると自分で考える力を育てる事ができません。
- 「友達に怒るんじゃなくて、先生に相談したらどう?」
- 「言われて嫌なことがあれば、嫌だってちゃんと説明するのはどう?」
子供と一緒に解決策を考え「〇〇したらどう?」と手助けをする事を意識してみてください。
心のケアは言葉だけではない。スキンシップも大切
掛ける言葉をあれこれ考えるよりも簡単に子供の心をケアする方法。それは「抱きしめる」こと。どんな言葉よりも効果的で何よりも大切な事ですね。
子供の感情や心理はスキンシップの量にも関係します。親とのスキンシップが多い子は、その分だけ生きる価値を見出し自尊心を育みます。
思春期にキレやすい傾向にある子は、幼少期のスキンシップ不足に関係していると言われているほど。それだけ親との触れ合いは重要な要素なのです。
抱きしめる事で感情が安定する理由
親との触れ合うと安らぎをもたらし不安を解消させる「オキシトシン」というホルモンが体内で分泌されます。
これは愛情ホルモンとも言われ、ストレスの軽減・信頼関係を助長する役割も果たします。
同時に親もオキシトシンを分泌させるので、心の安定と子供を愛おしく思う感情を増幅させる効果もあります。
普段からスキンシップは大切ですが、子供が悪い事をしてしまったと不安に感じている時こそ思いっきり抱きしめてあげてください。
子供の喧嘩後のしつけは心に寄り添う事が大切
子供の心は、とてもデリケート。ましてや友達に怪我をさせてしまったとなれば、親が考えている以上に心が不安定になっているはずです。
親にも焦りや不安はありますが、子育ては時間が掛かるもの。じっくり向き合って、子供の心を育てていきましょう。
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