植物を育てることが子供の心を育てる!優しい心を育む花育の方法と効果
子供の教育を考えるにあたり、将来困らないように学力をつけてあげたいと思うのが親心。
その為に様々な赤ちゃんの頃から知育玩具を揃えたり、幼児教育に通わせるなどして努力しているママは多いことでしょう。
植物との触れ合いは、知育に効果的な五感を刺激し、生命の大切さを学ぶことができます。また、将来学校で学ぶ理科や生物に興味を持つきっかけにもなります。
現在はマンションやアパートなどの都市型の生活スタイルにより、田畑で作物の成長を見る機会は少なくなりました。
このような生活をしていると、ガーデニングや家庭菜園なんて夢のまた夢!と思いますが、賃貸でも育てられる植物は沢山あります。
ここでは、植物を育てることによる子供への知育効果とおすすめの植物をご紹介します。ぜひ親子で植物を育ててみましょう。
この記事の目次
心を育てる情操教育と体験教育の重要性
情操教育や体験教育という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。まずはこの2つの教育についてご理解いただきたいと思います。
子供の優しい心や強い心を育てる情操教育
まず一つ目に情操教育から説明していきます。情操教育とはどういう教育なのでしょうか?
抽象的でよくわかりませんね。簡単に言うと、「心を育てる教育」と言って良いと思います。
学校教育の中では、特に音楽、体育、図工、美術、道徳が情操教育にあたります。この情操教育により、優しい心や複雑な感情、表現力、個性、自立心、想像力などの様々な効果が期待されます。
具体的には、
- 人や動物に優しく接することができる
- 芸術作品を見て美しいと思う
- 感情のコントロールができる
- 失敗してもへこたれない強い心を育てる
- 力強く生きていくための総合的な力「人間力」を鍛える
厳しい社会生活を生き抜くためには、これらの力や感情を身に付けることは非常に重要です。英語などの早期教育に力を入れているママも多いですが、このような分野も一緒に鍛えていきましょう。
体験する機会の少ない現代の子供たちへ体験教育を
また、体験教育も非常に重要です。現代の子供たちは昔に比べ体験教育を受ける機会が少なくなっています。
なぜかというと、学校が終われば塾や自宅での勉強に時間をとられゆとりのない生活を送っていたり、騒音問題や不審者の存在により遊ぶ場所を制限させられることがあるからです。
また、生活の中で当たり前にあるテレビやゲーム、スマホやパソコンにも時間を取られ、実体験よりも疑似体験や間接体験が多くなっています。
体験教育では、情報と自分自身の体験を結び付け、様々な変化に対応していく力、主体性、たくましい人間性などを身に付けることができます。
子供を育てていく上で、学力の向上にばかり目を向けがちですが、学力だけに偏ってしまうと将来的に必要となる集団行動や社会生活において苦労する場面も出てきます。
子どもには優しさや美しさを感じる気持ちが育まれる「花育」を!
全国花育活動推進協議会では、子供に「花育」を推進しています。花育とは聞き慣れない言葉ですがどういうものなのでしょうか。
花や緑に親しみ、育てる機会をとおして、やさしさや美しさを感じる気持ちを育むこと。
花育について全国花育活動推進協議会では、3つの意義と4つの効果があるとしています。のここではそれらについてご紹介します。
花育で視野が広がることも…花育の3つの意義
全国花育活動推進協議会は花育の意義として以下の3つあげています。
- 優しさ・美しさを感じる情操教育、農業体験機械を子供に与える
- 世代間交流を深め、地域社会も再構築できる
- 日本の花文化の楽しみ方(四季の花や緑)や継承が期待
- 1.優しさ・美しさを感じる情操教育、農業体験機械を子供に与える
- 実際に植物を育て、植物に対する愛情が育まれ、枯らしてしまった悲しみ、花が咲いた喜びなどを経験して生命について学び、植物の成長がうまくいかないときにはどうしたらよいか考えることで力が付きます。
- 2.世代間交流を深め、地域社会も再構築できる
- 植物を通して、交流が広がることが考えられます。花を見て「きれいだね」と会話が生まれたり、植林のボランティアなどを通して様々な年代の人と交流したり。
現代はSNSなどのツールを使って同じ趣味の人たちと交流することが容易にできるようになりましたが、実際に人と出会い交流することが希薄化していると言われています。
地域コミュニティでは植林や草刈り、落ち葉拾い、花壇の種まき、管理等様々な活動が行われています。これらの活動に参加することにより、学校生活などの限られた世界では出会えない幅広い世代の人と出会うことで得るものは大きいでしょう。
- 3.日本の花文化の楽しみ方(四季の花や緑)や継承が期待
- 皆さんは四季の移ろいを気候だけでなく、木々の様子、咲いている花の種類などからも感じていると思います。
季節を感じられる感受性や心は私たちの生活を豊かにします。
植物を通じたイベントは季節ごとにあり、春は桜の下でお花見、七夕には笹の葉に願い事をつるし、十五夜にはすすきでお月見。秋には紅葉見物をして冬の始まりを感じます。
四季のある日本だからこそ、四季折々の花文化を楽しむことができます。子供にはそれを感じられるよう伝えていきたいですね。
子供をぐんぐん育てる5つの「花育」の効果
これまで、花生の意義を説明してきました。さらに、花育には5つの効果があると考えられています。
1.感謝する気持ちを育む
身近な花などの植物、生命のあるものに触れることで感動を体験し、植物との関わり方を学びます。
花や緑を大切な物、愛おしい物、可愛い物、と思う気持ちを育み、癒しなどの植物が人間に与えてくれるものの大きさを感じ、感謝する気持ちにつながります。
動物や人間のように言葉を話さない植物が生きていることを実感するのは、子供にとって少し難しいです。
そして、お子さんにはタイミングを見て、私たちは他の動物や植物の命を頂きながら生きているということを教えてあげてください。食べ物に感謝し、粗末に扱うことや食べ残しをしなくなる効果もあります。
2.優しい気持ちを育む
植物を育てていく中で、それにふさわしい扱い方を学びます。葉を引っ張ったら切れてしまう、元通りにはならないとわかると、次は優しく扱おうと学習していきます。
もし、子供が植物を引きちぎってしまったとき、「トマトさん痛かっただろうね。一回取れちゃうとくっつかないんだよ。ごめんなさいって言おうね。」などと声をかけると子供に伝わりやすいでしょう。
また、元気が無くなったり枯らしてしまうなどの植物の変化を感じることによって、生命のある物への優しい気持ちが育まれます。
3.探求心や創造力が伸びる
植物を育てるにあたり、技能や知恵、知識を得ることが必要です。そして、植物の状態を観察しながら対策を考え、得た知識から工夫するようになります。
また、植物の絵を書いたり、花の寄せ植え、フラワーアレンジメントなどといった植物を素材とした創作活動等を通じて、創作の喜びを感じ、豊かな創造力を育てることも可能です。
Weblio辞書によると、知的好奇心とは、「物事を探求しようとする根源的な心。 自発的な調査・学習や物事の本質を研究するといった知的活動の根源となる感情」とあります。
始めはただ眺めているだけですが、子供が成長し、自分で水やりができるようになったりすると、植物の変化を日々感じながら、「元気が無いのは水が足りないの?それとも肥料をあげるべき?」と考えるようになります。
さらには、「日光が足りないかもしれない…日当たりの良い場所を変えてみよう!」と対応方法を考え実行できるようになります。
その際、植物の育て方についての書籍で一緒に調べて、それでもわからないことはネットを参考にするなどして、親がサポートしてみてあげてください。
また、子供が一人で水やりをできるようになったら水やりの仕事を任せてみましょう。仕事を担う責任感、花が開花した時の達成感などを体験できます。
4.人とのつながりを作り、広げる
花などの植物をして人とのつながりを広げることも可能です。同じく花や植物に興味を持っている人と交流したり、友達に植物の事を教えてあげたり、プレゼントしたり。
花に興味を持った子供とそのママたちで集まり、フラワーアレンジメントをやってみるのもいいですね。友達と教え合い、良い刺激を受けながら楽しくできるのでおすすめです。
敬老の日や誕生日などに、おじいちゃんおばあちゃんへ育てた花などをプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
「きっとおじいちゃんとおばあちゃんは喜んでくれると思うよ。」と子供に促し、実際にプレゼントした時に喜んでもらえれば、「また頑張って育てよう!」という気持ちになります。
5.波及効果への期待
幼児・児童期に花や緑と関わることで、子供だけでなくその周囲の人へも良い影響が及びます。
一例ですが、このようなことが考えられます。
- 子供が育てている花を見て、毎日の会話が生まれる
- 花好きの娘の影響で、結婚記念日にパパがママに花束を買ってきた
- 花が似合う素敵な家を目指すようになり、家の中がスッキリ片付いた
- 毎日植物の手入れをする習慣が身に付き、何事も継続できるようになった
家族や友人など、広くは子供を取り巻く多くの人たちが多様な形で花や緑に関わることになったらとても素敵な事ですね。
植物から学ぶ「生」と「死」
日々、残虐な事件のニュースを見る度に、どうしてこういう行動をしてしまったのだろうと考えさせられます。
色々な事情があっての結果でしょうが、中には、命の大切さをもっとしっかり学んでいれば防げたのではないかと思う事件もあります。子供には幼少期から命の大切さを学ばせたいものです。
ペットを飼っているご家庭では、動物との触れ合いを通して、動物を思いやる気持ちや命の大切さを学ぶことができます。しかし、賃貸のルールなどの事情でペットを飼えないという人も多いでしょう。
ゲームなどで簡単に人を殺せるため、それが現実と重なってしまい、命の重みがわからないまま大人になってしまう人がいます。
誕生の喜び、死の悲しみ、生きることの尊さや儚さ、他の動物や植物の命を頂きながら生き抜く感謝の気持ちなどは、実体験で教えるのが一番です。
一緒に対策を考え、それでも枯らしてしまった時には、「この子は死んじゃったの。もう天国へ行ってしまって戻って来れないけれど、一生懸命生きようと頑張っていたわ。」と人間や動物の死のように話しましょう。
そして、「命あるものは、ひどい扱いを受けたり、病気になったりすると死んでしまうことがあるの。ママやあなたも一緒よ。動物も同じ。みんなに対して、優しく大切にできるかな?」と問いかけてみましょう。
大切に育てていた植物が死んでしまった悲しみは、子供にとって辛く重いものです。その機会に命の大切さを話してみてください。そして、責任を感じて苦しんでいるようであれば、心のケアも忘れないでくださいね。
初心者にも育てやすいおすすめの植物
それでは、植物を育ててみましょう!でも、植物を育てるには準備も必要ですし、すぐ枯らしてしまうだろうと気が進まないという人もいるかもしれません。
そんな植物初心者にも優しい育てやすい植物をご紹介します。
毎日観察するのが楽しい「朝顔」
小学校で夏休みの宿題や自由研究の題材が朝顔の観察日記だった人もいるでしょう。
夏場は1日2回水やりが必要で手がかかりますが、発芽成功率は高く、ぐんぐん成長するので子供でも日々の変化がわかりやすく、楽しく観察できるでしょう。
- 5月~9月
- 発芽から1~2ヵ月から開花
朝顔は早朝に開花し、午後になると花がしぼむので、しぼんだ花を摘みとる作業が必要です。また、蔓が伸びてきたら螺旋支柱を設置したり、一日に2回水やりが必要だったりと手間がかかります。
しかし、手間をかけ成長させた分喜びを感じられますし、1日の中で大きな変化が見られるので、観察するには最適です。
朝顔と言えばラッパ型の花が思い浮かびます。しかし、朝顔の品種はかなり多く、ギザギザしたものやフリルが重なったようなボリューミーなもの、カーネーションのようなものなど多種多様です。
好みの花のデザインや、珍しいタイプの朝顔を育ててみるのも面白いですね。
また、西洋朝顔は開花時期が8月下旬~11月と遅く、蔓が良く伸び、日よけのグリーンカーテンとしてもおすすめです。
朝顔は初心者でも気軽に育てられる品種ですが、種から育てるのに自身が持てない人はまずは苗から育ててみましょう。
可愛い花が咲くのが待ち遠しい「ミニひまわり」
夏の花の代表で、元気で可愛いイメージのひまわり。普通のひまわりは丈が高くなるため、大きなサイズの鉢が必要ですが、ミニひまわりなら小さなプランターで育てられます。
- 4~6月に種まきと植えつけ
- 5~8月に開花
丈は20~30cm、花の大きさは10cm程度です。ミニではあるものの大きな花を咲かせるため、開花したときの感動は大きく子供も大喜びすることでしょう。
水栽培でオシャレなヒヤシンス
水栽培のヒヤシンスもオススメ!栽培方法は球根を水につけておくだけなので簡単です。秋口から冬に育て始めるので、花や緑が少ない冬場の楽しみになります。
- 水栽培は10~12月に開始
- 約3~4カ月で開花
お気に入りのガラスポットやペットボトルなどで手作りした容器に入れて、窓際やテーブルなどに飾りましょう。部屋をオシャレにしてくれます。
水の中で伸びていく根の様子を観察するのはとても楽しいです。根腐れを起こすことがある、水の中に根腐れ防止剤を入れましょう。
プランター菜園で一番人気!初心者にもおすすめのミニトマト
プランター栽培もできる夏野菜は、ナスや枝豆、ピーマンなど様々ありますが、ミニトマトは初心者にも簡単に育てられるため、プランター栽培野菜の中で一番人気です。
リコピンやビタミンA・B1・B2・C・E、βカロチン、鉄分、ミネラルなどが含まれ、栄養満点!実がなったら子供と一緒に収穫して食べましょう。食育にもつながるのでおすすめです。
- 温暖地では5月上旬に植えつけ
- 7月頃~10月初旬まで長期収穫できます
- 種から育てる場合は3月中旬に種まき
ミニトマトは肥料を与えすぎたり小さいうちに水をあげすぎると、葉がねじれたり、葉や茎が色濃く、太くなってしまい、実へ行くはずの栄養が妨げられてしまいます。
そのため、水やりは控えめにして乾燥気味に育てるのがポイント!ただし、植えつけ時だけはたっぷりの水を与えてください。
トマト嫌いのお子さんと一緒に育ててみてはいかがですか?育てていくうちに愛情が芽生え、いつしか赤い可愛い実がなり、収穫する日を楽しみにしていることでしょう。
「頑張って作ったんだから、きっと美味しいよ。ミニトマトさんも食べて食べてほしいよー!って言ってるよ。」なんて言うと食べてくれるかもしれません。
コンパクトサイズの栽培セットもあるので、気軽に挑戦してみましょう!
水やりの手間がすくない「観葉植物」
あまり手間をかけず身近に植物を育てたい方は、観葉植物はいかがでしょうか。すでに部屋にあるという方もいるでしょう。
種類にもよりますが、一般的に観葉植物は水やりを頻繁にする必要がありません。室内でオシャレなインテリアの一つとして育てることができます。
我が家では、ドラセナ(幸福の木)とサンスベリアを育てています。観葉植物を集めるのにはまり10種類近く育てていた時期もありましたが、この2つ以外はダメにしてしまいました。
ドラセナとサンスベリアが我が家に来て4年目。自己流で植え替えをしてみたり、冬になるとサンスベリアは土から出して新聞紙に包んで冬眠させてみたりしていますが、元気に育っています。
沢山の植物をダメにしてしまった私でも育てられているこの2種類は特におすすめです。
育てやすい観葉植物は、この他にもパキラ、テーブルヤシ、ガジュマル、モンステラなど様々あります。オシャレさやカッコ良さで選んでみるのも良いと思います。
日々の変化は大きくありませんが、スローペースながらも成長を感じられることでしょう。観葉植物は100円ショップでも売られているので、気軽に始めてみてくださいね。
増やす楽しみも!日々の変化を楽しめる「多肉植物」
多肉植物と言うと、水やりに失敗して根腐れさせてしまったという方も多いはず。可愛いけど管理が難しいというイメージではないでしょうか。
しかし、乾燥地帯でも育つことから、とても生命力が強く、初心者でも育てやすい植物なのです。
ただし、生育期に成長し、それ以外の時期は休眠。
難しいと言われる水やりですが、下の方の葉がシワシワになって弱ってきたなと感じてから水をあげても遅くはありません。
多肉植物は葉に十分な水分を保つことができるので、他の植物のように頻繁に水をあげなくても大丈夫なのです。コツさえつかめば難しくありません。
ただし、小さいお子さんに水やりをさせるのは難しいと思いますので、ぜひ葉挿しをしてその成長を楽しんでみてください。
葉挿しとは自然と落ちた葉や、摘んだ葉を土に置いておくと、そこから新しい芽が生えてくることです。上手くいけば、どんどん増えていくので、お気に入りの多肉植物を増やして寄せ植えをしてみましょう。
どんな不器用さんでも大丈夫!「豆苗」の再生
これまで紹介してきた植物は初心者でも挑戦しやすいものばかりですが、それでも不安という方は豆苗からチャレンジしてみましょう!どんな不器用さんでも豆苗の再生ならできます。
スーパーで売っている豆苗を買ってきて、一度食べたら、残っている根の部分に水を張り、育つのを待つだけです。
ぐんぐん成長し、あっという間に元通りになります。一日でビックリするくらい伸びることもあるので、お子さんと一緒に朝晩の様子を観察すると楽しいですよ。
豆苗なら鉢も土も必要ありません。スーパーの野菜コーナーで豆苗を買ってくればいいだけです。100円程度で買える豆苗を2~3回楽しめて、節約にもなるのでおすすめです。
子供の心を育てる植物!気軽に始めてみましょう
これまで植物を育てるのは難しいから手が出せないと思っていた人も、ご紹介した植物なら手が出せるかも!と感じられたのではないでしょうか。
種や苗からではハードルが高いと思う人は、準備いらずの栽培キットを使うのも良いですね。
日常の生活の中に緑があることはとても良いことです。子供の心を育む効果はもちろんですが、育児や仕事で忙しい親の心も癒してくれることでしょう。
ぜひお子さんと一緒に植物を育ててみてくださいね。
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