幼児の運動遊び!体の発達に合った身のこなしを習得できる遊び方

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2017/06/15

ぐんぐん成長する子供の育ちは、年齢によって発達する身体の器官に順番があるのをご存知でしょうか。

幼児期には神経系の器官の発達が目覚しく、ポイントをおさえた運動遊びをさせることで更に運動器官が鍛えられ一生ものの運動能力が身に付きます。

身体の発達を考えると身体全体、手足をバランスよく動かす運動が一番良いことがわかっています。幼児期に習得するとよい運動機能に役立つ楽しい遊びを紹介します。

子どもの運動能力を鍛えるタイミングを逃さない!

幼児期は神経に関係する身体の器官が成人の9割程度も発達してしまうとても大切な時期なんです。具体的には「脳、脊髄、視覚器、頭径」といった器官が成長するのです。

「運動神経がいい子」と言われる子は、きっと幼児期に習得すると良い運動を取り入れた遊びをたっぷりしていたのではないでしょうか。

スポーツ指導者や教育関係の先生方が参考にするスキャモンの発育曲線によると、4歳から8歳の頃を「プレ・ゴールデンエイジ」と呼んで、運動機能を高めるには一番良いタイミングなのです。

▼スキャモンの発育曲線についてはコチラも参考にしてみて!

ざっくり言いますと、体を器用に動かすことが出来る、リズム感があるなどはこの時期に体で覚える運動能力のようなのです。

保育所や幼稚園から帰ってきて、室内でテレビやゲーム三昧ではもったいない!とにかく体を動かす外遊びをどんどんさせましょう!

この時期身につけた運動能力は、小学校、中学校で運動、スポーツのテクニカルなことを覚え始める時に重要な基礎になっているのです。運動の基本の基本といったところです。

中高生ともなると、運動神経がよくてなんでもかっこよくこなせる生徒と、どうもモタモタ運動の苦手な生徒にはっきり差が現れます。

でも、幼児期は初めはコツがつかめなくて失敗しますが、何度も練習すると不思議とある程度みんなできるようになります。

練習すればなんとかなるのがこの時期です。大人になってからから出来ない運動やスポーツをを出来るようにするのは難しいですよね。

幼児期にオススメの運動遊びをいろいろ紹介しますので、お子さんが好きな遊びをたくさんさせてあげてください。

道具や準備のいらない簡単な運動遊び

道具も準備も何もいらない、体一つで楽しめる運動遊びを紹介しますね。親子でもOKですが、手足の長さが違いすぎるとできないものもありますのでそこは臨機応変にお願いしますね。

すわりずもう
二人で向かい合って床に座り、両手で押し合いっこします。肩や肘、手首、膝、足首の関節がよく動きます。
座ったままシーソー
二人で向かい合って床に座った状態で両足の裏を合わせ、手をつないで交互に引っ張りっこします。手足の筋がよく伸びますね。
逆ピラミッド
背中合わせに座り、せーのでお互いの体重を背中で受けながら立ち上がります。全身の力やバランスが必要です。
サイクリング
仰向けに寝た状態で足の裏を合わせたままクルクル自転車をこぐように足を回します。股関節が柔らかくなりますね。
焼きいもコロコロ
広いスペースで寝転がってコロコロ転がるだけですが手を縮めたり、バンザイしながらしてみてください。まっすぐ転がれるかな?
でんぐり返り
お布団の上ででんぐり返りの練習もしてみましょう。全身を使った柔軟性が身に付きます。
鬼ごっこ
公園など安全な場所で4、5人から8人くらいでするのが適当です。
かかしケンパ
足にサイズ大の丸を縦に並べて書き、ケンケンと続くところは○一つ。両足で立つところは○二つ並べたものを書きはみ出ないように往復します。片足のバランス力も使いますし、筋力も鍛えられます。
だるまさんが転んだ
鬼が木や柱などに顔を伏せて「だるまさんが転んだ」をいう間に遠くのスタートラインからみんなが鬼にタッチするため近づいてきます。~転んだを言い終わると同時に鬼は振り返りますが、その時みんなはピタッと動きを止めます。バランスを崩して動いてしまうと鬼と手をつなぎます。

競争してタイムを競う要素のある「かけっこ」もいいですね。他にも伝承遊びの「かごめかごめ」「おしくらまんじゅう」「花いちもんめ」も友達と体を動かして遊べます。

手遊びもリズム感を養うのにいいですよ。「アルプス一万尺」を音楽に合わせて挑戦してみましょう。ちょっと難しいかな?

縄跳びや長ゴムを使った運動遊び

縄跳びは一人でもできますし、大勢で遊ぶこともできますね。幼稚園でも縄遊びを取り入れているところは多いと思います。

へびニョロニョロ
縄をへびに見立ててニョロニョロと動かします。後ろに下がりながら縄を揺らすバランス感覚が必要です。
電車ごっこ
二人で縄に入り出発シンコー!運転手と車掌さんは交代しながら遊びます。
しっぽとり遊び
鬼以外は縄を腰に巻いてしっぽのように少し垂らします。鬼ごっこの要領でしっぽを取りに行くのですが、みんなスキップで、両足ケンケンで、片足ケンケンでと動き方を変えると足の筋力が鍛えられます。
プロペラジャンプ
縄を回す人は目が回りますが、縄を地面すれすれにプロペラのように回し、当たらないようにジャンプします。
大波小波
大人が二人いれば長い縄をゆっくり左右に揺らせます。縄を飛ぶタイミングの取り方やリズム感が身に付きますね。
ゴムとび
長めの平ゴムの両はしをピンと伸ばして持ち、高さをいろいろ変えながらゴムを飛び越えます。後ろ向きに片足掛けしてから飛び越えたり工夫してみましょう。ゴムならあたっても痛くないので子どもも挑戦しやすいですね。リンボーダンスのように下をくぐるのもありです。

縄跳び遊びは手軽な上、一人で飛ぶだけでも手足を器用に動かさなければなりません。全身を使って筋力やバランス感覚、リズム感を鍛えることができます。

「何回飛べるか」という回数を競うことで競争心が働き、結果、持久力も付きますし、負けん気や頑張り続ける強い気持ちも育ちます。

大小のボールを使う運動遊び

子どもたちはボール遊びが大好きです。でも、遊ぶ道具が球体となるとどんなバウンドをするのか、どこまで転がるのかなど遊びとしては難易度が上がります。

視覚を使って手足を使って体全体的に思うように器用に動かすのは難しいものです。簡単なキャッチボールから始めて、次第に音楽に合わせた遊びなどに挑戦させてみましょう。

的あてボウリング
ボールは大小どんなものを使っても構いません。例えば10メートル先の柱を的に転がしてみます。距離もいろいろ変えるといいですね。投げる強さの感覚を見つけるのが楽しいです。また抜き投げや片手投げなど投げ方も変えてみましょう。
キャッチボール
相手めがけて上手にボールを投げたり、受けたりすることで視覚を使い距離感を体で学びます。ゆっくり山ボールを投げたりまっすぐの強いボールを投げたりいろいろ変化させたら効果倍増です。
ドッジボール
人数がたくさんいればみんなが大好きなドッジボールもできますね。小さい子の場合はボールを転がしてすれば痛い思いもせず楽しめます。
回転ボールキャッチ
ボールを目の前で強くバウンドさせてボールが降りてくるまでにくるりと回転してからキャッチします。
風船バレー
柔らかい風船で下に落とさないように円になってバレーをすると楽しいですよ。人数が多ければ風船を2個一度に使ってみましょう。
あんたがたどこさ
歌を歌いながら手まりをします。足でボールのまわりをくるりとしたり、少し高度な運動遊びです。YouTubeなどで検索すると見本になる動画もあるようですよ。

ボール遊びには少しゲーム性があるので子どもたちにも人気がありますね。夢中になって遊べば集中力も高まりますし、何よりみんなでワイワイやることが楽しいですよね。

幼児期には全身を使って多様な動きを取り入れた遊び

子どもは本来体を動かすことが大好きです。昨日まで出来なかったことが出来るようになる喜びは次への挑戦に繋がりますよね。

文部科学省が発表している「幼児期運動指針」では、幼児期は生涯に渡って必要な運動の基本を取得する大切な時期だと明記されています。

「幼児期運動指針」から簡単にまとめてみますと、年齢順に以下のような動きを意識するといいようです。

3歳から4歳頃
「体のバランスをとる動き」…立つ・座る・起きる・寝転ぶ・回る・ぶら下がる・転がる等を取り入れた遊び。
「体を移動する動き」…歩く・走る・跳ぶ、登る・下りる・滑る・這う等をたくさん経験させる。
4歳から5歳頃
「用具などを操作する動き」…持つ・投げる・運ぶ・転がす・捕る・積む・蹴る・押す・引く・掘る等、縄跳びやボールを使う遊び。
5歳から6歳頃
「複雑な動きの遊び」…動き方がスムーズになり、ボールをつきながら走ったり、集団でルールを用いて遊んだりできるようになる。

何か決まった特定のスポーツをさせるというより、体操の要素のあるマット運動や平均台、鉄棒などで柔軟性やバランス感覚をつけて、それからボールなどの道具を使い始め、ゲームのルールなども守りながら遊ぶようになるといった流れのようです。

確かに保育園や幼稚園の運動会なんかを見ていても、小道具を使いながら様々な体の使い方をしている内容に思えますね。

体を動かすことの楽しさが運動機能向上の鍵

神経回路の発達と照らし合わせても、この「プレ・ゴールデンエイジ」の時期に多様な動きを体験する運動遊びをどんどんさせることが必要なんですね。

上手に出来るようになるのに時間がかかる子、すぐ出来ちゃう子と個人差はあるかもしれませんが、楽しく遊ぶことが運動の継続や頑張りの鍵になります。

家にこもっていないでできるだけ外遊びさせることが、子どもの将来の運動能力向上の大きな基礎になることは間違いないようです。

日々の生活の中で「遊び方」を見直してみましょう。昔ながらの外遊びが、体全体を使ったバランスや手足の動きの器用さを鍛える動きになっているみたいです。

親子で一緒に公園に出かけ、ジャングルジムやブランコ、雲底といった遊具などを使うのもいいですね。縄跳びやボール遊びも工夫次第でいい運動遊びになります。

大きくなってスポーツの上手な子は、きっと幼児期に思いっきり外遊びをしていたのかもしれませんね。

まず、体を動かすことが好きになることが運動機能発達のための近道だと思います。

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