幼い子供の金銭感覚を養う!お金の価値や使い方を遊びで教育するコツ
数年前のことです。当時2歳だった息子とテレビを見ていると、生活が貧しくて食べ物にも困る外国のある家族のことを紹介していました。
アナウンスで「今日も父親は日雇いの仕事が見つからなかった。お金が全くなくて、子供たちは水だけでその日は布団に入った」と言っているのを聴き、息子は怪訝な顔。
「ママ~。このおじさん、お金がないなら銀行に行ったらいいのにね!」
普段、お財布にお金が足りなかった時に私が「あ、今お金ないから銀行に寄るね」と言ったりしていたためでしょう。
モノが溢れている日本では、お金はあって当たり前。満腹に食べられて当たり前。息子はお金が銀行で貰えるものだと勘違いしているのか…と当時とてもショックを受けました。
こういう子供は今や少なくないのかもしれません。しかし、この豊かな時代にどうやって適切な金銭感覚を養えばいいのでしょうか。
ここでは日常生活での声かけの積み重ねや様々な遊びの手法を使って、小さなお子さんにでも家庭でお金の教育が出来るアイデアをご紹介していきます。
この記事の目次
金銭教育はいつから?幼児から練習、小学生から実践!
お金のことを子供に教えることに「小さいころからお金お金と言ってほしくないし、渡したくもない」と抵抗を感じる親御さんもいるかもしれません。
しかしオブラートに包んでばかりいると、「買って、買って!」と何でも安易に欲しがったり、お金の価値が理解できないまま過ごす可能性も否定できません。
子供がある程度の会話ができるようになる二歳ころから、実は簡単な金銭教育は始められます。
お子さんの性格や理解能力を鑑みながら、幼児のころはお金を扱う練習を遊びなどで体験させ、小学生になったらお小遣いやお使いで実践体験をさせていけるといいですね。
お金に執着する子供増加中!将来の夢は「お金持ち」
「うちの子はまだ小さいのにお金にとても興味があって欲しがるので困る」というママの声をたまに耳にします。
子供にとってもお金は好きなものに交換できる素敵なもの。お金があれば大好きなお菓子やおもちゃが思う存分買えるのですから、あると嬉しいですよね。
親が日頃から「金欠」などとお金の話を子供の前でしていると、「将来の夢はお金持ち」と子供が言い出して慌てる…ということもよくあるようです。
確かにお金に魅力があるのはよくわかるのですが、子供が言うと…ママはちょっと心がザワザワしませんか?
この漠然とした不安は、子供がお金の価値や管理方法、お金で買えないものもあるという道理を理解せずに「お金、お金」と言っているからではないでしょうか。
そういった意味でも、お金の教育は使う方法よりも先に「お金の価値や役割」をしっかり正面から教えていくことを忘れてはいけません。
子供は知らない!「お金ってどういうもの?」の疑問を解決してあげて
そもそも「お金ってどういうもの?」という根本的なことを子供は知りません。「お金はどこから来るのか?」についてまずは教える必要があります。
お金の価値も単位も理解できない幼児に、お金の価値や大切さを教えることは容易ではありませんが、まず、お金はどうしたら手に入るのか聞いてみて下さい。たぶん答えられないでしょう。
「パパやママが仕事をしているからこのお金がある」ということを伝えるのが大事です。
例としてこんなトラブルについて考えてみましょう。
A君がB君とC君と遊びに行き、途中でジュースをおごってしまい、帰りのバス賃がなくなってしまった。
小学生の男の子の話ですが、このようなトラブルはできることなら起こって欲しくないですよね。だから小さい頃からお金の教育が必要なのです。
そこで、「パパやママがお仕事をしているからお金があって、パパやママがお仕事をしなければこの100円玉はここにはないんだよ。」と言ってみて下さい。
外で仕事をしている場合、子供はパパやママが仕事をしている姿はなかなか見えてきません。仕事をすることでお金が得られるという自体が子供にとって大きな発見なのです。
金銭教育をすることで身につく3つのメリット
では、まず最初に金銭教育をしていくと子供にどんなメリットがあるのかを順番にみていきましょう。
ものには価値があることを知る
日常生活の中で、何にお金がかかっているかを子供は知りません。例えば水。トイレだって水を流せばお金がかかります。
エネルギーを大切にすることはエコで良いとされますが、お金がかかるから水を大切にしてね、というと大人は抵抗があるかもしれません。
しかし日常生活に見えないお金がかかっていることを普段の生活の中で上手に伝えていくと、ものを大切にするきっかけにもなるでしょう。
- 水・電気・ガスも使っただけ料金を払っているよ!
-
電気やテレビのスイッチをパチパチ切り替えたり、水をジャージャー流しっぱなしにしたり…。実感はないけれど料金がかかっていることも伝えておきたいですね。
- 保育園・幼稚園にお月謝を払っているよ!
-
何気なく通っている保育園や幼稚園、着ていく制服や体操服、そこで食べている給食なども無意識ですが全て買ってもらったもの。大切に楽しんでほしい、と思っていることを伝えましょう。
- 習い事にも月謝がかかっているよ!
-
すぐに「今日は休みたい」が気軽に出てくる子供の習い事。どうやって行くことを説得していますか?「パパやママが一生懸命働いてお月謝を払っているよ」ということも伝えておきたいですね。
自分が楽しんだり、学んだりするためにお金を払っていると理解することは大切です。感謝の気持ちを育むことで、色んなやる気につなげていきましょう。
自分のものと他人のものの区別がつく
幼い子供はお友達の家から勝手に気に入ったおもちゃを持って帰ってきてしまったりすることがあります。自分の気持ちだけで動く子供には制御不能なことはままあるもの。
そういう場合は「これは誰のものか」「自分のものはどれか」をしっかり話して聞かせ、本人にあるべき場所に返す努力をさせなくてはなりません。
どんなものにも持ち主がちゃんといます。「これは○○ちゃんのパパが○○ちゃんに買ってあげたものだから返そうね」と説明しましょう。
同時に家族の中でも、何でも適当に共有しあうのではなく、これは親のもの、これは子供のもの、とある程度の線引き教育は行いましょう。
- 「お兄ちゃん(お姉ちゃん)のおもちゃを貸して」
- 「これはママのスマホだから勝手に使わないでね」
- 「お菓子を食べるときはママと相談した分だけにしようね」
家族なのに細かいルールは必要ないと思われるかもしれませんが、ルールを家族間でも守る習慣を身につけておけば、社会に出ても対応が可能になるのです。
お金では買えないものがあることが分かる
こうしてお金が生活に結びついていることを少しずつ教えていくと、そのうちお金では買えないものが世の中にはあるのだということにも突き当たります。
以前、私の息子はよく仮面ライダーの変身ベルトやお面を欲しがりました。しょっちゅうシリーズも変わる上、片付ける場所も必要なので親としては頭痛の種でした。
そこで手作りでベルトやお面を作るようにしたところ、色々な工夫をこらして色や形を作るようになり、出来た作品で上手に遊ぶようになりました。
おもちゃ屋さんで買う商品も素敵ですが、自分で工夫したおもちゃもまた、お金に代えられない宝物です。
当時「このおもちゃには値段がつけられない位の価値があるね」と息子を褒め、お金で何でも解決できるわけではない体験を積極的にさせたいなと思いました。
例えば身近なところでは手作りプレゼント、社会的にはボランティア活動などを通じて、幼い子供でもプライスレスな体験をすることはできます。
そんなときは「お金で何でも買えるわけではない、気持ちに値段はつけられない」ということをしっかり伝えてあげてくださいね。
金銭教育のススメ方!お金のルールを知る
日常生活での心がけ、声掛けからの金銭教育の仕方をみてきましたが、ここからはお金を具体的に効果的に「使っていけるようになるための方法」を見ていきましょう。
まずは数字の数え方から!お菓子を上手に分ける習慣
いきなり数字をお金に直結させることは難しいので、2歳くらいになって数字がしっかり数えられるようになってきたら、おやつタイムに数のお勉強を取り入れてみましょう。
【手順】
- まずは箱や袋に入っているお菓子の数を毎回数えさせます。
- 「量詞」の付け方を教えます。細長いものは「本」、塊は「個」、薄く平らなものは「枚」などお菓子の形状に応じて教え、「1本、2本、3本…」と数えさせます。
- 親や兄弟と分ける場合は何個ずつ食べられるかを考えさせます。
これは一気に教えるのではなく段階を踏んで、出来るようになってきたら次!という風に進めてください。量詞は丁寧に教えてあげるといいでしょう。
学び始めには「今日は箱に9個入っているから3人で分けて3個ずつね」と最初は大人が分け方をはっきり提示してあげ、子供に聞かせます。
繰り返しているうちに「全部で○個、○人でわけるから一人○個食べられる」と言えるようになってきます。
更に1本のお菓子を切り分ける場合は「3分の1に切るね」などと分数で表現してあげてください。始めは訳が分からなくても、4人なら4分の1…と理解が進みます。
数字への理解を進めておくと、お金の計算へも入っていきやすくなるでしょう。
普段子供と一緒に買い物に行くときも「一人3個ずつ食べられるからお得だね」「これを3分の1では少なすぎるかな」など会話にもドンドン盛り込んでください。
お金の種類を覚えるゲーム
数字が読めるようになったら始め時。おもちゃのお金を使うので、最初に「これはおもちゃで外では使えないよ」と必ず注意しておいてください。案外使おうとするので…。
①硬貨を用意します。本物でもいいのですが、衛生面が気になる場合は100均で売っているこども銀行のものなどがいいでしょう。
②1円、5円、10円、50円、100円、500円と色や大きさ、穴の有無を強調して教えてあげてください。
③硬貨を全て子供に渡し、「今から言うお金を10秒数える間にママに渡せたらAちゃんの勝ち、渡せなかったらママの勝ち」とルールを伝える。
④硬貨を見えやすいように並べてからスタート。
「5円ください!10、9、8…」
⑤最初は迷って、すぐに渡せないかもしれません。慣れてきたら5秒、3秒とタイムを短くしていきます。
⑥ママが一度でも勝つとやる気をなくしやすいので、タイムはゆっくりカウント!
これで硬貨がわかるようになったら、お札でも同様に遊んでください。100までの数字が数えられるお子さんなら「10円を2枚で20円ください」と応用していきましょう。
お金の数え方「どっちが多い?」ゲーム
①お金の見分けがつくようになってきたら、10円が2枚で20円になる、3枚で30円といった足し算を教えてあげましょう。
②簡単な足し算がわかるようになったら、大人が両手にそれぞれ適当に硬貨を数枚にぎりしめ「右手と左手どっちが多いでしょう」と質問します。
③子供が指さした手を開いて「20円でした」、もう一方を開いて「10円でした、○○ちゃんの勝ち~」といった手順で当ててもらいます。
④1円、10円、100円でそれぞれ試したあと、もっと複雑なものが分かりそうだったら54円や96円など複雑な組み合わせにしてみましょう。
我が家はこれをロングドライブの車中で当てっこゲームにしていました。単純なゲームですが、子供は意外と喜んでエンドレスに続けてやりたがりますよ。
長期休暇を利用してお手伝いでほしいモノを買おうゲーム
これはお金を稼ぐプチ体験をするために春・夏・冬休みなどを上手く活用してお手伝いをしてもらうだけのゲームです。(ゲームとは言えないかもしれませんが)
①欲しいモノを決める。
※高価な玩具はNG!夏休みの最後に映画に行く、大好きな雑誌を買ってもらう、などお手伝い の対価としてふさわしいものを選んでください。
②お手伝いする内容を決めます。基本的に毎日できることをしてもらいましょう。
例:玄関の靴並べや掃き掃除、植木の水やり、床の拭き掃除など
③シール表を作ります。
④休みの最後にご褒美をもらいます。
目標金額を最初に設定して、日割りする工夫をしてもいいでしょう。休暇中に達成できなかった場合に延長できるようにしておくためです。
毎日一定のお手伝いを習慣づけることは、子供の生活リズムにとっても貴重です。これを機に、普段の生活でもお手伝いをしてもらいましょう。
【お金をどう使う?】お年玉はお金の大切さ、使い方を知るチャンス!
子供がまだ小さいとはいえ、じぃじやばぁば、親戚の方などからお年玉を現金でもらう機会があると思います。
そのお年玉は今後の教育資金として取っておいたり、高額なランドセルなどを買う時の足しにしたいなどの理由で、親が預かって子供名義の通帳に預金するという親御さんもいらっしゃいますよね。
しかしこの”お年玉”お金の大切さを教えるチャンスです。
何か欲しいものはある?と相談してみましょう。このときに「○○ちゃんのお金を貯める”通帳”もあるんだよ」と通帳も一緒に見せて、お金は使うこと意外に溜めることもできるということも伝えます。
何も欲しい物がなければ「じゃあ、貯金しましょう」ということになりますが、何か欲しい物があれば一緒に買いに行きます。
全額でなくてもいいんです。もらったお年玉の中から1000円(子供の年齢に合わせて増額も可)子供たちに渡してみてください。
その欲しいものが予算内で買えるものかどうか検討し、もしそこで、予算オーバーだった場合、親が追加で援助してはいけません。
お金が足りなければもちろん商品を買うことはできませんよね。そんな当たり前のことも子供たちにとっては勉強なのです。
そして一緒にお買い物に出かけましょう。ただ、小さい子はお金の計算もできないですし、本当に心から欲しい物かどうかというのは怪しいところなので、親が必ず付き添ってあげて下さい。
おもちゃはなかなか1000円ではかえませんが、お菓子売り場や本屋さんであれば購入可能な物があるはずです。
「1000円で買える物って何だろう?」「この1000円でこれだけしか買えないのか…」などという事が子供たちに意識がついてくるはずです。
数についての理解がまだ完璧でなくても、「3つの数字(〇〇〇円)の値段の物なら買えるよ!」と教えてあげてください。
普段は「値段を見て物を買う」ことがなかった子供にとっては、物には値段がいろいろとあるという新しい発見を楽しくとらえてくれます!
ここからは子供にとってもゲーム感覚です。「これは買える!」「ママ、これは買えないよね?」と自分で値段を見つけてあれこれ考えて買うものを選び始めます。
子供自身で計算できないので、ママが「これだったらもう1つ買える!」「これはちょっとお金足りなくて無理だけど、これなら買える!」とサポートしてあげましょう。
「えっ?ホント?」「これなら買えるんだー!」ととても嬉しそうに自分でも考え始めます。
今まで自分が欲しいと思ったら、たとえもっと値段の高いものだろうと関係なく「ママあれ買って!」とねだって言うことを聞かなかった子供が、1000円の物を買うのに一生懸命考えて買う物を決めるようになってきますよ。
これはお祭りやお出かけ時などでも使えます。
今日はこれだけのお金で楽しもうね!と約束してお金を渡すと、子供たちなりに工夫したり我慢したりして、買うものを吟味して決めるようになります。
そして、「お金を何に使ったのか必ず教えてね」と子供に説明させる習慣をつけておくと、小学生になってお金を使う機会が増えても報告してくれるので、安心ではないでしょうか。
【なぜお金は大切なの?】お金を使う経験から「生活に必要なもの」だと伝える
なぜお金が大切なのかというと、お金がないと生活ができないからですよね。けど、あまり「お金、お金」と執着するのもよくない、というお金とは何とも微妙な存在です。
最近では電子マネーなどで小銭やお札を出すことなく、ピッと機会で精算が完了してしまいます。またはクレジットカード1枚で支払いができます。
大人はお金をチャージしなければいけないとシステムがわかっていますが、子供からすると永遠にお金がなくならない”魔法のカード”というふうに見えています。
今の子供たちからするとお金の姿が見えづらい時代なのかもしれません。
小さい頃から現金で買い物をする経験値を増やしていくことで、お金の大切さを学ぶきっかけを作ってあげましょう。
自分のお金を使う=目に見えるお金が減っていくということが、お金を使う行為をより慎重にさせるためではないでしょうか。
お金には限りがあるという事をしっかりと教えておきましょう。そして、その中で上手にお金をやりくりして使うことができると楽しい!嬉しい!という事を理解させてください。
そうすれば、きっと子供たちはお金を大切に使うことができるようになります。
お金のことをもっと詳しく!絵本の世界からのお金入門
お金の教育が出来る絵本をご紹介します。絵本で学ぶとよりわかりやすく、楽しく学べるので絵本もドンドン取り入れてみてください。
- ともだちや 内田麟太郎作 偕成社
-
きつねは100円で「ともだちや」の商売を始めようと計画しますが、果たしてその結果は?お金で友達を買うことは出来ません。お金で買えないものがある事を学べる一冊。3歳から。
サイト名:http://www.ehonnavi.net/ehon/7/%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%A0%E3%81%A1%E3%82%84/
- ペレのあたらしいふく エルサ・べスコフ作 福音館書店
-
ペレ少年が新しい服を手に入れるため、周りの人の協力を得ながら奮闘する姿を描いた絵本。モノを手に入れるのは簡単ではないこと、働く意味を教えてくれるスウェーデンの名著。4歳から。
サイト名:
http://www.fukuinkan.co.jp/bookdetail.php?goods_id=504
小学生以降の金銭教育のススメ方
小学生以降はどのようにお金教育を進めていけばいいのかを簡単にご説明しておきます。予備知識として参考になさってくださいね。
お小遣い制のメリットとデメリット
お小遣いをいつからあげたらいいのか、どれくらいあげたらいいのか。親御さんの考え方はそれぞれなので、一概に「これが正解」はありません。
小学生進学を機にお小遣いをあげるという家庭は8割になります。
一般的に考えられるお小遣い制には、お手伝いや成績の結果などの「ご褒美型」と、とにかく毎月定期的にもらう典型的な「定額型」があり各家庭によって様々です。
- ご褒美型(お駄賃)
-
子供がお手伝いをしてくれたり、頑張って何かを成し遂げたときなどにご褒美としてあげるお小遣いです。
メリットは苦労して貰ったお小遣いなので大事に計画的に使おうという意識が働く。デメリットはお小遣いを貰わないとお手伝いや勉強を頑張らなくなる可能性がある。
- 定額型
-
メリットは「子供をお金稼ぎに走らせたくない」という親の希望に沿った形でお金の管理法が学べる。デメリットは苦労していないので無駄遣いに走る可能性が高い。
子供が「そろそろお小遣い欲しい」と言い出したり、物欲が旺盛になってきたりした時が案外始め時かもしれません。
ご褒美型・定額型のどちらが正しいということはありません。大切なのは各家庭での方針をきっちり持つこと。
どちらを選ぶか、いつからあげるかは家族の相談の上で、子供の年齢と性格・周りの環境・生活スタイル上の必要性などに応じて決めてください。
小学生でも幼児でも、お小遣いは「○○円」が正解というものはありませんが、まずは「どうしてお小遣いが必要か」ということを子供と一緒に考えてみて下さい。
「○○ちゃん家ではお手伝いをすると10円くれるって」と言われても「へぇ、そうなんだ」と返事をするだけでいいのです。
「うちはうち、よそはよそ」という姿勢を貫くことが肝心です。
ちなみにうちでは普段のお手伝いではお小遣いはあげませんが、畑仕事を手伝ったときはお駄賃をあげます。2歳ぐらいからやっています。
なぜなら、生きていくためには働いて食べていかなければいけませんよね。そう思ったときに畑仕事は立派な労働だと思ったのでどれぐらい手伝ったのかによってあげる金額を変えています。
お小遣い制を導入する方法
日本には「必要なものは必要な時に親がちゃんと買い与えるので小遣いは必要ない」という考え方も根強くありますが、ルールがしっかりしていれば安心して始められますよ。
- お小遣い制導入でお小遣い帳を書かせよう
- 「欲しい」と「必要」なものを区別させる習慣を
- 積極的にお使いに行ってもらう
お小遣い帳の記入の仕方を教えて、小さいころからでもお金の収支を意識する習慣をつけてあげるといいでしょう。
また、そのお小遣いの使い道についても自分で計画性を持って無駄遣いのないよう、「欲しい」ものと「必要」なものをしっかり区別できるようアドバイスしてください。
モノの値段を知ることも自立には大切なことなので、スーパーへのお使いも積極的にさせてお金の使い方を学ばせ、管理する能力がつくような経験をさせてくださいね。
お小遣いをあげる場合に気を付けなければならないのが、子供に「お小遣いがなくなったからまたちょうだい」と言われても一貫して応じないようにしてほしいのです。
お金は使えばなくなりますよね。使ったらそこで終わりです。
失敗を繰り返すうちにお小遣いの範囲内でやりくりする力が養われていくので、あと10円という少額でも親も追加援助をしないように堪えましょう。
お金の話をタブー視しない!家族で話すお金のこと
ここまでのお金教育の話は役に立ちそうですか?普段何気なく親から教えていて、今更な内容もあったかもしれませんが「効果を意識した状態で行う」ことが大切です。
現在の日本は物資が豊かで不便を感じることの少ない生活をしている人が大半です。そんな中でも有効に貯金したり運用したりできる感覚を養うためには意識が必要です。
このように家庭の中でどんな基準を設けるかを明確に1度ゆっくり考えて決めることで、今後のお小遣いやお金の教育に繋がっていきます。
子供のお金の教育について考えるようになると、ママ自身もお金の有難さを感じたり、将来の学費などついて考えるきっかけになったりと勉強になりますよ。
お金の話は大人の間だけで終わらせず、折に触れて貯金や節約のことなども子供との会話に上手に取り入れていくことをお勧めしたいと思います。