出産費用は医療費控除で還付を受けよう!制度の変更点も解説

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2018/07/17

妊娠・出産をした年は、普段に比べてかなりの医療費が掛かります。

国民健康保険中央会の発表では、平成28年度の出産費用の平均が505,759円、中央値が
493,460円だそうです。

子供のためにも何かとお金がかさむので、少しでも出費を抑えたいところです。

医療費に大きな金額を払った年は、医療費控除をすると払いすぎた所得税が戻ってくるので、翌年に医療費控除の確定申告をしましょう。

医療費控除の対象となる人

医療費控除の対象となる人は、1年間に支払った家族分の医療費の合計が10万円を超える人です。所得が200万円未満の人は、医療費の合計金額が所得の5%を超える場合となります。

確定申告をしても、払った医療費が戻ってくるわけではありません。給与から天引きされて払いすぎた所得税が戻ってくる制度なので、所得税を納めていない人は還付金は発生しません。

出産費用で医療費控除の対象になるもの・ならないもの

1月1日から12月31日までに、家計を同じにする家族全員が支払った医療費が対象となります。未払いの医療費は対象となりません。

医療費控除ができるのは、原則として「治療をともなう医療行為に支払ったお金」です。病気の予防や健康維持のための費用は、控除の対象とはなりません。

妊娠中の妊婦健診は、何か月にもにわたるので、年をまたいだ場合は注意が必要です。同じ妊婦健診の費用でも、例えば平成29年12月25日に支払ったものは平成30年の確定申告の対象で、平成30年1月10日に支払ったものは平成31年の確定申告の対象となります。

もし、申告をし忘れてしまった場合でも、5年間分をさかのぼって申告することもできます。

医療費控除の対象になるもの

  • 妊婦健診の費用
  • 通院のための交通費(電車代・バスの運賃など)
  • 不妊治療・人工授精の費用
  • 悪阻・切迫早産などで緊急入院した場合の入院費用
  • 陣痛がはじまって病院まで利用したタクシー代
  • 分娩費用(普通分娩・帝王切開・無痛分娩)
  • 出産後の入院費用(病院食の代金も含む)
  • 乳腺炎の治療としての母乳マッサージ

通常、健康保険の対象となる医療行為が、医療費控除の対象となります。妊婦健診は、病気の治療ではないため健康保険の適用外ですが、医療費控除の対象です。

電車代・バス代など領収書が出ないものは金額がわからなくなるので、日付やいくらかかったかメモをとっておきましょう。

医療費控除の対象にならないもの

  • 妊娠検査薬の代金
  • 通院のための自家用車のガソリン代・駐車場代
  • 葉酸サプリ・カルシウムの錠剤などのサプリメント
  • インフルエンザの予防接種の代金
  • 里帰り出産で帰省する際の交通費
  • 入院の際の差額ベッド代
  • 入院の際に必要な洗面具などの身の回り品

葉酸サプリなど、妊婦が摂取した方が良いサプリメントなどは、残念ながら控除の対象外です。

入院の際の病室を個室にグレードアップした場合は、上乗せされた差額ベッド代は対象外となります。部屋が空いておらず、やむを得ず個室を利用したなどの事情がある場合は、医療費控除の対象として認めて貰えます。

所得が多い人が申告をした方が、還付金の戻りが多い

医療費控除の金額は、次のように計算します。

医療費控除の金額=1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費の合計金額-支給された保険金・給付金-10万円

※所得が200万円未満の人は、10万円ではなく所得の5%の金額を引きます。

医療費控除の金額と、所得税率をもとに還付金の額が決定されます。

還付金額=上記の医療費控除の金額×所得税率

所得税率は、その人の課税所得に応じて異なります。

課税所得 税率
195万円以下 5%
195万円超~330万円以下 10%
330万円超~695万円以下 20%
695万円超~900万円以下 23%
900万円超~1,800万円以下 33%
1,800万円超~4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

例えば、その年にかかった控除対象の医療費が15万円とします。所得が300万円の人は、所得税率が10%です。

還付金の額は、15万円×10%=1万5,000円となります。

所得が500万円の人は、所得税率が20%です。

還付金の額は15万円×20%=3万円となります。

このように、共働き夫婦の場合は、収入が多い方が医療費控除を行った方が戻ってくる金額が多くなります。

出産一時金・高額療養費等を引くことを忘れずに

医療費控除の計算では、支払った医療費の合計から保険金などで補填された金額を引きます。赤ちゃんが生まれると、出産一時金が貰えますが、このお金も医療費の合計から引きます。

帝王切開でのお産は、健康保険の対象となるので高額療養費が申請できます。また、生命保険に加入していると、帝王切開は手術なので保険会社から給付金が支給されます。

高額療養費や保険金も、かかった医療費から忘れずに引かなければなりません。

確定申告で医療費控除をする流れ

書類の入手から申告の完了までの流れをみていきます。

確定申告の用紙はダウンロードもできます

確定申告の用紙は、税務署や市区町村の役所で貰えるほか、国税庁のサイトからもダウンロードできます。

確定申告書には、A様式とB様式がありますが、サラリーマンで医療費控除をする目的のみの場合は、A様式を選びます。

国税庁のホームページの確定申告書コーナーでは、申告書をパソコンで作成できます。作成した申告書をプリントアウトして、提出することができるので便利です。

電子申告ができる環境があれば、作成した申告書をペーパーレスでパソコンから送信することも可能です。

確定申告に必要なもの

医療費控除の確定申告では、次の書類を提出します。

  • 確定申告書
  • 医療費控除の明細書
  • 源泉徴収票
  • 確定申告書の添付書類台紙
  • マイナンバーカードのコピー
平成29年分の確定申告から、医療費のレシート・領収書の提出が不要となり、医療費控除の明細書を添付するだけでよくなりました。

領収書の提出は不要ですが、5年間は保存が義務付けられているので捨てないでください。

マイナンバーの提出も、平成28年分の申告から必要となっています。税務署で申告書を提出する際に、マイナンバーカードを提示することで、書類の添付を省略することもできます。

申告書の作成には、以下のものが必要となります。

  • 医療費のレシートや領収書
  • 医療費のおしらせ
  • 印鑑
  • 医療費を補填する保険金・給付金の支給金額がわかるもの
  • バス代・電車代など交通費の金額のメモ

平成29年分から医療費明細書の様式が変わりました

平成29年分の医療費明細書に、「医療費通知に関する事項」が新しく追加されました。

これは、職場の健康保険組合から送られてくる「医療費のお知らせ」の医療費の額を記載するための項目です。

医療費のお知らせには、病院で払った医療費の金額が記載されているため、この額を確定申告書の医療費明細書に転記することで、申告の簡略化を図れます。

注意しなければならないのは、医療費のお知らせは健康組合によって集計・送付の時期が異なるため、1月1日から12月31日の期間の全ての医療費が網羅されているとは限らないことです。

このお知らせに記載のない医療費や、薬局で購入した医薬品は、別途記入しないといけません。

1年間に支払った家族分の医療費を、人ごと、病院ごとにまとめて合計するという書き方は、従来と変わりません。

還付金は1~2か月後に口座に入金されます

確定申告書の還付金は、申告者の口座に振り込まれます。申告書の「還付される税金の受け取り場所に」、申告者本人名義の金融機関の口座情報を記入して還付を受けます。

紙で提出した場合、申告に不備がなく受理されれば提出の1、2か月後には振り込まれます。

提出期限は例年2月16日から3月15日までです。税務署へは、郵送でも提出することが可能です。

確定申告で医療費控除をするメリット

医療費控除をすると、還付金を受け取れるだけでなく、次のようなメリットがあります。

所得税が安くなる

所得税は、前年分の所得に対して課税されます。確定申告で医療費を控除して課税される所得の金額が低くなれば、掛かかる所得税も安くなります。

住民税が安くなると保育料も低くなる可能性も

住民税も、所得に応じて金額が決定されます。会社員は、毎年6月に前年の所得をもとに、税額が決定・通知されるので、確定申告で前年分の課税所得が低くなると、所得税と同様に住民税も安くなります。

住民税だけでなく、子どもを保育園に通わせる人は保育料も安くなる可能性があります。

認可保育園の保育料は、各人が支払う住民税の金額をもとにランクが決定されています。住民税が低くなれば、その分保育料のランクが下がって、金額も低くなる可能性があります。

セルフメディケーション税制とは併用できません

平成29年度分の確定申告からは、セルフメディケーション税制という新しい制度もスタートしています。

健康診断を受けるなど、病気の予防や健康の増進に力を入れている人が対象です。セルフメディケーション税制の対象となる、市販の医薬品を1万2,000円以上購入すると、この税制を利用できます。

控除対象額は、対象の医薬品の1年間の合計金額から1万2,000円を引いたものです。医療費控除と同じく、所得税が還付されます。

還付金の金額=控除対象額×所得税率で計算されます。

セルフメディケーション税制は、医療費控除とは併用することは出来ません。

1年間に支払った医療費の額が分かれば申告はスムーズ

確定申告は、会社員の人にはあまりなじみのないものかもしれませんが、医療費の控除の書類の記入は、ややこしいものではありません。

  1. 1年間分の領収書をしっかり保管
  2. 人ごとに領収書をまとめる
  3. さらに病院ごとに領収書をまとめて合計を出す

医療費の金額を把握するために、上記の3つの手順を踏めば、作成をスムーズに行うことが出来ます。

医療費のお知らせが利用可能となり、制度としても簡略化が図られているので、出産をした年は是非医療費控除を行いましょう。

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