更年期にも影響!?産後の安静が必要な理由と元気ママになるための過ごし方

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2017/03/07

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昔から「産後の肥立ち」「産後の床上げ」などと、出産後にはまずしっかり身体を休めることを促す言葉があります。

しかし最近では核家族化の影響から産後、退院したらすぐにいつもどおりの生活再開!というママも多くなっているそうです。

しかし産後の安静は気持ちの問題だけではありません。

産後の静養期間を十分に取らないことで身体はもちろん、精神面にも悪影響を及ぼす可能性があることをご存知でしょうか。
  • 子宮復古不全
  • 尿漏れ
  • 子宮脱
  • 腰痛
  • 産後うつ

身体で感じるダルさや、発熱、情緒不安定など「体調不良」と一言でまとまられてしまうような不調も、上記のような症状の前兆である場合もあります。

ママだけでなく、パパにも知ってほしい、産後の身体の変化についてお伝えしたいと思います。

産後の養生の目安は1ヵ月と言われている

産後の養生の目安は安静にした状態で約1カ月程度。

年齢や体質、出産の状況などによっても違いますが、2週間は安静に過ごし、3週間前後で少しずつ家事を始め、1カ月程度で元の生活に戻るというのが理想です。

布団を上げる「床上げ」のタイミングは3週間前後を目安にしておくといいでしょう。

里帰り出産をする場合や、実家からお手伝いに来てもらう場合には、1ヵ月程度を目安に計画を立てましょう。

高齢出産の場合は少し長めに

最近は35歳以上で出産する高齢出産も増えていますが、高齢出産の場合は出産時のダメージも大きいので、床上げには少し時間がかかると思っていた方が安心。

年齢が上がるほど、回復力も落ちるため、骨盤底や骨盤の開きが元に戻る速度も遅くなります

骨盤底の回復の具合はなかなか自覚できるものではありませんが、産後1ヵ月まではゆったりと過ごすようにしておきましょう。

しかし…長すぎる養生は逆効果

産後は十分な養生が必要ですが、あまりに動かないと血の巡りが悪くなり、血栓ができてしまうことがあります。そのため、産後2~3週間を過ぎたら、少しずつ起き上がる時間を伸ばしていくことが大事です。

1ヵ月経ったからと急に体を動かすと、体が慣れていないため、トラブルが起きやすくなりますので気を付けましょう。

産後の身体は不安定!ケア不足から引き起こされるリスク5つ

10ヶ月かけて大きくなったママのお腹。それが出産とともに一気に空っぽになります。

それまで赤ちゃんと羊水を支えていた骨盤や骨盤底筋は急に身軽になり、大きな子宮に押されていた他の内臓は急に広々。

かと言って、急に妊娠前の身体に戻るかというとそうはいきません。「お腹で赤ちゃんを育て、生み出す」という大仕事をしたママの身体はしばらく、空っぽになった子宮とともに不安定な時期を過ごすのです。

そこで重要なのが「静養」。ゆっくりと身体を休ませながら、骨盤や筋肉、内臓の位置を元に戻して行く期間が必要なのです。

もしその静養の期間を十分に取らないままでいるとどうなるでしょう?

  1. 安定していない、グラグラな状態の骨盤に負荷がかかる
  2. 子宮をはじめとする内臓が元の状態に戻れない
  3. 骨盤底筋の緩みが進行する
  4. ホルモンバランスの乱れが、産後うつを招く
  5. 腹直筋が裂けた状態のままになってしまう

産後の静養を甘く見ていると、身体はずっと不安定なままです。産後すぐや、年齢の若い間はそれでも何となく過ごせたり、大丈夫だと思っていても、後になって出てくる不調も多くあります。

上にあげた、産後の静養つまり産後の肥立ちが十分でなかった場合に身体に及ぼされる悪影響について詳しく見ていきましょう。

1.骨盤がグラグラ?!後になって出てくる症状

産後のケアと聞いて多くの人が気にしているのが骨盤についてではないでしょうか。

骨盤の開きや歪みが、おしりの大きさや形などの見た目に影響したり、腰痛の原因になったりすることもあり、産後の骨盤ケアを気にされているママは多いようです。

実際に、妊婦さんの身体は出産の時には赤ちゃんを外へ出さなければならないため、リラキシンというホルモンを分泌することで骨盤を緩め、開きやすくするようになっています。

産後の骨盤が「不安定」「緩んでいる」「グラグラ」と言われるのは間違いではないのです。

  • 腰痛
  • 椎間板ヘルニア
  • O脚
  • 股関節痛
以上のような症状は、背骨や大腿骨の土台とも言える骨盤が不安定な状態のまま過ごしていることによって、身体の各部位に余計な負担が掛かってしまい起こっている可能性があります。

通常ならば、産後にリラキシンの分泌が止まると自然に骨盤も元通りになるはずです。それがうまくいかないのが、現代女性の生活習慣からくるトラブルの原因とも言えるでしょう。

  • 日頃の運動不足
  • 産後ゆっくり横になる時間がなかった
  • ゆるんだ骨盤のケアを特に何もしなかった
リラキシンの分泌が終わっても、慢性的な運動不足によって骨盤を元に戻すための筋力がなかったり、静養が足りず歪んだ状態の骨盤に負荷が掛かり、そのまま癖になってしまったりすることが不調の始まりとなります。

忙しいママにはありがちな理由が、骨盤の歪みとなり、身体の至る所へ悪影響を及ぼしているのです。

美容面だけでなく、身体の中心とも言える骨盤。スムーズに元の状態に戻るのをサポートしてくれる骨盤ベルトを利用するのも良いでしょう。

しかし、いつまでもベルトに頼ってしまうのではなく、ベルトの役割を自身の筋肉でできるようになることが大切です。

産後の骨盤をスムーズに回復させるためには、まずは妊娠前、妊娠中の適度な運動から始まり、産後しばらくは余計な負荷を与えないための静養が必要なのです。

2.子宮はすぐには戻らない!妊娠・出産で大移動した内臓を戻そう

産後、ゆっくりと休まなければならない理由には、骨盤を落ち着かせるということ以外にも内臓Fを元の位置に戻すということも重要となります。

しかしこれにも、安静にしすぎると逆に良くないという現状もあるので、そのバランスがポイントとなります。

妊娠中、10ヶ月かけて子宮はグングンと大きくなり、それによって他の内臓は通常あるべき位置よりも随分と追いやられています。

出産とともに子宮が空っぽになり、内臓も子宮の圧迫から解放されますが、急に元の位置に戻れるかというとそうではありません。

そして産後1ヶ月健診で子宮の戻り具合のチェックがあるように、子宮もまた元の状態に戻るには5週間ほどが必要とされます。

産後の子宮は、授乳をすることでオキシトシンという子宮を収縮させるホルモンによって元の状態に戻っていきます。

なので、産後はなるべく赤ちゃんにおっぱいを吸わせることで、オキシトシンの分泌を促しましょう。

この時の収縮が、後陣痛と呼ばれる激しい痛みをともなう方もいますが、産院で痛み止めを貰うこともできますので、ひとつの方法として覚えておかれるといいと思います。

また、産後すぐからできる産褥体操も合わせて行うのがおすすめです。

「動いたほうが身体が戻る!」といって負担の大きい家事や運動をするのではなく、身体にあった動きを取り入れるようにします。

産後すぐからできる!産褥体操のやり方

  1. 仰向けに寝て、足を揃えて伸ばす
  2. つま先を上下にゆっくりと動かす(往復10回)
  3. つま先を左右に広げては閉じる(往復10回)

呼吸が止まらないようにゆっくりと吸ったり吐いたりしながら行いましょう。一日に10セットほどを目標にやってみてくださいね。

しかし羊水過多や巨大児など、様々な理由が関連して子宮の回復が遅れることもあります。

子宮内に胎盤などが残ったままになっていると、子宮復古不全になったり、そこから感染症を起こしてしまうことも。

出産後は1ヵ月ほど「悪露」が続きます。通常は3週間~1カ月ほど続きますが、出産直後がもっとも量が多く、徐々に減っていきます。

産後の悪露が長引く、極端に多い、下腹部痛、発熱など気になる方は産後1ヶ月検診の時に、医師に確認しましょう。胎盤や子宮内膜が子宮に残っていたり、子宮の戻りが順調でないことがあります。

子宮内に残留物がある場合は、それが婦人病の原因となる可能性が高いため、掻き出さなければならない場合もあります。

3.骨盤底筋が緩みっぱなし!?尿漏れや子宮脱を予防しよう

骨盤とともに十分なケアが必要なのが骨盤底筋。自転車に乗った時にサドルが当たる部分を想像していただくと、そこにあるのが骨盤底筋です。

たくさんの筋肉によってハンモックのように形成され、内臓や子宮を一番下で支え、また出産の際には赤ちゃんを生み出すという大きな役割を担っています。

しかしこの骨盤底筋も、現代の女性は筋力が低下傾向にあるとか。

昔の日本人女性は畳の生活が多く、トイレも和式。しゃがんで立つ、という動作が多く、それらによって自然に骨盤底筋が鍛えられていたそうです。

しかし今は椅子での生活が多くなり、もともと骨盤底筋が弱くなっているところに、妊娠・出産によって骨盤が緩み、負荷が増大しています。

また赤ちゃんを生み出すという大仕事をして疲労している骨盤底筋は機能しづらくなります。

  • 尿漏れ
  • 子宮脱(骨盤内臓器脱)

生理用品の売り場近くに、尿漏れ対策用品の売り場が広くなっていることからも、現代の女性の多くが尿漏れに悩んでいることがわかりますね。

また産後、骨盤底筋が回復しないまま放っておくと、尿漏れを起こすだけでなく子宮脱などの骨盤内臓器脱を起こす可能性もあります。

そのような深刻な症状が出る前に、自ら意識的に骨盤底筋を鍛えるようにしましょう。

骨盤底筋エクササイズのやり方

  1. あぐらなど、楽な姿勢で座る
  2. 膣、または肛門に意識を向ける
  3. 息を吸ってお腹を膨らませる
  4. 吐きながらお腹をへこませ、同時に膣や肛門を引き上げるように力を込める
  5. 呼吸に合わせて10回ほど繰り返す

一日に10セット程行うことが出来れば、徐々に骨盤底筋を鍛えることができますよ。

キッチンに立っているとき、信号待ちの時など、日常生活の合間を見てはこのエクササイズを行いましょう。

4.ホルモンバランスは大きく変動!産後うつにならないために出来ること

産後の身体の変化は骨や内臓だけではありません。心の問題もまたその後の生活に大きな影響を及ぼしてきます。

  • 情緒不安定になる
  • どうしようもない不安に駆られる
  • 気力がなくなる
  • 判断力が低下する

このような症状が出てくると、それはもしかしたら産後うつかもしれません。

産後は身体を元に戻すため、必然的にホルモンのバランスが通常とは異なり、不安定な状態になっています。

そこに育児へのプレッシャーや不安、疲れがたまってくると、欝状態に陥ってしまうのです。

鬱は決して心の弱さではありません。誰もが陥る可能性があるということを、家族みんなで理解しておきましょう。

核家族が多く、パパが仕事などで中々育児に関われないなどの事情がある場合には特に気をつけて欲しいと思います。

男性は産後うつというものの深刻さを理解しにくいものです。パパにどうやって伝えればいいか…うまく伝わらない…と悩んでいるママも多くいます。

  • 産後うつについて書かれた本を読んでもらう
  • ネットで自分と似た症状の体験談やエッセイなどを見つけ、メールで送る
  • ママ以外の人から、産後うつの辛さについて伝えてもらう
ママが言葉にしようとするとどうしても感情的になったりして肝心の「助けてほしいこと」について伝わらなかったり、パパも「一時のものだろう」と軽視しがちです。

本好きのパパには本を、活字が苦手なパパでも、ネットのまとめなどなら読みやすいでしょう。

また職場の上司や、パパが一目置いている人から伝えてもらえるように出来れば、最も効果があるようですよ。

自分達ではどうしようもない状態になった場合は、医療機関を受診してカウンセリングを受けたりお薬をもらうなどの方法が最も確実です。

その時も、パパについて来てもらうなど、一人で抱え込まないようにしてくださいね。

産後うつを予防するために気を付けたいことは下記2点です。

手を抜くことも育児のスキルです
  • 洗い物や洗濯物が溜まっていても、赤ちゃんとの時間をゆっくり過ごせたのならそれで十分!
  • 赤ちゃんが寝たら自分も一緒に寝ましょう!
  • 全て完璧にできなくても深刻な問題は起きません!

長い子育て期間、思い通りに出来ないことがあるのは当然です。どこで手を抜くか、手抜きをする自分自身を許すことも育児において大切なスキルですよ。

「育児本に正解は載っていない」と思う
初めての育児、情報で溢れている現代のママは育児本やネットの情報を頼りにすることが多いものです。

この記事を書いている私ももちろん、育児関連のサイトにたくさんお世話になってきました。

しかし、時にそれが自分を苦しめることにも。本やネットに書いてある通りにならないと不安になりませんか?

育児本はあくまで参考。取り入れられるところだけうまく利用しましょう。書いてあることだけが正解ではないということを忘れないようにしてくださいね。

5.ぽっこりお腹が戻らない理由はここにあった!?腹直筋の離開

腹直筋という筋肉をご存知でしょうか?お腹に縦に走っている筋肉です。位置的にも、妊娠によって大きく膨らんだ子宮によって前にぐっと押し出されてしまいます。

そして押し出されたときにその筋肉の真ん中が割れて、産後も元に戻らない状態を「腹直筋離開」といいます。

  • 産後のぽっこりお腹がいつまでたても治らない
  • でべそになった
  • 食後、異様にお腹が出る
  • お臍の下あたりを触ると筋肉の溝があり、指が2本以上入る

このような症状がある場合は腹直筋離開を疑ってみましょう。

そのままにしておくと、ぽっこりお腹という見た目の問題だけでなく、腹筋が使いづらくなったり、体幹が安定しないため、腰痛や肩こりなどの不調にも繋がります。

腹直筋は画像のように縦にあります。

この開いてしまったところを締めるようにイメージしてエクササイズを行いましょう。

腹直筋離開に気づいた時のエクササイズ

  1. 仰向けに寝て膝を立てます
  2. 肩に力が入らないように、また背中全体が床につくようにします
  3. 吸ってゆっくりとお腹を膨らませます
  4. 息を吐いてお腹をへこませていきます
  5. 少し腹筋に力を込めながら、最後の一息まで吐き切ります
  6. ゆっくりとした呼吸で10回繰り返しましょう

朝起きたとき、子供を寝かしつけたとき、夜寝る前など、横になった時に毎回行うように習慣にするのがおすすめです。

腹直筋離開を治そうとむやみに腹筋運動などをすると、逆に離開した筋肉を引っ張ってしまい、悪化させることもあるので注意してくださいね。

また、お腹の悩みといえば、ストレッチマークとも言われる妊娠線で悩まれる方も多いですよね。

残念ながら一度できてしまった妊娠線を完全に元の状態まで消すことはできないのですが、しっかりと保湿ケアをすることで目立たなくすることはできます。

オイルやクリームなどをきちんと塗ってケアすることで、妊娠線、また黒くなってしまった正中線も薄くなりますよ。

退院後に待っている生活と静養のポイント

以上、様々な産後起こり得るトラブルと対処法をお伝えしましたが、いかに産後の身体がデリケートな状態かがお分かりいただけましたでしょうか・

生まれたばかりの赤ちゃんはもちろんのこと、ママの身体もまた同じようにケアを必要としているのです。

ではそんなデリケートな産褥期間はいつまで続くのでしょうか?「自分の身体と相談しながら動きましょう」といっても、出産が初めてのママにとってはよくわからないもの。

産後の回復のためにはどのような生活を送ればいいか、ポイントを押さえておきましょう。

産後4日~10日程は産院で過ごすことがほとんどかと思います。なるべくベットに横になって過ごしましょう。

また赤ちゃんに会いに訪れてくれる友人などもいらっしゃるかとは思いますが、この時期はなるべく、長時間のおしゃべりなどは避けるようにしましょう。

退院後も同じですが、ママが疲れない程度かつ、リフレッシュになる。そのバランスを大切にしましょう。

では退院後はどんな生活が待っているのでしょうか?

産後~2週間
  • 退院後も赤ちゃんの隣に布団を敷き、ママも基本、横になって過ごす
  • オムツ換えとおっぱいに専念
  • スマホなど、目を酷使すると不眠になりがち!極力避けて穏やかに過ごす
  • 睡眠をなるべく多く取る
  • 冷えにはくれぐれも注意しましょう。首、手首、足首を暖かくしておくと身体全体の冷えを防ぐことができますよ。
~3週間
  • 両膝を立て仰向けになり、片足ずつ天井に向かってあげるなど、少し負荷の大きい産褥体操も行っていきましょう
  • 家事も少しずつ可能ですが、疲れたと感じたらすぐに休みましょう
  • お風呂はまだシャワーのみ
  • 内臓もまだまだ弱っています。甘いものや脂肪分の多いものはもう少し我慢。美味しい母乳のためにもヘルシーな献立がおすすめです。
  • ホルモンバランスの乱れによって肌の状態も不安定。妊娠中に引き続き、シミが出来やすいと感じることも。肌代謝を良くするビタミンCやAが含まれる食材も積極的に摂りましょう。
~4週間
  • 1ヶ月健診では子宮の戻り、おっぱいの状態など気になることは何でも聞きましょう
  • 医師の許可が出ればお風呂で湯船に浸かることもOKに
  • また赤ちゃんと一緒にゆったりと散歩に出かけるなどリフレッシュも兼ねて歩くようにしましょう
~5週間
  • ほぼ通常通りの生活でOK
  • 産後ヨガや骨盤矯正などに行って身体のメンテナンスをするのもおすすめ
~2ヶ月
  • 無理をしないこと
  • 産後うつに気を付けながら、ゆったりとした育児を心がけましょう

順調に身体の回復が進めば、上記のような期間で身体も生活も戻ってくるかと思います。

しかし、子宮の戻りが遅かったり、乳腺炎や産褥熱、腰痛など思いがけないトラブルが起こることもあります。

頻回な授乳で睡眠不足が続いたり、忙しくてついママの食事の栄養バランスが崩れていくことも。栄養が不足すると免疫力も下がり、体調を崩してしまいます。

3食毎回、完璧に栄養バランスがとれた献立を立てるのは難しくても、1日トータルや1週間トータルで栄養バランスを見てみましょう。

野菜やたんぱく質がしっかりと摂れているかをチェックするようにしてくださいね。

トラブルがあっても焦らずに、じっくりと治し、予防しながら自分自身の身体を大切にしてあげてくださいね。

「それでも私が動かなきゃ」というママへ…健康な身体で育児を楽しむための工夫

寝ていたら誰もごはんを用意する人がいなくなる…手伝いを頼める人がいない…

また2人目、3人目のママは特に、いつまでも静養していられない…という場合もあるかと思います。

そんな時でももちろん、時間を見つけてはお昼寝をしたり、休む時間を極力多くとって欲しいものですが、「時間ができたら休もう」ではなかなか時間はとれないもの。

そんな時は、積極的に休む時間を作るための方法を探してみましょう。

おじいちゃん、おばあちゃんに頼ろう!ストレスにならないコツ

産後、誰かの手を借りたいと思うときにまず考えるのがおじいちゃん、おばあちゃんの存在ではないでしょうか。

里帰り出産でなんとか乗り切ったという新米ママも多いものです。また、義実家であっても、ほどよく気を使ってくれるので居心地が良いという声も。

おじいちゃんやおばあちゃんを育児においての強い味方にしておくことは、子供がある程度大きくなってからも、夏休みなどにお泊りに行かせてママは家でゆっくり過ごせたりなど、メリットは大きいものです。

しかし、実は同時に産後、一番揉める原因とのなり得るのもまた、おじいちゃん、おばあちゃんとの関係とも言えます。

  • 昔の育児法を押し付けられる
  • 価値観の違いが浮き彫りになる
  • 何かにつけて干渉される

ママも価値観を持った一人の大人。自分の思い描く育児もあるでしょう。

そんな時におじいちゃんやおばあちゃんとの意見の違いがママにとっての大きなストレスになることが多くあります。

私も産後、実家の母と嫌な雰囲気になったことも…しかしただひとつ言えることは、あまり表立って対立しないことをおすすめします。

産後はママ自身もホルモンの影響でイライラしやすくなっています。後になって考えると、そんなに気にすることでもなかった…と気づくこともしばしば。

おじいちゃん、おばあちゃんとの関係にストレスを感じたら、さりげなく距離を置いて落ち着くように心がけましょう。

  • 里帰りを早めに切り上げる
  • 向こうの家に行くのではなく、こちらのテリトリーである自宅に来てもらう
  • 気を遣う義実家に行くときは終始、パパも必ず一緒にいてもらう

産後は実家に行っても義実家に行ってもストレスだった私ですら、子供が小学生になった今は、連休には子供を隣県の義実家に預けて、一人のんびりと日頃のストレス発散をしています。

程よい距離感を探りながら、おじいちゃん、おばあちゃんに甘えてみてくださいね。

パパは知らなくて当たり前!?ポイントは妊娠中、妊娠前から話し合うこと

さて次に最も身近で頼りにしたい存在。パパ。しかしパパもまた、ママのイライラの原因になってしまう可能性があるので注意が必要です。

  • 手伝ってくれない
  • 気づいてくれない
  • 気を使ってくれない

ママにとったら、さりげなくサポートして欲しいと思うのですが、基本的に男性は女性ほど出産や育児について事前に調べたり勉強したりする機会も少ないため、難しいものです。

そこで大切なのが、ママからきちんと出産と育児についてパパに話をしておくこと。

  • 出産前後に必要な手続きや、やってほしいこと
  • 産後の身体の状態と回復にどれくらいの期間が必要かということ
  • 産後、これだけは手伝ってほしい!ということ
  • 体調によったら家事が出来ない場合もあるのだということ

これらを感情的ならずに完結に話して説明しておくと、男性にも理解しやすいようです。

そして感情的にならないためには、産後ではなく、妊娠中にそういった話し合いの場を設けることをおすすめします。

何度も書いていますが、産後はママの情緒は不安定になりやすいことが多くあります。

話しているうちに感情的になってしまっては本当に伝えたいことが伝わらなかったり、ママにとっても余計に辛くなってしまうことも。

妊娠中からすでに「ママ」になっている女性と違い、赤ちゃんが生まれた瞬間にようやく「パパ」としての実感が湧く…またはもっと後になってパパとしての自覚が芽生え始めるという男性もいるそうです。

パパは知らなくて当たり前!だからわかりやすく完結に、伝えてみてくださいね。

地域の子育て支援を利用しよう!一時保育やファミリーサポートをもっと気軽に

おじいちゃんおばあちゃんも頼れる状況にない…パパも仕事で不在が多い…そんなママには、ファミリーサポート事業や家事代行、ある程度月齢が過ぎると保育園の一時預かりなどを利用するのもひとつの手です。

出来ないことは無理せず、出来る人にやってもらいましょう。

家事などを外注するのは最初は勇気がいるかもしれません。しかしちょっと勇気を出して利用してみると、実は思ったほどに躊躇することでもないもの。

それよりも、心に引っかかっていたもの、重くのしかかっていたものがスっと晴れる気がして、誰かに頼るということがこんなにも肩の荷を下ろせるものかと多くの心細いママたちの助けになっているようです。

また今すぐに必要でなくても、地域の広報誌や、ネットで検索してお住まいの地域で利用できる支援を見つけておくのがおすすめです。

「いざとなったらここに助けを求めよう」と、心の支えにすることで、一人で育児をしなければならないママの不安もきっと軽くなりますよ。

重いものは持たないように!

重いものを持つとき、人間はおなかに力を入れますが、産後は骨盤底筋が緩んでいるので、重いものを持った際のダメージが大きくなります。

持ち上げた時に臓器が脱出してしまうという可能性もあるので、産後は絶対に重いものを持ち上げてはいけません。

産後のママは「赤ちゃんよりも重いものを持ってはいけない」とされますので、無理はしないように。

この時期に無理をしてしまうと、骨盤底が傷ついて中年以降に臓器脱出や尿漏れなどが重くなります。

産後に無理をすると更年期が重い?などの言い伝えについて

産後の無理がたたると更年期障害が重くなると言われることがありますが、一方で産後養生が直接更年期障害に影響することはない、とも言われています。

これは、どういうことなのか、気になりますよね。

基本的に産後の養生の期間や過ごし方と、更年期障害には直接的な関係はありません。

ですが、産後の養生が悪いと血の巡りが悪くなったり、ホルモンバランスが崩れたりして、「子宮筋腫」などの婦人病を発症することがあります。

骨盤の戻りが悪いと子宮下垂になるなど、産後の過ごし方は子宮に大きく影響するのです。だから産後の過ごし方が悪いと更年期が重くなるなんて言われるのです。

目を使ってはいけない?

昔から、産後は目を酷使してはいけないと言われてきました。だから、祖父母の世代では本を読んだり、テレビを見たりしてはいけないという人もいます。

しかし、これは基本的には迷信です。昔で言う「目を使う」というのは「縫い物」などの細かい作業のことで、産後に無理をすると肥立ちが悪くなるという意味合い。

だから、本やテレビを見て大人しく楽しむというのは、悪い事ではありません。

ただし、産後は疲れやすくなっているので、長時間の読書やテレビの視聴、パソコン・スマホの使用は疲れ目や疲労、肩こり、頭痛など、体調不良の原因となりますのでほどほどにしましょう。

産後、しっかりと身体を休めることは決して甘えではありません!

核家族が増え、仕事で忙しいパパが増え、すぐに仕事復帰を控えたママが増えている現代。

産後の身体についての知識が浅く、 「動けるから」という理由でしっかりと静養を取らないまま普段通りの生活をしたり、無理をしてしまっているママが多いように感じます。

産後は無理をせずに体力を回復させることに努めましょう。赤ちゃんのお世話は24時間体制ですし慣れるまでは大変です。

出産後は体力以上に精神的な負担が大きくなりますが、疲れた状態では気力は湧いてきません。赤ちゃんのお世話をきちんとするためにも、産後は無理をせず、甘えられるものにはとことん甘えることが大切です。

この産後の養生が不十分で気力・体力が失われてしまうと、産後うつなどの原因となってしまいます

また、産後の不安定な身体で無理をした身体はその後、加齢などとともにヘルニアや腹直筋離隔、各所の痛みなどの不調を引き起こすこととなります。

産後のママの身体は、大きなダメージを受けています。

ママ本人はもちろん、まわりの人もまた、赤ちゃんを大事に扱うのと同じようにママの身体を大切に気遣ってあげてくださいね。

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