ビタミン補給後のみかんの皮の利用法と、みかんの風邪や冷えの予防効果
「冬はコタツでみかん」日本の伝統的な風景ですよね。実はこれ、とっても理にかなっているのです。
みかんは実を食べてビタミンを補給するのはもちろん、皮もマーマレードにしたりお掃除に使ったり、余すところなく使えるのです!
野菜嫌いで風邪をひきやすい子どもにも、冷え性のママにも嬉しい果物「みかん」を食べて、今年の冬を元気に乗り切りましょう。
この記事の目次
みかんはなぜ体に良いのか…風邪をひきやすい寒い季節には必須の果物
みかんが他の食材より優れている点は、なんといっても手で皮をむいたらそのまま食べられるところです。
例えばビタミンCなどは、空気に触れると酸化してどんどん減ってしまいますし、水洗いや熱にも弱いので、調理が必要な食材ならば、口にするまでにかなり失われてしまいます。
しかし、袋ごと食べられるみかんなら、その栄養を余すところなく体内に取り入れることができます。
他にもみかんには、冬に減ってしまう野菜の成分を補うかのようにたくさんの栄養素が凝縮されています。
ビタミンC | 抗酸化作用、肌の美白効果、コラーゲンの生成、抗ストレス作用 |
---|---|
ビタミンA | 感染症に対する抵抗力の強化、肌荒れ防止 |
ビタミンB群 | 疲労回復、成長促進、貧血予防、皮膚や粘膜の健康促進、エネルギー生成 |
βカロテン | シミ・そばかすの予防、動脈硬化予防 |
カリウム | むくみ予防、筋肉機能の調整 |
ペクチン(水溶性食物繊維) | 整腸作用、血中コレステロールの低下、血糖値抑制作用 |
クエン酸 | 疲労回復、制菌作用、食欲増進 |
食物繊維 | 肥満予防、腸内環境の改善 |
果糖 | 疲労回復、脳の活性化 |
ヘスペリジン | 毛細血管の強化、血圧の安定、抗アレルギー作用、抗ウイルス作用 |
β-クリプトキトサン | 抗酸化作用、がん抑制効果、骨粗しょう症予防、糖尿病の予防 |
シネフリン | 脂肪の代謝の促進(脂肪分解酵素「リパーゼ」の活性化)、食欲を抑える |
主な効能だけ挙げましたが、特にサプリメントで補おうとしなくても、これだけの栄養素を摂取することができます。
健康効果はもちろんのこと、肥満予防や美肌など、女性にとって嬉しい美容効果が盛り沢山です。
みかんの皮の利用法…七味にも入っている「陳皮」という漢方薬
みかんの皮は古来より「陳皮(ちんぴ)」という漢方薬として重宝されています。
七味唐辛子の原材料の欄をあまり気にすることはないかもしれませんが、よく見るとその中に「陳皮」という文字がしっかりと書かれています。
陳皮にはリモネン・テルピネン・ヘスペリジンなどが含まれており、主に咳や痰を鎮めたり、発汗・健胃作用など、喉や胃腸の調子が悪い時や風邪やアレルギーの諸症状の改善に用いられます。
最近は低農薬みかんなど安全や健康を意識した商品が出回っていますので、安心できるみかんが手に入ったら是非食用にして皮にしかない貴重な栄養を摂取しましょう。
花粉症には「みかんヨーグルトスムージー」が効く
愛媛大学の菅原卓也教授が、みかん皮ごと1個とヨーグルト150ccをハンドブレンダーでスムージーにして飲み、花粉症を抑える実験をされていました。
ヨーグルトも同じような効果があるそうですが、ブロックする箇所が違うので、組み合わせるとはるかに効果があるそうです。
2週間以上毎日続ける必要がありますが、一度で飲みにくければ朝晩に分けたり、ヨーグルトを増やしたり、毎年花粉症で悩まされている方は一度試してみて下さい。
シミそばかすには「みかんの丸焼き」
昔は七輪で焼いたり、どんと焼きの時にみかんを焼く光景をよく見かけましたが、今はなかなか丸焼きは手に入らないので、網やオーブンで焦げ目がつくまで焼いて食べて下さい。
「βクリプトキトサン」が焼くことによって油と一緒に皮から染み出して果肉に入るので、焦げた皮をむいて食べても皮の栄養を体内に吸収できます。
「βクリプトキトサン」にはメラニン色素の抑制の他、がん予防、免疫力アップ、糖尿病の予防など、嬉しい効果がいっぱいです。
子どもと作るならマーマレードやみかんピールがおすすめ
皮には先ほど述べたように、実には入っていない成分も入っているので是非子どもにも食べてもらいたいところです。
ジャムほど本格的な料理ではないのですが、我が家で作っているお砂糖で甘く煮く煮るだけの簡単なレシピをご紹介しておきます。
【 みかんの皮1個分の作り方 】
- ヘタを取ったみかんの皮1個分
- きび砂糖大さじ1杯
- はちみつ大さじ1杯(はちみつを使わず、きび砂糖大さじ2杯でも可)
- 皮がかぶるくらいの水
完成したら熱湯で消毒したビンやタッパーなどに入れて冷蔵庫で保存してください。
みかんの良い香りとほろ苦さがクセになる味で、ホットケーキやヨーグルトに混ぜてもおいしく食べることができます。(分量はお好みで調整してください)
食べるだけじゃない!お掃除にも消臭にも、皮の活用アイデア!
少し前から「オレンジオイル」という言葉をよく耳にするようになりましたが、これは柑橘類の皮に含まれる、油汚れを分解する「テルペン」という成分の効果です。
せっかく油汚れ落としや臭い消しに最適な有効成分が含まれているのに、ただ実を食べて捨ててしまってはもったいないです。
以下のお掃除に存分に使ってから捨てるようにしましょう。
【皮の活用術】
- 子どもの落書きの代表「マジック」がついた部分を皮でこすって落とす(油性ペンの溶剤成分と似た性質を持っているため)
- 煮魚などで臭いの付いたお鍋に皮と水を入れて煮立たせる
- エタノールに乾燥させたみかんの皮を2~3日浸して、ガスコンロの油汚れに
- ざるや新聞の上で天日干ししてカラカラになった皮を、使い古しのストッキングに入れてこたつの消臭に(火事にならないよう熱源の位置に近づけ過ぎないよう注意)
香り成分「テルペン」は森林浴効果をもたらすフィトンチッド…天然の入浴剤
皮をぬるま湯でよく洗ってから実を食べて、残った皮を5~6個分布袋やガーゼに入れて、お湯に浸せばみかん風呂になります。
美肌効果・リラックス効果・血行促進が期待されます。
紫外線を浴びるとしみになりますので、夜のお風呂に使って下さい。
子どもの疑問「なんでみかんには種がないの?」
同じ柑橘系のネーブルやゆずには種があるのに、なぜ私たちが普段食べているみかんにはほとんど種がないのでしょうか。
みかんの場合は種なしブドウのように、人工的に種のないものを作っているわけではないのです。
みかんには夏みかんや八朔などいろいろとありますが、種がない一般的なみかんといえばやはり温州(うんしゅう)みかんが有名です。
では、種がなくてどうやって増やすのかというと、甘くて選りすぐりのものを接ぎ木で増やしていますので、無くなってしまう心配はありません。
- 果物の中には種がなくても実がなる種類がある(柿やパイナップルなど)
- 種がなくても木と木をくっつける「接ぎ木」という方法で増やすことができる
理科を習ってからなら説明もしやすいのですが、小さいうちは「そういう果物もあるんだよ」とわかる範囲で教えてあげましょう。
ちなみに、種を植えて育てようとしても実がなるまでに10年くらいかかるそうですが、一般のお庭で育てても、何もせずに水をあげているだけではおいしいみかんにはならないので注意して下さい。
今年の冬はみかんで食育にチャレンジ…一緒に食べてお話しするところから
まず子どもに興味を持ってもらわないと食育は前に進みません。
- 「みかんには体を元気にしてくれる良いものがたくさん入っているんだよ」
- 「この皮でコタツの中がいい匂いになるんだって」
- 「皮はお薬になるそうだから、一緒にお砂糖漬けを作って喉が痛い時に食べてみようか」
みかんならいろいろな切り口があるので、興味を持たせやすいのではないでしょうか。
寒いとなかなか外に出にくくなりますから、家でいろんな学びの芽を育ててあげられれば
一石二鳥です。
今年の冬は、是非みかんで親子の時間を充実させてください。”
MARCH(マーチ)では、妊娠や子育ての先輩たちが、ためになる情報を毎日配信しています!新米ママ&パパはぜひご覧ください♪
まだデータがありません。