ハイハイは赤ちゃんの大切な全身運動!時期や練習方法を紹介

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2018/09/13

ハイハイをしている赤ちゃん

赤ちゃん、特に0歳児の成長はとても早く、少し前に生まれたばかりかと思えば首が座って寝返りをして…気づけばハイハイをして自ら前に進んでいくまでになっていますよね。

しかし、そのハイハイは、赤ちゃんの動作の中でも、謎や疑問が多く悩みを持たれるママが多いのも事実。

  • いつ頃ハイハイをするのが普通なの?
  • うちの子のハイハイ、何かおかしい?
  • ハイハイをしないのだけれど…

とっても可愛いけれど謎も多い赤ちゃんのハイハイ。そんなハイハイについて、紹介します。

ハイハイは「ねんね→たっち・あんよ」に移行するための大切な過程!

育児用品のパッケージ、オムツのCMをはじめ、さまざまなシーンで“ハイハイ”は“赤ちゃんの象徴”のように使用されていたり、よく目にしますよね。

ハイハイをしている赤ちゃんの姿を見ると、多くの方が「0歳後半頃の可愛い盛りの赤ちゃんだな」ということをイメージできるでしょう。

このように、何かと見聞きすることの多い赤ちゃんのハイハイ。

しかし、「ハイハイは何のための動作?」・「いつから見られるのが普通?」と問われると、ぼんやりとした部分も多いかと思います。

ハイハイ

手足をバランスよく使って動く練習がハイハイ!

まず、ハイハイの目的や必要性について考えてみましょう。

赤ちゃんの視野や見える世界は日に日に広がってきます。生後しばらくはねんねで上がぼんやり見えるかどうかの赤ちゃんも、やがて欲しいものや触りたい方向に向かって手を伸ばしたり寝返りをし近づこうとします。

やがて、その方向に向かって少しずつ進むようになり、いずれ立ち上がって私たち大人のように少しずつ歩行・自立に向かっていくのです。この過程がハイハイです。

ハイハイの役割

ハイハイで前進することによって、赤ちゃんの世界は大きく広がります。

また、手と足を使って体を支えるハイハイにより、運動機能がより発達したり、たっちをするようになり転んだ際に手を先につけるようバランス感覚を養ったりするのです。

うつ伏せからたっちに移行する過程で、必要な動きとなる手足の交互運動。この運動がハイハイと言えるでしょう。

また、ハイハイと言えば一般的にはてのひら・膝をついた四つん這いの姿勢を指しますが、その前後に「ずりばい」・「高ばい」を挟む子もいれば、ハイハイをせずそのどちらかを経てたっちに移行していく子もいます。

  • ずりばい…お腹を地面につけ、ほふく前進のように前進する動作
  • 高ばい…膝を使わず、てのひらと足の裏を使って前進する動作

ハイハイの種類

これら形の異なるものも含め、ハイハイの姿勢になっても前進に時間がかかる・逆にとても早く進んでいく、時に後退してしまう等、さまざまな個性が見られるのもハイハイです。

ハイハイは生後7~12ヶ月頃に、3つの身体機能が整ってスタートする!

赤ちゃんがハイハイを始める時期には、個人差があります。早い子だと生後半年頃からその姿勢を始めることもありますが、多くの場合は7ヶ月頃~1歳になるまでには見られ始めます。

赤ちゃんがハイハイを始めるためには、以下の3つの身体の機能ができあがっていることが条件となります。
  • 手と足を交互に動かすことができる
  • 首がすわり、手足の位置に関係なく顔を前に向けることができる
  • 奥行き・空間についての認識が高まっている

ハイハイの効果

首すわりの時期や興味のあるものの方へ顔を向けたり手を伸ばす時期に個人差があるように、これらの条件が整う時期にも子供によって差があるのは当然です。

「周りの子がハイハイをし始めたのに、我が子はじっと前を見つめているだけ…異常なのかな」なんて、あまり早い段階から心配をしすぎないようにしてくださいね。

時期が来てもハイハイをしない!考えられる原因3つ

とはいっても、やはり1歳頃になってもハイハイやずりばいを全くしないと心配になりますよね。

低姿勢のハイハイで全身運動の力を養っていくことは、たっち・あんよに順調に移行しくために必要な過程なので、できれば1歳までにはその姿を見せてほしいものです。

ハイハイをしない原因にはさまざまな説がありますが、代表例を3つ紹介します。

  1. お座りや抱っこで過ごす時間が多かったり、ママが構いすぎの場合
  2. 赤ちゃんがハイハイしにくい・ハイハイの必要性を感じない場合
  3. 障害等がある場合

1.便利なお座り用アイテムや抱っこも過度にはNG!運動をする機会を

ベビーラックやお座り用のいすで、赤ちゃんが安定してお座りをキープできるようにされている方も多いかと思います。

これらのアイテムは、離乳食をあげる際やちょっと安全に待っていて欲しい際なんかにとても便利ですよね。赤ちゃんも目線が上がり機嫌よく座ってくれる場合も多いです。

しかし、ハイハイを始めていくべき時期に、この「座っている」姿勢が長く続きすぎるのは、運動機能の発達面においては影響が懸念されます。

また、赤ちゃんの意のままに抱っこをして手元に興味のあるもの(おもちゃ等)を与え続けるのも同じです。

もちろん、忙しい時に座らせておくことや愛着形成のための抱っこにもそれぞれ必要性はありますが、赤ちゃんが自ら目線を上げて運動をする機会を奪うほど過度に固定しすぎるのはNGです。

これらグッズや抱っこによって“構いすぎ・姿勢を固定しすぎ”というケースが、ハイハイ時期を遅らせることもあるのです。

赤ちゃんグッズへの固定しすぎはNG

「降ろしたら泣くから…」というママの気持ちや大変さもあるかと思いますが、ここで過度に構いすぎてしまうのも考えものです。

「赤ちゃんは泣くもの」・「この姿勢も必要」と割り切って、メリハリをつけてあげましょう。

2.歩行器や家具の配置で「いきなりつかまり立ち」が普通になる赤ちゃん

また、安全対策や便利アイテムの一つとして歩行器を取り入れられている家庭もあるでしょう。

歩行器は、赤ちゃんが床に手をつかずとも転ぶことがないので、前進や移動をする際には足のみを動かせばOKですよね。

歩行器を使用するのが常であったり大半となっている場合、赤ちゃんが「ハイハイをしないのが普通、する必要性を感じない」という状態を作り出してしまうことがあります。

歩行器がハイハイしない原因に

また、家庭内のスペースが限られていることから、赤ちゃんが行動をする部屋にソファやテーブル等赤ちゃんがつかまりやすい高さの家具が置かれている場合も多いでしょう。

ハイハイの必要なく、また、ハイハイをするスペースなく家具に手をかけることができてしまうため、「いきなりつかまり立ち」となる赤ちゃんも多いようです。

一見、「うちの子は立つのが早い」と嬉しく感じられそうです。もちろん、早期のつかまり立ち自体が悪いことではありません。

いきなりつかまり立ちの赤ちゃん

しかし先述の通り、ハイハイは四肢をバランスよく動かすことで身体を鍛えたり、転倒時に自分を守るために必要な動きを習得するための動きです。

伝い歩きや一人歩きに移行する前に、ハイハイの習慣もできれば作っておきたいですね。

3.ハイハイをしないのは病気が原因の場合も!専門家への相談も視野に入れて

個性でハイハイをしない(なくとも立って正常に歩ける)ケースもありますが、さまざまな工夫をしてもハイハイの様子が全く見られない場合には、専門家への相談も視野に入れましょう。

一例として以下のような病気や障害が原因となっている場合があります。

  • 先天性ミオパチー(筋肉に異常がある病気)
  • 知的障害
  • 発達障害
  • 脳性まひ

この頃には、予防接種等でかかりつけ医が決まっている場合が多いですよね。一度専門家に診てもらうことで、病気の発見だけでなくその子に応じた良いアドバイスが得られるかもしれません。

ハイハイを練習させるコツや工夫!習慣や環境を見直すことも大切

赤ちゃんが四つん這いになり何かに興味を示していたり、ママの方へ行きたいとアピールしている際には、ハイハイの練習の絶好のチャンスです!

また、なかなかハイハイの前兆が見られなかったり、姿勢をすぐに崩してしまう場合には最適な環境をつくることから始めるのが良いかもしれません。

ハイハイの練習のきっかけや工夫を紹介します。

  1. 床の硬さや衣類を見直そう!
  2. スペースを作ったり、広い室内へ出かけてみよう!
  3. おもちゃやママの位置はギリギリ手の届かない所に!
  4. パパやママと一緒にハイハイで遊んでみよう!

1.床にマットやひざガードの衣類でハイハイを快適に!

赤ちゃんがハイハイの仕草を見せてもすぐにやめてしまう場合には、まず一度「もしかして痛いのかな?」と考えてみてください。

大人でも同じですが、膝をついた際に床が硬かったり、むき出しの膝をついてその床を進んでいくとなると…。また、顔からこけてしまうというケースも、想像するだけで痛いですよね。

ハイハイし始めたらマットを敷こう

まだハイハイ運動が未熟な赤ちゃんは、「力をうまく分散できず一点に集まってしまう」・「膝や肘・てのひらを引きずる」・「顔からこける」という可能性やリスクと常に隣り合わせです。

そんな赤ちゃんに、安心して快適にハイハイを楽しんでもらえるよう、床や衣類を一度見直してみましょう。

適切な床を考えよう
  • 硬いフローリングにはジョイントマットやラグを敷く
  • 畳は傷んでいる部分や飛び出ている部分がないかを入念にチェック、あれば取り除き保護をする
  • すぐにマット等を用意できない場合には、はじめは布団の上で練習をするのもOK
  • どんな床でも、落ちているものやホコリがないかをよくチェックする

適切な床を考えよう

衣類を工夫して怪我を減らそう
  • ハイハイの時期には、夏場でも長ズボン(膝丈より長いズボン)を着用させ、空調で温度管理をする
  • 上下がつながっているロンパースタイプの衣類から、上下別のセパレート衣類に切り替える
  • 膝当て付きのベビー衣類やレッグウォーマー(夏用の涼しい素材の物もあります)を適宜取り入れる
  • 長袖を着用している場合には、ハイハイの姿勢になっても袖が床につかないよう折り曲げる

衣類を工夫して怪我を減らそう

まずはできることから、見直しをしてみてくださいね。

2.広いスペースがハイハイ運動を安全・盛んにする!スペースを作ってあげよう

赤ちゃんがハイハイをしない理由としても取り上げましたが、「ハイハイに適した場所が無い」・「いたる所につかまれる家具がある」という場合には、室内の家具等の配置を見直した方が良いでしょう。

この先ハイハイが盛んになってくると、物で溢れた室内においては、頭や顔をぶつけたり狭いスペースに入り込んで出られなくなったり、というリスクが一層増してくるでしょう。

できれば、赤ちゃんが寝返りで横の移動を始めたり、さまざまなものに手を伸ばし関心が広がってくる頃には、上の床の工夫と合わせて、一度お部屋全体を見直してみてくださいね。

ハイハイの時期になったらお部屋の見直しを

とはいっても、どうしてもスペースの都合上それが難しいこともあるかもしれません。

そんな際には、子育て支援センターや保育園の室内開放日等、広く安全なスペースで赤ちゃんが運動できる場所に、ぜひ積極的に足を運んで遊ばせてあげましょう。

部屋の配置を工夫できる場合にも、いつもと違う場所に出かけることで、赤ちゃんの脳や好奇心が刺激され、それがハイハイへの意欲につながることもありますよ。

ぜひ、自宅内・外どちらのスペースも活用してみてあげてくださいね。

子育て支援センターや保育園の室内開放日を利用しよう

3.お気に入りのおもちゃやママの声で誘ってあげよう!

ハイハイをする前の赤ちゃんでも、もうしっかり大好きなおもちゃやママを把握し、「触りたい」・「抱っこをしてもらいたい」と手を伸ばす動作は見られることでしょう。

赤ちゃんがうつ伏せやお座りの状態の時に、おもちゃを(赤ちゃんが手を伸ばした時に)ギリギリ手の届かない位置に置いて、「こっちだよ」と呼びかけてみてあげてください。

赤ちゃんへ呼びかけよう

手に入らない、ママに触れない、と泣いてしまうことも多いですが、泣きながらも赤ちゃんは、最初の一進みに向かって一生懸命手や足を繰り出そうとします。

コツは、「ギリギリ届かない位置(一歩進めれば届く位置)から始める」、そして「少しでも前進できたらご褒美(おもちゃ)をあげて思いっきり褒め・抱きしめてあげる」ことです!

頑張った赤ちゃんを褒めてあげよう

繰り返し慣れてくると、少しずつ距離の遠いおもちゃに向かえたり、少し遠くにいるママの方を目指して進んできてくれるでしょう。

一生懸命な姿も、できた時の笑顔も、とても愛くるしい瞬間です。

4.パパやママもハイハイから見える世界を体験!一緒に遊んで赤ちゃんは意欲アップ!

赤ちゃんは、大好きなパパやママのしていることに興味津々です。また、パパやママが笑顔で楽しんでいることを、「楽しいこと」・「やってみたい」と感じるでしょう。

時には大人も一緒になって、ハイハイ運動を楽しんでみましょう。

赤ちゃんにとってはその姿はお手本にもなりますし、大人にとっても部屋の危険箇所や赤ちゃんの苦労(膝が痛くてしたがらない?等)がわかる良い機会になります。

特に、ハイハイができるようになってきたはずなのにあまりしたがらない、という赤ちゃんに、この方法は効果的です。

「よーい、どん!」・「まてまてー!」と楽しく声をかけながらハイハイ競争を呼びかけてみると、それまで動こうとしなかった赤ちゃんが、ニコニコ追いかけたり追い抜いたりしてくれることもよくあるのです。

ママといっしょによーいどん

普段しなれない姿勢のキープや移動は大人にとってもなかなか負担が大きいですが、ぜひ楽しく試してみてくださいね。

ハイハイは成長の証・成長の過程の可愛い仕草!楽しく練習してみよう

ハイハイは、赤ちゃんが無事に前進していくほどに成長した証の仕草であり、また、これから立って歩んでいく第一歩の過程ともなる大切な運動です。

だからこそ、時期が来てもできないことや他の子との違いに悩んでしまうことも多いかもしれません。

しかし、赤ちゃんにとって「ハイハイ=楽しい」ものとなるためにも、安全な環境でママがゆったりと向き合ってあげることはとても大切です。

ぜひ、できることから焦らず取り組み、可愛い姿をたくさん感じて応援してあげてくださいね。
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