保育園のクレームは笑顔で対応!モンスターペアレンツにしない対策
保育園へのクレーム…。先生方には頭の痛いお話ですが、保護者にとっても実はとても気を使う問題です。
先生方にとっても、クレームを入れる側に寄り添うことで見えてくるものがあるかもしれません。
穏便に済むクレームの入れ方
園へのクレームは、主に保護者と地域の方から入ります。毎日園での様子が気になるママたちにとって、気になることや不満が出てきたとき、どう伝えるかで悩みますよね。
園に伝えたいことがあるときに、ママは色んなことで頭を悩ませています。
- クレーマー扱いされたら嫌だ
- 一人目だから、これが当たり前なのかわからない
- 文句を言いたいわけではなくて…
- 子どもに弊害が来たら…
リスクを最小限にしてクレームを入れる方法をお伝えします。
保育園のクレームの種類で園か役所か考える
全て直接園に伝えてしまいがちですが、多くの保育園は市町村の管理下です。自治体の責任や制度問題もあるので、自治体に連絡すると良いでしょう。
自治体から指導が入るような問題の場合はすぐに動いてくれますし、匿名で済むのもメリットですね。また、自治体からの返答がはっきりしない場合は、「どこもそうなのかな」「当たり前なのかな」と受け取った方が良い場合が多いかもしれません。
- 病児保育をしてほしい
- 夜間保育をしてほしい
- 朝ご飯を食べさせてほしい
- 保育時間を変えてほしい
- 送迎をしてほしい
園独自で行っている行事や、保育士の対応に関するクレーム、お子様の個人的なケアについては園に直接連絡した方が良いでしょう。
子どもは人質?
ママたちの話題でよく上がるのが「不満だけど、子どもを人質に取られているようなものだから言えない」というものです。
だからこそ、我慢して我慢して…伝えるときには感情をぶつけるほどまでに不満をため込んでしまっているのかもしれません。
保育園側は、いつも人間関係の風通しを良くするよう心掛けると良いかもしれません。
実際、保育士も人間ですから、ママからのクレーム地獄で「園児を可愛がれなくなりそう…」と悩んでいた保育士もいます。
お母さん方が想像するような、ママが文句を言ったから子どもが担任からいじめられたりつねられたりするということはほとんどありません。
保育士は、ママたちの表情や連絡帳のコメントなどにアンテナを張り、小さな気づきに早めに対応することも大切です。
ルールとボーダー
感情的になっていると、なかなか本当に伝えたいことが伝わりません。また、子ども第一でなく個人的な感情や好き嫌いを表面化させてしまうのは控えた方がいですね。
- 冷静になって伝えたいことを整理してから伝える
- 個人攻撃ではなく、合わない先生へのクレームは主任や園長へ
- 他のお子さんやご家庭の悪口にならないように気を付ける
- 連絡は保育時間、夜間や早朝は避ける
疑問は、納得するまで聞いても良いでしょう。不満は、なかなか納得できなくても、回りとのバランスを見てある程度の妥協が必要かもしれません。
保護者のクレームを上手聞く&お願いの方法
保護者は感情的にお話をすることもあるかもしれません。
お母さんが子育てに大きな不安を抱え、保育園のこともわからず、勇気をもって園に相談に来たのだと理解することができたら良いですね。
保護者も色々…発達障害や精神疾患も
何度もクレームを受けたり、様々な時に違和感を覚えるタイプの保護者には、発達障害や自閉症スペクトラムと言われる特性をお持ちの方もいるかも知れません。
クレーマーを障害者扱いするということではなく、特に障害理解を深めている保育士は、特性を理解して寄り添うことができると良いですね。
ママを支えることは、子どもたちを支えることに大きくつながっていきます。
通院をすすめたり診断めいたことをするのもタブーです。ただ、気になることは、主任や園長に相談しておきましょう。
保護者の心の掴み方!相談窓口になろう
育児や人間関係に困っているかもしれないママの相談窓口になりましょう。
特に、園側が「どうしてこんなことで?」と思うような時、本当は他に聞いて欲しいことがあるのかもしれません。
- 「お忙しい中来ていただきありがとうございます。」という姿勢で聞く
- 聴いている間は、相槌だけで反論や説明を控える
- 内容をメモして、整理しやすくする
- 聞き終わったら、メモを元に内容を何点かに絞り、確認する
- 気になったり腹を立てたり感情的になったことへの思いやりを表す
- 回答し、園の主張ははっきり伝える
- 納得していただけない場合は、担当者との話し合いの場を設ける
- 保育園側にも一意見として参考になったこと、正直に伝えてくださったことへの感謝を述べる
このような手順で進めると良いかもしれません。半分ほどの保護者は、全部伝えるだけですっきりして帰られるかと思います。「きいてくれてありがとう」と仰る方も。
何が言いたいかわからなくなる保護者もいます。メモを取ることで、保育者側も保護者側も内容を把握し共通認識を持つことができます。
すぐにお返事で来る内容と、上司に確認や報告が必要なことがあります。丁寧にお答えしましょう。
解決してもしなくても、感謝を伝えることが大切です。
すぐにうまくいかなくても、園側の受け入れる姿勢を見せて信頼を寄せてくださる保護者も多いです。
対応次第でクレーマーがいなくなる
文句を言いたいだけのときに、内容に関わらず言い返されたら腹が立つものでしょう。
保育者も問題解決に気が向いてしまいますが、ママに寄り添い一緒に歩む姿勢で関わりましょう。いわゆる「クレーマー」化せず、良い支援者になってくれることもあります。
- 毎朝おむつを変えずに登園する乳児さんの例
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「朝、私だって忙しいのに、預けた保育士に『朝ぐらいおむつ替えてあげて』って言われた!」と大激怒でお迎えに来たママ。
朝対応した職員は居らず、「そうだったんですね。ママもお仕事前に嫌な気持ちになったんですね。」と、子どものいない保育室に案内して椅子を差し出しました。
ママの大変さを聞いて同調することで、初めての育児に翻弄されていることを話してくれました。最終的に、「朝起きたらオムツを替えてあげたら、逆に機嫌が良くなるかも」「替えられない時は無理しなくて良いので、保育士に『バタバタしてて替えてません』と伝えることで、保育士も把握できる」と伝えました。
保育士にとっては、泣いている子や寝ている子のおむつ替えはいつものことですが、どうすればよいかわからず困っているママさんも多いです。
そして、大切なのは保育士の申し送り。ママに「他の保育士にも、朝オムツ見てあげるように声をかけておきます」と伝えておけば、翌朝替えていなくても爽やかに「いってらっしゃい」が言えますね。
それからは、離乳食、禁煙できないという悩み相談など、園を頼ってくれるようになりました。
- 毎年発表会の時期にクレーマー化する保護者の例
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入園から毎年発表会や運動会となると衣装や振り付けに意見するママ。年度初めの役員選考で、園長から直々に発表会の役員を引き受けてほしいとお願いしたのです。
衣装や照明、背景にまで口を出していたママは、実際に作る工程を目の当たりにして口を出さなくなりました。
また、ママの得意分野である裁縫やDIYの技術をしっかり発揮してくださり、男性職員以上に大道具づくりも。
卒園までの数年間、発表会の保護者役員長として裏方で活躍してくださいました。
このように、対応次第でクレーマーを作らず、園と保護者は助け合って風通しを良くすることができるかと思います。
クレーム対応には、そのママが一番心を開いている保育士や担任、聴くのが上手な職員と一対一をおすすめします。
お互いに気持ち良い関係づくりを
今、保育の仕事の一つに保護者育成等が加わっています。
保育士が寄り添うことで、「育児のイライラ」から「園への不満」という悪循環を変えることができます。
クレーマーと扱われてしまうママたちも我が子を可愛がり、子育てに悩んだり頑張ったりしているのだということを忘れず、支えていけたら良いですね。
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