親戚の子供が発達障害の場合の接し方!親心を知るためのプロセス5つ

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2016/10/13

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「うちの子が発達障害だって診断されたの。」と言われた時、あなたならどんな言葉を返しますか?

「発達障害のお子さんを持つお母さんって大変そう。でも、そんなに仲がいいわけでもないし、どう声をかけたらいいかわからないし…。」

幼稚園や保育園でなんとなく目にしていても、親御さんとあまりお話をする機会はないですよね。

でも、他人事だった「発達障害」が明日には身近な問題になっている可能性も。

これだけ発達障害のお子さんが増えてくると、親戚の集まりの時にいきなり「うちの子が発達検査でアスペルガーだって診断されて…。」とカミングアウトをされる事もあるやもしれません。

そんな時に何も知らずに不用意な言い方をしてしまうと、後々までギクシャクしてしまうおそれがありますし、何よりも相手を傷つけてしまう事に繋がる可能性も。

合わなければお付き合いをしなくてもいいママ友と違い、自分や夫の兄弟の子どもが発達障害と診断されてしまったら…。

お盆やお正月など親戚で集まる度に気まずい思いをしないよう、発達障害を知った親の心がどのように変化をしていくかを知っておいて親戚づきあいに役立てましょう。

発達障害のお子さんの親への言葉がけは、「これが正解!」はない

家族関係は千差万別。相手が自分の妹なの義理の姉なのか?もともと仲がいいのか悪いのか?状況によって、相手が言われた言葉をどう感じるかは全然違います。

当たり前ですが、「こう言えば大丈夫」という言葉は存在しません。

しかし、多少なりとも相手の心の状態を予測できれば、余計な発言をして相手を傷つけてしまったり、恨みを買ったりすることもないと思います。

では、どうすれば相手の心理状態を知ることができるでしょうか。

「受容の5つのプロセス」を知って相手の気持ちを理解しよう

エリザベス・キューブラー=ロス(精神科医)が発表した「死の受容プロセス」という理論があります。

死に直面した者だけではなく、あらゆる喪失においても同じような過程をたどるということで、心理学の現場で使われている理論です。

人は何かショックな出来事があった時に、否認・隔離→怒り→取引→抑うつ→受容という順序で物事を受け入れていくという段階を示したものです。

今回はこのプロセスから、今親御さんがどのような段階にいるのか?どんな心境なのか?どんな風に接するのがよいのかを紐解いていきたいと思います。

否認・隔離…頭が真っ白になって思考がうまく働かない時期です

まず、人が心理的に受け入れがたい衝撃を受けたとき、ショックをまともに受けない為に自己防衛反応が起こります。

  • 「お医者さんはああ言っていたけど、きっと誤診だわ。」
  • 「あの日は寝起きで発達検査を受けたから、本当は大丈夫なのかも。」

この時期はまだ親御さんの心の中で「まさか」「なんで」「どうして」と色々な葛藤が起こっている時期です。

事実を拒否したい気持ちが強く、うまく考えることができません。

こちらの意見を矢継ぎ早に言うよりも、できればよく思いを聞いて普段通りに接してあげて下さい。

怒り…どこかに原因を探してしまう時期です

自分自身やパートナー、周囲の人、どこに怒りのエネルギーが向くかはわかりませんが、攻撃的になってしまう時期です。

  • 「なぜうちの子だけがこんな目に!」
  • 「○○が悪かったからこんなことになったんだ!」

怒りの感情がわいてきますので、この時期は「触らぬ神に祟りなし」。相手の感情に引きずられてまともにやり合わないようにして下さい。

「この人は事実を受け入れるために段階を踏んでいる最中だから」と理解し、許せる範囲ならばある程度は許容してあげてください。

見当違いの方向に怒りが向いても、軽く聞き流してあげたり、冷静に対処して余計な争いは避けましょう。

取引…試行錯誤をしている時期です

この状況を何とかできないかと何かにすがる時期です。

いろいろとあがいて、はたから見たら効果がないと思うことでも本人は真剣に悩んでやっていますので、実害がないなら気が済むまで見守ってあげてほしいです。

詐欺や怪しい宗教などにはまりそうになったら、止めてあげて欲しいですが、余計なことを言ってしまって、後々まで引きずるのはこの時期の発言が多いのではないでしょうか。

抑うつ…「やっぱりだめかもしれない」と意気消沈している時期です

取引の段階で行っていたことが無駄だったわかった時、落ち込んで何もできない状態になります。

干渉されるのが嫌いなタイプの方なら、そうっとしておいて時間が解決してくれるのを待ちましょう。

責任感が強く、自分を責めたり自殺を考えやすい人の場合は「この子と一緒に死んでしまおうか」と思い詰めてしまう人もいますので注意して見守ってあげてください。

一緒に希望的な記事や番組を観たり、明るく寄り添ってあげたり、支えてくれる人間がいるということと、決して絶望することではないというメッセージを発信し続けて下さい。

受容…様々な葛藤を経て、事実を受け入れて前向きに活動ができる時期です

情緒が安定して、穏やかに子どもの発達障害を受け入れることができた時期です。

この時期まで来れば、あるがままの子どもを受け入れ、いろいろな専門機関や療育施設を探したり、前向きに活動を始められるようになります。

受容ができていたら一緒に発達障害のことを話題にして、積極的に相談にのってあげたり話し相手になって下さい。

ただし、この「受容のプロセス」は性格や発達障害の程度によっても違いますが、進み方にかなりの個人差があります。

一つ段階を飛ばしたり戻ったり、一気に受容まで行けたり、数年かかっても否認・隔離の状態から抜け出せない人もいます。

そこで大切になってくるのが周囲の人の対応です。

発達障害のお子さんの親へは周囲の理解と助けが必要不可欠

社会的に認知されてきたとはいえ、特におじいちゃん・おばあちゃんの世代では、まだまだ偏見を持っている方も少なくありません。

  • 「あんたの遺伝のせいでこんな子が生まれたんだ。」
  • 「甘やかしているだけだ!親のしつけがなっていない!」
  • 「愛情不足じゃない?ちゃんと育児しているの?」

筆者の子どもも軽度知的障害を伴う自閉症ですが、同じ療育施設に通っている友人の中には、お姑さんや夫の親族の人たちからの言葉で傷ついている人が何人もいます。

発達障害を知らなかったり、誰かを責めるのが癖になっている人は、子どもの行動を見て真っ先に親御さんを攻撃してきます。

しかし、こんな風に責められていては誰だってなかなか「受容の段階」までたどり着くことができません。

この記事を読んだ方は、どうか適切な知識を持って親御さんやお子さんに接していただき、言い返しにくい立場の方が責められていたら積極的に助け舟を出していただけたらと思います。

発達障害の特徴を理解することについてはこちらを参考にしてみてください。

どんな風に味方になってあげたらいいの?…説明の要を知っておこう

一口に発達障害と言っても、言葉をなかなか理解できない子、じっとしていられない子、相手の気持ちがわからない子…など、タイプによって全然違います。

ですが、どの子にも共通して理解しておいてほしい点があります。

  • 先天的な脳の特性であり、病気ではないので治療により治るものではない
  • 親のしつけや愛情不足などの問題ではない
  • 個人差があるものの、訓練によって少しずつ成長し、できることが増えるとともに衝動的な行動が緩和されていくケースが多い

カミングアウトをしてくれたということは、親御さんがあなたを信頼してくれている証拠だと思います。

誤解をしている方がいたら、「しつけや愛情で治るものじゃないんだから、そんな風に責めるのは間違っているよ」と攻撃を止めさせてあげて欲しいです。

ただし、他の方には障害を隠しているかもしれないので、説明していいかは事前に親御さんに確認して下さい。

止められなくても、「あの人は知らないから言ってるだけし、気にすることないよ」とフォローしてあげるだけでも、ずい分気持ちが救われるのではないでしょうか。

色々な人がいることを身近に感じて、子どもの教育に生かしていこう

「いとこだから仲良くさせるべきなんでしょうけど、すぐに物で叩いてくるしこちらの言うことは聞かないし、うちの子がケガをさせられそうだから会わせたくない。」

中にはそういう考えの方もいると思います。

ですが、大人が障害のある子どもを排除するような言動をしていれば子供にも影響します。

親御さんもストレートに言われたら傷つくとは思いますが、ケガをさせたらどうしようという意識は持っている方がほとんどだと思いますので、きちんと話をしてみて下さい。

  • 「大きな音を聞くとパニックを起こすので、こういう遊びにしてほしい。」
  • 「青にこだわりがあるので、青いおもちゃは見境なく取ってしまうので、持っていたら見せないようにして欲しい。

ポイントを知らなかったら「何なのあの子!」となってしまいますが、少し注意をすれば普通に遊べる子も沢山います。

少しずつ関わっていく形でもよいので、わからないことがあれば親御さんにどこに注意したらいいかを質問して納得し、落としどころを見つけてみて下さい。

ただ、どうしても嫌悪感が出てしまうのでしたら、遊べるようになってから無理のない範囲で関わっていきましょう。

子どもは鋭い生き物ですから、親の気持ちや態度に敏感です。

訓練が始まって、少しずつ人と関わるのが上手になってから一緒に遊ぶという方法もありますし、「できる協力をできる範囲で」を基本にして下さい。

自分の子どもには障害のことをどう説明したらいいの?

  • 「○○ちゃんはどうして変なことをするの?」
  • 「なんで私は叱られるのに、○○ちゃんは同じことをしても叱られないの?」

子どもは自分と違う行動をする子は、はっきり「変な子」と言いますし、自分だけが叱られていたら不満に思って素直に疑問をぶつけてきます。

「変」は傷つく方が多い言葉なので、あまり使わないよう教えてあげてほしいですが、不用意に「あの子は発達障害だから」と伝えるのは避けた方がいいでしょう。

子どもがよく理解できていないのに「障害」という言葉を使ってしまうと、言葉だけが独り歩きして他所でトラブルになる事が多々あるからです。

年齢や障害のタイプによっても理解度が違うので、親御さんと先にどの程度まで話すかは相談しておくのがベストです。

  • 「人によって物の感じ方が違うんだよ。○○ちゃんはこうするのが面白く感じるんだね。」
  • 「あなたと少し成長の速さが違っているから、○○ちゃんには違う形で教えるからね。」

このように、年齢により言い方はいろいろあると思うのですが、きんと説明されれば子どもは余計な偏見を持たずにそういうものかと納得します。

幼稚園や小学校の先生の説明なども参考にするといいでしょう。

どちらにしろ、子どもは親の真似をしますので、差別的な言い回しや相手が傷つく言い方にならないように気を付けて下さい。

ポジティブな発言をして人を思いやれる子を育てよう

  • 「○○ちゃんはこれは苦手だけど、あんなことができるんだね!」
  • 「○○ちゃんはこんなことがうまくできないから、困っていたら助けてあげてくれる?」

親がマイナスがあってもプラスにとらえる発言をしていると、子どもも人のいいところを見つけられる子になります。

また、小さな子でも、大人から頼られたり一人前扱いされると自尊心が高まり、人の役に立つ喜びを覚えていきます。

発達障害を持つお子さんが身近にいるということは、自分の子どもが社会の多様性や偏見・優しさを学ぶ上でもメリットがあるとプラスにとらえてみて下さい。

壁を作るのではなく、積極的に関わっていただけたら素敵ですよね。

相手の気もちが混乱している時期に揉めてしまい、その後もずっと親戚付き合いがうまく行かなくなってしまったら、子ども達にも悪影響です。

「受容」の段階まで来れば親御さんも自分の子どもの特性を理解し、他者との上手な接し方も分かってきている時期ですので、それまでは段階に合った関わり方で乗り切って下さい。

また、大人よりも子供の方がその子の個性として受け入れている場合もあります。こちらの記事も参考にしてみてください。

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