妊婦に生ハムは危険?加熱すればOK?赤ちゃんへの影響などのリスク
マリネやサラダとしてだけでなく、パスタに和えるなど美味しい食べ方がたくさんある生ハム!彩りもきれいで食卓が明るくなり、ちょっぴり高級感あるお洒落な一品ですね。
生ハムにはトキソプラズマやリステリアなど、妊婦が感染したらお腹の赤ちゃんに影響がある恐ろしい細菌が含まれているのです!
感染したときの症状や注意点、赤ちゃんにかかるリスク、妊婦が安心して食べられる生ハムの美味しいレシピまで幅広くお話しましょう。
この記事の目次
生ハムとハムは何が違うのか!
同じハムでも生ハムとハムは製造過程に大きな違いがあり、そこにハムには無い危険が生ハムに有ることが隠されているのです。
- ハム…塩や香辛料等に漬け込んだ豚肉などを型に詰めて加熱してから冷却する「加熱食肉製品」
- 生ハム…塩や香辛料等に漬け込んだ豚肉などを低温でくん煙し乾燥させて熟成させる「非加熱食肉製品」
ハムと生ハムの大きな違いは、食品を加熱殺菌しているかしていないか!ということです。
生ハムで感染するトキソプラズマの危険!
「トキソプラズマ」は、動物や鳥の中にいる目に見えない小ささの寄生虫の一種であり人に感染します。
トキソプラズマの感染経路
- 牛・豚(イベリコ豚含)・鶏・馬などの動物の生肉を食べて感染
- ペットの猫の糞から感染
- 野良猫の糞が混ざっている土いじりによる感染
特に生ハムや生肉を食べることが感染源であり、アメリカやフランスなど食べる機会が多い食生活の国ほど多く発症していることがわかっています。
- トキソプラズマの弱点
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トキソプラズマは56度で15分間加熱するか、マイナス20度で24時間の冷凍をすると死滅します。
トキソプラズマの潜伏期間と症状
生ハムを食べてトキソプラズマに感染した場合、症状があらわれるまでには最短で10日から数週間かかると言われています。
かなり日数が経過した頃に症状が出るので、感染源がわからないこともあるでしょう。
<トキソプラズマの症状>
- 発熱などの軽い風邪の症状
- リンパ節が腫れる
- 筋肉痛が続くインフルエンザに似た症状
最も怖いトキソプラズマの母子感染!
トキソプラズマの感染で恐ろしいのは、妊婦自身に自覚症状がないまま知らず知らずのうちにお腹の赤ちゃんに母子感染する可能性があることです。
胎児が感染すると先天性トキソプラズマ症を引き起こしますが、胎児が感染するのは妊婦が妊娠中に初めてトキソプラズマにかかった場合に限ります。
また妊娠の周期により胎児への感染率と胎児が先天性トキソプラズマ症を発症するリスクが違ってきます。
ママからお腹の赤ちゃんに感染する確率は、妊娠初期には6%とごくわずかですが妊娠中期から後期になると72%に上がります。
逆に胎児の先天性トキソプラズマ症が重症化する確率は、妊娠初期は61%と高く妊娠後期には9%と下がります。
先天性トキソプラズマ症にかかった赤ちゃんの症状
- 脳性麻痺
- 髄膜炎
- 運動発達・精神発達の遅れ
- 視力障害
- 水頭症
- 流産、死産の恐れ
特に胎児が重症化する確率が高い妊娠初期には、生ハムを食べることは意識して避けるべきですね。
妊娠中のトキソプラズマ検査がおすすめ
胎児が先天性トキソプラズマ症を引き起こすのは、妊婦が妊娠中に初めてトキソプラズマに感染した場合に限ります。
そのため日本では妊娠中にトキソプラズマの抗体検査を勧める病院が多くあり、妊娠初期(4~12週)の血液検査で抗体があるかがわかります。
但し、陽性であっても感染した時期がわからないため、国立感染症研究所ではいつ初感染したのかを知る検査「トキソプラズマIgM抗体検査」をすすめています。
薬を使った治療法もあるので妊娠中に思い当たることがあったら、産婦人科の医師に相談しましょう。
生ハムで感染するリステリアの危険!
「リステリア菌」は、家畜や野生動物の腸管内や河川水・下水などに広く生息している食中毒菌です。
リステリア菌に感染して重症化することはほとんどありませんが、重症化すると死に至る細菌なので厚生労働省では妊婦や高齢者には注意を呼び掛けています。
胎盤から胎児に感染すると、先天的な身体異常や早産・流産の原因にもなりかねない妊婦には恐ろしい食中毒菌の一つなのです。
リステリアの感染経路
リステリア菌の感染ルートは、火を通していない以下のような食品を口にすることが主となります。
- 生ハム
- スモークサーモン
- 未殺菌乳
- 加熱殺菌していないナチュラルチーズ
- カマンベールチーズ
- 肉や魚のパテ
- リステリアの特徴と弱点
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リステリア菌は冷凍庫保存では死滅せず、4度以下の冷蔵でも増殖し、12%の食塩濃度以下でも増えていくようです。
寒さに強いリステリア菌を死滅させるためには、加熱が一番!74℃以上で15秒以上加熱すると死滅します。
リステリアの潜伏期間と症状
生ハムを食べてリステリアに感染した場合、24時間以内に発症する人から1ヶ月以上後に発症する人まで潜伏期間は広範囲にわたります。
<リステリアの症状>
リステリアに感染しても3人に1人は自覚症状がないと言われていますが、以下のような症状があらわれる場合もあります。
- 初期は倦怠感・悪寒・筋肉痛などのインフルエンザのような症状
- 38~39度の発熱
- 頭痛
- 嘔吐
- 下痢
重症化すると下記のリスクも…。
- 敗血症
- 髄膜炎
- 中枢神経系症状
リステリア菌がもたらす胎児への影響!
妊婦がリステリア菌にかかると妊婦自身に自覚症状がなくても、胎盤や胎児に感染することが最も恐ろしいことです。
そのうち20~30%の確率で死に至る可能性もあります。
生ハムに潜むトキソプラズマやリステリアから妊婦の身を守るためにすべきこと
2つの菌からママ自身と赤ちゃんを守るために、下記のようなことに気を付けて生ハムを取り扱いましょう。
- 生ハムはそのまま食べない
- 食べるなら必ず加熱する
- 生ハムを触った手は良く洗う
- 生ハムを切ったまないたや包丁などはすぐに洗う
- 生ハムがくっついた生の野菜部分は捨てる
- 賞味期限に注意して管理
生ハムのもう一つの注意点は塩分!
ハムとは違って生ハムは加熱していないので、保存が効かないことを補うために高い濃度で塩漬けしています。そのまま食べてもしっかりと塩味がついていますね。
そのため妊婦が少量でも生ハムを食べ続けると妊娠高血圧症になる可能性が高くなります。
生ハムのおすすめ加熱レシピ
どうしても生ハムが食べたい妊婦さんのために、加熱して食べると美味しいレシピをご紹介します。
生ハムは野菜やチーズと相性が良いので様々なレシピがあります。家なら塩分の摂り過ぎに気をつけながら、自分だけの安全性の高い生ハム料理ができるでしょう。
- 生ハムのアスパラ巻き炒め
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- アスパラを茹でる
- 生ハムで巻く
- 炒め焼きする
しっかりと生ハムに塩味がついているので味付けなしで簡単です。
- 生ハムとモッツァレラチーズのフライ
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- モッツァレラチーズの水気をとる
- 粗びき黒胡椒をふりかける
- チーズを生ハムでしっかりと巻く
- ころもをつけて揚げる
加熱された生ハムととろけるチーズがベストマッチなフライの出来上がり。
- 生ハムとほうれん草のクリームパスタ
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- パスタを茹でる
- 生ハムとほうれん草をフライパンで炒める
- ホワイトソースでからめる
- 茹でたてのパスタにホワイトソースを和えてオリーブオイルをかける
生ハムならではの塩味がついた美味しい一品に。
- 生ハムのチャーハン
- 余った野菜と多めの生ハムを刻んで、チャーハンを作ってみてください。牛や豚肉、ベーコンでは出せない味付けになること間違いなしです。
- 生ハムのホットサンド
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とろけるチーズと生ハムをパンにはさんでホットサンドにするだけ。お好みで卵やツナを入れても美味です。
- 生ハムとプチトマトのぎょうざ
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- 生ハムとスライスチーズを重ねる
- その上に小さく切ったプチトマトをのせる
- 2.をぎょうざの皮に巻いてフライパンで焼く
よく蒸して仕上がりにオリーブオイルをかけると格別な美味しさに。トマトの酸味はつわりの時期にもおすすめです。
- 生ハムときのこのバター炒め
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- メインの生ハムと、えのき、しめじ、まいたけなどのキノコ類、そして玉ねぎをバターで炒める
- めんつゆをかけて和風味に仕上げる
生ハムにキノコがからみ最後にかつお節をふりかけるとご飯がいくらでも食べられます。
生ハムをそのまま食べるのは赤ちゃんが生まれてから!
目には見えないトキソプラズマやリステリアという恐ろしい菌が含まれている「生ハム」。
国産の商品であれば安全という声もありますが、日本製であっても生ハムは生ハム!加熱していないことには変わりありません。
妊娠中のたった約10ヶ月だけの我慢を!妊娠中は生ハムをきっぱりとあきらめ、健康な赤ちゃんが生まれてからワインとともに美味しい生ハムを好きなだけ食べてくださいね。
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