離乳食の味噌汁はいつからOK?月齢別の与え方やアレンジレシピ
授乳を栄養源としていた赤ちゃんは、生後5~6ヶ月頃から少しずつ離乳食を与えていきます。
炭水化物となるおかゆから始め、副菜や主菜をバランスよく摂るためにも離乳後期(9~11ヶ月)から与えられる味噌汁は手軽にできる料理です。
しかし、始める時期や与える量など、どのように進めていけばいいのか迷ってしまいますよね。
先輩ママたちが実践した、月齢に合わせた味噌汁の与え方や保存方法、メニューや味噌汁が余ったときのアレンジレシピを紹介します。
この記事の目次
味噌汁は離乳食に最適!栄養を手軽に補える優秀料理
味噌汁の主な原料は大豆です。大豆は、そのままだと消化吸収がされにくいので発酵させることによって消化吸収されやすくなり、ごはんだけでは足りない栄養を補うことができます。
離乳食には必ず1品追加したい味噌汁ですが、栄養面以外にもメリットがあります。
- 野菜やタンパク質など栄養が手軽に摂れる
- 大人のご飯からかんたんに取り分けができる
- 赤ちゃんが苦手な食材も味噌汁だと食べやすい
- 味噌汁が残ってもアレンジしやすい
味噌汁は野菜や魚、肉などどんな食材にも合わせやすく赤ちゃんが苦手な野菜も細かく刻めばすんなり食べてくれることもあります。
大人と取り分けができ、味噌の味に合わせてアレンジしやすいレシピも多いので優秀料理と言ってもいいでしょう。
味噌は栄養満点!離乳食におすすめの種類と選び方
味噌は大豆、塩、麹を原料とし、タンパク質や炭水化物、ビタミン、ミネラルを豊富に含む栄養価の高い調味料です。
味噌は発酵によって、大豆にはない酵母や乳酸菌が生成され、生命維持に不可欠な必須アミノ酸が9種類も含まれているため、ひとつの食品でこれほどたくさんの栄養価を含むものはないとされています。
その他にも、大豆には食物繊維が含まれているので、赤ちゃんの便秘で悩むママにも嬉しい調味料だと言えます。
そんな栄養価の高い味噌汁を離乳食に取り入れる場合、どういうものを選んだら良いのか見ていきましょう。
味噌の種類や味は好みで選ぶ
味噌は種類が豊富で、味付けも辛口や甘口などさまざまです。どういう味噌を使うかは、いろいろ試してみて好みにあったものを選ぶとよいでしょう。
種類 | 味 | 特徴 |
---|---|---|
白味噌 | 甘口 | 西日本で作られ、大豆に米麴と塩を混ぜて発酵・熟成させて作る白い味噌 |
赤味噌 | 甘口・辛口 | 東日本を中心として作られ、大豆と米、塩を原料として作られる 米味噌と大豆と塩を原料として作られる豆味噌がある |
合わせ 味噌 |
甘口 | 米味噌、麦味噌、豆味噌のうちの2種類以上を配合して作られた味噌 |
離乳食に使うのは無添加味噌
離乳食に使う味噌は「無添加」なものを選ぶようにしましょう。だし入り味噌は塩分が強く、化学調味料や添加物が入っているものもあります。
裏面の成分表示を確認してから購入するようにしましょう。
- 無添加味噌の表示
- 米
- 大豆
- 食塩
- だし入り(化学調味料)味噌の表示
- 調味料(アミノ酸)
- ビタミンB2(発色剤)
- 保存料(ソルビン酸)
- 酒精・アルコール・エタノール
無添加味噌は米、大豆、食塩の表示しか記載されていないので、それ以外の記載があれば化学調味料が含まれていると考えて良いでしょう。
また、ほんものの無添加味噌を見極めるポイントは「ガスが抜けるバルブ(呼吸口)」があり「長期熟成」表示と「要冷蔵」で売られているもの。
あまり神経質になる必要はありませんが、可能な限り「無添加味噌」を選ぶようにしましょう。
味噌汁のだしはかつお節や昆布からとる
味噌汁の味付けにだしの素を使うのはNGです。塩分が強く化学調味料も入っているので器官形成が未熟な赤ちゃんには負担になります。
基本的にだしは、かつお節や昆布からとるのが一番ですが、今は時間がないママにも市販のだしパックが便利です。
それ以外にも、こんぶとかつお節だけで塩分が入っていない離乳食用のだしパックも売っていますのでこちらも上手に使いながら作ると良いでしょう。
味噌汁はいつから?離乳時期別の回数や量について
味噌は離乳食後期、生後9ヶ月以降から与えるのが良いとされています。
理由としては、
- 離乳初期から塩分濃度の高いものを与えてしまうと肝臓に負担がかかる
- 味覚形成の大事なときに濃い味付けは大人になってからも影響する
と言われています。始めて与える味噌汁の回数や具材についても下記を参考にしながら進めていきましょう。
【月齢別の進め方】
月齢 | 食材 | 回数 | 硬さ | |
---|---|---|---|---|
離乳後期 | 9~11ヶ月 | わかめ・さつまいも、大根・豆腐 ほうれん草など |
1~3回 | 歯茎で潰せる硬さ |
完了期 | 12~18ヶ月 | 厚揚げ・白身魚・鶏ミンチ・小松菜 きのこ類・ひじきなど |
3回 | 歯茎で噛める硬さ |
食材は全て小さく刻み、月齢によって硬さを調整しながら味噌汁の具としてバランスよく取り入れたいですね。
始めて赤ちゃんに与える味噌汁の量
始めて味噌汁を与える場合は、小さいスプーンに1口味噌汁の上澄みをすくって、お湯で2~3倍薄めます。
量でいうとほんのり味噌の味がついてるくらいなので、大人だとほとんど味がないと思ってしましますが、赤ちゃんにはちょうど良い濃さになります。
赤ちゃんの1日の塩分摂取量があるので下記を参考にしてみてください。
- 生後9ヶ月~11ヶ月:0.5g程度
- 生後1才~1才半 :1.5~2.0g程度
アレルギーを見るためにも、味噌汁や食材を与えるときは必ず1口食べさせてから様子を見ます。
とくに問題がなければ、ゆっくりと2口、3口飲ませてあげましょう。
味噌汁のだしの取り方と保存方法
材料が揃ったら、いよいよ離乳食用の味噌汁を作ります。だしの取り方から、取り分け、保存方法まで紹介します。
1週間に1度だし汁を作って、1週間分保存すれば赤ちゃんを待たせることなく離乳食が出せるので便利ですよ。
だし汁の作り方
今回紹介するのはかつお節のだしの取り方です。かつお節のだしは「一番だし」「二番だし」「かつおと昆布の合わせだし」の3種類があり、料理によって使い分けます。
味噌汁に使うのは一番だしです。
- 【だし汁の材料:かつお節30g・水:1000ml(5カップ)】
- 鍋に水1000mlを入れ、沸騰したら火を止める
- かつお節30gを入れ、1~2分おく
- ざるに布またはキッチンペーパーを敷き、かつお節をこす
※上記の作り方で、約800ml(大人用味噌汁約4杯分)取れます。
- 注意点
- かつお節をこすときに、絞ってしまうとえぐみが出るので気をつけてください
赤ちゃん用味噌汁は薄味で取り分け
赤ちゃん用の味噌汁を作るときに、大人用も一緒につくると取り分けができるので便利ですが、このときに気をつけたいのが取り分ける順番です。
味噌汁を作るときは赤ちゃん用に薄く作り取り分けるのが基本です。濃い味噌汁を赤ちゃん用に薄めてしまうと、舌が濃い味に慣れてしまい自然と赤ちゃん用の味噌汁も濃くなってしまいます。
味噌汁の上澄みを薄める場合も、素材の味を生かし風味程度に少量の味噌だけで十分です。味噌汁に慣れてきたら、少しずつ食材を入れてアレンジしていきましょう。
だし汁の保存方法
だし汁以外にも、野菜スープを作って保存することもできます。味噌汁に飽きたら、野菜スープにするなど使い分けてもよさそうですね。
- 【準備するもの】
- 製氷機
- 冷凍用保冷パック
- 【保存方法】
- だし汁を作ったら荒熱がとれるまで冷ます
- 冷めたら製氷機に流し入れ冷凍庫する
- だし汁が凍ったら保冷パックに移し替える
だし汁以外にも、味噌汁の具材を細かく切って冷凍することもできます。温野菜や根菜類も冷凍してバランスよく与えたいですね。
食材名と日付を書いて1週間以内に使い切る
冷凍すると長持ちするイメージがありますが、赤ちゃんに与える場合は1週間以内に使い切るようにしましょう。食材名や日付を書いておくと使い忘れを防げます。
食中毒を防ぐためにも、解凍した食材が余っても再冷凍はしないようにしましょう。
離乳後期~完了期の味噌汁レシピとアレンジレシピ
離乳後期になると食べられる食材が増えるので、味噌汁に慣れてきたら食材を変えたりアレンジしながら与えていきたいですね。
先輩ママが作っていた味噌汁と残った味噌汁のアレンジレシピを紹介します。
1.苦手野菜も一緒に!具沢山野菜と豆腐の味噌汁
赤ちゃんが苦手な野菜も細かく刻んで色々な野菜と混ぜればペロリ!豆腐を入れるとタンパク質もとれるのでバランスもよく、栄養満点です。
- だし汁 300ml
- 野菜(大根、人参、玉ねぎ、ほうれん草、わかめ、なす) 40~50g
- 豆腐 50g
- 味噌 小さじ1/3~1/4
- だし汁に野菜を加え柔らかくなるまで煮込む(冷凍野菜だとすぐ柔らかくなります)
- 野菜が柔らかくなったら豆腐を加える
- 一旦火を止め、味噌を入れて一煮立ちせて完成
2.タンパク質を入れてバランス良く!白身魚と野菜の味噌汁
高タンパクで低脂肪の白身魚を入れて赤ちゃんに食べやすい味噌汁。刺身用の白身魚を入れるのもおすすめです。
- だし汁 300ml
- 野菜(キャベツ、玉ねぎ、人参、大根など) 40g
- 刺身用白身魚 1枚
- 味噌 小さじ1/3~1/4
- だし汁に野菜と白身魚を加え柔らかくなるまで煮込む
- 鍋の中で白身魚をほぐす
- 一旦火を止め、味噌を入れて一煮立ちせて完成
3.カルシウム強化!しらす入り味噌うどん
味噌汁が余ったら、しらすとうどんを入れてアレンジしてみましょう。麺を入れるだけで喉ごしが良くなり食べやすくなります。
- 味噌汁 茶碗2杯分
- しらす 15g
- うどん 90g
- しらすを沸騰したお湯に入れ、1分程塩抜きをする
- 温めた味噌汁にうどんとしらすを入れ沸騰するまで煮る
4.鶏ミンチと豆腐の味噌あんかけ
あんかけにするととろみがついて食べやすくなります。麺やごはんにかけてアレンジするのも良いですね。
- 味噌汁 茶碗1/2杯分
- 鶏ミンチ 10g
- 絹ごし豆腐 30g
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ1
- 沸騰した味噌汁に鶏ミンチと豆腐を入れ火を通す
- 片栗粉と水を合わせて水溶き片栗粉を作る
- 一旦火を止めて、水溶き片栗粉を回し入れ完成
5.大人と取り分けにも!味噌汁のミルクリゾット
離乳食後期から徐々に牛乳やチーズなど取り入れたいときにできるアレンジメニューです。取り分けして大人も一緒に食べられます。
- 味噌汁 茶碗2杯分
- ごはん 茶碗1杯分
- 牛乳 大さじ1
- 粉チーズ 小さじ1
- 鍋に味噌汁を入れ温める
- 1に沸騰させないように牛乳を温める
- 2にごはんを入れてさっと煮る
- 器に盛り、粉チーズを入れて完成
離乳食には昔ながらの味噌汁で赤ちゃんの栄養を補おう!
味噌汁は昔からある和食の食べ物で、日本人の食卓に欠かせない料理となっています。しかし、今は食べ物も豊富にあふれていることから、昔ながらの和食料理を食べる機会が減ってしまいました。
そんな味覚を育てる大切な乳幼児期は、天然のだしを使って味噌汁を作り赤ちゃんの栄養を補いたいものです。
味噌汁は野菜や魚など、どんな食材にも合わせやすくアレンジもしやすいので離乳食時期にはぴったりの料理です。
時間がなくてもだしパックを使ったり、だし汁を冷凍保存すれば味噌汁もかんたんに作ることができるので忙しいママにもぜひ作ってほしい料理です。
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