叱ると怒るの違いとは?感情のコントロール方法とNG な叱り方

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2019/06/25

子供と目線を合わせ叱るママ

子供を叱っているうちにだんだんと感情が高ぶって怒りすぎてしまった…子育てあるあるですよね。

頭では感情的に怒ってはいけないことも子供に悪影響が出ることもわかっているのに実際に子供といると怒らずにはいられない…こんな風に悩んでいるママも多いのではないでしょうか。

子供を怒ること自体はある程度は必要だったりもします。感情的に怒ることでこれは絶対にダメなんだと子供が理解できることだってありますよね。

ただ何に対しても怒りを感じて感情的に怒ってしまう時は子供のために叱っているのではないのかもしれません。

今回は怒ると叱るがどんな風に違うのか見分け方のポイントとママの感情をコントロールするテクニック、怒っている時にやってしまいがちなNGワードやNG態度についてお話します。

子供にとっては全く違う!怒ると叱るの決定的な違い

「あなたのために言っているの」そう言われてもしっくりこない人とすっと心に入ってくる人っていませんか?

なんだかしっくりこない人に言われるとただ落ち込んでしまったりなんでこんなこと言われなきゃいけないの!って反発してしまったり…そんな経験のある人も多いのではないでしょうか。

大人でも子供でも感じ方はあまり変わりません。なぜそんなに捉え方に差が出てしまうのかというと「誰のために怒っているのか」が違うからなんです。

それでは具体的にどんな差が出てくるのかを見ていきましょう。子供が怒っても聞いてくれない場合は叱ることができていないのかもしれません。

怒ると叱るの差ってなに?躾に感情は必要なし!

怒ると叱る同じような言葉ですが、意味合いは全く違います。その中でも大きな違いは「誰のためを思って」言ったことなのか、「何のため」怒ったのかです。

怒る時
  • 相手のためではなく自分のため
  • 相手より優位に立つために
  • ストレスや自分のうっ憤の発散のため
  • 相手の失敗によって自分が被った被害から自分を守るため
叱る時
  • 相手の成長のため
  • 間違えたことや失敗の原因を理解してもらうため
  • 同じ失敗を繰り返させないようにするため
  • 相手に考える力を付けさせるため
基本的に人が怒る時は「自分のため」で叱ろうとするときは「相手のため」であることがほとんどです。自分の気持ちの発散のために怒る人の言っていることはいくら親であっても受け入れることはできません。

子供にしつけをする目的も礼儀作法や社会で生きていくためのルールを教えて将来的に困らないようにすることですよね。

感情的に「挨拶しなさい!」「なんで片付けできないの!」と言うだけではそれは躾ではなくただの親の感情の押し付けです。

本当に必要なのはなぜ挨拶をするのか片付けをする目的はなんなのかを教えてあげることで、できないことをただ叱りつけるだけでは子供を萎縮させることになります。

叱っていたはずが子供を感情的に怒ってしまう理由

ちゃんと叱ろうと思って話し始めたのに子供の言葉や態度にだんだんヒートアップしていって最終的に怒鳴ってしまっていた…こんな風に感情的になってしまう時ママの心の中では何が起こっているのでしょうか。

そこには子供に対する過剰な期待があったり、自分の中に出来上がってしまったルールがママ自身も子供も縛り付けてしまっているのかもしれません。

ママは子供を叱れば子供が反省して自分の言うことを聞くはずと無意識に考えています。これが子供に対する過剰な期待の正体で、そうなることが子供のためになるとも思っています。

子供を思い通りにしたいという無意識の期待に対して子供が反抗したときに感じる裏切られたような気持が子供に対する怒りの理由です。

叱ろうとするときは子供のためを思って言っている場合がほとんどなので、受け入れてもらえないと自分の愛情を否定されたように思うことも感情的になる理由の1つです。

子供はママを否定しようとしているわけでもなければ裏切っているわけでもありません。ママから見たら未熟かもしれませんが子供自身にも感情があって考えがあるだけなんです。

子供は自分の意見を言ったり反抗することは立派な成長の一つです。子供を自分とは別の人格がある人間だと認識できていないと、せっかくの自立の芽を踏み潰すことになりかねません。

怒ってるかもと思ったら…なんで叱るのかをもう一度考えよう

怒ることはあくまで表面的に出ている感情なのはご存知ですか?まず別の感情が裏側にあってそれが解消されないことで怒りとなって出てくるのです。

それは「不安」や「悲しみ」などのマイナスな感情はもちろん、「期待」や「希望」といったプラスの感情も怒りを引き起こす原因になります。

例えば子供が宿題をしないということに怒りを感じた時、自分が何を目的として子供に怒ったのかそれぞれの感情別に考えてみましょう。

不安 宿題をしないで子供が怒られたらどうしよう、勉強が嫌いな子になったらどうしようとい気持ちの解消のため
悲しみ 子供が宿題をしないことで注意を受けたこと、それによって自分がダメな母親だと思われたことに対する気持ちの解消のため
期待・希望 宿題をちゃんとしてほしい、勉強を好きになって欲しいという子供のために良かれと思って言ったことを受け入れてもらえなかったことに対する気持ちの解消のため

この時に怒りを感じた理由を見つめなおすことができるのと子供が悪い!と終わらせてしまうのでは親子関係は180度変わってしまうんです。

自分の気持ちを解消できないモヤモヤを吐き出しているだけだと子供は親に対しての信頼感を失います。逆に子供の気持ちと向き合い成長のために叱ることができればしっかりと自分の人生を歩いていけるような子に育っていきます。

まずは冷静に自分のどんな気持ちがイライラに繋がっているのか分析し、叱る目的をはっきりさせることが自分のためにも子供のためにも必要です。

感情のコントロールはできる!怒る事に疲れたら試してほしいアンガーマネジメント

子供のために感情的になって怒るのはよくないと思っていても仕事に家事に夫の不在、もういっぱいいっぱいな毎日でちょっとした子供のいたずらや反抗で大爆発!

明日から怒るのはやめる!と思ってもまた怒ってしまって子供の寝顔を見ながら一人で反省会…涙が出てしまう事もありますよね。

それでもなかなか改善できない自分にもイライラが募って自己嫌悪。余裕のなさからまた怒ってしまう…この悪い流れを断ち切るにはママの子供に感情的に怒ってしまったという罪悪感の元を断つことが必要です。

怒ることにも疲れてもう嫌なのに怒らずにはいられない…そんな悪循環に嵌っている時はとにかく感情的に怒る自分を止めましょう。そのための方法として有効なのがアンガーマネジメントです。

アンガーマネジメントは怒りと上手に付き合うための方法です

怒らないようにするためには自分が我慢すればいいって思っていませんか?最初は我慢できてもそんな状況が長く続けば必ず限界がきてしまいます。

アンガーマネジメントは怒りを爆発させないように感情を抑え込むのではなく、上手に付き合う事を目的としています。

自分がどんなことに対して怒りを覚えやすいのか、怒ることによって何をしようとしているのかを知ると感情に振り回されることがなくなってきます。

もともと穏やかで怒らない人もいますが、自分がそういう性格じゃないからといって諦める必要はないんです。

怒りを鎮めるためのテクニックを知って自分の感情をぶつけるのではなく伝えることができれば、今までうまくいかなかった子供とのコミュニケーションが取れるようになってきます。

そもそも何で怒るの?怒りは自分へのメッセージ!

怒るということは精神的に負担がかかるだけではなく、実際に血圧や体温が上がったり筋肉に力が入って強張ったりと身体的にも負担がかかります。怒りやすい人は寿命が短くなる傾向まであります。

それなのに何で人間は怒ってしまうのでしょうか。それは自分に怒ってでも伝えたいメッセージがあるからなんです。

怒るくらい「悲しかった」「不安だった」「期待していた」「好き」だからこの気持ちをどうにかしたい。放置しないで何とかして!って。

それと同時に怒りを感じた相手へのリクエストでもあります。ここを改善してくれないと苦しいよって心が言っているんです。

怒りを感じること自体は悪くないどころか自然なことです。ただ怒りの感情ばかりが先に立ってしまって肝心の「相手へのリクエスト」が伝わらないと意味がないのです。

怒らない人を目指すのではなく怒りの感情を上手に伝えられる怒り上手な人になることを目指すことが問題解決の近道です。

アンガーマネジメントを実践してみよう!大切な3つのルール

上手に怒ることはコツを身に付けてしまえば難しいことではありません。衝動・思考・行動をコントロールすることがアンガーマネジメントの3つの柱です。

衝動のコントロール
怒りを感じた時に最もしてはいけないことはカッとなってすぐ反論したり行動することです。

怒りのピークは持って6秒程度です。この6秒間だけ怒りの衝動を抑えることができれば言わなくてもいいようなことを言って子供を傷付けたり、手が出るような事態を防ぐことができます。

  • 6秒だけ頭を真っ白にして考えるのをやめる。
  • 6秒だけ無理やりでも笑顔を作る。
  • 6秒だけ頭の中でカウントする。
  • 6秒だけ深呼吸する

6秒だけって思うとなんだかできそうな気がしませんか?いきなり怒りの大爆発を抑えようとしても難しいので小さな怒りを抑える練習から始めてみましょう。

何をしても無理!ってときはその場を離れてもOK。個人的には写真や動画を撮るのをオススメします。スマホ操作している間に6秒なんてあっという間です!
思考のコントロール
人は自分ルールを持っています。そのルールが破られたときに怒りを感じるのですが、そのルール自体を把握できていない場合があるんです。

こういった場合に有効なのが日記を付けること。感情はどんどん出てくるので何に怒りを感じたかすぐ忘れてしまい、また同じことの繰り返しになってしまいます。

記録が残っていれば自分がどんなことに怒りを感じやすい性格なのか分析することができます。怒った時に自分がどんな行動をとっているのか、そうした結果どうなったのかもメモしておきましょう。

自分がどんなパターンで怒っているのかがわかれば先回りして対処することもできますし、子供にも共有しやすいですよね。

日記とまでいかなくてもメモや手帳に走り書きしたり、アプリを利用するのも手軽でオススメです。また無料で怒りの傾向診断ができるサイトもあるので利用してみるのもいいと思います。

行動のコントロール
自分が何に怒りを感じてどうしてほしかったのかを分析することができたら、それをどのように伝えるのかで子供の反応が変わってきます。

怒り上手になるには相手に対してリクエスト上手になること。押さえていきたいポイントは2つです。

  • わかりやすく具体的に伝えること
  • その時の気分で怒らず、一貫性があること

ただ怒っているということだけが伝わっても何も解決しません。「なぜできないのか」と責めるのではなく、「どうしたらできるのか一緒に考えよう」と相手にリクエストをすることで問題の解決を図りましょう。

また同じことでも「昨日は怒られなかったのに今日は怒られた」ということが起こってしまうと「ママは気分が悪い時に怒っているだけ」と子供は判断します。

そうなってしまうと子供のためを思って言ったはずなのに真意は伝わらない上、子供からしたらママはいつ何がきっかけで怒るかわからない面倒な人になってしまいます。

こんな言葉は使わないで!叱る時のNGワードとNG態度

最初は自分が悪いなと思って素直に聞いていたはずなのに、だんだんと「なんでこんなこと言われなきゃいけないの!」とイライラしてくることってありませんか?

もし自分が叱っている時に子供が反発したり怒ってしまっていたら叱る時に言ってはいけないNGワードを遣ったりNG態度をとっているのかもしれません。

言いがちなNGワードやしがちなNG態度とその理由、またどんな改善案があるかをまとめたので自分に当てはまるところがないか参考にしてみてください。

NGワードとその改善案
感情的に怒ってしまう時に出やすい言葉は具体的ではなくあいまいな表現であることが多いです。本当に伝えたいことはその言葉の奥にあるのに何となく面倒だったり自分でも何が理由で怒ったのか分かっていないことも。

子供にどう改善してほしいのか伝わらないのでモヤモヤした感情が残るだけになってしまいます。とてももったいない状況なのでこういう言葉が出てしまう時は一度自分の心の中を整理してみましょう。
NGワード 理由 改善案
「前から言おうと思ってた」 自分がどれだけ怒ったかを強調したい時に言いがち。
この言葉から過去のことまで責めると言わんとしていることが伝わらない。
今起きていることだけに絞って伝える。論点をずらさない。
「なぜ」
「どうして」
なぜできないの!どうしてできないの!とできなかった過去の事実を責めているだけの言葉。 「どうしたらできる?」に言い換え、どのように問題を解決するか考えさせる。
「いつも」
「絶対」
「必ず」
正確に伝えるのが面倒な時に言いがち。
決め付けるような強い言葉なので「いつもじゃない!」と反発をされてしまうことが多い。
「〇〇の時はこうだった」「5回中4回は約束を守らなかった」など正確に伝える。
「ちゃんと」「きちんと」「しっかり」 ママにはどうすべきかわかっても具体的に何をどう改善すべきか子供には伝わりずらい言葉。
具体的な解決案を言うのが面倒な時に言いがち。
わかりやすく具体的に子供にどうしてほしいのか伝えるようにする。
そのためにはママが何に対して怒りを感じ、子供にどうしてほしいのかを理解しておく必要がある。
NG態度とその改善案
怒っている時は自分の気持ちを察して欲しくてつい態度に出してしまう事があります。そんな時についやってしまいがちなNG態度にも注意が必要です。

言葉と同じように子供は親の表情や態度にも敏感です。たとえ傷付くようなことを言わなくても子供を怖がらせたり悩ませているかもしれません。
NG態度 理由 改善案
怒る理由が自分の機嫌次第 子供に怒っっている理由が伝わりずらい。
振り回される子供はママを信用しなくなりスルーされることになりがち。
怒るルールを決め、怒る理由に一貫性を持たせる。
機嫌ではなくルールで怒ることで子供にも共有しやすくなる。
人前で怒る 見せしめにすることで反省を促しても子供は恥ずかしさから素直には受け止められない。
そのことに対して怒ってしまい、反発を招くだけの結果に。
怒る時は1対1で、面と向かってが基本。
感情をぶつける 感情的になっている時は怒る目的を忘れてしまいがち。
子供に伝えるべき改善策が伝わらなくなるし、子供は攻められたと思い自分を守るために逆ギレしたり言い訳ばかりすることに。
まずはママの感情を落ち着けること。
子供から見たらただ怒っているとしか感じないことを理解しておく。
無言で怒る 黙っていても何も伝わらず子供を不安な気持ちにするだけ。
同じことが続くと怒っているママを無視することにもつながります。
子供に察することを期待するのはやめる。
子供にわかるように言葉にして伝える。

怒りを感じるのは悪くないけど…怒ったことではなくママの気持ちを伝えよう!

毎日子供と過ごしていると感情的に怒るなと言う方が無理な時がたくさんありますよね。実際に怒られても仕方がないようなことばかりが起こってママはパニックになったり…

そんな中笑って過ごそうなんてできないのも当たり前。それにママが自分の気持ちを我慢し過ぎて子育てが嫌になってしまう事の方が家族にとってはピンチです。

だからといって自分の感情のままに怒りをぶつけても何も変わらないし、みんなが傷付くだけ。怒ったことを後悔してばかりの毎日は終わりにしませんか?

自分の心の声を聞いて解決してあげられるのは自分だけです。どうか困っている自分をそのままにしないで、怒りではなくママの本当の気持ちを伝えることから始めてみましょう!

こちらの記事で怒った後の子供へのフォローについて詳しく紹介しています。

みんなのコメント
  • Heatherさん

    本当にありがとうございました()

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