妊婦の転倒…胎児への影響や確認すべきこと、予防策を知っておこう!

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2017/07/14

転倒してお腹の影響を気にしている妊婦さん

妊娠中は様々なことに対して注意をする必要があります。気を付けていれば防ぐことが出来ることも多くありますが、気を付けていても防げないことというものもあります。

転倒はどんなに気を付けていたとしても、防ぎようがない場合があります。

とっさのことだけに、非常に焦ってしまうかもしれませんが、一度深呼吸をして落ち着きましょう。

転倒してしまったときに確認すべきこと、そしてやってはいけないことを知っておくことで、万が一の転倒に備えておきましょう。

転倒によるお腹の赤ちゃんへの衝撃・影響・リスク

妊娠中はお腹の中で赤ちゃんを育てているということもあり、転倒をすることで非常に多くのトラブルやリスクが考えられます。

まず妊娠中の3つ段階、初期、中期、後期で考えられる影響についてチェックしておきましょう。

【妊娠初期の転倒】最悪は流産の危険性が…

妊娠中に赤ちゃんをさまざまな衝撃から守ってくれるのは胎盤や卵膜、そして羊水といったものになります。ですが、妊娠初期は胎盤も未完成で、卵膜や羊水も未完成です。

妊娠初期は胎嚢と呼ばれる袋の中に胎芽と呼ばれる状態の赤ちゃんは、まだ器官形成が不十分な状態です。

胎嚢はのちに卵膜となり、卵膜の中に羊水が満たされることで胎児を守ることができるようになりますが、胎嚢の段階ではまだ十分に胎芽を守る働きもありません。

つまり、転倒すると子宮の中の胎芽に直接衝撃が加わってしまうため、大きなダメージが胎芽に伝わってしまい、最悪の場合には流産を引き起こしてしまう危険性があります。

だいたい妊娠16週で胎盤が完成します。この時期まではちょっとした衝撃でも流産をしやすい時期となっています。妊娠初期の転倒は特に赤ちゃんを失いかねないということをよく理解して、転倒を予防していきましょう。

【妊娠中期の転倒】切迫早産や死産の可能性も

妊娠16週目に入ってくると胎盤が完成してくるために流産の危機が低下してきます。卵膜も完成し、羊水も卵膜の中で満たされ、赤ちゃんを衝撃から守るためのクッションが機能を始めます。

この時期はある程度の衝撃があっても胎盤や卵膜、羊水が衝撃を緩和してくれますが、大きな衝撃が加わってしまうと、卵膜が破れて破水が起こってしまう危険性もあります。

胎盤が完成しているとはいえ、衝撃によって胎盤剥離が起こる危険性もでてきます。このようなことが起こると、切迫早産や早産、さらに死産の危険性も出てきてしまいます。

【妊娠後期の転倒】お腹の中で赤ちゃんが怪我を負う危険性も

この時期に転倒によって起こりやすいトラブルに切迫早産や前期破水があります。胎盤剥離の可能性もこの時期も起こり得るトラブルとなります。

また臨月が近づいてくると、卵膜はパンパンの状態になり、赤ちゃんを包む羊水の膜も薄くなるため、赤ちゃんがお腹の中で怪我をするリスクも出てきます。

ただ、胎盤、卵膜、羊水で守られているお腹の中の赤ちゃんは、よほど強い衝撃でなければ影響は少ないとも言われていますので、あまり慌て過ぎないようにしましょう。

転倒してしまったときに確認すべき4つのこと

妊婦さんが転倒してしまったときにはまず4つのことを確認すべきとなっています。

  • 打った場所
  • 胎動
  • 下着(ショーツ)
  • 腹痛・張り

この4つの場所をどうして確認するべきなのかという点について紹介します。

かかりつけの産婦人科を受診するときにも、この4つの点について確認されますので、慌てずに一つずつチェックしていきましょう。

転倒してどこを打ったかはとっても重要

転倒した場合、まずどこを打ってしまったのかをしっかりと確認しておきましょう。転倒したといっても様々なタイプがあります。お尻を打ったのか、背中を打ったのか、お腹を打ったのかによって、赤ちゃんへの影響の度合いも変わってきます。

転倒した場合には基本的にはかかりつけの産婦人科に相談することが必要ですが、どこを打ったのかということをしっかりと伝えることが大切になります。

気が動転してしまうとどこを打ったかわからなくなってしまう事もありますので、まずは冷静に痛いところを確認しましょう。

胎動があるかは必ず確認

妊娠中期以降になってくるとお腹の中の赤ちゃんの様子を胎動で知ることが出来ます。転倒をしてから胎動の様子はどうなのかを確認しましょう。

もし胎動を感じることが出来ない、いつもに比べると胎動が弱いと感じるときには、すぐにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。

大丈夫か不安に思う気持ちを抱えている状態は精神的にもよくありませんし、大きなストレスとなってしまいます。

大きなストレスは赤ちゃんにとってもあまりよい状態ではありませんので、気になる場合にはすぐにかかりつけの産婦人科に相談をしてください。

下着をチェックして汚れがないかを確認

転倒をして破水が起こると卵膜から羊水が漏れ出します。また胎盤剥離などさまざまな異常によって出血が起こる可能性もあります。

転倒後下着をチェックすることで、これらの異常がないかを確認することが出来ますので、かならず早めにトイレなどに行って下着の状態を確認し、出来ればトイレットペーパーなどで陰部をふき取り異常がないかを確認しましょう。

どこか痛みがないか、張りがないかを必ず確認

お腹を打った場合にはやはり痛みを感じることがありますのですぐに産婦人科に行く必要があるということは分かりやすくなりますが、別の部分を打った場合でも、打った部分以外に痛みがないか、張りがないかを確認します。

もしお腹に痛みがあったり張りを感じる場合には切迫早産などの危険もありますので、必ずかかりつけの産婦人科を受診するようにします。

転倒を予防するために出来る4つのこと

妊娠中はどうしても転倒しやすいということを考え、できるだけ転倒を予防していくことが大切です。

大きな心配をする必要がないように、出来る限りのことをしておきたいですよね。

▼妊婦が転倒しやすい場所や理由についてはコチラも参考にしてみて!

滑り止めが付いた履物を履く

妊娠中は冷えなどに注意する必要もあるため、靴下を履く機会も多くありますが、できれば滑り止めが付いた履物を履くようにします。

スリッパなどを自宅で利用している場合にも、必ずそこ面に滑り止めがついているものを利用するようにします。また、外で履く履物もできるだけ床面との接地部分が多く、転びにくいものを選ぶようにします。

スニーカーやスリッポンなどがおすすめとなります。

普段よりもゆっくりと歩く

妊娠中は滑りやすいと考えて、できるだけゆっくりと歩くようにすることが大切です。ゆっくりと歩くことで転倒リスクはずいぶんと下がっていきます。

階段を降りるときも、つま先で階段の段差を確認することが出来るくらいゆっくりと階段の上り下りをすることで、転倒防止につながります。

妊娠時にゆっくりと歩くことに慣れておくと、赤ちゃんが生まれてあんよができるようになったときに、一緒にゆっくりと手をつないで歩きやすくなります。赤ちゃんと一緒に歩く練習とおもってゆっくりと歩きましょう。

手すりがある場所では手すりを利用する

最近では多くの施設で手すりを設置していることも増えています。階段の上り下りは基本的には手すりを利用し、お風呂場などでも手すりがあるときには積極的に手すりを利用するようにします。

とくに駅の階段などは走り込んでくる人もいますので、安全を考えても手すりは必ず利用するようにしましょう。

自宅以外の場所のトイレなどもできるだけ手すりがあるトイレを利用するようにするのもお勧めです。汚れが気になるときには除菌シートなどを携帯してさっとふき取ってから利用するようにします。

両手を出来るだけ開けておく

転倒した場合に両手をすぐにつくことでおなかを転倒の衝撃から守ることができます。ですが、バックなどを持っているとどうしても転倒時に両手を使ってお腹をカバーすることができません。

妊娠中はできるだけ両手を開けた状態にしておくことも転倒予防や転倒時の衝撃緩和に必要です。

バックもリュックを愛用することで、前よりに偏りがちな重心を後ろに下げ、身体の中心に戻しやすいため、外出時はリュックを利用するといったこともお勧めです。

安易にやってはいけないこともあります

転倒すると打ち身や捻挫などをして痛みを感じる場合もあります。痛みを感じた時には普段なら整形外科を受診したり、自宅にある痛み止めや湿布薬などを利用することも多くあります。

ですが、妊娠中には痛みがあるからと言って普段と同じようなケアを行てはいけないケースがありますので注意しましょう。

▼妊娠中の湿布薬使用についてはコチラも参考にしてみて!

妊娠初期は特に注意したいレントゲン撮影

妊娠中期以降になると、誰の目からも妊婦さんとわかる体形になってくるために、整形外科などを受診した場合にはレントゲン撮影については慎重になります。

ですが、妊娠初期の場合いはなかなか見た目ではわからずにレントゲン撮影を普通に行ってしまうケースもあります。

妊娠中は基本としてはレントゲン撮影は避けるべきと考えられています。ですが、場合によってはレントゲン撮影を行い骨の状態を確かめる必要がある怪我を負っている可能性もあります。

まずどこを打ったのか、どこに痛みがあるのかを伝え、さらに妊娠していること、妊娠初期の場合には妊娠の可能性があることを伝えましょう。

レントゲンがどうしても必要と考える時には、胎児に影響が起こらないようにしっかりりとケアを行ってから撮影となります。ですが、緊急性がない時には無理にレントゲン撮影を行わないという選択もできます。

胎児にレントゲン撮影のために影響が出る可能性があるのは、妊娠9日目前後が最も多く、それ以降であれば大きな影響は考えられないという意見もあります。

それよりは母体が骨折などによって骨に異常が出ている状態を放置する方が危険であるという指摘もあります。

腹部や骨盤周りのレントゲン撮影は基本的には避けるべきですが、医師の判断によっては産婦人科の先生と相談をしてレントゲン撮影を行う必要もあります。心配する気持ちも分かりますが、自分自身の体も大切です。

外用薬には妊娠中に危険な成分も含まれている可能性がある

痛みがあるときには外用薬、つまり塗り薬で痛みを取ろうと考える人も多くいますよね。ジェル状やクリーム状のものや、スプレータイプの外用薬は、素早く痛みを抑えてくれるものもあるのでとても便利です。

ですが、外用薬の中には妊娠中の女性にとっては危険な成分が含まれている可能性もあります。また、普段に比べるとお肌もデリケートな状態になっていることも多いので、お薬を塗ることでお肌に炎症を起こしてしまう危険性もあります。

基本的には痛み止め成分が含まれている外用薬をはじめ、塗る薬であっても妊娠中はむやみに使わないことがおすすめです。

薬の安易な服用は避けるべき

痛みを抑えるための内服薬も基本的には避けることが必要です。転倒時だけではなく、葉の痛みが強くなってしまったり、足首をひねってしまって痛み止めを飲みたいという場合もおなじです。

市販の痛み止めや産婦人科以外で妊娠していることを告げていない段階で処方された残薬などを飲むことは避けます。

湿布の中には妊娠中は使用できないものもあります

湿布なら大丈夫と考える妊婦さんも多くいますが、湿布も広い意味では外用薬に当たります。実は妊娠中は使ってはいけない湿布というものも存在しています。

痛み止め成分として湿布にはさまざまな成分が使われていますが、痛み止めの中ではアセトアミノフェンという成分以外は基本的には妊娠中の女性は使わない方が良いと言われています。

とくに妊娠後期は痛み止めの成分によって赤ちゃんお腹の中の間にだけある器官である動脈管が閉塞してしまい、最悪の場合には胎児死亡といってお腹の中で赤ちゃんが亡くなってしまう危険性もあります。

大きな危険を伴う可能性がありますので、妊娠中はむやみに湿布を利用することはやめましょう。

普段とは違うと感じたらすぐに産婦人科へ

転倒した後になんとなく普段と様子が違うと感じた時には、検診日を待たずに産婦人科に相談をして診察を受けることも大切になってきます。その時はどのような状況で転倒したか、今現在どのような状態化をしっかりと伝えましょう。

転倒によって流産や死産といった悲しい結果を起こさないためにも転倒は気を付けて防ぎたいことですが、どうしても防ぎきれない場合もあります。

万が一転倒してしまった場合には動転することは避けようはないと思いますが、まずは確認すべきことを確認し、やるべきこととやってはいけないことをしっかりと理解しておきましょう。

痛みが強い時などは、かかりつけの産婦人科の医師によく相談をして、妊娠中でも利用可能な痛み止めの処方などを受けるようにしましょう。

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