産後のお見舞いは迷惑?お見舞い時に気遣うポイントやマナー
出産を終えたママは、休む間もなく育児に追われて疲労困憊!精神的にも不安定になりますし、そんな時に「お見舞いに行くね!」と言われても素直に喜べないこともあります。
このようにママの中にはお見舞いに来られるのを迷惑に感じる人もいるようです。
出産の報告を受け、「すぐにお祝いに行ってあげたい!」「赤ちゃんと友達に会いたい」と思うところですが、まずはママの気持ちを考えてみましょう。
また、ママ達が悩むお見舞いの断り方もご紹介します。特に義両親への対応に困る人は多いようです。
ここでは、意外と知らない産後のお見舞いのマナーや気を付けるポイントをご紹介します。お見舞いに行く側もされる側のママも、相手の心に配慮した対応が大切です。
待ちに待った赤ちゃん誕生のお祝いですから、お互いの気遣いによって気持ちの良いお見舞いにしましょう。
この記事の目次
産後は出産の疲れや寝不足で疲労困憊!産後ママの体の状態
産後のママがどのような状態かご存知ですか?出産したら体が楽になると思ったら大間違い!そこからがまた大変なんです。
ママ達の間でも、「産んだ後にあんなに痛い思いをするとは想定外だった」とよく聞きます。どのような症状があるのでしょうか。
産後の身体の回復には最低一カ月かかります !
出産を終えてホッとしたのも束の間、ママは身心共に辛い状況が続きます。痛いのは出産すれば終わりではないのです!
産後の状態には個人差がありますが、人によっては食事も摂れなくなるほど疲労困憊した中で、赤ちゃんのお世話が始まるのです。
出産により骨盤が開いた影響や傷の痛み、また疲労などで産後2~3日歩くことができない人もいます。逆に産後数時間でスタスタ歩ける元気なママもいます。
産後1ヵ月はできるだけ寝て過ごすように言われていますが、子宮の収縮や骨盤の戻りなど産後の体の回復にはそれほど時間がかかるのです。
産後のママに起こり得る症状はこんなにたくさん
それでは、産後のママの身体や心にどのような変化や症状が起こるのか具体的に見てみましょう。
- 神経質になる
- 産後のママはホルモンバランスの乱れにより神経質になっています。ガルガル期と言われ、子供を守ろうとする本能がこの状態を引き起こします。
- 睡眠不足
- 産まれたばかりの赤ちゃんにはかなりの頻度でおっぱいをあげます。授乳は3時間開けてはいけないと言われるため、3時間以上眠ることはできません。
赤ちゃんが泣くたびに起こされますし、大部屋であれば他の赤ちゃんの泣き声で目覚めることもあります。
特に入院前半は、慣れない育児の中、助産師さんからの母乳育児指導やおっぱいマッサージなどで忙しくなります。その他に医師の問診、来客への対応をしていると日中はほとんど寝る暇はありません。
そして母親としてのプレッシャーに押しつぶされそうになりながら、寝不足と闘っているのです。
- おっぱいのトラブル
- 赤ちゃんに吸われ続けて乳首が痛くなったり、おっぱいが張ったりと、産後のおっぱいトラブルに悩まされるママは多いです。
乳腺炎になると、おっぱいがパンパンに腫れあがり、岩のように固くなり、痛みや発熱、乳頭から膿が出るといった症状も起こります。
- 手術後の痛み
- 帝王切開の人は、手術の傷の痛みで笑うのも辛いです。また、自然分娩の人は会陰切開(膣や肛門)の傷で座っているのが辛いということがあります。また、出産によって痔になってしまう人もいます。
- 子宮収縮による腹痛
- 子宮は約7cmで、臨月の頃には約30センチにまで拡大します。この子宮が、出産を終え元の大きさに戻ろうとするときに痛みを感じる人もいます。
これを後陣痛と言い、個人差はありますが、 特に二人目以降の出産を終えたママが強い痛みを感じることが多いようです。
痛みは産後2~3日目がピークで長い人は一週間続くこともあります。針で突き刺されるような痛みや、ハンマーのようなもので打たれているような痛みを感じます。
- 悪露
- 悪露(おろ)とは、出産後に子宮から出てくる子宮内膜や分泌液、血液などのことを言います。子宮の回復とともに約1ヵ月続き、色や量の変化から子宮が順調に戻っているか判断する目安になります。
この悪露は強烈な臭いを持っており、こまめにナプキンを変えることが必要です。魚のような生臭さや、鉄臭さなど独特な匂いがするため、周囲の人に臭わないか心配になってしまいます。
- 顔や身体の浮腫み
- 出産のより身体の水分バランスが崩れ、象のような太い足になったり、顔がパンパンになったりします。妊娠中から浮腫みに悩まされる人もいますが、産後に突然むくむ人もいます。
- 関節痛
- 妊娠中から関節痛に悩まされているママは多いでしょう。関節痛の中でも多いのが膝と股関節の痛み。
産後はおむつ交換や抱っこにより膝を使う機会が多くなり、それまで体重が増え負荷のかかっていた膝が悲鳴を上げます。
また、股関節痛は出産に向けて骨盤周辺の筋肉を緩める為のホルモンが分泌され、それにより骨盤が緩みすぎると歪みを生じ、バランスが悪くなるため股関節に影響を及ぼします。
- 腱鞘炎
- 首の座っていない赤ちゃんを抱っこし続けていると腱鞘炎になります。生まれたての赤ちゃんは軽いとはいえ、約3キロを支え続けるのは大変なことです。
それに加え、おっぱいがなかなか出ない場合や、赤ちゃんが上手く乳首を吸えない時には、乳輪付近を絞りながらおっぱいをあげます。これは手の力がかなり必要で、指の付け根がつるような感覚に陥るママも多いです。
ママの体を気遣って!お見舞いで注意すべき7つのポイント
産後のママが大変なことはわかりました。それでもママの方から「ぜひ来て」と言ってくれる人も中にはいるでしょう。
入院中は心細いものです。友達の顔を見たかったり、気晴らしにお喋りしたと思うママがいるのも事実。
もしお見舞いに行くとなったら、どのようなことに気を付けるべきなのでしょうか。7つのポイントにまとめてみました。
1.家族以外は出産直後のお見舞いはNG!
病院によっては家族以外の面会を禁止しているところもあります。面会制限がない場合、友達も面会できますが、家族の時間を優先させてあげてください。
家族以外の友達や親族は、2~3日空けてからお見舞いに行きましょう。もし退院してから自宅にお邪魔できるようであればそちらが理想的です。
2.アポ無しはやめて!必ず時間を約束してから面会しましょう
産後のママは忙しいです。サプライズで突然押しかけるのはただ迷惑なだけ。タイミングが合わず、会えずに帰る羽目になるかもしれません。
産後は助産師さんからの指導など、様々な予定が組まれています。その中で赤ちゃんの世話をして、空いた時間があれば少しでも寝たいとママは思っています。
3.大人数で押しかけない
友人を誘いあって大人数で病院に行くのはダメです!病院側からすると、騒がしくなり迷惑です。
病院では基本的にお化粧はしません。大勢の人にすっぴんでパジャマ姿を見られることや疲れている時に大勢の人と会話するのは大きな負担となります。
また、彼氏や男友達を連れて行くのも避けましょう。すっぴんを見られることはもちろん嫌ですが、締め付けの弱い授乳ブラやノーブラの状態で男性を迎えるのを恥ずかしく感じるママは多いです。
それに、身体の状態や病院のルールによっては、毎日シャワーを浴びられず髪の毛がベトベトで人に会う事に抵抗を感じてしまう人もいます。
本当に仲の良い友人だからこそ見せられるということもあるので、ママの入院中の状態を考慮して、友達を誘いあってのお見舞いはやめましょう。
また、大部屋の場合ですが、病室の人達みんなが幸せな気分で過ごしているとは限りません。
切迫流産や未熟児を出産して不安な毎日を送っている人、流産をして大切な子供を失ってしまった人などももしかすると同室にいるかもしれません。
4.子供を連れて行かない
幼稚園や小学校では感染力の強い病気がよく流行し、子供たちはその菌をもらってきます。
万が一、潜伏期間に新生児のいる病室に子供が入ってしまったら、病室でも感染が広がってしまいます。
赤ちゃんだけでなくママも抵抗力が弱っているため、その被害者になることも…逆にお見舞いに来た子供が病院で何らかの菌をもらってしまう可能性もあります。
5.滞在時間は長くても30分程度
初めからお伝えしている通り、ママは身心ともに疲れきっています。お見舞いに来てくれるのは嬉しいのですが、長居されると疲れが増してしまいます。
病室でのお喋りは周りへの迷惑にもなりますので、長くても30分にしましょう。退院後に家にお見舞いに行く場合も、1時間以内に帰るようにしましょう。
6.入院中の手土産は管理や保管に負担のかからない物を!
出産したのだから出産祝いを持っていくべき?それとも後で渡すべき?でも入院中に手ぶらで行くのはちょっと…と悩む人は多いと思います。
人それぞれの状況にもよりますが、一般的な産後の見舞い時のお祝いや手土産についてまとめてみました。
- 出産祝い
- 出産祝いのお金や、服や小物などのベビー用品、おもちゃなどは、もし退院後に会う機会があるのであれば後日の方が理想的です。
退院後から産後1ヵ月の間に渡すのが一般的です。
入院時に受け取ると、退院時の荷物になりますし、お金であれば管理に気を遣うことになります。出産祝いの定番のオムツケーキも、大きいために迷惑に思われてしまうかもしれません。
病院でのお見舞いはサッと顔を見る程度で済ませて、改めてお祝いに行きましょう。
- 花
- 一般的に花束のプレゼントは女性にとても喜ばれます。しかし、ママ達の意見は様々です。
- 部屋が華やかになり気分が良かった
- 花瓶が無かったため飾れなかった
- 水の入れ替えをしている余裕が無かった
- 退院時に枯れていなかったが荷物になるので捨てるしかなかった
生花の香りや、何かしらの菌を持っている可能性から病院が生花の持ち込みを禁止している場合もあります。
お見舞いに行く場合は、花を持っていくことを伝えて確認してからにしましょう。
そこでおすすめなのがブリザードフラワーです。小ぶりのものだと荷物にもならず、自宅に持ち帰ってからも綺麗な状態で飾っておけます。
言うまでもなく、鉢植えの花はダメです!「根付く」が「寝付く」を連想させ、「いつまでも退院しないでください」という縁起の悪い意味になってしまうのでお見舞いには適切ではありません。
- 菓子などの手土産
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ケーキやシュークリーム、プリンなどは手土産の定番です。しかし、産後のママに持っていくのはNG!
甘い物や乳製品は乳腺炎等のおっぱいトラブルの原因になります。特に洋菓子は不適切な物が多いです。
それに、質の良い母乳を作るためには食事管理が大切で、飲食物を選ぶ際には注意が必要です。お菓子類を全て制限するママもいますので、手土産についてもリクエストを聞いてみましょう。
また、果物もおすすめですが、果物は身体の冷えにつながるため、本人に確認してからにしましょう。
もし果物にする場合は、食べやすく、冷蔵庫での保管やナイフで皮をむく作業に手間が無いミカンやバナナが良いです。
リクエストを聞くことは必要なのですが、忙しい入院中のママにあえて聞かないのも気遣いの一つ。そう考える人におすすめしたい飲食物の手土産はこちらです。
- 日持ちするゼリー
- ノンカフェインのたんぽぽ茶、コーヒー、紅茶
- ストロー付きの小さなパック飲料
ママの体調や病院食の量が多かったりすると、手土産を入院中に食べられないこともあります。日持ちするゼリーなら余ってしまっても持ち帰りできます。
また、授乳中のママはよく喉が渇くので飲み物は喜ばれます。横になった体勢でも飲めるストロー付きのパック飲料は大変便利です。
一度に飲み切るサイズで丁度良く、捨てる時にも手間がありません。
マッサージオイルやパックやハンドクリームなどの美容グッズも、体を駆使しているママには大変嬉しい贈り物となるのでこちらもおすすめです。
7.赤ちゃんを触るのはママの許可を得てから!
産後のママはとても神経質でピリピリした状態になっています。子供を守りたいという本能から、旦那さんですら赤ちゃんを抱っこされると不快に感じるママもいます。
この産後ママが精神的に不安定になったりイライラする時期を「ガルガル期」と言います。
また、首の座らない赤ちゃんを他人が抱っこしているのを見るのはとても怖く感じます。落とさないだろうか、その持ち方で大丈夫?など、見ているとストレスを感じてしまいます。
赤ちゃんを自分から触るのはやめて、ママが「抱っこして」とか「触っていいよ」と言ってくれてから赤ちゃんに触れましょう。その場合は、言うまでもなく手を洗って綺麗な状態にしてからにしましょう。
また、写真を撮ってかってにSNSにアップするのもNGです!こちらもママの許可を得てからにしてくださいね。
できれば来てほしくない…どうやって断る?
これまでお見舞いに行く側の立場からの注意点をお伝えしてきました。次は、お見舞いを迎え入れるママについてです。
昔からの友人やママ友、職場の人から「お見舞いに行くから産まれたらメールしてね」と言われても、産後の体調は予測できないので不安ですよね。
義両親が苦手、関係が悪いから来てほしくない…考えるだけでもイヤ!出産のことで頭がいっぱいなのに…というママもいるでしょう。
どうしても断りたければ、その後の関係に影響することもあるので、慎重で適切な対応が求められます。できるだけ角の立たない断り方をしたいですね。
どのように伝えると良いのでしょうか。
「安静にするように言われている」「面会禁止」と病院の指示で断るのが効果的
よく聞くママ達の悩みが、友人にやんわり来てほしくない雰囲気を出したのに伝わらなかったということです。
「産後は忙しくて、せっかく来てもらっても相手できないかもしれない」「大部屋だから気を使わせちゃうし、あとでゆっくり会いに来て」などと、来てほしくないアピールをしても、なかなか伝わりません。
「大丈夫だよ。一瞬で帰るから!気を使わなくていいよー。」なんて言われたら、それ以上何と言ったら良いか…
そんな時は、「面会は控えるように病院側や医師から言われている」と言うのが効果的です。
- 産後の体調が思わしくなく、医者から安静にするよう言われている
- 病院のルールで身内以外はお見舞い禁止
上記の理由を伝えて、「落ち着いたらこちらから連絡します。ぜひ今度ゆっくり会いに来てね。」と添えれば相手に悪い印象を持たれることは無いでしょう。
里帰り出産をしている人など、地元の病院での出産する人は1の理由の方が良いです。来客者やその知り合いが同じ病院で出産経験があると、2の理由では嘘だとバレてしまう可能性があります。
あと、少々乱暴なやり方ですが、退院してから連絡するのも一つの手です。出産予定日に予定通り生まれるとは限りませんし、相手も出産予定日に報告メールが来るとは思っていないでしょう。
しかし、産後は目を使うことが良くないとされています。報告メールは程々にしましょうね。
難しい義両親への対応!旦那さんに協力してもらいましょう
一番のママの悩みの種は、義両親への断り方かもしれません。自分の両親と同じように、義両親にとっても孫の誕生は喜ばしいこと。初孫となれば尚更です!
お姑さんに産前から「毎日会いに行くからね。色々アドバイスしてあげるから何でも相談に載ってね!」なんて言われたら、その時点で気が重くなってしまいます。
いくら「産後だから安静にして」と言われても、嫁の立場から緊張する人も多いでしょう。
自分の両親は毎日来てもらうつもりだけど、義両親の面会だけ断っていいものか、断るとしたらどう伝えればいいのかと頭を悩ませてしまいます。
義両親の場合も、上記の「面会は控えるように医師から言われている」と言うのが良いでしょう。
ただし、「親族までが面会できないなんて深刻な状態なのでは?」と心配をかけてしまうので、旦那さんに上手く伝えてもらいましょう。
「出産でかなり消耗しているみたいだから、少し落ち着いてから俺と一緒に行こう」などと言ってもらえると助かりますね。
そして、体調と気分が回復しているのであれば、入院後半にでも一度は面会を受け入れてみてはいかがでしょうか。義両親も早く孫に会いたいはずです。
仕事帰りの旦那さんと一緒に来てもらえば、「そろそろ帰ろうか」と言ってもらい、長居を避けることも可能です。
義両親以外の義家族をはじめ、親戚関係の面会についても義両親を通して断ってもらうよう旦那さんにお願いしましょう。
ママのことを第一に考えてスマートなお見舞いをしましょう
心待ちにしていた赤ちゃんの誕生でみんながお祝いムードの中、実はママがかなり大変な状況に置かれているという事がわかりましたね。
相手の好意に対してなかなか本音は言えないものですから、ママの気持ちを察して、産後のお見舞いに行くかどうか判断しましょう。そして、お見舞いの際は、ママの負担にならないよう短時間で済ませてくださいね。
これから出産を迎えるママは、今回の記事を参考に対応してみてくださいね。出産に向けて、一つの不安が解消されるといいなと思います。
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