シングルマザーでも生活保護を受ける条件は厳しい…検討前の参考に!
生活保護を受けているシングルマザーは多いイメージがありますが、平成29年3月の調査では、生活保護受給者全世帯の内、母子世帯が占める割合は7%以下です。
生活が苦しいと感じていても生活保護を受けていないのには、生活保護を受ける条件やイメージなどが関係していると考えられます。
生活保護を受ける条件や、シングルマザーが生活保護を受けるメリット、デメリットについてお話しします。
この記事の目次
【生活保護の条件】条件のクリアが難しく受給を諦める人も
生活保護は生活に困窮している人に、最低限度の生活を保障するための公的扶助です。
- 生活保護の目的
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- 最低限の生活保障
- 生活困窮者の自立支援
社会福祉事務所により受給できるかどうかの審査があり、シングルマザーという理由だけでは支援を受けることはできません。
条件として「すべての資産・能力等を活用しても」というものがあり、活用されているかどうかも確認されます。生活保護を受ける条件についてお話しします。
【収入】最低限の生活を維持できるだけの基準額に達していない
収入が最低生活費を下回っていることが、生活保護を受ける条件として挙げられます。最低生活費から収入を差し引いて、足りない部分が生活保護として支給されます。
最低生活費ー収入(年金・児童扶養手当・就業収入等)=支給される保護費
- 最低生活費とは
- 厚生労働大臣が定める基準で計算される。家族の人数や住んでいる地域、扶養している子どもの年齢などによっても変わってきます。
特別な事情がないのに働いていないために収入がない場合は、働いて収入を得る事を指導されることもあります。
- 特別な事情とは
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- 病気・怪我・精神疾患など
- 就職活動中で就職が決まっていない
- 小さい子どもを抱えていて働けない
【資産・財産】お金になるようなものがあれば処分して生活費に充てる
生活保護の条件には「あらゆる資産を活用しても」というものがあります。活用できる全ての資産を生活費に充てても足りない部分を支給という形になります。
- 活用できる資産や手当とは
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- 不動産・車
- 預貯金
- 年金 手当等の社会保障
【親族などの支援】身内に支援してくれる人を見つける事が優先
次に生活保護の担当者により、3親等まで扶養照会されます。扶養照会とは、生活保護申請者を扶養できる身内がいないか確認する作業です。
父母、祖父母、兄弟姉妹とその配偶者、曾祖父母、叔父叔母・伯父伯母とその配偶者まで幅広く確認されます。元夫は子どもの親になるので扶養照会されます。
元夫から養育費をもらっていない場合は、請求するように指導されることもあります。離婚理由によっては、元夫に連絡を取りたくない人もいますよね。
元夫や親からDVを受けていたなどの特別な事情がある場合、担当者に相談するようにしましょう。
【メリット】困窮している生活を立て直すきっかけに
シングルマザーの中には、子どもを病院に連れて行けない、食べるもの、着るものにも困っている方もいます。
生活保護を受ける最大のメリットは、安定した収入が得られ、安心して生活ができることです。生活扶助などによる現金給付だけでなく、医療などの現物給付もあります。
- 生活保護の主なメリット
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- 日常生活に必要な費用(家賃・食費・被服費・水道光熱費)が支給される
- 義務教育を受けるために必要な学用品費が支給される
- 医療サービスが無料で受けられる
- 就労に必要な技能を習得するためにかかる費用が支給される
※支給は定められた範囲内または基準額で行われます。
- 生活扶助基準額例(参考)
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平成30年4月1日現在 シングルマザー+4歳・2歳(子ども)の場合
東京都区部等188,140円、地方郡部等 158,170円
就職に必要な技能や資格を習得するための費用や、就職が決まった場合のスーツなどの費用も支給されます。
【デメリット】条件から外れないことに重きをおく生き方
シングルマザーが生活保護を受けるのは、下記のようなデメリットが挙げられます。
- 学資保険・生命保険など、いざという時の備えができない(掛け捨てなど、少額なら認められる場合もあります)
- 住宅扶助内で選ぶので、子どもと生活しやすい条件のアパートが選べない
- 娯楽品の購入などが限られる
- 生活保護なしでの生活が考えられなくなる
制限が多く自分の思い描く生活ができず、子どもに肩身の狭い思いをさせてしまっていると感じることも多いです。
働かなくても一定の生活が出来ることに慣れてくると、中には働けるのに働きたくなくなる、もう少し収入アップができるのにその状態キープしようとする方もいます。
生活保護で制限されないものもある。自己判断しないで相談を
生活保護に関して様々な情報を耳にし、真実でない噂だけが一人歩きしていることもあります。
本当に生活に困窮ていて、生活保護を受けたいと考えている場合は、福祉事務所の生活保護の担当者や生活保護者支援団体に相談し、自己判断しないことも大切です。
住んでいる持ち家を慌てて処分しないで!良く調べてから相談を
資産の活用のうち、厚生労働省のホームページの中に「利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充ててください」と書かれています。
生活保護を受けるために、持ち家を処分しなくてはいけないと考えている方もいます。
- 一般程度の住んでいる持ち家は、処分しなくて良い場合もある
- 豪邸の場合は、処分しなくてはいけない場合がある
- 生活保護を住宅ローンに充てることは出来ない(ローンの額が少額の場合は認められることもある)
- ローンがが残っている場合、売却契約または自己破産しなくてはいけない場合もある
車は一般的に保有は認められていない。保険に入れないなどの理由もある
利用されていない土地・家屋等なので、「利用している車は手放さなくても良いのでは」とも思えますが、基本的には車の所有は認められていません。
- 車の所有が認められない主な理由
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- 保険に入れない場合、事故が起きた時の保障ができない
- 維持費が掛かり生活保護だけで維持できない
ただし、例外的に車の所有が認められる場合もあるので、申請する前に処分をする必要はありません。
車の処分価格が少なく維持費より収入が多い、公共の交通機関での移動手段がなく、車がないと生活にできないなど、ケースバイケースで車の所有を認められる場合があります。
- 車の所有が認められる例
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- 車がないと通院・通勤できない条件の場所に住んでいる
- 病気などにより一時的に生活保護を受けているが、数カ月以内に仕事に復帰でき仕事には車が必要
生活保護を受けている子どもでも修学旅行にいける。預貯金全てがNGではない
生活保護を受けている場合、お子様が修学旅行にいけるのかということも心配になりますよね。結論からいうと、修学旅行にはいけます。
- 義務教育(小中学生)の場合は、「就学援助制度」から支給
- 高校生の場合は勤労控除の対象になる場合がある
義務教育である小中学生の場合は、修学援助制度から全額支給されます。
高校生の場合は、高校生自身のアルバイト等の給与収入がある場合、修学旅行代金に充てることが認めらます。
その場合、「勤労控除」の手続きのため、修学旅行費用の請求書と受領書を提出しなくてはいけません。アルバイトをする場合は、事前に申告することが大切です。
厳しい条件もある生活保護。でも本当に困っているなら検討を
生活保護は、国民の最低限の生活を保障するための制度です。厳しい条件もありますが、本当に必要な人もいます。
食費や家賃、学用品を買うお金も捻出できない場合、最低限の生活が送れているとは言えませんよね。
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