シングルマザーが受けられる妊娠出産にまつわる手当や制度!
育児と仕事の両立が難しく、経済的に困窮しているにも関わらず、1人でなんとかしようと紛糾しているシングルマザーもいます。
生活を向上させる努力は必要ですが、1人ではどうにもならないこともあり、ひとり親支援の制度を上手く利用することも大切です。
申請が必要でさかのぼっては支給されないという手当もあり、知らないために受け取れていないという人も多いです。
子どもとママの生活が少しでも良くなるために、受けられる手当や利用できる制度についてお話しします。
※新しくできる制度や廃止される制度もあるので、都度確認はするようにして下さいね。
この記事の目次
一人親に特化した経済的支援!自治体独自の支援も確認
子どもを持つ家庭を対象にする「児童手当」や、障害をもつ子どもに支給される「特別児童扶養手当」は、一人親に限らず受けとれる手当です。
それにプラスして、シングルマザーに対する経済的支援についてお話しします。
【児童扶養手当】ひとり親家庭の生活の安定と自立のための手当
児童扶養手当は児童手当や特別児童扶養手当などと混同しやすいので、下記に対象を記載しています。
- 各手当の対象
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- 児童手当…児童を養育するすべての家庭が対象
- 児童扶養手当…児童を養育するひとり親家庭が対象
- 特別児童扶養手当…障害がある子どもを家庭で養育している父母などが対象
- 児童扶養手当の児童の定義
- 18歳に達する日以降の最初の3月31日まで(政令に定める程度の障害状態にある場合は20歳未満)
- どのくらい支給されるのか
- 手当は児童数や所得額により異なり、物価スライド制(物価の上がり下がりに合わせて支給額が変動)となっています。支給額は下記の表を参考にして下さい。
支給対象の児童数 全額支給の場合 一部支給の場合 1人 42,500円 10,030円~42,490円の間で
10円きざみで決定2人目 10,040円 5,020円~10,030円の間で
10円きざみで決定3人目以降 1人につき
6,020円1人につき
3,010円~6,010円の間で
10円きざみで決定※平成30年4月以降の支給額
- どこに申請すれば良いのか
- 住民票のある市区町村に申請します。市区町村のホームページに申請に必要な書類等は記載されているので確認しましょう。
児童扶養手当は、ひとり親の自立を支援するためにできた制度です。働く意思や自立する意志のない場合、下記を過ぎた後に減額される可能性もあります。
- 児童扶養手当減額(手当一部支給停止)措置対象者
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- 支給開始月の初日から5年を経過した人
- 手当の支給要件に該当した月の初日から7年を経過した人
- 児童が3歳未満であるときから児童扶養手当を受給の場合、3歳の誕生日の翌月初日から5年経過した人
上記に当てはまる場合、減額措置の通知が自治体から郵送されてきます。減額措置が適用されると、現在支給されている額の半額支給になります。
「一部支給停止適用除外事由届出書」と必要書類を提出期限内に提出し、一部支給停止適用外とされた場合、一定期間減額を免除されます。
【母子・父子・寡婦(かふ)福祉資金貸付金】子どもの就学に必要な資金など
ひとり親(20歳未満の児童を養育)家庭の経済的自立や、子どもの福祉の増進をはかるための制度の中に、「母子・父子・寡婦福祉資金貸付金制度」があります。
母子・父子・寡婦福祉資金貸付金制度は、12種類の資金のうち、状況に見合った資金を借り受けることができる制度です。
- ひとり親が自立するための資金
- 事業開始資金、事業継続資金、技能習得資金
- 生活が安定するための資金
- 住宅資金、転宅資金、生活資金
- 子どもの修学・就業・就職に関する資金
- 修学資金、修業資金、就職支度金・就学支度金
- その他の資金
- 医療介護資金、結婚資金(児童の結婚資金)
子どもの修学資金は無利子で、返却期間も20年(専修学校(一般課程)5年以内)と長くなっているため、利息付きの第二種奨学金より返却しやすくなっています。
- どこに相談すれば良いのか
- 住んでいる住所地にある福祉事務所の母子・父子自立支援員に相談してみましょう。
子育てと仕事の両立は大変!知っておきたい子育て支援事業
周りに頼れる人がいないと、育児と仕事も一人でこなさないといけない場合もあり、やりくりを困難に感じているママもいますよね。
仕事やママの体調不良など、子どもの世話をしてくれる人が必要と感じる時もあります。いざというときに利用できる子育て相談や、支援事業についてお話しします。
※ただし、制度を行っていない都道府県もあるので確認が必要です。
【ひとり親家庭等日常生活支援事業】生活援助や保育サービスを受けられる
仕事や病気など、一時的に生活支援や保育をお願いしたい時に利用できる事業として、「ひとり親家庭等日常生活支援事業」があります。
- どんな事業なのか
- 家庭生活支援員による乳幼児の保育や児童の生活指導、住居の掃除、生活必需品の買い物など、利用者の家または家庭生活支援員の家で行われる事業です。
- 対象とされる主な理由
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- 自立促進によるもの…技能習得のための通学や就職活動等
- 社会通念上必要と認められるもの…冠婚葬祭、残業、転勤、出張・学校等の公的行事の参加等
- 生活環境等の激変により、日常生活を行うのに特に大きな支障を生じている場合
- 費用やサービスが受けられる時間
- 各自治体により異なりますが、格安で受けられる場合が多いです。年間○○時間までと規定されている自治体もあるので、問い合わせをしてみましょう。
- どこに相談すれば良いのか
- 各自治体の子育て支援窓口・保健福祉センターなど
【ひとり親家庭等生活向上事業】生活向上のための相談や情報提供
シングルマザーになってから日々の生活に追われて、子どものしつけや子育て、健康面などに不安を感じている方も多いですよね。
地方公共団体が母子・父子福祉団体と連携して、相談や情報提供を行う事業として、「ひとり親家庭等生活向上事業」があります。
- どんな事業なのか
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- 相談支援事業…直面している問題に対する相談支援を行う
- 家計管理・生活支援講習会等事業…家計管理やしつけ・育児・健康などの講習会を行う
- 学習支援事業…高等学校卒業程度認定試験に、合格するための講座を受けている親に対する補修、または学習の進め方などの助言
- 情報交換事業…ひとり親家庭同士が集い、お互いに情報交換する場所を定期的に設ける
- 子どもの生活・学習支援事業…ひとり親の子どもに対し、放課後児童クラブ等の終了後に行う支援(学習支援や食事の提供等)
- どこに相談すれば良いのか
- 各自治体のこども福祉課など(自治体により呼び方は異なります)
【子育て短期支援事業(ショートステイ)】一時的に養育が困難になったときに
子どもの養育が一時的に困難になった場合、短期間、児童養護施設や乳児院に宿泊して、生活援助を受けることができる事業として、「子育て短期支援事業」があります。
- 利用できる期間
- 原則として7日間です。さらに必要な場合は相談をしましょう。
- 利用料
- 自治体により値段は異なりますが、2歳未満又は慢性疾患児1日5,400円程度、2歳以上2800円程度。また、生活保護・非課税世帯などの条件により異なります。
病気で入院が必要になった場合でも、預け先がなく無理をしてしまうママもいます。
【母子生活支援施設】DV被害や自立支援が必要な母子家庭が利用できる
母子生活支援施設は、DV被害により母子だけの生活を強いられている家庭や、様々な問題を抱えている母子家庭で、自立した生活が難しい親子が入所して利用できる施設です。
- どこに相談すれば良いのか
- 住んでいる地域の福祉事務所が窓口になってます。
- どんなことをしているのか
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- 緊急一時保護…DV被害などによる保護
- さまざまな心配ごとを相談できる母子支援員がいる
- 希望に応じて(急な残業や休日の仕事など)保育サービスを受けられる
- 子どもへの支援…遊びや日常生活の援助、学習指導や進路の相談など
安定した職に就きたい!自立支援の制度も利用しよう
子どもとママ自身が自立した生活を送るために、安定した職に就きたいと考えてもなかなか思う仕事が見つからないということもあります。
シングルマザーが仕事と子育てを両立するために、利用できる制度についてお話しします。
【マザーズハローワーク】子育てと仕事の両立に特化した仕事探し
子育てをしている仕事を探すママ達が利用しやすい、マザーズハローワークが増えてきています。
- マザーズハローワークの特徴
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- キッズコーナーもあり子連れで来所しやすい
- 地方公共団体等との連携により、保育所等の情報提供
- 仕事と子育ての両立がしやすい仕事の情報を提供
【自立するための給付金】職業訓練で求められる資格を取得
自立しようと努力しているひとり親家庭のママ、またはパパなどに支給される給付金があります。
- 自立支援教育訓練給付金
- 指定教育講座を受講し修了した場合、掛かったお金の一部が支給されます。児童扶養手当の支給を受けていることなどの条件があります。
- 高等職業訓練促進給付金
- 看護師、保育士、介護福祉士などの資格を取得するために、養成訓練を受けている期間、生活の負担を軽減するための給付金です。
- どこに相談すれば良いのか
- 住んでいる地域の子育て支援課、福祉課など
【自治体独自の支援】住んでいる地域の情報も確認しよう
国の制度とは別に自治体独自で行っているところもあるので、いくつか紹介します。
- 児童育成手当
- 児童扶養手当は国の制度ですが、同じ目的で自治体独自で支給しているところもあります。住んでいる自治体に確認してみましょう。
- ひとり親家庭医療費助成制度
- ひとり親家庭の親と子に対して、医療費の全部または一部を助成される制度で、地域により条件が違います。
- 移住支援
- 移住促進のため、引越し資金の一部、家賃の一部を負担したり、一定期間定住することで高額給付など、自治体によりユニークな取り組みをしているところがあります。
親子が笑顔でいられる日を増やそう。自立目指す気持ちも大切
シングルマザーへの支援は意外と多く用意されています。生活が困窮している場合は、自分の状態にあった支援を受けて乗り切る気持ちも大切です。
その一方、収入が増えることで支援が受けられなくなると考えて、収入制限する人もいます。
多くは子どもたちが自立するまでの支援で、子どもが成人した後も生活は続きます。ルールが変われば、打ち切られる給付金もあります。
支援は自立するための支援なので、「支援に頼らなくても生活できる状態になること」が目標と考えることも大事です。
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