低体重児の成長ペースが心配…普通体重に追いつく時期やサポート体制

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2017/10/16

低体重児で生まれてきた赤ちゃん

早産や胎児発育遅延を理由に低体重で生また赤ちゃんは、お腹の中に居るはずのところを、急に出てきてしまったような存在です。

臨月までお腹にいたらなら、しっかりと体の準備が整って、内臓等の組織も発達しているはずです。でもそうではありません。

だから正規産で生まれる赤ちゃんに比べて体が弱く、病気にかかりやすいリスクを抱えています。

低体重で生まれた赤ちゃんは、その後どの様に成長していくのでしょうか。無事に大きくなれるのか、見ていきましょう。

低体重でも問題ない場合もあります

正規産は、妊娠37週から42週までの間に赤ちゃんが産まれることをいいます。それ以前は早産、42週を過ぎると過期産といいます。

ですが、赤ちゃんは妊娠28週までお腹の中にいて、体重が2000グラムあれば、その後の成長には影響しないとされています。

2000グラム以下で生まれる赤ちゃんのことを、極低体重児といいますが、体組織が揃っていれば問題はないのです。

この場合を、「問題のない小さな赤ちゃん」と言う呼び方をします。ただ体が小さいだけで、普通の新生児なのです。

成長に不安があるのは、内臓や神経が未発達で生まれてくる赤ちゃんです。普通の子供よりも、成長が遅れているからです。

▼低体重児になる理由についてはコチラも参考にしてみて!

低体重児は徐々に正規体重に追い付いていきます

2000グラム以下で、体が未熟に生まれた場合、ミルクを飲む力も弱いのです。なので成長するペースもゆっくりになります。

1500グラム以下で生まれて、あまりにも栄養状態が悪い場合は、ブドウ糖などを点滴して少しでも体重が増えるようにします。

低体重児が正規体重に追い付くのは、いつ頃になるのでしょうか。成長に問題が現れる事はあるのでしょうか。

就学年齢までに正期産の子供の体重に追いつくのがほとんど

早産で生まれた子供は、出産後修正月齢という発達スケールで診察されます。例えば2ヶ月早く生まれたら、まだ妊娠8ヶ月と考えるのです。

赤ちゃんは自分で成長していく力を持っています。何らかのアクシデントで早く生まれてしまっても、それは変わりません。

低体重児が正期産の子供の体重に追いつく目安は以下の通りです。

1500~2000グラム 1歳ごろまで
1250~1500グラム 2歳~就学年齢まで
1000グラム程度 9歳ごろまで
出生時体重1000グラムの超低体重児でも、就学年齢、どんなに遅くとも9歳までには、同じ年齢の子供たちと同じ体格になります。

生まれた時に体が小さかったからと言って、心配しないでくださいね。今は医療技術が進んで、小さく生まれても元気に育つ子が増えてきていますから。

合併症を発症すると、成長は遅れます

出産時、体の組織が未発達だった赤ちゃんは、様々な合併症を発祥国するリスクを負っているのです。

合併症や障害を持って生まれた場合、成長のペースは遅くなります。適切な医療を受けることになるでしょう。

この場合、退院の後もなかなか体重が増えなかったり、月齢に比べて発達の度合いがゆっくりなこともあります。

新生児検診は定期的に行われますので、その時医師の診断を受けられます。心配ごとはその都度聞いてもらうようにしましょう。

主な症状は以下の通りです。

  • 新生児仮死
  • 貧血
  • 呼吸機能不全
  • 慢性肺失陥

この中でも、肺機能が阻害されて、呼吸に問題がある場合は治療に時間が掛かります。その間に体の成長が遅れるのです。

赤ちゃんが体に取り込んだエネルギーは、成長のために使われます。ですが、病気を抱えている場合には、回復のためにそれが費やされます。

合併症のある低体重児は、そうではない新生児より成長が遅れます。でも焦らないでください。病気も回復例が多くなっています。そして体格も徐々にしっかりして行くでしょう。

▼低体重児の後遺症などのリスクについてはコチラも参考にしてみて!

身体が小さな赤ちゃんの成長をサポートする体制

病気や障害などのリスクを抱えてくる赤ちゃんは、生まれてすぐに手厚い治療を受けることになります。

そのために周産期医療センターには、NICU(新生児集中治療室)やGCU(継続保育室)などの設備が整えられています。

これらの施設で、低体重児はどんなサポートを受けられるのでしょうか。設備や保育の方法を見て行きましょう。

新生児集中治療室での処置

病気のリスクを持った赤ちゃんのためのNICUでは、低体重の赤ちゃんを1人ずつ保育器の中に寝かせて、細菌感染が起こらない様厳重に管理しています。

また、呼吸が弱かったり体温調節が上手くいかない時のために、酸素の吸入を行ったり、室内の温度を一定に保つなどの処置が取られます。

もっとも心配されるのが、呼吸に支障が出ることです。重症の場合が、呼吸窮迫症候群です。人工呼吸器を用いて体内に酸素を取り込みます。

呼吸器の障害が見られる場合、体重の増加も大きな課題です。身体が小さいとは、肺も小さいと言うことですから。

基本的には体重が2000グラムに達するまでは保育器の中で慎重に育てていくことになります。

また、ママと直接触れ合うことで生存率が伸びるとの研究もあるので、定期的にママが治療室に入り、スキンシップや授乳を試みたりもします。

▼NICUについてはコチラも参考にしてみて!

低体重の赤ちゃんへ行政からのサポート

低体重の赤ちゃんは、時に高度な医療や長期的な経過観察を必要とします。そのため、各自治体ごとに、助成金や給付金制度が設けられているのです。

地域差はありますが主なものは次の通りです

  • 未熟児療育医療
  • 特別児童扶養手当
  • 障害児福祉手当
  • 自立支援医療
  • 難病医療費の助成

中でも、特別児童扶養手当、障害児福祉手当、自立支援医療は、身体的、知的障害を持って生まれてきた子供の育成のための資金です。

心身の障害は長い期間の治療やサポートが必要です。それには医療費や薬代などの費用がかかります。

低体重で障害が残ってしまった場合には、ぜひ利用してください。子供自身や家族に負担を減らすための制度なのですから。

低体重児のための保険制度についてはコチラも参考にしてみて!

保健センターは心強い味方です

身体が小さい、成長がゆっくり、障害があるといった赤ちゃんのママは、通常の子育てに比べて何かと苦労することが多いでしょう。

それだけでなく、将来のことが不安だったり、育児ストレスで産後鬱になってしまうケースもあります。

そんな時に頼りになるのが、自治体の保健センターに常駐している保健師さんです。私の地域では、区域ごとに担当の保健師さんがサポートに回ってくれます。

心配なことがあれば、保健師さんに相談しましょう。きっと歓迎してもらえるはずです。保健師さんから見れば、ママが1人で悩むのはとても心配なことです。

障害がある場合はリハビリのための療育施設や病院を紹介してもらえたり、育児疲れが酷い時は、一時預かりなどの方法を教えてもらえます。

何より、ただ話を聞いてもらえるだけでも心は随分軽くなります。病気や障害は決してママのせいではありません。そのことを、しっかり受け止めてくれるのが保健師さんです。

体が小さくても心配しないで!その子のペースで成長します

体の小さな赤ちゃんは、腹筋の面積も小さいので、ミルクを飲む力が弱く体重がなかなか増えていきません。

なので適正体重で生れた子に比べて成長はゆっくりです。持病などがあれば、さらに遅れる可能性もあります。

でも、ほとんどの低体重児は、いずれ同じ年齢の子供たちに体格が追い付いていきます。焦らないでゆっくり見守りましょう。

小さかった我が子がだんだん大きくなるのも育児の喜びです。医師、保健師さんに支援を仰ぎながら、その子の成長のペースを探りましょう。

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