子供の発達障害の診断について。基準・時期・場所・検査方法・費用など

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2018/03/20

発達障害かどうかの診断を受けている子供

発達障害は親の育て方や環境で発症することはなく、生まれつき脳の機能が不十分だったり、遺伝的要因など複合的に絡んでいることが多いと言われています。

では、発達障害を疑われた場合どいういう場所で検査をするのか、検査方法や基準、検査にかかる費用などをまとめました。

発達障害はカテゴリーによって分類されている

発達障害には発達障害者支援法により主に、下記3つに分類されます。

  • 広汎性発達障害(自閉症・アスペルガー症候群・トゥレット症候群)
  • ADHD(注意欠陥・多動性障害)
  • LD(学習障害)
アスペルガーをもちながらADHDも持ち合わせていたり、自閉症でも学習障害があったりと、複合的に絡んでいることがあります。

複合的に絡んでいる故に、子供にはどのような障害があるのか検査を受けることによってより正確な診断が分かります。

発達障害の検査を受けれる場所は5つ

発達障害の検査を受けれる場所の例はこちらです。

  • 小児科
  • 児童精神科
  • 小児神経科
  • 発達外来
  • 大学病院など

いきなり行くのに抵抗がある場合は、行きつけの相談窓口で専門機関を教えてもらってから利用するのがおすすめです。

発達障害の傾向が見られる場合は相談前にチェックリストで確認してみるのも良いと思います。チェックリストについてはこちらを参考にしてみてください。

発達障害の基準と検査方法について

発達障害の症状は、先天的な脳の障害が原因となっています。その詳細はなぜ引き起こされるのかはっきりと明確にはなっていません。

遺伝的要因や環境的な要因が相互して起きると考えられています。診察自体は何度かの検査や経過を見て、子供にあった発達障害の基準を決めていきます。

遊びを取り入れた行動観察

たくさんのおもちゃやブロックが置いてある部屋で子供を遊ばせます。

遊びを取り入れながら注意深く観察することで困り感や苦手部分を観察していきます。観察結果にもとずいて保護者の意見を聞きながら検査をしていきます。

生まれてから現在までのヒアリング

生まれてから現在までのコミュニケーション能力や言葉の発達、生活の様子などを保護者にヒアリングします。

ヒアリング結果をもとに、発達や知的の疑いがあるかどうかを見立てて判断していきます。

母子手帳や園での連絡帳など、日頃の様子が書いてある物を持参すると話しやすくなりますよ。

発達障害の検査方法と費用について

知能検査では、精神年齢、IQ(知能指数)や知能偏差値などによって測定します。
一般的にウェクスラー式知能検査や田中ビネー式知能検査、K式発達検査などがあります。

ウェクスラー式知能検査(WISC-IV)

適応年齢 幼児、5~16歳、成人
実施時間 60分~90分
検査内容 言語・理解・知覚統合・注意喚起・処理速度

全検査、言語、動作のIQや指数で表され、詳細に別れています。主に、5~16歳を対象にウイスクという検査が実施されます。

欠けた絵カードを見せてどれを組み合わせればいいのか、物語の順序を正しく並べてみる、など処理速度や理解などを見ます。

田中ビネー式知能検査

適応年齢 2歳~成人
実施時間 60分~90分
検査内容 言語・理解・知覚統合・注意喚起・処理速度

2歳~13歳の検査では、知能指数(IQ)と精神年齢(MA)で表します。実年齢の問題を出題し全問正解すれば次の問題へ進みます。

不正解になると1つ下の等級に戻り、1から問題を解くということを繰り返し、全問不正解になる等級まで調べ、最終的な知能年齢を出していきます。

新版型K式発達検査

適応年齢 0歳~成人
実施時間 30分~60分
検査内容 言語、動作、記憶、数量、知覚、推理

新版型K式発達検査では、0歳から検査を受けることができ、子供の検査には1時間程度でおもちゃや絵カードなどふだんの遊びを取り入れながら検査をしていきます。

発達障害の検査に適した時期は4~16歳頃

幼児の時期は知的発達に個人差があるため検査結果にもはっきりとした診断が出にくい傾向があります。

広汎性発達障害や自閉症スペクトラム障害は3歳以降に診断されることが多く、注意欠陥多動性障害(ADHD)は4歳以降、学習障害(LD)は、本格的に勉強が始まる小学校以降に診断を受けることが望ましいとされています。

適切な治療や支援を受けられずに成長し、学齢期や成人してから社会の生きづらさを感じ、自ら診断を受ける人もいます。いち早く診断を受けることによってそれぞれにあった支援を受けられるほか本人の苦しみを軽減することができます。

総合病院で検査にかかる費用は保険適用で無料!

発達障害の検査にかかる費用は、児童相談所、発達障害支援センターでは無料で実施されます。

総合病院は検査が保険適用で無料でも、予約料や文書料で実費がかかることもあります。民間では有料でやっている場合が多く、1万円位が目安となっています。

検査を受けると、書面で発達年齢のプロフィールを作成してもらえます。発達面や行動面の点数とIQ年齢、適応レベルなどが書かれており、臨床心理士によるその子にあった適切な関わり方のアドバイスも添えられています。

小学校で支援級や通級に通う場合にも発達障害の診断結果を文書で提出する必要がああるので、医師が保護者の要望に応じて書いてくれます。

検査の結果をもとに必要な場合は薬の処方も!

発達障害の検査によって、ADHD(注意欠陥・多動性障害)や睡眠障害などの症状で生活に支障をきたしている場合はすぐに薬を出してもらえることがあります。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)のある人に処方されるコンサータやストラテラ、2017年5月には新しくインチュニブという薬が追加されました。

これらの薬は、不注意や多動衝動性を改善する効果があり、神経伝達物質のドーパミンやアドレナリンを抑制する薬になります。

発達障害の結果がわかることにより、治療法や対応が明確になるのでたくさんのメリットがあると言えます。

診断結果により手帳を取得できる

発達障害の程度によって、療育手帳や精神障害者福祉手帳の取得することができます。

手帳を取得すると公共料金やバス運賃の割引、レジャー施設の割引サービスが受けれるほか、放課後デイサービスや大人になってから就職支援も受けられるメリットがあり、たくさんの療育支援を受けることができます。

手帳は障害の診断結果と知能指数を元にとれるかとれないかを判断します。申請すればだれでも取得できるわけではなく、都道府県によって判定基準やランク設定が異なります。

軽度の知的障害(発達障害)の場合は、お住まいの自治体の基準によって、交付される場合とされない場合があります。

保護者のケアやサポートも充実!積極的に利用してみよう!

発達障害の子供をもつ保護者同士のサポートも充実しています。

診断を受けたあとに、医師から発達障害の子供をもつ親の集まりやサークルを紹介してもらえます。

地域の発達障害支援センターや病院、大学や幼稚園などである保護者同士の親の会、遊びを取り入れながら子供と一緒に参加するサークルなどがあります。

同じ年頃の悩みをもつ子供の話が聞けるだけでなく、先輩ママさんに就学先の情報を聞けたり小学校に入ってからの支援情報が聞けるなど、さまざまなメリットがあります。

「もしかしたら?」と思う気持ちが大事!納得するまで調べていい

発達障害は早期発見と早期療育が必要とされていますが、自分1人で判断するにはとても難しく、時間もかかってしまいます。

「うちの子もしかしたら?」と想う気持ちは大事です。そこから情報を調べたり、相談したりと次に繋がっていきます。

乳児健診や園で指摘され「うちの子はふつうなのに指摘されたから何か嫌」と思う親も少なくありません。しかし、診断や療育が遅れると大きくなって子供が生きづらさを感じたり、辛い思いをすることも多いです。

今は「ちょっと気になる」の気持ちを大事にして次に繋げてほしいです。一歩踏みだすことで子供の困り感が減るだけでなく、我が子に対するママやパパの捉え方も和らぎます。

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