妊娠高血圧症候群はどんな病気?ママと赤ちゃんを守るために知っておいて
妊娠高血圧症候群は、全妊婦さんの約4%がかかると言われている病気です。子癇やHELLP症候群など重篤な病気を合併することも多く、母体と胎児に命の危険をもたらします。
ここでは妊娠高血圧症候群についてポイントを説明していきます。漠然と大きな不安を抱えるのではなく、まずはどんな病気なのかを知って対策をたてていきましょう。
この記事の目次
妊娠高血圧症候群とは?合併症が怖い妊娠中の病気
妊娠高血圧症候群は、妊娠20週以降から分娩12週までに発症し、高血圧もしくは高血圧に蛋白尿をともなう病気です。
妊娠高血圧症候群とはどのような病気なのか、「症状」「合併症」「対処法」に分けてくわしく説明していきましょう。
妊娠高血圧症候群の「症状」と「兆候」
妊娠高血圧症候群の主な症状は「高血圧」と「蛋白尿」です。血圧測定と尿検査を行い、次の数値が出ると妊娠高血圧症候群と診断されます。
高血圧 | 収縮期血圧140mmHg以上/拡張期血圧90mmHg以上 |
---|---|
蛋白尿 | 1日あたり0.3g以上の蛋白が尿中に出た場合 |
また、日常生活の中では自覚症状として、次のような体調の変化を感じることがあります。発症の前触れを示しているかもしれないので、注意しましょう。
関連記事:妊娠高血圧症候群の症状…初期症状なら悪化の回避が可能
母子の命に危険を与える!妊娠高血圧症候群の合併症
妊娠中に高血圧になると、様々な合併症を引き起こす確率が高くなります。合併症には、ママと赤ちゃんに危険を及すものが多くあります。
- 【ママへの影響が怖い合併症】
-
ママの体に危険を及す合併症には次のようなものがあります。
- 子癇・・・脳ヘルニアを引き起こし、母体の命に危険が及ぶ
- HELLP症候群・・・多臓器不全や血液凝固障害を引き起こす場合がある
- 肺水腫・・・肺に水が溜まり、呼吸困難を引き起こす
- 急性妊娠脂肪肝・・・肝不全と脳症を引き起こし母体と胎児に命の危険が及ぶ
- 【赤ちゃんに影響がある合併症】
-
赤ちゃんの成長や命に関わる合併症には次のようなものがあります。
- 常位胎盤早期剥離
- 胎児発育不全
- 低出生体重児
- 子宮内胎児死亡
- 胎児機能不全
関連記事:妊娠高血圧症候群は合併症が怖い…赤ちゃんへの影響も!
妊娠高血圧症候群はどうやって直す?程度によって対処法が異なる
現在、妊娠高血圧症候群の治療法は確立していません。軽症の場合には、悪化を予防するための食事療法をとりながら、妊婦健診で様子をみます。
ただし、「妊娠を終了させること」(ターミネーション)が母体回復の最終手段となっているため、状態によっては陣痛を待たずに緊急帝王切開を行う場合もあります。
妊娠高血圧症候群は、どんな人がなりやすいの?
妊娠高血圧症候群の発症リスクが高いのは、次のような方です。どれか一つでもあてはまる場合には、妊娠中の体調管理に十分注意しましょう。
- 妊娠前から糖尿病、高血圧、腎疾患などの持病がある
- 肥満(BMI25以上)
- 15歳以下or40歳以上での妊娠
- 初めての妊娠、前回の妊娠から期間があいている
- 双子などの多胎妊娠
- 高血圧の家系
- 以前の妊娠で妊娠高血圧症候群と診断を受けた
- 低身長(154㎝以下)
関連記事:妊娠高血圧症候群の原因…発症リスクの高い妊婦さんは要注意
妊娠高血圧症候群の進行を抑えたい!症状悪化を予防する方法
現在、妊娠高血圧症候群の発症を予防する方法は見つかっていません。発症の傾向が見られた場合に悪化を防ぐ方法についてご紹介しましょう。
もしも発症の傾向が見られたら?体重と血圧に注意しよう!
妊婦健診で「妊娠高血圧症候群を発症するかもしれませんよ」「妊娠高血圧症候群軽症ですね」と言われたら、次の点に注意しましょう。
- 体重管理を行う
- 血圧を上げないようコントロールする
そのためには、「食事に気をつけること」「適度な運動を取り入れること」が重要です。また、疲れやストレスをためないようにしましょう。
関連記事:妊娠高血圧症候群の悪化を予防!体重と血圧のコントロールが重要
食事療法の注意点・・・減塩&低カロリーでバランスよく食べましょう!
体重と血圧をコントロールするために重要なのが、毎日の食事です。以下のそれぞれの項目を満たすように心がけましょう。
- カロリーを控えめに
- 塩分摂取量を守る
- 過剰な水分制限はしない
- タンパク質をしっかりと
- カルシウムを意識的に摂る
- カリウム・マグネシウムを含む食材を使う
関連記事:妊娠高血圧症候群を抑える食事の注意点!塩分とカロリーを控えよう
産後への影響・・・生活習慣病の発症確率が高くなる
妊娠高血圧症候群の症状は、出産後すぐに改善することがほとんどです。症状が重かった場合には高血圧や尿蛋白が続くこともありますが、産後12週以内には消失するでしょう。
もしも、その後も症状が継続する場合には、他の病気がないか精密検査を受けるようにしましょう。
関連記事:妊娠高血圧症候群は出産後にも影響が出る場合も!どんな症状か
早期発見で症状悪化を回避しよう!妊婦健診の受診が重要
妊娠高血圧症候群の怖さは、子癇やHEELP症候群、常位胎盤早期剥離などの合併症の発症にあります。
まずは妊婦健診をきちんと受診し、注意を受けたら食事や運動などの生活習慣を改善することで、ママの体とおなかの赤ちゃんを守っていきましょう。
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