へその緒の正しい保管方法。虫やカビを防いで母子の絆を大切に!
日本では出産後にへその緒(臍帯:さいたい)を記念として保管する風習があります。これは世界的に見ても珍しく、日本以外ではアジアの一部の地域にしか見られない習慣だと言われています。
へその緒を保存する理由は諸説ありますが、特別に有力な意味を持つものはありません。
へその緒を保管する際、その方法を誤ると虫が付いたりカビが生えたりする原因になります。大切な親子の思い出ですから、なるべくきれいにとっておきたいですよね。
へその緒の正しい保存方法を紹介します。
完全に乾燥させることが一番大切なポイント
出産後へその緒を手に入れるパターンはいくつかに分かれます。
- 入院中に赤ちゃんのおへそからとれたへその緒を看護師さんから渡される
- 退院後に赤ちゃんのおへそからとれたへその緒を親が処理する
- おへそについている部分だけではなく、カットした長めのへその緒を産院から貰う
よく聞くケースは以上のようなものです。
どのパターンに当てはまっても、保管のために一番大切なポイントは「完全な乾燥」です。
乾燥が不十分だと臭いの原因になったり、カビが発生したりします。またダニのような小さな虫が付く要因にもなります。
入院中にへその緒が取れると、保存用の箱などに入れて渡されることもあります。しかしそんな場合でも退院後には一度箱から出しましょう。改めて完全に乾かし直す必要があります。
へその緒を乾かす時のポイント3つ
- 涼しくて風通しの良い日陰に、ガーゼなどの上に乗せて2,3日~1週間ほど置いておく
- 指で触った時に全体がカリカリ、カラカラの硬い状態になっていること
- 埃をかぶるのが気になる時は上にも1枚薄いガーゼをかける
必ず涼しい場所を選びましょう。暖かい所や太陽の当たる場所に置いてしまうと、最悪の場合腐ったり、臭いが発生したりします。また乾かす前に洗う必要はありません。
長さのあるへその緒を乾燥させる時は、保存する箱やケースの大きさに注意しましょう。乾くと硬くなり形を変えることが難しくなります。サイズが収まる形に整えて置いておくことがポイントです。
また乾燥中の埃も防いだ方がより安心です。汚れは保存後のカビ、虫発生の原因になることもあるからです。
通気性、防虫効果に優れた桐製の箱への保管がおすすめ
乾燥が終わったら保存用の箱に入れて保管します。病院によっては退院時にへその緒用の桐箱をプレゼントしてくれるところもあります。
最近はへその緒ケースとして素敵なデザインのものもたくさん売られているので、好みに合うものを探してみるのも楽しいでしょう。母子の証への思い入れがより強くなるかもしれませんね。
昔から使われている桐製のものが通気性、防虫効果もあり保存に優れています。また桐でなくとも木製の製品ならばあまり問題はないでしょう。
時折プラスチック製や、まれに紙製のへその緒ケースが売られていることがありますが、長期に渡り保管することを考えるとあまり適しているとは言えません。へその緒を良い状態に保つためにも木製の箱をおすすめします。
湿度やカビが気になる時は乾燥剤を使うのも手
きちんと乾燥していればそのままで問題ありませんが、より良い保存状態を保ちたい時には箱に乾燥剤を入れることもできます。
シリカゲルなど粒状のものが小袋に入っているもの、大きな錠剤くらいの大きさで一粒で使用できるものなどをおすすめします。
粉状の乾燥剤を直接振りかけるタイプもありますが、へその緒が粉まみれで白っぽくなるなど扱いにくさの難点があります。
乾燥剤は保存ケースによっては付属している時もあります。またドラッグストアや100円ショップ、ホームセンターなどでも売られているので気になる方はチェックしてみましょう。
最終的に処分する?へその緒の使い道
丁寧に処理をして保存したへその緒ですが、その後みなさんどのように使っているのでしょうか?
現在はどうでしょうか?よく聞くへその緒の使い道には以下のようなものがあります。
- 母親が亡くなった時に棺の中に子どものへその緒を入れる
- いつの日か本人確認DNA検査の必要性が出てくる時に備えてひたすら保管しておく
- ある程度の時が経ち、不要と感じたら処分する
…などなど、あまり有意義な使い道はないかもしれませんね!
母親の棺にへその緒を入れるのは、「出産の経験が生前の罪を軽くしてくれるから」だとも言われています。人をこの世に送り出すことはそれだけ尊い行為だと認識されているのかもしれません。
個人的には「自分と子どもたちとをつないでいた大切な証だから…」という理由で保存しています。そして私がこの世を去った時に棺に入れてくれたら処分にも困らないかな?という気持ちです。
へその緒を正しく保管!出産を思い出してみて
世界的に見ても珍しいこの風習。「母と子どもが一体だった」という証拠を見て感慨深い思いを抱く日本人の特徴が感じられます。
いつの日か子どもたちが大きくなった時、久しぶりにへその緒を見たらそんな切ない気持ちになるのかもしれませんね。
▼新生児のへその緒のケアや消毒についてはコチラも参考にしてみて!
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