106万円の壁とは?働き方を考えるために知っておきたい制度や条件

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2018/11/12

「103万の壁」「130万の壁」に引き続き、2016年10月から「106万の壁」が新たに改正されました。

今まで社会保険を払わずに調整しながら働いてきた人たちにとって、106万の壁の該当者が25万人とも言われています。

106万の壁の条件に該当せず通常通り働いてきた人たちも、今後は条件変更によって適用者が増えてくる可能性もあります。

制度のしくみと、今後の働き方や主婦が社会保険を払うメリットについても紹介します。

2016年10月からスタートした106万の壁とは?

「103万の壁」や「130万の壁」など、パート主婦には聞きなれた言葉かもしれませんが、2016年10月からスタートした「106万の壁」も記憶に新しいと思います。

既にご存知かもしれませんが、まずは103万の壁と130万の壁をおさらいしてみましょう。

  • 103万の壁:所得税がかからない上限金額
  • 130万の壁:社会保険(健康保険・厚生年金保険など)の負担が発生しない上限金額

所得税は所得が38万を超えた場合にかかり、パートなどの給与所得者は年収から「給与所得控除65万円」を引いた残りが所得になります。

80万円の給与をもらっていた人は【80万-給与所得控除65万】で所得は15万円。なので103万未満になるので所得税がかかりません。

一方130万の壁は、年収が130万を超えると社会保険料に加入しなければいけない上限金額で、130万未満であれば配偶者の扶養から外れることはありませんでした。

しかし、2016年10月から新たな制度が加わり「106万の壁」として引き下げられてしまったのです。

106万の壁は社会保険料の壁

所得が106万未満で抑えることができれば今まで通り夫の扶養に入ることができます。

106万以上になると自分で社会保険料を払い、健康保険と厚生年金さらに40歳以上の場合は介護保険料を支払わなければいけません。

今まで年収が130未満で調整してきた方にとっては20万円近く負担が増えることになるので手取り収入が減るだけでなく、扶養から外れ配偶者手当や配偶者控除もなくなってしまいます。

106万の壁は条件が当てはまる人のみ

ここまで読み進めていると働き方を変えなければ…と心配になってしまいますが、実は106万の壁を気にするのは条件に当てはまる人のみ。

  • 勤務時間が週20時間以上
  • 賃金が月収88,000円(交通費込)以上
  • 1年以上の雇用見込み
  • 勤務先の従業員が501人以上(支店含む)
  • 学生以外

上記の条件に当てはまるのは夫が会社員(第2号被保険者)というケースで、夫が自営業(第1号被保険者)で妻がパートで働き、上記に該当するなら第2号被保険者となるほうが保険料は安くなる可能性があります。

反対に上記に当てはまる、夫が会社員のパート主婦が気をつけたいのは「賃金が月収88,000円以上」というもの。

所得税は年収で判断していましたが、社会保険は月収で判断されます。これは130万の壁も一緒で、月収が88,000円以上を超え106万を超える見込みがある場合扶養から外れます。

2017年4月から従業員500人以下も社会保険の適用に

2017年4月から従業員500人以下の企業のパートタイマーも社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用が可能になりました。

現時点では労働組合による合意のもとで適用になりますが、2019年以降は従業員500人以下の企業についても強制的に適用される方向です。

今は106万の壁に該当してなくても、130万の壁は通常通り変わらないので106万以上で働く場合は社会保険料がかからない130万未満で調整しながら働くことになります。

106万の壁は交通費や残業代は含まない

収入が106万円以上になるかは給与明細書で判断するかもしれませんが、実際は雇用契約書を基に就業規則や給与形態が判断されます。

契約上では残業がないと聞いていたのに、残業して給与が88,000円以上だったとしても対象になりません。

その他、対象とならないのは以下です。

  • 交通費
  • 残業代
  • ボーナス
  • 休日出勤手当
  • 皆勤手当・結婚手当・家族手当

106万の壁、ダブルワークの場合は1社として考える

かけもちをして休日に働くダブルワーク(副業)。両方の給料を合算すると106万円以上になる方もいるのではないでしょうか。

しかし、合算して106万以上の所得であってもそれぞれの会社の収入で考えていくので該当しません。A社で50万、B社で70万をもらっていても扶養から外れず働くことができます。

ダブルワークで130万以上を超えると注意!

ダブルワークで年収が130万以上になると扶養から外れ、勤務先の社会保険または国民健康保険に加入し保険料を納めなければいけません。

ダブルワークで年収が130万以上の人が加入する場合は以下のときです。

  • 1週間あたり勤務時間が正社員の4分の3以上
  • 1か月あたり勤務日数が正社員の4分の3以上
  • 月収が10万8334円以上(年収130万円の見込み)

この条件を満たした場合に加入対象となります。ただ気をつけたいのが年末調整は収入が多いほうの会社で受けるので、もう1つの勤務先は自分で確定申告を行う必要があります。

パート主婦の1番良い働き方は?

パート主婦にとって1番良いのはどういう働き方でしょうか。年収の壁がたくさんあると複雑で分かりずらいですよね。

夫の年収が500万円、妻が40歳未満としてパート収入別に比較してみましょう。

【ソニー生命知ってトクするお金の話参照】

    妻年収 社会保険料 所得税 住民税 手取り額
    100万円 0円 0円 0円 100万円
    103万円 0円 0円 7,500円 102万2,500円
    106万円 15万1,461円 0円 5000円 90万3,539円
    130万円 18万5,766円 4200円 1万6,000円 109万4,034円

    妻の年収が100万円未満の場合は所得税や住民税もかからず配偶者控除の38万円も受けることができます。

    年収106万の場合、社会保険料の条件を満たした場合は15万円ほど引かれ、手取り額も年収100万円より低くなることが分かります。

    年収103万円未満で働く

    パート主婦の働き方として、社会保険料がかかるとグッと手取り額が減ってしまうので、今まで通り103万円未満で働くほうが良いかもしれません。

    小さいお子さんがいる世帯では103万円未満で調整しながら働いているところが多いと思いますが、月にすると以下の就労が103万円未満になります。

    • 日数:20日未満
    • 時間:1日4~5時間
    • 月給:8万5000円未満

    もちろん職種によって時給も違いますが、1ヶ月8万5000円以上になったとしても違う月で103万を超えないように調整することも可能です。

    年収130万円未満で働く

    106万円以上130万円未満でも、社会保険料の条件が該当しなければ130未満を調整しながら働くほうが手取り額は増えます。

    しかし、2019年以降に従業員500人以下の企業も社会保険の対象となるので130万円未満の働き方はそれまでの働き方、ということになるでしょう。

    年収160万円で働く

    年収130未満で働いてきた人たちは、勤務時間の変更や調整も現実的に難しい部分があります。

    年収160万円を目指すことができれば、社会保険の負担が多くても手取り額が130万円程になり年収100万円と比べても24万円ほど増えることになります。

    小さいお子さんを持つママは勤務時間を増やすのが難しいと思いますが、同居で家族のサポートがあったり子どもが大きくなってから働き方を考えるのも良いかもしれません。

    社会保険料の負担は長い目で見ると保障が充実するメリットも…

    社会保険料がかかり、働いた手取りが減ってしまうと損をした気持ちになってしまいますが、実はデメリットばかりではありません。

    1.出産手当の受給

    社会保険の加入により、夫の扶養に入っていたときは対象外だった出産手当金が保障されます。

    出産のために会社を休んでいる場合、産休中に給与の2/3が98日分受け取ることができます。

    出産一時金と出産手当金が同時にもらえることになるのでこれから妊娠を考えている人にも大きなメリットとなるでしょう。

    2.傷病手当金の受給

    病気やケガで仕事を休んでいるときに傷病手当の受給ができ、給与の2/3が最大1年6ヶ月受け取れます。

    以下の条件を満たした場合支給されます。

    • 業務外の事故やケガ
    • 連続して4日間以上仕事に就けない
    • 休業した期間に給与の支払いがない

    妊娠中でつわりがひどく自宅療養や切迫早産についても傷病手当の対象となります。

    3.国民年金+厚生年金が受け取れる

    夫の扶養に入ってる場合は国民年金しか受け取ることができませんが、厚生年金を自分で払っていれば国民年金と厚生年金の両方を受け取ることができます。

    厚生労働省が公開している「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」では実際の国民年金と厚生年金の平均月額は以下になります。

    • 国民年金:55,464円
    • 厚生年金:147,927円

    30年間保険料を支払った場合の目安です。厚生年金は加入期間や報酬によって金額に違いはありますが、国民年金より厚生年金が支給額が多いことが分かります。

    目先で考えると保険料が引かれて手取り収入が大幅に減ってしまいますが、年金受給者となればもらえる金額も違い、長生きすればするほどプラスになります。

    〇〇の壁は長い目で見ながら働き方を考えて!

    これからの働き方は制度の中身をよく理解し、将来年金受給者になったときのことも考えて、長い目で見ながら仕事のやり方を考えていくほうが良さそうです。

    とはいえ、大幅に給与が引かれてしまうと生活に支障が出てくることになるので現実的には難しいかもしれません。

    働く時間や日数も子どもが小さいうちは103万円未満で調整しながら働き、大きくなったら働き方を変えても良いかもしれませんね。

    これからも制度が変わったり、新たな壁が出てくる可能性もあります。制度の中身をよく理解しながら、今後も損をしない働き方をしていきたいですね。

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