先天性の無毛症という病気の可能性も…4歳頃でも薄毛の場合は医師に相談

産まれたばかりの赤ちゃんというと髪の毛が薄いイメージですが、実際は一人一人ばらつきがあるもの。新生児室で並んでいる赤ちゃんを見ると、うっすらと産毛が生えている子からフサフサに生えている子までとても個性豊かです。

髪の毛の伸びるスピードもさまざまで、1歳の頃には黒々と生えている子もいれば、まだまだ地肌が見えている子もいます。

ほとんどの場合はゆっくり時間をかけてしっかり髪の毛が生えてくるので心配いりませんが、なかには髪の毛が生えない先天性の病気もあります。

赤ちゃんのうちは薄くても大丈夫！4歳頃には生え揃います

新生児の赤ちゃんの頭に生えているのは、実は産毛。赤ちゃんの頭は、産毛から髪の毛にゆっくりと時間をかけて生え変わっていきます。

わが子の髪の毛がなかなか伸びない、生えないといった悩みをもつパパ・ママも多いですが、だいたい4歳くらいまでにはしっかりとした髪の毛に生え変わると言われています。赤ちゃんのうちは薄毛でもあまり心配せずに様子を見ていて大丈夫です。

他の子と比べてしまう…髪の毛が生える時期には個人差がある

前述のように、赤ちゃんの頭は産毛から髪の毛へと生え変わりをしますが、この生え変わりのタイミングも実はその子によってバラバラ。

早い段階でしっかりとした髪の毛が生えてくる子もいれば、2歳、3歳になってもまだ地肌が見えている子もいます。0～3歳の子どもたちは身体や心の成長のスピードに個人差がありますが、髪の毛の生え方も同じように差があるのです。

フサフサに髪の毛が生えている子を見ると、ついわが子と比べてしまうかもしれませんが、髪の毛が生えそろう時期が違うだけ、とゆったり構えましょう。

赤ちゃんの時は薄毛でも、小学校に入る頃には結べる長さに

赤ちゃんのときの薄毛は気にならなくなったものの、幼稚園に通うくらいの年齢になってもなかなか子どもの髪の毛が伸びずに悩むパパ・ママもいます。この頃になると周りのお友達と比べてしまい、子ども本人も気にしてしまうことがあるようです。

特に、女の子の場合は髪の毛を結んだり、かわいいヘアアクセサリーをつけてみたいと思うもの。そのぶん、髪の毛が伸びない・少ないということが気になってしまいますね。

しかし、遅くても小学校に入る頃にはある程度の長さに伸びる子が多いようです。その髪の伸び方も、時間をかけてゆっくりと伸びる子もいれば、5歳くらいで急に伸びたという子もいます。

いずれにせよ、0～3歳くらいの間は、男女ともに髪の毛が薄い子は多いので、あまり早い段階から病気などを気にする必要はありません。また、4歳になって長さがなくても、少し様子を見てみましょう。

心配なら皮膚科医に相談を！産まれつき毛根がない無毛症

小さいうちの薄毛は心配いらないことがほとんどですが、稀に無毛症という先天性の病気である場合があります。

無毛症は産まれつき毛根が無く、一生髪の毛が生えてこない病気です。産まれたときは生えていたけれど、生後1～2年で全て抜け落ち、その後はまったく生えてこないという事例もあります。

頭皮以外の場所に異常があることも！無毛症の症状

無毛症は、髪の毛を含む体毛の全部、または一部が生えてこない病気です。髪の毛だけでなく、まゆ毛やまつ毛も極端に少なかったり、生えないことがあります。

無毛症で髪の毛が生えなくなってしまう要因は様々なものがありますが、この無毛症が身体の一部ではなく全身のものだった場合は、歯や爪がきちんと発達しなかったり、もろくて割れやすいということもあります。

赤ちゃんが無毛症になる原因は遺伝子異常がほとんど

大人になってから何らかの病気で体毛が生えなくなる人もいますが、赤ちゃんが無毛症である場合はほとんどが先天性の無毛症で、遺伝子の異常が原因です。

また、その場合は産まれたときから頭皮に異常が確認できる場合があります。

• 出生時からはっきりとした脱毛部分がある
• 髪の毛がなく、直径1～3cmくらいのへこんでいる部分がある
• 頭に全く毛根がないため、一本も髪の毛（産毛）がない

先天性の無毛症の場合は赤ちゃんのうちに診断されることが多いですが、前述のように出生後1～2年で髪の毛が抜け落ちるケースもあります。もしかして…と思う点があれば、早めに皮膚科を受診しましょう。

治療法・予防法が見つかっていない病気。今できる対処とは

無毛症は、今のところ有効な治療法が確立されていない病気です。しかし、「もしかして無毛症かも…」と思ったら、できる限りの対処をしていく必要があります。

無毛症にはさまざまな原因があるため、場合によっては髪の毛（体毛）のない部分が悪性の疾患になっていることも。その場合は、無毛の部分を手術で取り除かなければなりません。

髪の毛が生えてくることはないとしても、病気として治療が必要なこともあるので、無毛症が疑われる場合は、すぐに皮膚科を受診しましょう。

髪の毛が生えないというのはどうしても周りの目が気になることです。将来、そのことで子どもが悩むこともあるでしょう。

現在、無毛症を抱えている人は、かつらやウィッグを使っておしゃれを楽しんでいる人もいれば、そのままの頭で生活している人もいます。

赤ちゃんのうちはかつらを使うことはないかもしれませんが、幼稚園や小学校に上がる時など、子どもの気持ちを尊重して考えてあげましょう。

赤ちゃんの頭皮に異常や心配な点があれば、まず医師に相談を

男女関係なく、赤ちゃんの時は薄毛だったという人はたくさんいます。お兄ちゃんは産まれたときからフサフサなのに、妹は全然髪の毛が生えてこない…というように、兄弟・姉妹でも全く違うこともあります。

パパやママは気になると思いますが、赤ちゃんの時に薄毛だった人は「いつからか薄毛が気にならなくなった」という人が多いです。髪の毛が少なくても、他の部分に異常がなく、元気なら心配はいりません。

しかし一方で、明らかに頭皮に異常がある場合や、普段の生活で何か引っかかる、とパパ・ママが感じる場合は専門医へ相談することをおすすめします。

また、「子どもの病気ならかかりつけの小児科へ」と考えるパパ・ママもいると思いますが、専門外の場合はきちんと判断ができないことも。可能であれば皮膚の専門医に相談をしてくださいね。

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