幼児期のグー握りを正しい鉛筆の持ち方にしたい!矯正器具のすすめ
小学校入学を意識すると「ひらがなの読み書きがどの程度できればいいのか」と気になる方も多いと思います。
どのようなペースで覚えても「正しい鉛筆の持ち方」をすると、疲れにくく綺麗な文字を書きやすいというメリットがあります。
ひらがなを書く前に、正しい鉛筆の持ち方を練習してみませんか。
グー握りから正しい鉛筆の持ち方を教えようとしているママに、お絵かきしながら楽しく「正しい鉛筆の持ち方」を身に付ける方法のご紹介です。
この記事の目次
教える前に復習「正しい鉛筆の持ち方」
ある調査では学年に関係なく小学生の1/4が間違った持ち方をしていました。先生に教えてもらっただけでは身に付けることが難しい作業といえます。
大阪府下のA小学校(児童数991名)において、全児童を対象に2003年10月に遠見・近見視力検査に加えて、記名による生活状況調査(付表)を実施した。
次いで、「鉛筆を正しく持っているか」を訪ねた。その結果、「おかしい」は239名(25.4%)、「正しい」は703名(74.6%)で約1/4の子供は持ち方が「おかしい」かった。
何歳から教えるか迷うママさんも多いと思いますが、1歳から教えるママもいます。何歳でも「次にお絵かきをするとき教えてみよう」と予定をたててみてはいかがでしょうか。
幼児期から家でパパやママが子供を見守ることで「正しい鉛筆の持ち方」を身に付けていきましょう。注意するのは次の2点です。
- 正しい姿勢
- 指の位置
「正しい姿勢」で書くと目に優しく疲れにくい
猫背など紙と目が近い状態で書き続けると、視力不良の原因になるといわれています。正しい姿勢で視力を守ることを心がけ、無駄な力を入れないようにします。
- リラックスして背筋を伸ばす
- 机と体を握りこぶし一つ分あける
- 紙の中心とおへその中心をあわせる
難しい「指の位置」はママが手を添えて教える
親指・人差し指・中指の3本の指で鉛筆を支えます。
- 親指………鉛筆に対しほぼ直角に持つ
- 人差し指…親指よりも鉛筆の削り際に近いところを支える
- 中指………爪の横のあたりで鉛筆を支える
- 薬指・小指…軽く自然に曲げる
鉛筆の後ろのほうは人差し指の第一関節で支えます。
最初の1週間は1分ごとにママの修正が必要なぐらい根気がいります。以下のようなときグー握りに戻りやすいです。
- 1歳2歳…力を込めて描くときにグー握りに戻りやすい
- 3歳4歳…絵に集中しだすときに無意識にグー握りに戻りやすい
- 5歳6歳…グー握りが定着しはじめて、修正しても自らの意志で戻りやすい
グー握りからいきなり正しく持つことは難しいので、出来なくてもイライラしない心の余裕が必要です。続けていくと修正する時間の間隔が1分、2分、3分と伸びていきます。
声かけの方法!お絵かきのたびにママが正しい持ち方を教えよう!
お家でお絵かきのたびに教えて習慣化を目指しましょう。以下のように声かけをしてみてはいかがでしょうか。
- 1.紙の用意をしてぬり絵やお絵かきに誘う
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- 「何して遊ぶ?お絵かきする?」
手に余計な力が入らないよう、楽しい雰囲気でリラックスさせます。
- 2.テーブルに紙を置いて正しい姿勢に座らせる
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- 「ふにゃふにゃしないで真っすぐ座ってね」
- 「テーブルと自分の体はげんこつ一つ分あけてね」など
- 3.子供に鉛筆を持たせる
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- 「この鉛筆でいいかな?どうぞ!」
- 4.ママが手を添えて「親指、人差し指、中指、薬指、小指」の位置を正しくする
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- 1歳2歳…「こうやって持つんだよ」など
- 3歳4歳…「これとこれとこれと3本の指で支えるんだよ」など
- 5歳6歳…「3本の指で支えたら後ろの指は軽く曲げてね」など
- 5.自由にお絵かきしてもらい、ぬり絵やお絵かきの感想を言う
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- 「○○かな?楽しそうだね」「ここのギザギザがかっこいいね!」
- 「かわいいね、〇〇ちゃんかな?」「この線なにかな?雨みたいだね」など
(思いがけず「ちがう!〇〇だよ!」と教えてくれたりします。)
- 6.指の位置がズレるたびにママが鉛筆の持ち方を修正する
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- 「中指はここだよ」
- 「待ってね…正しい持ち方に直すね」
- 「できた、これが正しい持ち方だよ」など
(頻繁に修正する場面があり、ママは疲れるかもしれません。)
子供が身に付けるまでママは大変ですが、お絵かきのたびに言い続けてみましょう。子供の気分によって10分から30分ほど付き合うことになります。
ママが疲れているときは教えるのを別の日に持ち越しましょう。外に出れない雨の日にはうってつけの遊びになります。
小学校入学を目安にゆっくりコツコツ身に付けていけばいい!
このように長い期間かかると最初から覚悟しておけば、その日出来なくてもママは落ち込まないで済むと思います。
子供が楽しくお絵かきできていれば次も練習できます。
3歳頃になると言葉の理解も進むので「正しく持つと絵に集中できるし、かっこいいよ!」と練習する理由を説明すると納得してくれます。
お絵かきしながら楽しく!矯正器具3つのご紹介
私は4歳の子供に口頭で教えるのが難しかったので、矯正器具を利用しました。1歳~3歳ぐらいだと指が小さくて難しいですが、4歳~6歳ぐらいだと利用できます。
子供に合う合わないがあるので、選ぶときの参考にしてみてください。
- はなまるくん
- Clipグリップと輪ゴム
- もちかたくんユビックス
「はなまるくん」で鉛筆に対し親指をほぼ直角に入れる
http://erupurasu.co.jp/index.html
参考価格 200円
対象 3歳以上
親指の固定が安定しています。鉛筆に対してほぼ直角に入ることで、人差し指の位置も安定します。
右利き用と左利き用があり、鉛筆の先の部分からゆっくりと差し込んだら「溝」に指を置いて使用します。
「Clipグリップ」で鉛筆を太くして持ちやすく「輪ゴム」で中指を固定
https://www.amazon.co.jp/dp/B0055QHY3A
参考価格 230円
Clipグリップは短くなった鉛筆を持てるようにしてくれる「鉛筆ホルダー」の役割もあります。鉛筆やクーピーが短くなったときにも大活躍してくれる補助道具です。
輪ゴムでの矯正方法は「人差し指と鉛筆」か「中指と鉛筆」を括り付ける方法があります。ズレやすいほうを括り付けてみましょう。
1本の輪ゴムで3回ほど巻くと固定しやすいです。ただ子供が「痛い」と言うことがあります。
子供が痛がるようであれば切り上げましょう。
中指を矯正しているとき、すごい力で中指を折り曲げて矯正が出来ないことがありました。矯正しても油断せずに観察して「ここだよ」と正しい位置に戻すことが必要です。
「もちかたくんユビックス」で3本の指先と人差し指の付け根を固定
https://www.amazon.co.jp/dp/B008MHQA3Y
参考価格 378円
対象 ひらがなデビューの子供におすすめ
もちかたくんは中指の固定がしやすいのが特徴です。さらにユビックスで人差し指と鉛筆を固定できます。右利き用と左利き用があります。
矯正器具を最初は「嫌だ」と全く受け付けてくれなかったり、子供自身が外してしまったりすることがあります。また、徐々に使えるようになることもあります。
硬い感触・柔らかい感触など、子供の好みがありますので色々試してみることをオススメします。最初の1・2回は上手く使えないと思って、心に余裕をもって教えましょう。
矯正器具以外の補助グッズはこれ!「三角軸」の鉛筆も利用してみて!
鉛筆は六角、お絵かきに利用する色鉛筆やクレヨンは丸い軸が多いです。三角軸の形の鉛筆を利用すると「三本の指で支える」ということがしやすいのでオススメです。
初めての「えんぴつ」の練習には軸が太くて筆圧の弱い幼児でも扱いやすい鉛筆があります。削る方向で右手用・左手用と使い分けをします。
自然と正しい持ち方に導いてくれる、木肌の感触が優しいのがポイントの鉛筆です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B007RID4JW
メーカー (株)トンボ
参考価格 401円
持ち方が悪いと勉強の能率が下がってしまう!
まだお絵かきの段階の子供も、小学・中学生になると本格的な勉強が待っています。間違った持ち方は疲れやすく、長時間の勉強ができません。
- 小学校入学前に持ち方を間違えたままひらがなが書けるようになっている
- 小学校で先生に教わっても癖を直すのに時間がかかり途中で諦める
- 家では全く教えない
英語の学習やひらがなの練習など、小学校入学前の早期教育を頑張っているママさんも多いと思います。
ただ、文字がかけると安心して「悪い持ち方」を見逃してしまうことも。
のちに集中力をもって勉強できるよう、幼児期にしっかり「正しい持ち方」を身に付けさせておくことが大切です。
ぬり絵や声かけで描くことが楽しくなる
キャラクターのぬり絵は練習にもってこいの教材です。白紙に自由に書くことが苦手な子供も、色が想像できるぬり絵は楽しくお絵かきを進めることができます。
また自作プリントでなぞり書きを楽しむようにしておくと、文字の練習をするときスムーズです。
自作プリントアイデア集!子供のすきなおもちゃで引きつける
「お絵かきしようか!」と誘ってもも「イヤ!」と嫌がる子供もいます。そんなときは好きなキャラクターやおもちゃで引きつけてみてはいかがでしょうか。
- テーブルの上におもちゃやぬいぐるみを置いて「描く?」と誘ってみる
- カタログやちらしからおもちゃの写真を切り抜いて画用紙に貼っておく
- ママがイラストやなぞり書きのできる点々を画用紙にあらかじめ描いておく
コピー用紙を利用すると経済的に大量に描くことができます。すぐにぬりえを1冊終わらせてしまう子にオススメです。
見てもらいたい気持ちの強い幼児には声かけが効果的!
子育て中のママは一日に何回も「ママ!ママ!」と呼ばれていることと思います。ママがお絵かき中も声かけをすることで、子供の心によりそうことができます。
- 子供が失敗だと感じて「できない!」などと言ってきたとき
-
「大丈夫!」「できるよ!」などの励ましの言葉
- 子供が何を描けばいいのか迷っているとき
-
「まるを描く?」「点々をいっぱい描いて星にする?」などの提案の言葉
- 子供が「楽しい」「やった」などと感情を伝えてくれたとき
-
「楽しいね」「やったね」などと子供と同じ言葉を繰り返して共感する
励まし、提案、共感など、バリエーションがあると声かけがたくさんできます。集中しているときや「静かにして!」と言われてしまったら、声かけはやめて見守りましょう。
完璧を求めずに、何歳になっても身に付ける練習をしていい
大人になって通信講座や書籍・教室などで「美しい文字」の練習を始める方も多数います。そこで初めて「鉛筆の持ち方が間違っていた」と気付くことも。
正しい持ち方で美しい文字を書きたいと練習するのは、年齢に関係なく大人もチャレンジしていることです。ですので、幼児期に練習するのはとてもいいスタートです。
本当に身に付けるには長い時間が必要
剣豪の宮本武蔵が次のようなことを言っています。「3年で強くなり30年で練り上げる」という意味の言葉です。
情報過多ですぐに結果を求められる現代の風潮では、時間がかかることに苛立ちを感じがちです。
そんな時はすごい剣豪も何十年も練習をしていたことを思い出してみてください。
千日の稽古を鍛(たん)とし、萬日の稽古を練(れん)とす
箸の持ち方を身に付けることのように、鉛筆の持ち方も身に付けて「一生の宝」をプレゼントしたいですね。見た目もとっても素敵です。
今は出来なくても焦らず教え続け、見守っていきましょう!
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