幼児期から!小さな動物の命も大切に思える子供に育てる方法
子供はある時期、動く生き物に興味を持ち始めると近所の公園やあぜ道でバッタや、チョウチョ、ダンゴムシなどいろんなものを捕まえるようになります。
でも最近は、虫が苦手な子も多いかもしれませんね。
虫も動物も人間も、生き物の命はゲームのようにリセットできないことを幼い子に教えるのは難しいものです。
どんな命もとても大切なのだということを”心”で分かってもらう方法をお伝えします。
リアルさが必要!手で触れる体感を経験させてみる
幼い頃は、アリを踏んだり、捕まえたトンボの羽をむしったり残酷なことをすることがありますが、一時的な行動なのであまり心配することはありません。おもちゃで遊ぶように興味本位で動くものに反応しているだけです。
まだそこに、「命」という概念がありません。そんなことをしたら死んでしまうよと、早めに命の大切さを教えたいものですよね。
命について「理解させる」というより「感じさせる」くらいからスタート
命という目に見えない漠然としたものを頭で理解させるのは難しいと思います。命の大事さを「感じさせる」くらいでいいのではないでしょうか。
命の大切さを教えるには、「生きている」「死んでいる」の違いを実感させるとわかりやすいと思います。
例えば、自分より小さな身近な動物、犬や猫、小鳥などを直に触らせたり抱っこさせたりして触れ合うことです。
そうすることで「小さくて可愛い」「あったかくて柔らかい」と言った感情が湧きます。自分より小さいことで「守ってあげたい」といった気持ちになる子供も出てくると思います。
逆に怖がった場合は無理せず、次の機会に体験させてみましょう。
死んだら全く動かなくなってしまいます。「なんだか悲しい」「かわいそう」「寂しい」「もう一緒に遊べない」と、ママが寄り添って何度も言葉にして聞かせることで、感情も一緒に同調するようになります。
ママの感情や言葉が結構そのまま子供に影響していきますので、大事な役割だと思ってくださいね!
死んでいることが理解できず、寝ていると勘違いすることもある
死に直面する機会の少ない子供は、死ぬということが、寝ていることと思っている場合もあります。
息をしているか、心臓のドクドクが聞こえるか、胸に耳をあてさせ実際に心臓の音を聞かせましょう。勘違いしている場合は、寝ている状態との違いをちゃんと説明しておきましょう。
また、命が終わることは自然なことだという受け止め方も大事です。子供にとって大事な近親者が亡くなった時に、死を受け止めきれず精神のバランスを崩してしまうことも考えられます。
幼い頃は教えることも難しいと思います。その時は100パーセント理解できなくても、機会のあるごとに正しく教えていけば、成長とともに「生」と「死」がどんなものか徐々にわかっていくのではないでしょうか。
子供が世話できる動物を飼ってみましょう
実際に動物を飼ってみるのが近道です。犬や猫は住宅事情や、アレルギーの問題などで難しいこともありますから、金魚などがオススメです。
子供と一緒に、金魚に名前をつけましょう。愛着や情が湧きます。餌をやったりお世話をしながら話しかけたりするといいですね。
可愛がっていた金魚はいつか死んでしまいます。この”死”は子供にとっては初めての経験です。ママパパは子供の目線になって、様子を見てあげてください。
お子さんが、今どんな気持ちかを感じ取ってください。悲しんでいますか?事態が飲み込めない様子ですか?心に寄り添って、命が無くなってしまったことを伝えましょう。
大切な命に「手を合わせる」こと、天国に行ってしまって、もう生き返らないことをしっかり教えてください。お別れの言葉を言わせることも大事です。そして、必ず一緒にどこか土に埋めてお墓を作ってあげてください。
お墓に埋める儀式的な要素で、子供心に納得感と命の終わりのけじめのような感覚が備わります。
ゲームの影響も見過ごせない!幼児期には注意が必要
できれば、幼少期にゲームはさせない方がいいと思いますがきょうだいの影響でしてしまう場合もあります。
その時にはゲームの内容をよく精査する必要があります。ゲーム中に「死んじゃった!」というような声が上がるものはなるべくやめたほうが良いでしょう。
「死んじゃう、終わる、でもリセットでまた生き返る」ということが頻繁に何度も繰り返されると、命のイメージが軽々しくなります。現実とバーチャルな世界が曖昧な時期ですので好ましくありません。
小学校の先生から聞いた話ですが、クラスで飼っていた魚が死んでしまった時、お世話係りの男子児童がビニール袋に死骸を入れ、「先生、これは燃えるゴミですか?」と職員室に持ってきたといいます。
先生方はかなりのショックを受けたそうです。この男子児童は、命の大切さについてまだ誰からも教えられていなかったんでしょう。世話をした生き物も死んでしまえばゴミと一緒で、ゴミ箱に捨てる…という発想はかなり危険です。
こういった発想に子供がならないように、命の大切さについて教えておくことはとても大事です。
惜しみない愛情が、命を大切にできる強く優しい心を育てる情操教育に必要
自分のことを嫌いだったり、親や友達から嫌われていると思っている子に他人や生き物を大切にすることは難しいでしょう。
自分が大切にされている、毎日楽しく生活できていると感じていれば自然と思いやりの心も湧いてきます。褒められたり必要とされることで育つ自己肯定感があると、自分を大切にできます。
幼少期にこの自己肯定感を形成できないと、成長と共に自分はダメだと自信が持てなくなったり、どうせ自分はと非行や自傷行為に走ったりしやすくなります。
そうならないためには、一番身近な両親が「愛されている安心感」を言葉以上に心で感じさせてあげることです。
命を大切に思う心は、自分やお友達、動物を大切に思うことです。みんなに愛されて大切にされている子供は、自分がされているのと同じように周りの人に接します。両親からの愛情は子供の情操教育にとても重要なのです。