小学生におすすめの漢字の覚え方と、子供が漢字好きになるコツ
さぁ、いよいよ小学校に入学!お子さんにとってもパパママにとっても、成長を感じる大きな節目のひとつですね。
小学生となった我が子。お勉強も本格的にスタートしているはずですが、調子はいかがでしょうか?
今回のテーマはズバリ、「漢字」!作文や文章読解ではもちろんのこと、算数やその他の教科の文章題にも関わる要素ですが、一体どんな子どもが漢字を得意になっていくのか…気になりませんか?
塾で毎年約300人の生徒を見てきて分かった「漢字が得意な子ども」の共通点とは?! その全てをお伝えしていきます。
この記事の目次
漢字学習の上で大切なのは、社会で役立つ「本当の学力」を身につけること!
もちろん、できないよりはできた方が良いですよね。ですが、今やインターネットやAIが当たり前になりつつある時代。十数年後のお子さんの未来では、「漢字」はどんな役目を持っているでしょうか?
実は漢字は、「語彙」としての役割だけでなくその学習を通して「本当の学力」を伸ばすのにもってこいなんです!
子どもたちに「ねえ、漢字は何のために勉強するの?」と聞かれたら、どんな答えを用意してあげられますか?
一緒に考えていきたいと思います。
AI時代の到来!社会で役立つ「本当の学力」とは
AIについてのニュースは、ここ最近で本当によく目にするようになりました。科学技術の発展は目覚ましく、近い将来、脳内に埋め込んだチップで直接インターネットにアクセスできる…なんてことが当たり前になっているかもしれません。
そうなったとき、「たくさん漢字が書ける!」ということはどれほどのアドバンテージになるのでしょうか?
PCを使った仕事の仕方が主流の現在、「漢字を読む機会」はさておき「漢字を書く機会」は激減しているように思われます。
今、世界で注目されているのは生き抜くために必要な「本当の学力」です。それは、以下に挙げているような「数値では測れない力」のことなのです。
- 目標に向けて挑戦し続ける力
- 忍耐力
- 自分自身を認める力(=自己肯定感)
- コミュニケーション力や社会性
他にもありますが、ざっとこんなところです。どれも大人になってから必要な力であると感じていただけるのではないでしょうか。
漢字を通して身につけるべきは「本当の学力」!子どもの未来を考えよう
「本当の学力」についてご紹介しました。そして、最初にお伝えしたように「漢字の学習」は知識・教養のみならず、この「本当の学力」を伸ばすのにもってこいなのです!
一般的な漢字の勉強をイメージしてみましょう。( )の中は、それによって身につく「本当の学力」です。
- コツコツと努力することが求められる(忍耐力)
- 漢検や漢字テストなどに向けて頑張る(目標達成力)
- 書けるまで何度も練習することが求められる(困難に対応する力)
- 漢検合格など「できた」ことが見えやすい(自己肯定感)
いかがでしょうか?単純な「漢字の知識」だけでなく、取り組む過程で多くの「本当の力」を身につけることができる理由を分かっていただけたのではないかと思います。
そして、これこそが塾講師である筆者が声を大にして「漢字の勉強は必要」と言い切れる理由でもあります。
やる気があっても、生まれつき漢字が苦手なケースもあることを知っておこう
一方で、「(生まれつき)漢字が苦手な子どもたち」もいることを忘れてはなりません。教育に携わる方なら誰しも経験があるのではないかと思いますが、漢字がなかなか覚えられない子どもたちは意外と多く存在しています。
漢字が苦手なすべての子がそうだ、ということではありません。ましてやディスクレシアだから悪い、なんてことは当然ありません。
お伝えしたいのは、苦手なら別の「得意」を探すのも手だということです。別に「漢字」でなくても、そろばんや絵画、スポーツなど「本当の学力」を身につけるチャンスはたくさんあります。
お子さんと向き合い、1番本人にとってのびのび成長できる環境を整えてあげてほしいと思います。
漢字の勉強は、自己肯定感を高めやすい!読めた、書けたを認めてあげよう
「漢字の勉強」と聞くと、どんな方法をイメージしますか?ノートを開いて、何度も何度も繰り返し描いて覚える…でしょうか。
もちろん間違いではありませんし、一般的に広く浸透している学習法です。ですが、せっかくなら子どもたちが「もっとやりたい!」と思える方法を!
- 筆者のイチオシ!漢検に取り組ませよう
- 読書好きの子どもは勝手に伸びる!
- 面白いコンテンツを使って漢字が好きになる!
- 漢字を使ったゲームで好奇心を刺激!興味は学習の入り口
これらの学習法の細かなメリット・やり方は、この後の章でご紹介していきます。また、こうした学習を通して子どもたちが「読めた!書けた!」点をぜひ認めてあげてください!
自信がついてくると、まだ習っていない漢字さえも「書けるようになりたい!」と自発的に勉強するようになります。とても素晴らしいことだと思いませんか?
筆者のイチオシ!漢検に取り組ませよう
「小学生の漢字に対するモチベーションアップ法は?」と聞かれたら、筆者が真っ先にオススメするのが漢字検定です!漢検は、子どものやる気をUPさせる要素だらけなんです。
ただし、ただやらせるだけでは逆効果になることも!ここでは、上手にモチベーションを上げる方法を一挙大公開しちゃいます!
漢字検定の仕組みを知っていますか?表で見やすく解説!
大人になると、「最近漢検を受けました!」という方も少ないかもしれません。まずは表を使って、2018年9月時点の漢検の仕組みを確認していきましょう。
各級の大体のレベルです。
- 2級:高校卒業・大学・一般程度
- 準2級:高校在学程度
- 3級:中学校3年生程度
- 4級:中学校1~2年程度
- 5級:小6修了程度
- 6級:小5修了程度
- 7級:小4修了程度
- 8級:小3修了程度
- 9級:小2修了程度
- 10級:小1修了程度
ちなみに1級・準1級は、かなりマニアックなレベルです。「ミリメートル」を感じで書かせるような問題も!(ちなみに答えは「粍」です)
ですので、社会に出るまでに身につけたい漢字力の目安としては「2級」ということになりますね。
飛び級はもったいない!スモールステップが自信を生み出す
中学3年生が受験を考慮してこぞって取っておきたがる級と言えば、「3級」あるいは「準2級」です。細かいことは割愛しますが、これによって多少受験を有利に進めることができるためです。
そうした情報が広く知れ渡っているためか、「早くレベルの高い級をとった方がいい!」と考えるお子さん・保護者の方が多い用に感じます。
それがいけないことだとは思いませんが、お子さんの自己肯定感を高めたいのであればスモールステップを踏ませてあげることを強くおすすめします。
目安としては、学年相当級より2つ下くらいです。小4であれば、学年相当級が7級なので、9級くらい。
「え?そんな簡単な級、勉強しなくても受かってしまうんじゃ…?」そのとおりです。絶対に落ちない、だからこそ漢検の入り口として「自分にも受かれるものなんだ!」と自信を持ってもらうことに繋がるのです。
2回くらい立て続けに合格して、周りの大人に認めてもらえれば悪い気はしません。私の塾ではこの方法で最初は嫌がっていた子どもですら「次は○級受ける!」と宣言するようになるのが日常茶飯事です!
そうなればこっちのもの。自分自身が合格したいのですから、大人がうるさく言わなくても自発的にちゃんと勉強に取り組めるようになります。
絶対に言っちゃダメ!意欲を削ぐ呪いのコトバとは?!
「スモールステップを踏ませながら受けさせているのに、なんだか感じを好きになる気配がない…」こうしたケースが存在します。なぜでしょうか?
それは、パパママが子どもたちのやる気を失わせる「呪いの言葉」を使ってしまっているからかも?! 知らず知らずのうちにこんなフレーズ、使っていませんか?
そう感じてしまうお気持ちは分かります!でも、合格したのに悪い点ばかり指摘されて、果たしてやる気になるでしょうか?「よーし、次も頑張ろう!」と思える子はとても少ないのではないかと思います。
子どもたちが欲しい言葉は下のようなプラスの言葉。パパママの喜んでいる顔、認めてくれる言葉が心にやる気の火を灯します。
認めてあげる場を作りましょう!賞状は目立つところに飾る
漢検をオススメする大きな理由の1つに、「合格すると賞状がもらえる」という点があります。小学生の子どもたちにとって、普段の生活の中で賞状をもらう経験をすることは滅多にないのではないでしょうか。
それが勉強のこととなると尚更だと思います。子どもをやる気にさせるときに有効なのが「思い込み」。つまり、「私って漢字できるかも!」と思い込ませてあげることこそが近道なのです!
そこで活躍するのが、この賞状!簡単な級から受けていればほぼ間違いなく合格の賞状はもらえますので、ぜひそれを目立つところに飾ってあげましょう!
認めてもらえた嬉しさと自信で、漢字を好きになってくれる可能性がぐんと高まりますよ。
読書好きの子どもは勝手に伸びる!
これは、先生の仕事をしていると本当に痛感します。本を読む習慣があるだけで、読解力がつくことはもちろんのこと「漢字の読み」は勝手にできるようになっていきます!
読書をしていれば漢字は自然と読めるようになる
先ほどもお伝えしましたが、読書は「漢字の読み」を覚えるにはもってこいな方法です。さらに、漢字学習に欠かせない語彙力も同時に養うことができます。
しかも、机に向かういわゆる「お勉強」の感覚ではなく、楽しみながら自然と力が身につく点も非常に魅力的だと思いませんか?
読める漢字が増えると自信になる
漢検などのきっかけで、「漢字を勉強しよう!」とお子さんがやる気になってくれた姿をイメージしてみてください。いざテキストを開いて手を付け始めたその瞬間…。
- 出てくる漢字の「読み」も「書き」もできない…
- 「書き」はできないけれど、とりあえず読める!
上の2つのうち、どちらがお子さんのやる気をUPさせるかは明白ですね!「頑張ればイケるかも!」と思えるその自信を付けるためにも、読書習慣は大切にしたいものです。
読書好きの子どもは、パパママも読書好き!環境の中に「本」を取り入れるのがコツ
「読書の習慣が大切なのは分かっているけれど、うちの子は本に興味がない…」とお困りの方はいらっしゃいますか?子どもを読書好きにさせる3つの方法をご紹介します!
ちょっと耳の痛いお話かもしれませんが…まず、パパ・ママは普段本を読んでいますでしょうか?
子どもたちにとって、1番身近な「環境」は親です。パパママが普段から読書をする姿を見せているだけで、自然と子どもたちの興味は本に向いていきます。
言葉で伝えるより確実で効果のある方法ですので、「最近本読んでなかったなあ…」という方は、ぜひ本屋さんに足を運んでみてはいかがでしょうか?
お子さんがまだ小学校入学前、くらいのタイミングでしたら「読み聞かせ」のチャンスです!幼いうちから本が身近にあること、そしてそれが面白いものだということを伝えることができます。
好きこそものの上手なれ。親子のコミュニケーションの時間としても、読み聞かせを楽しんでみてくださいね。
「我が子には、読書好きになってもらいたい!」と願うパパママは多いのではないでしょうか。読書の重要性を理解しているからこその想いですよね。
そんな想いと裏腹に、本をたくさん買い与えてみたり、図書館に連れて行ったりするもののなかなか興味を示してくれない…。こんなことはないでしょうか?
ちょっとお家の中を見回してみてください。こんなモノはないでしょうか?
これらは、読書より手っ取り早く刺激を受けることができるものばかり。これらがあると、せっかく本を用意しても子どもたちの興味は別のところへ引っ張られてしまいがちです。
「本」を用意する前に、「本に興味が向きやすくなる環境」を整えてみてはいかがでしょうか。
漢字を使ったゲームで好奇心を刺激!興味は学習の入り口
「うちの子は漢字が大嫌いなんです。漢検なんてとてもとても…」。最後は、こんなケースを打開するために、漢字嫌いな子でも楽しめるゲームを。
用意するのは紙とペンだけ。どれも簡単に取り組めるものですので、どんどんお子さんの好奇心をくすぐってあげましょう!
魚編の漢字読めるかな?
魚編の漢字でクイズを出してみましょう!選ぶポイントは知っている魚の名前を多めに混ぜ込むこと。
例えば「鮭」「鮪」などです。答えを聞いてお子さんが「え~!こんな漢字なんだ!」と思わず声を上げてしまうような字をチョイスしてみると盛り上がりますよ!
生き物の漢字読めるかな?
今度は魚編ではなく、生き物全般からの出題。インターネットで「生き物 面白い漢字」などと検索するとすぐ見つかりますよ。一部をご紹介しますね。
- 河馬(カバ)
- 海星(ヒトデ)
- 海豚(イルカ)
- 海月(クラゲ)
漢字タイムアタック
ポイント形式で子どもたちも一層楽しめるゲームがこちら。やり方は以下のとおりです。
- お題を決める(「ショウ」「ケン」「コウ」など)
- お題で決めた読み方をする漢字1字を、制限時間以内にできるだけたくさん書く(時間は2分ほど)
- タイムアップになったら答え合わせ
- 漢字1つにつき、1ポイントで点数を競いましょう
楽しみながら「同音異義語」のお勉強になりますね!
漢字を好きにさせる、自信を持たせることが漢字学習の近道!
いかがだったでしょうか。今回ご紹介した方法以外にも、漢字の覚え方には様々な方法があります。
絶対にこの方法が正しい!と言い切れるものではありません。しかし、漢字を「好きになってもらう」「自分にもできるという自信をつけさせる」ことを意識すると上手くいく可能性大です!
上手なアプローチでお子さんの能力を引き出してあげましょう!