タバコを家庭からなくそう!喫煙が赤ちゃんや幼児に及ぼす影響と危険性

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2017/05/17

妊娠中に害があるのは知っているけれど、赤ちゃんが生まれたあとならタバコを吸ってもいいでしょ?と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかしちょっと待ってください!子供が生まれたからといって、タバコによる害が終わるわけではありません。

ここでは、「母乳への影響」「乳幼児に与える健康被害」「誤飲事故」の視点から、タバコの危険性について考えていきたいと思います。

母乳への影響・・・分泌量と質の低下につながる

たばこの有害物質は、母乳の量と質の低下を引き起こします。ニコチンは母乳の分泌を促すホルモンである「プロラクチン」の分泌を妨げます。

まずは母乳ができる仕組みを少し説明しましょう。赤ちゃんによって乳首が吸われると、ママの脳に刺激が伝わって「プロラクチン」というホルモンが分泌されます。

このプロラクチンが母乳を作り出す作用をし、赤ちゃんの欲しい量に合わせて母乳が作られるように調整しているのです。

しかし、一日あたりの喫煙本数が多いほど、プロラクチンの分泌が妨げられ、母乳の量が減ってしまうことがわかっています。

また、母乳は血液から作られます。プロラクチンによって刺激をうけると、血液が乳房に集まり乳腺で母乳が作られます。血液中の成分は母乳に溶け込むのです。

そのため、授乳中のママが喫煙すると血液中のニコチンが母乳に移行してしまいます。そして、ニコチン濃度の濃い母乳を飲んだ赤ちゃんには、嘔吐や下痢、夜泣きなどの症状が現れやすいといわれています。

ミルクに切り替えれば対応できるの?

しかし、喫煙により母乳の質が悪くなるからといって、簡単にミルクに切り替えれば済むという問題ではありません。

母乳育児は、母子のスキンシップの時間を増やして絆を深めるほか、産後の回復を促す、赤ちゃんの免疫力を高めるなど、喫煙の害と比較してもメリットの方が大きいのです。

たばこのために母乳を諦めるのではなく、母乳を与えるために、「禁煙をする」「たばこの本数を減らす」という決意を固めていきましょう。

ここまで、たばこと母乳の関係について調べてきたところ、ママ自身が喫煙者の場合の研究データは見つかりましたが、受動喫煙による影響について立証している文献は見つかりませんでした。

しかし、受動喫煙でも有害物質が体内に流れ込むことがわかっています。パパだけが喫煙者の場合でも同じような害が起こりうることとして考えてくださいね。

乳幼児への影響・・・受動喫煙が子供にもたらす様々な病気

タバコの煙は、鼻・耳・喉などでウイルスや菌の侵入を防ぐ働きを低下させてしまうため、気管支や肺、耳、喉に炎症が起きやすくなると考えられています。

毎日のようにタバコの受動喫煙にさらされた幼児には、次のような病気を発症しやすい傾向があります。

  • 呼吸器疾患(気管支喘息、気管支炎)
  • 肺炎
  • 中耳炎
  • 扁桃腺やアデノイドの肥大
  • 低身長
  • 知能低下(数学、読解力の低下)
  • 小児自閉症
  • 注意欠陥多動障害

また成人後の体型への影響も懸念されており、受動喫煙が、低身長や肥満、糖尿病などに関連があることがわかってきています。

大人でさえも、悪影響を受けてしまうタバコの有害物質です。呼吸器などの発達が未熟な子供に日常的に煙を浴びせてしまえば、考えられる害が大きくなることは明らかです。

また、親がタバコを吸う家庭で育った子供ほど、将来的に喫煙者になる可能性が高くなることがわかっています。

パパやママがタバコを吸うのを見て育つことで、無意識でも「大きくなったら自分も煙草を吸うんだ」と思ってしまうのでしょう。

可愛い我が子には、一生涯、元気で活躍してほしいものです。そのためにも、煙草の害についての知識を身につけ、子供にもきちんと説明ができる親になることを目指しませんか。

誤飲事故・・・煙草の誤飲は命を落とす危険も

タバコは、乳幼児の誤飲事故の原因第1位です。未使用の煙草やライター、吸い殻などは、赤ちゃんが口に入れてしまいがちなのです。

さらに怖いのはニコチンの毒性です。煙草1本には10~20㎎のニコチンが含まれています。体重1㎏あたりのニコチンの致死量は1㎎です。

体重が10㎏の子が、煙草1本を飲み込んでしまうと、命の危険があるということなのです。

また、水に溶けたニコチンは、体内への吸収率が高くなります。空き缶などに水を入れ、吸い殻入れにしていると、子供が間違えて中の水を飲んでしまう可能性があります。

吸い殻が浸った水を飲むことは、煙草そのものを飲み込むよりも危険が高く、すぐに胃洗浄などの処置が必要になるほどです。

赤ちゃんは、どんどん行動範囲が広がります。ハイハイやつかまり立ちが始まり、すぐに高いところに手が届くようになります。誤飲事故を防ぐためにも、家庭にタバコがある生活を見直してみませんか。

赤ちゃんや子供が危険に晒される!「受動喫煙」「三次喫煙」の害とは

受動喫煙の影響も見過ごすわけにはいきません。

受動喫煙によって子供に起こりうる疾患

そもそも、タバコの代表成分であるニコチンには血管収縮作用があり、一酸化炭素によるヘモグロビンの酸素運搬能力の低下も手伝って、胎児に充分に酸素や栄養を運べなくなります。

子宮と胎盤の血流が減少すれば当然胎児は低酸素状態になり、発育に障害が出てきます。

また、ニコチンには先に述べたように神経毒性もありますので、胎児の脳の発達への懸念もあります。

厚生労働省のe‐ヘルスネットというサイトでは、受動喫煙の子どもの影響について以下のリスクがあると注意喚起しています。

  • 呼吸器症状(咳・痰や気管支炎)
  • 肺の発達の遅れ
  • 乳児突然死症候群(SIDS)
  • 急性呼吸器感染症
  • 耳疾患(中耳炎など)
  • より頻回でより重症度の高い喘息発作

喫煙者自身に癌・循環器疾患・呼吸器疾患などの健康被害が引き起こされるのはもちろんのこと、その影響は周囲の人間にまで及びます。

受動喫煙が終わった後も注意!三次喫煙の影響

受動喫煙(二次喫煙)の害については最近よく知られるようになりましたが、三次喫煙という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?

「三次喫煙」とは、ダナ・ファーバー癌研究所によって作り出された新語で、受動喫煙が終わった後も表面上にまだ残る有害物質を吸入することを指します。

これはもう感覚でわかると思いますが、タバコは吸っている間だけではなく、その煙、果ては吸い終わった後の空間にまで影響を与え続けるということです。

例えば、タバコを吸った車や部屋の内部に残留したニコチンは、大気中の亜硝酸と反応してニトロソアミン(発がん性物質)となります。

長期間喫煙されていた車内を拭いた繊維質は一般家庭の4~12倍の濃度の亜硝酸レベルで、拭かなくても喫煙後三日間放置した繊維質も同じような結果となりました。

研究者によると、どんなに確実に換気をして喫煙しても、その空間では三次喫煙による有害物質の堆積を排除できませんでした。

研究ではポロニウム210を含む11の発がん性物質が見つかったそうですが、まだまだ研究段階なので危害の実際の大きさは明言されていません。

つまり、換気扇の下で吸おうが窓を開けてタバコを吸おうが、三次喫煙のリスクは完全には排除できないのです。

壁についたタバコのヤニや、ソファーに染みついた臭いはどんなに拭いてもなかなか落ちませんが、赤ちゃんといえば床を這う・手当たり次第いろいろなものに触る・なめる…想像するだけでも怖いです。

可愛い我が子の為にも禁煙に積極的になりましょう。

代表的なタバコ1箱20本入で440円(2016年4月時点)ですので、1日1箱ですと1年で16万600円になりますから、これから子供にかかる費用を考えると、家計にも響いてきます。節約という面からもぜひすぐに禁煙を始めてみてください。

すぐに手を打とう!子供との生活に煙草はいらない

我が子が病気で苦しい思いをするかもしれないと思えば、少しづつ夫のタバコに対する意識も変わってくるはず!

様々なデータや体験談を用いて、自身や夫の禁煙意欲を高めていきましょう。

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