悪露はいつまで?正常な量や状態は?受診が必要なケースを知ろう!

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2018/03/20

悪露について考えているママ

大きなお腹で妊娠期間を乗り越え、出産という大仕事を終えたママ。お疲れ様、と言いたいところだけど、実は出産後にもママの体には後陣痛や傷の痛みなど、大変なことがたくさん!

悪露のわずらわしさもそのひとつかもしれません。ですが、実は悪露は産後の体の回復を測る貴重なバロメーターなのです。

悪露を知ることは、体の状態を知ること。悪露に関する基礎知識と共に、正常な悪露とはどのようなものなのか、どんな場合に病院を受診すべきなのかについてお伝えします。

悪露とは、出産後の産褥期に排出される分泌物のこと

悪露とは、出産後の産褥期に排出される分泌物のことです。子宮内に残った胎盤や子宮内膜、卵膜などの組織と血液が混ざっており、生理の出血に似ています。経腟分娩、帝王切開のどちらにも悪露はあります。

出産後、子宮は妊娠前の状態に戻ろうと収縮します。これを「子宮復古」と言います。

子宮復古によって、不要な組織が悪露として外に押し出されるだけでなく、出産による子宮内の出血を止血する働きもあります。子宮復古は、子宮の回復に欠かせない機能なのです。

悪露が順調に出ているということは、子宮復古も順調に進んでいるということ。悪露は、子宮復古が正常に機能しているかを測る大事なものなのです。

悪露はいつからいつまで続く?量や状態も確認!

一般的には、悪露は産後1か月ほどで収まると言われています。しかし悪露の期間や量には個人差があり、1か月より早く終わる人もいれば、2か月以上続く人もいます。

第一子と第二子以降で期間や量が違ったという人もいるようです。

一般的な悪露の量や状態を、時期ごとにご説明します。

産後2~3日目
出産してから数日間は出血が多く、まだ子宮口が開いていることもあり、多量の悪露が出ます。血液を多く含むため鮮血のような色で、血生臭い、鉄のような匂いがします。
産後1週目
1週間経つと子宮口が閉じてきて、悪露の量は落ち着いてきます。悪露専用の産褥パッドを、生理用ナプキンに切り替える人も出てきます。

鮮血のようだった色はこの頃には茶褐色に変化しますが、匂いは変わらず血生臭い、鉄のような匂いです。

子宮内に残っていた胎盤や卵膜、子宮内膜などがレバーのような塊になって排出されることがあります。肌色の塊が出ることもありますが、それは羊膜(赤ちゃんを包んでいた膜)だそうです。

産後2~3週目
子宮内膜の再生が進み、出血が収まってきます。この頃には悪露の量はかなり減り、中にはほとんど出ないという人もいます。

色は茶褐色からクリーム色のような、淡い黄色に変化し、匂いも弱くなります。

産後4週目
悪露は白っぽく無臭になり、ほとんど出なくなります。1か月検診で子宮の回復状態をチェックし、必要であれば子宮の収縮剤が処方されることもあります。
産後5週目
多くの人が悪露の終了を迎えます。産後5週間を過ぎても悪露の量が多く、匂いや色がある場合には病院を受診した方が良いでしょう。

悪露が出る時期に使うアイテム

産院で渡される入院準備グッズリストには、悪露に関係するものがたくさんあります。でも出産前は一体どう使うのかあまり想像がつきませんよね。

「〇〇で代用しちゃダメなの?」と思うアイテムもあると思いますので、その点についてもご説明します。

「産褥パッド」悪露専用で吸収力で安心!

産褥パッドとは、生理用ナプキンを悪露用に大きく、分厚くしたようなものです。産後すぐは大量の悪露が出るので、生理用ナプキンより悪露専用のものがおすすめです。

産褥パッドにはS、M、Lとサイズがあるものが多く、産後すぐはLサイズを使用します。その後悪露の量に合わせてM、Sとサイズダウンしていきます。Sサイズは生理用ナプキンの夜用とあまり変わりのない大きさです。

「生理用ナプキン」は量が少なくなってから!
産褥パッドは生理用ナプキンに比べて面積が広く厚みもあり、吸収力が段違いに高いです。

産後すぐは悪露の量が生理の出血に比べて非常に多いことや、産後のダメージで尿漏れが続くこともあるため、生理用ナプキンでは吸収力が足りない場合があります。

とは言え産褥パッドは余っても使い道がないので、産院でいつでも買い足せる場合には、最小限の数だけ買うようするのが良いでしょう。

「生理用ナプキン」特に多い日用から量に合わせてサイズを下げていって

悪露の量が減ってきたら、生理用ナプキン(特に多い日の夜用)に移行しましょう。その後、悪露の量に合わせて、夜用、多い日の昼用…とナプキンの仕様を変えていきます。

「産褥ショーツ」背中側までの防水加工と股部分の開閉がしやすい点が特徴

産褥ショーツは生理用ショーツに似ていますが、その違いは「背中側まで防水加工がされている」「マジックテープやスナップボタンで、股の部分が開閉できる」という点です。

「生理用ショーツ」で代用可能!ただし産後の母体の状況にもよる
産褥ショーツは産後数日しか使わない割に安くはないので、できれば用意したくないという人も多いと思います。

産後普通に動くことができ、自分で身の回りのことができる場合は、生理用ショーツで代用できます。産褥パッドがかなり大きいので、普段穿いているものよりひと回り大きいサイズが良いでしょう。

ただし、帝王切開の痛みで動けなかったり、経膣分娩でも産後の体調によっては自分で産褥パッドの交換ができないこともあります。こればかりは産前に予想することができません。

その場合はベッドに寝たまま看護師さんに交換してもらうことになるので、股部分が開閉できる産褥ショーツでないとかなり不便でしょう。

また、入院中には会陰の傷や悪露の診察があります。産褥ショーツなら、横たわったまま下着を脱ぐことなく診察を受けられます。

以上のことから、産褥ショーツは帝王切開なら必須、経腟分娩でもできれば用意しておいた方が良いと言えるでしょう。

「清浄綿」陰部を清潔に!

清浄綿は、排尿・排便の後に陰部を拭くのに使います。

産後は悪露で陰部が汚れるので、乾いたトイレットペーパーではなかなか綺麗に拭き取ることができません。またトイレットペーパーで何度もこするように拭いてしまうと、外陰部の傷に刺激を与えてしまいます。

清浄綿は水気を染み込ませてあるので、拭き取りがしやすいです。また個包装になっているので衛生的で、消毒効果もあり、陰部を清潔にしてくれます。

ウォシュレットを使用する場合は清浄綿での拭き上げは必要ないと指導する産院もあります。

ウォシュレットのビデ機能

排尿・排便の後に陰部を清潔にするのに使います。清浄綿と同じく、トイレットペーパーでは綺麗にならない汚れを、こすることなく落としてくれます。

ウォシュレットが産院や家のトイレにない場合は、携帯用ウォシュレットを用意すると良いかもしれません。手動のものや、電池で動くものがあります。

個人的には、ウォシュレットは産後「あって良かった!」と思ったアイテムベスト3に入ります。衛生面はもちろんですが、出産で傷付いた陰部を拭くのが痛そうですっっごく怖かったからです(笑)

子宮復古不全などの子宮の異常の可能性も!悪露にまつわる不安なケース

通常、子宮は産後約6週間で妊娠前の大きさにまで収縮します。これが遅れてしまっている状態を「子宮復古不全」と言います。

またそれ以外にも、産褥期には膣炎や細菌による感染症など、適切な治療が必要な症状が現れることがあります。

悪露は子宮復古不全を始めとするこれらの不調を発見する手掛かりとなるので、よく観察しましょう。以下のような場合には、病院の診察を受けてください。

悪露の量が増えた…

一度は収まっていた悪露の量が増えることがあります。悪露は増えたり減ったりを繰り返すものですが、動き過ぎが原因で増えることが多いそうです。

なるべく体を休め、量がまた少なくなっていくようなら心配は要りません。ただし、長く続く場合や他の症状も同時に出ている場合には、医師に相談してください。

産後2週以降も赤い色の悪露が出る

産後2週間が過ぎても、鮮血のような赤い色の悪露が出る場合、出産時の傷の治癒が順調でなかったり、子宮復古不全の可能性があります。

悪露なのか生理なのか区別がつかない…

悪露の量が増えたり、赤色の悪露が続いたりすると、「これは悪露なの?生理なの?」と戸惑う方も多いようです。

早い方だと産後1か月半ほどで生理が再開することもあるそうです。また母乳による授乳を行わない場合、2か月ほどで再開しますので、悪露の時期と生理の再開が重なる可能性もゼロではありません。

悪露と生理の出血は似ているので、見た目ではなかなか判断しづらいと思いますが、生理であれば1週間ほどで出血が収まるはずです。それ以上続く場合には、受診をおすすめします。

1か月以上続いている

産後1か月を過ぎても悪露の量が減らない場合、子宮内の残留物の排出が滞っている可能性があります。剥がれた胎盤や子宮内膜が子宮の壁に張り付いて収縮を妨げ、子宮復古不全を起こしているかもしれません。

悪露の終了時期には個人差があるので、1か月以上続くからと言って必ずしも異常とは限りません。特に帝王切開の場合、経腟分娩よりも悪露が長く続くケースが多く、終了まで2か月ほどかかるそうです。

しかしその場合でも、1か月を過ぎると茶色やベージュ色の少量の悪露に変化するはずです。量も色も変わらない、という時には異常を疑ってください。

下腹部痛がある

産後の後陣痛は、通常産後数日で引いていきます。それ以降も子宮復古による痛みが続く場合がありますが、長くても1か月ほどです。

1か月を過ぎても下腹部に生理の時のような重い痛み、後陣痛と同じような痛みがある場合には、子宮の異常や感染症の可能性があります。

塊が出た

卵膜や子宮内膜がレバー状になって排出されることがあります。2~3cm程度の大きさなら心配はないでしょう。こすってみて消えるようなら、ただの血の塊です。

10cm程の大きさだったり、下腹部に痛みがあるようなら病院に行きましょう。

発熱があり、悪露から悪臭がする

もともと悪露には匂いがありますが、それが強く、また発熱を伴っている場合には、膣炎や細菌感染による産褥熱の可能性があります。

生理の時のような臭いなら大丈夫ですが、酸っぱい臭いや腐敗臭がした時には注意が必要です。

外陰部が痒い!

悪露や尿漏れが原因で肌がかぶれ、痒みを伴うことがあります。産後は肌が敏感になっていることに加えて、産褥パッドやナプキンを1か月以上着けっぱなし。ムレやこすれで痒くなってしまうのです。

こまめにウォシュレットや清浄綿を使用し、産褥パッドやナプキンを交換して陰部を清潔に保ちましょう。通気性の良いナプキンや下着を選ぶことも重要です。それでも改善しないようなら、産婦人科に相談してください。

また産後は疲労により抵抗力が落ちており、膣ガンジダに感染してしまうことも。その場合は強い痒みと共に、ポロポロした白っぽいおりものが出るはずです。早めに産婦人科を受診しましょう。

悪露の量が少ない、悪露が出ない

悪露の量が通常より少なかったり、全く出ないということがあります。

まれに、出産時に胎盤や卵膜を全て排出し、悪露がほとんど出ないという人もいます。でも、そのような人はごくごく少数です。

多くは子宮内の残留物が子宮復古を妨げていることが原因だと考えられます。もし下腹部痛など他の症状を伴うようなら、産婦人科を受診しましょう。

悪露の状態で、自分の体を知ろう!

悪露は子宮の回復の様子を知るためにとても重要なものです。

出産の疲れも癒えない内から授乳やおむつ替え、抱っこに寝かしつけと赤ちゃんのお世話に追われ、自分の体調にまで気が回らないママも多いはず。

悪露はそんな時でも、体の状態を目で見て分かることのできる目安になります。

産後は自分のことをおろそかにしてしまいがちですが、悪露をよく観察して自分の体のことを知り、いたわってあげてくださね。
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