モンテッソーリ教育とは?子供の能力を刺激し発達を促す教育法

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2017/09/04

世界地図のパズルを集中して行っている子供

モンテッソーリ教育とは、20世紀の始めごろ、イタリア人医師マリア・モンテッソーリによって研究、開発された教育法です。

2017年、将棋歴代最多連勝記録を打ち立てて話題になった、藤井聡太さんもモンテッソーリ教育を受けた経験者です。

それまでの幼児教育には無かった斬新な手法が支持されて、欧米を中心に世界中での幼稚園、保育園でカリキュラムに取り入れられています。

子供の知能の発達に効果的だと言われる、モンテッソーリ教育。どのような方法で子供たちを育んでいくのか、解説します。

子供を見守る事から生まれた教育法

モンテッソーリ教育が生まれた経緯は、子供の動き、表情、仕種、感情表現などを注意深く「観察」したことに始まります。

開発者であるモンテッソーリは、夢中になっておもちゃで遊ぶ子供の集中力、真剣さに注目しました。

自分の好きな事をしているとき、自分から物事に取り組んでいる時に、子供の能力が刺激され、発達していくと考えたのです。

子供は自分で成長、発達していく力を持っていています。それを促すためには子供の持っている自発性を伸ばすことが不可欠。

子供たちの行動を見守り続けることから生まれた理論です。そこには、子供の自由意思を尊重する姿勢が貫かれています。

興味を持つ時期が発達の最適期

開発者は、子供の行動を注意深く観察した結果、興味を持つ対象が次々に変わっていくことを突き止めました。

月齢、年齢にごとに、ある事物に興味が強くなるのを「敏感期」と呼びます。敏感期に興味の対象へ積極的に働きかけることで、脳の発達を促します。

敏感期にはいくつか種類があります.

  • 運動の敏感期…0~3歳頃
  • 感覚の敏感期…0~3歳頃
  • 会話の敏感期…胎児期~3歳頃
  • 文字の敏感期…3歳半~5歳半頃
  • 数字の敏感期…4~5歳頃

敏感期には、それまで見向きしなかった物への関心が増します。興味が深くなる時期を逃さない事で、自ら考え自ら動く子供へと成長していくのです。

大人はサポート役に徹する

子供の自発性を大切にするために、通常の教育機関で行われる、一斉教育を否定しています。

みんなで同じ教材、同じ内容の学習をするのではなく、一人ひとりが違う道具を使って自分のしたいことをします。

この独特の教材、「教具」を使った作業時間のことを、子供の家と呼ばれる教育施設では、「お仕事」と位置付けています。

お仕事をする時、大人は先生として接するのではなく、「補助者」に徹します。教えるのではなく、支えるのです。

これにより、更に子供の興味や関心が伸びて、自律した社会貢献の出来る人物になります。これこそがモンテッソーリの目指した事なのです。

発達を促す数々の教具

教育施設で使われる教具は、敏感期に感覚刺激を与えることを目的としています。様々な種類の素材を用いています。

モンテッソーリとその研究チームによって、複数の用具が開発され、今の教育施設へと引き継がれました。

また、落としたら割れるガラスや陶器など本物の素材を用いることも大切にしています。

本物の質感を覚えることと、丁寧に扱うことを学ばせるためです。感覚を最適な時期に刺激するために、考え抜かれたツールです。

モンテッソーリ教育の5分野

自発性を養うことと、感覚の自然な発達を促していくことを目的として、教育法は5分野に分けられています。

この5つのテーマに合わせて、適切な教具を選び、使い方を補助します。それぞれの分野と、使用されている教具を紹介します。

日常生活の練習

掃除、洗濯、料理、縫い物など大人の動作を真似させることで、日常生活に必要な所作を覚えていきます。

大人のする「お仕事」を自分ですることによって、日々誰かに依存して生きるのではなく、自分主体で行動するようになります。

教具には、掃除や料理の道具を子供の手に取りやすいサイズにしたものが用いられます。

アイロンや包丁なども、小さいだけで本物です。本物を扱うことで、作業の丁寧さ、慎重さを養っていきます。

またこれらの教具は、常に清潔にされています。それは使う子が自分で汚れに気付き、自分からから「きれいにしないと」と思わせるためです。

感覚教育

感覚教育は、モンテッソーリ教育で最も重要とされる、敏感期の刺激のために強い意義を持っています。

子供は、3歳から6歳の間に目、耳、鼻、舌、手触りの五感が急激に発達していきます。感覚教育では、教具を使いこれらの感覚器を刺激していきます。

使用される教具です。

  • 大きさの違う立方体を積み上げるピンクタワー
  • 大きさ、太さが順に変わっていく円柱さし
  • 音色や音階の違う音感ベル
  • 様々な手触りの触覚板
大きさや形、音階等が少しずつ変わっていくので、そのわずかな違いを見つけようと、感覚は敏感になっていきます。

繰り返し教具に触れる事によって、敏感期に必要な刺激を獲得します。そして、子供の知能も自然に発達していきます。

言語教育

言葉を覚えていくために、まず物の名前を覚え、次にそれを表す形容詞を覚、更に関係を洗わず動詞を学んでいきます。

言葉の働きは、感覚教育の延長から学びます。教具を使っているとき、「重い」「大きい」「明るい」などの言葉の意味を、感覚で学んでいきます。

言語教育に使われる教具

  • メンタルインセンツ…幾何学形をなぞることによって鉛筆の使い方を覚える
  • 砂文字盤…砂で文字の書かれた板を触ることで文字の形を感覚で学ぶ
教具を自分で選んで使うことと、教具を使ったゲームを体験することで、言葉の関係性とその使い方を身に付けるのです。

これはコミュニケーションの訓練にもなります。教具は必ず1セットしか用意されていません。取り合いになったときなどに、相手と交渉する力を付けるためです。

算数教育

数の概念を学ぶためには、実際にどれだけの量があるのか、という数量の感覚から覚えていきます。

次にいち、に、ひとつ、ふたつと言う数量を表す数詞を覚え、最後に数を抽象的に表す数字を使い始めます。

具体的な数の概念を身に付けることをまず目的とし、それから数字を用いた抽象的思考を養っていきます。

金ビーズ
どれだけの数、どれだけの量、どれだけの重さなど、数の具体的な特徴を掴むための教具です。

10、100、1000などのセットに組むことで、十進法を学びます。また直接手で触れて、重さや量を感じることで、数の持っている具体性を覚えます。

具体的な数の意味を覚えたら、次にそれを使った抽象的な思考遊びをはじめます。

  • 銀行遊び
  • 切手遊び

などのゲームを通して、日常的な数の使用とその意味が、子供の生活にも浸透していくのです。

文化教育

幅広い知識教養を身につけることを目的に、生物、地理、歴史、音楽、道徳などの教示が行われます。

文化教育で使われる教具です。

  • 太陽系の惑星の模型
  • 日本地図パズル
  • 世界地図パズル
  • 動物や植物の絵カード

ここでも、具体的な対象に触れる事によって感覚器を刺激することを目的としています。

文化的テーマの敏感期に、パズルやカードを通して自ら情報を得るスキルを研きます。そのために、自然に興味を引く工夫がされています。

指導者に求められる技能

教育の現場で使用される教具は、複雑で多様です。援助者には、その全ての使い方を覚えて、適切にサポートする力が求められます。

もうひとつ必要とされているのスキルが、教具を使っている子供をじっと観察する力です。

教具の使い方は一つひとつ異なります。援助者は、子供が自分の力で教具の使い方を覚えられるよう、手だしせずに見守ります。

でもただ見ているだけではありません。使い方が分からずに困っている子供がいたら、援助の手を差しのべなくてはなりません。

しかも、困りながらも自力で解決しようとしていることも、見抜かなくてはいけません。あくまで自発性を重んじるのです。

▼モンテッソーリ教育のデメリットについてはコチラも参考にしてみて!

子供の自発性に注目して知性を伸ばす

モンテッソーリ教育では、子供を自律した、自分の力で社会に貢献し、常に学び続ける人間に育てることを目的としてきました。

その手法として、興味の敏感期に注目し、発達の最適な時期に大人がそれをサポートするスタンスが採られています。

子供の好きなことをとにかくやらせる。その中で、生活スキルや社会性も身に付いていくという考えです。

モンテッソーリ教育のメリットは子供の知能を自然に伸ばしていく事です。お子さんの生きていく力に着目した教育なのです。

▼シュタイナー教育についてはコチラも参考にしてみて!

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