赤ちゃんのうつ伏せ寝など乳幼児突然死症候群の原因と予防策
みなさんは乳幼児突然死症候群という病気をご存じですか。赤ちゃんを襲う突然の恐ろしい病気です。
赤ちゃんを乳幼児突然死症候群で喪った家族のためのNPO法人「SIDS家族の会」もあります。その悲しみは想像に難くありません。
NPO法人「SIDS家族の会」
http://www.sids.gr.jp/preciousfmly.html
そんな危険な病気から大切な赤ちゃんを守るために、私たちができることはなんでしょうか。原因や対策について詳しく調べてみました。
この記事の目次
乳幼児突然死症候群って?赤ちゃんを守るために病気について知ろう
乳幼児突然死症候群とは、いったいどんな病気なのでしょうか。その実態について詳しく調べてみました。
乳幼児突然死症候群「SIDS」という病気と、日本での発症の現状
乳幼児突然死症候群は、健康には特に何の問題もなく元気そうに見えた赤ちゃんが、眠っている間に突然亡くなってしまう病気です。
英語ではSudden Infant Death Syndrome(Suddenは突然、Infantは乳幼児)といいます。その頭文字をとって、「SIDS」(シッズ)とも呼ばれています。
事故や急な病気・窒息とは違い、眠っている間に静かに亡くなってしまいます。何気ない日常のねんねの時間に突然我が子を喪ってしまう、とても恐ろしい病気です。
日本では6000人から7000人の赤ちゃんに1人の割合で発症するとされています。平成23年には148人もの赤ちゃんが命を落としました。
日本での発症頻度はおよそ出生6,000~7,000人に1人と推定され、生後2ヵ月から6ヵ月に多いとされています。発症は年々減少傾向にありますが、平成23年には全国で148人の赤ちゃんがこの病気で亡くなっています。
現在は少し発症数が減っているとされていますが、それでも年間に100人以上の赤ちゃんがこの病気で亡くなっています。
乳幼児突然死症候群の原因…解明されていない直接の原因
乳幼児突然死症候群は、実は原因が特定されていません。何か原因があって発症していると考えられているにもかかわらず、病理学的に原因がわからないままなのです。
現在、乳幼児突然死症候群で亡くなったとみられる赤ちゃんは解剖を受けて診断される必要があります。
窒息や病気といったほかの原因がなかった場合、乳幼児突然死症候群と診断されます。今後、はっきりとした原因が究明されることが待たれています。
乳幼児突然死症候群が起きやすい条件!チェックしておきたい点
乳幼児突然死症候群は、起きやすいといわれている条件があります。原因はわかりませんが、これまでの症例から導き出されたデータから発症が多くなる条件がいくつかわかっています。
乳幼児突然死症候群が起きやすい条件
- 生後2ヶ月から6ヶ月の赤ちゃん
- 男の子
- 人工栄養(粉ミルク)のみで育っている赤ちゃん
- 早産の赤ちゃん
- 低出生体重の赤ちゃん
- 冬
- 早朝から午前中にかけて
この条件にある赤ちゃんにだけ特に多く発生するというわけではありませんが、比較的起きやすいとされています。
SIDSは生後1年未満の赤ちゃん、特に生後2ヶ月から6ヶ月までに起きやすいといわれています。生後半年までの発症が全体の8割を占めています。
しかし1歳以上の赤ちゃんにも起きるケースもあります。実際にニュースになったケースの子どもの発症例を見ると、もうすぐ2歳というタイミングでの発症もあります。
女の子と比較すると、男の子の方が発症数が多いようです。また早産の赤ちゃんや低体重で生まれた赤ちゃんにも発症しやすい傾向があるようです。
乳幼児突然死症候群のリスクを高めるといわれるいろいろな要因
乳幼児突然死症候群は原因がわからない病気ですが、リスクを高めるとされる要因がいくつかあります。チェックしてみましょう。
1.うつぶせ寝…うつぶせ寝は窒息以外にも危険が潜んでいる
うつぶせ寝させると、仰向けに寝かせたときよりも乳幼児突然死症候群の発症リスクが高くなるとされています。
うつぶせ寝が直接的な原因になるわけではないのですが、統計上多く発症しているといわれています。最近では「うつぶせ寝はやめましょう」と小児科などに掲示してありますよね。
赤ちゃんはうつぶせ寝にすると安心してよく眠ります。そのため、昔は一時うつぶせ寝が推奨されたこともありました。
現在では乳幼児突然死症候群を防ぐために、うつぶせ寝をさせないように推奨されています。特に寝返りができない時期の赤ちゃんをうつぶせ寝させることは危険です。
一説では、うつぶせ寝にさせると赤ちゃんが深く眠りすぎてしまうことがかかわっているといわれています。
赤ちゃんは器官や機能が未発達な状態です。なかでも呼吸にかかわる機能の発達が未熟な赤ちゃんの場合、ぐっすり眠りすぎることで目覚めにくくなり発症するという説です。
呼吸中枢が未発達な赤ちゃんが突然無呼吸状態を起こした時も、うつぶせ寝の方が仰向け寝より回復が遅れるという説もあります。
とはいえ、なぜうつぶせ寝が乳幼児突然死症候群の発症率を高めているのかはまだよくわかっていません。
うつぶせ寝は突然死の危険があるだけでなく、寝返りが上手に打てない時期の赤ちゃんの窒息事故にもつながります。
できるだけ赤ちゃんは仰向けに寝かせて、すぐにママが顔色や呼吸などが確認できる状態にしておきましょう。
2.タバコ…パパやママ、家族や周囲の人の喫煙がリスクを高める
赤ちゃんの周りで喫煙することが乳幼児突然死症候群のリスクを高めていることもよく知られています。
両親が喫煙者の場合、乳幼児突然死症候群の発症リスクはなんと4.7倍にも高まるといわれています。
平成9年度研究では、両親が喫煙する場合、両親が喫煙しない場合の約4.7倍SIDSの発症率が高いと報告されています。
特に妊娠中のママの喫煙は絶対にやめましょう。お腹の赤ちゃんの呼吸中枢の発達に重大な影響を及ぼす危険があります。
生まれた赤ちゃんの呼吸中枢の発達が未熟だと、乳幼児突然死症候群が起きるリスクが高くなると考えられます。
また赤ちゃんの体重が増えにくくなるというリスクもあります。喫煙は赤ちゃんにとって百害あって一利なしです。
私が出産した大学病院にはいろいろなハイリスク妊婦さんが入院していましたが、ヘビースモーカーのママが7ヶ月で緊急出産のため救急搬送されてきたことがありました。
明らかに喫煙が原因で赤ちゃんに重大な危険が生じたため、緊急手術で出産するとのことでした。実際にこういったケースがあるということをよく理解しておきたいですね。
喫煙が危険視されるのは両親だけではありません。同居している家族をはじめ、赤ちゃんや妊婦さんの周りの人は喫煙を遠慮しましょう。
最近は禁煙のお店も増えていますし、街中での喫煙が禁じられている場所も増えています。みんなで赤ちゃんの安全を守りたいですね。
3.素肌の触れ合いがない育児…授乳時間をおろそかにしないで
母乳で育てられている赤ちゃんと、粉ミルクのみで育てられている赤ちゃんを比較すると、母乳育児の赤ちゃんの方が乳幼児突然死症候群の発症が少ないといわれています。
粉ミルクを飲ませることが乳幼児突然死症候群の発症を高めているわけではなく、おっぱいに触れて母乳を吸うことが何らかのよい影響をもたらしていると考えられます。
母乳育児が良いといっても、母乳のみにこだわる必要はありません。どうしても母乳が足りない場合は粉ミルクをプラスしてもちろん大丈夫です。
「出が悪いから」と言って早々と断乳してしまうのではなく、赤ちゃんと素肌の触れ合いの時間を持つためにも授乳時間はある程度母乳を吸わせるようにしたいですね。
赤ちゃんとママが密接な触れ合いをすることは、乳幼児突然死症候群を防止するためにも推奨されています。粉ミルクを利用する場合は、スキンシップをしっかり取りたいですね。
4.着せすぎ・温めすぎ…暑すぎると呼吸が抑えられてしまうことも
赤ちゃんに服を着せすぎたり、布団をかけすぎて温めすぎることは乳幼児突然死症候群のリスクを高めるとされています。
寝ている間に温めすぎることで、赤ちゃんが呼吸を抑制するきっかけになってしまうと考えられているからです。
乳幼児突然死症候群は、冬の早朝から午前中にかけて発症しやすいとされています。夏に比べ2倍も発症率が高いという説もあります。
冬の早朝から午前中にかけては、寒いのでもっとも着せすぎ・布団をかけすぎてしまう時間帯ですよね。
眠っている間に体温がこもってしまうことは、赤ちゃんにとって危険です。寒いと赤ちゃんは覚醒しやすいのですが、温めすぎると覚醒しにくくなるといわれています。
もともと赤ちゃんは暑がりなことが多いのですが、冬場は気温が低いため必要以上に温めてしまうことも少なくありません。
祖父母世代と同居していると「風邪をひかせる!」と注意されて着せこみすぎたり、布団をかけすぎてしまうこともあります。
そんな時は、温めすぎによる乳幼児突然死症候群の危険性を充分に説明して理解してもらいましょう。
赤ちゃんは寒いときには目を覚まし泣き出すのに、暑すぎる時には眠り続けたままなのです。これが呼吸の抑制につながり、ひいてはSIDSを発生させてしまうことになるのです。(中略)
赤ちゃんの体温が上がりすぎないよう、うつぶせ寝と着せすぎをやめ、通気性や吸湿性の悪い衣服を着せたり、不要な靴下や帽子を着せることは絶対にやめましょう。
その他の注意ポイント…ソファーでの添い寝などはやめよう
NPO法人SIDS家族の会のホームページでは、SIDSは週末や冬にソファーで発生することが多いとしています。
ソファーで寝かせることもやめておきましょう。
親がアルコールを飲んだ状態で添い寝している場合もリスクが高まるとしています。原因はわからないのですが、参考にしたいですね。
現在、SIDSによる死亡は、週末と冬の期間にソファーで発生する可能性が より高いです(特に親がアルコールを飲んだ状態で)。ソファーで一緒に寝ることはやめましょう。
乳幼児突然死症候群を防ぐために効果的!と言われている8つの対策
赤ちゃんが乳幼児突然死症候群を発症しやすい環境や条件についてみてきました。この項では、それを踏まえて乳幼児突然死症候群を防止するための対策を考えてみましょう。
明らかな原因が解明されていないので、気配りが一番の予防対策
乳幼児突然死症候群ははっきりとした原因がわかっていない病気です。
そこで、SIDSはこれをすれば発症する・これをすれば防げるという対策はありません。
しかし起きやすい条件をひとつひとつ排除していくことや、起きにくい環境を整えていくことである程度予防できると考えられます。
絶対に予防できる方法はありませんが、パパとママの意識を変えることで乳幼児突然死症候群をはじめ、窒息や転落などの事故防止にも役立ちます。
日々の生活の中でできる予防策を7つ挙げてみました。
- うつぶせ寝を防ぎ、仰向けに寝かせる
- 窒息が起きやすい睡眠環境を改善する
- 添い乳をやめ、添い寝ではなく専用布団やベッドに寝かせる
- 寝るときに温めすぎない
- 寝ているときに様子を見る
- 周囲の人がタバコを吸わない
- できるだけ母乳を飲ませる
- 優しくゆらゆらで呼吸を刺激する
次項から、詳しく見ていきましょう。
1.仰向けに寝かせよう…うつぶせ寝を避け、新生児期から仰向けに
うつぶせ寝が危険であることは前項で説明しました。
窒息を防ぐためにも赤ちゃんは仰向けに寝かせましょう。
アメリカでは1994年に赤ちゃんの仰向け寝キャンペーンがスタートしました。1992年までの間に、うつぶせ寝が推奨されていたため75%もの赤ちゃんがうつぶせ寝で寝ていたのです。
うつぶせ寝の危険が注目されるようになり、キャンペーンがスタートした翌年の1995年にはうつぶせ寝の赤ちゃんは25%以下に減少しました。
すると、乳幼児突然死症候群で亡くなる赤ちゃんも25%以上減少したと報告されています。それだけうつぶせ寝にはリスクがあるとわかりますね。
年次調査によれば、米国では乳児のうつ伏せ寝の占める割合は、1992年の約75%から1995年には25%以下に減少した。暫定的な死亡統計によれば、同時期のSIDSによる死亡率は25%以上減少したと推定されるが、このSIDS発生率の減少は、このような統計が集計され始めて以来、群を抜いて最大の減少である。
自分で寝返りができるようになるまでの赤ちゃんは、必ず仰向けに寝かせるようにしましょう。
昼間など、遊んであげるときにママの目が届く範囲で”うつぶせ”にさせることは危険ではありません。うつぶせ寝が危険なので、むしろ体の発達のために”うつぶせ”にして運動をさせてあげましょう。
寝返りができるようになった赤ちゃんの場合は、寝返り防止のための枕などの器具を使う必要はないとされています。
赤ちゃんは仰向けに寝かせ続けることで、仰向け寝に慣れていきます。生後半年間仰向け寝を続けることで、仰向けでも快適に寝てくれるようになってきます。
仰向け寝にさせることで、頭が扁平になり俗にいう「絶壁」状態になってしまうという説もありますが、1日中ずっと寝かせているわけでなければそんなに深刻に考える必要はありません。
適度に起こして抱っこしたり、運動をさせることで扁平になってしまうことを防げます。また赤ちゃんも自分で動けるようになってきます。
ドーナツ枕なども販売されていますが、乳幼児突然死症候群や窒息の危険を考えるとあまり推奨されないようです。それぞれのリスクを考えて使用したいですね。
2.窒息が起きやすい環境を改善しよう…余計なものを置かない
窒息が起きやすい睡眠環境は、窒息事故の危険が高まるだけでなく乳幼児突然死症候群のリスクも高めるといわれています。
- 柔らかい布団やマットレス
- 枕やクッション
- 衝突や寝返り防止用のタオルやクッション類
- ぬいぐるみ
- 紐状のもの・長いタオルなど
こうした寝具を使ったり、枕元に置いてあると窒息・乳幼児突然死症候群のリスクが高まるとされています。
赤ちゃんを寝かせるのは、専用のベビー布団やベビーマットレスにしましょう。触ってみるとわかりますが、意外と固めにできています。
上に敷くのは通気性の良いシーツだけで十分です。汚れが気になる場合は、シーツとマットレスの間におねしょシーツを入れておきましょう。
3.添い乳はやめよう…添い寝ではなく、ベビー布団に寝かせよう
夜中の授乳がつらいのでつい添い乳をしてしまうママもいますが、添い乳はうっかりママが寝てしまうことで赤ちゃんの呼吸を妨げる危険があります。
添い乳はできるだけしないように心がけましょう。おっぱいやママの寝具などで窒息させてしまう危険もあります。
また、赤ちゃんを寝かせるときは添い寝ではなく、専用のベビー布団やベッドに寝かせるようにしましょう。
添い寝だとどうしても布団をかけすぎてしまいがちです。寝かせるときに暑すぎると乳幼児突然死症候群の発症リスクを高めることにつながります。
4.涼しめの睡眠環境を心がけよう…温めすぎないように注意
温めすぎ・暑すぎる睡眠環境は乳幼児突然死症候群の発症率が高まるといわれています。そこで「ちょっと涼しめ」を心がけましょう。
赤ちゃんの温めすぎを防止するコツ
- 赤ちゃんが寝るときは靴下・帽子をかならず脱がせる
- 部屋の暖房は睡眠中は切っておく
- ボアシーツは使用しない
- 毛布の下に通気性の良いタオルケットを使う
- パジャマは通気性の良いものを選び、つま先までくるむタイプは使わない
- 大人よりも涼しめな寝具を心がける
赤ちゃんは体温が高く、寝ている間も手足からたくさんの汗をかいて体温を放出しています。布団をかけすぎることで、体温がこもりやすくなってしまうのです。
特に冬場は気を付けましょう。低体重で生まれた赤ちゃんや未熟児で生まれた赤ちゃんは、寒さも禁物です。だからこそ布団をかけすぎてしまいがちですよね。
そういった場合はたくさん布団をかけるのではなく、窓の下やドアのそばといった風が入る場所に寝かせないように工夫してあげましょう。
5.赤ちゃんのお昼寝時は、できるだけこまめに様子を見よう
赤ちゃんがお昼寝をしているときは、ぐっすり眠っているときでも完全に目を離さないように心がけましょう。
そばでじーっと見続けている必要はありません。でも家事や炊事をしたり、趣味を楽しんだりしつつ、10分~15分くらいごとに様子を見てあげましょう。
背中や首に触れてみて汗ばんでいるときは暑すぎです。布団を1枚減らしたり、部屋の暖房を切るなどしてあげましょう。
赤ちゃんがぐっすり寝ているからといって、家に置いたまま買い物に出かけたりすることはやめてくださいね。
夜は、窒息や暑すぎなどに気を付けていれば、何度も確認する必要はないといわれています。
ママも寝不足になってしまいますし、睡眠環境を整えたらしっかり眠りましょう。夜中にふと目が覚めたときは、必ず赤ちゃんの様子を確認すると良いですね。
朝、赤ちゃんがいつまでたっても寝ているような場合は、やはり様子を見た方が良いでしょう。いつもと違うなと感じたら、呼吸を確認してみてくださいね。
6.タバコは厳禁…赤ちゃんを授かったら、夫婦で禁煙しよう
以前から妊婦さんやその周囲の人の喫煙、パパママの喫煙は赤ちゃんの受動喫煙につながり、乳幼児突然死症候のリスクを高めると指摘されています。
赤ちゃんがママのお腹にやってきたら、それまで喫煙していたパパ&ママは禁煙にトライしましょう。ママは特にすぐ喫煙をやめる必要があります。
パパもできれば禁煙にチャレンジしましょう。どうしてもやめられない場合は、屋外で吸うなどの配慮が必要です。
赤ちゃんは好奇心旺盛で、なんでも口に入れてしまいます。タバコや吸い殻の誤飲やライターのいたずら事故なども、いまだに無くなりません。
こうした痛ましい事故を防ぐためにも、できる限り赤ちゃんが生まれるまでに夫婦でしっかり禁煙しておきたいですね。
7.できるだけ母乳を飲ませ続けよう…おっぱいで触れ合いを
赤ちゃんとママが素肌を触れ合わせて行う授乳は、親子の絆を深める大切な時間です。状況が許す限り、おっぱいは飲ませてあげましょう。
母乳育児にこだわるあまり、栄養不足になってしまうこともあります。それでは本末転倒なので、人工栄養をプラスして赤ちゃんの健やかな成長を手助けしましょう。
出が悪いと「もうやめちゃおうかな…」とあきらめてしまいがちですよね。でも乳幼児突然死症候群の予防のためにも、触れ合う時間を少しでも楽しみましょう。
8.優しいゆらゆらで、赤ちゃんの呼吸を刺激ししっかり息をさせよう
ゆりかごに寝かせたり、バウンサーでゆらゆらさせると赤ちゃんはよく寝てくれますよね。また抱っこで優しくゆらゆら揺らしても寝つきがよくなります。
このゆらゆらですが、実は呼吸を刺激するためにも良いそうです。激しくゆさぶると「揺さぶられ症候群」になってしまうので、注意が必要です。
赤ちゃんは呼吸中枢が未熟なので、短い無呼吸が起きることがあります。こうしたとき、優しくゆらゆら刺激することでしっかり息ができるようになるそうですよ。
ママが眠くなるような、心地よいゆらゆらがオススメです。お昼寝の際など、不安な場合は優しくゆらゆらさせたり、あやしてあげると良いかもしれませんね。
9.その他のおすすめ対策…チェックしておきたいいろいろな説
これまでにも紹介してきましたが、ほかにも「やめた方がいい」と言われる生活習慣があります。
- ソファーに寝かせる
- パパママがアルコールを飲んだ時に添い寝する
これらはリスクを高めるとされているので、避けた方が良いでしょう。特にアルコールを飲んだパパママがソファーで赤ちゃんと添い寝するのは、落下や窒息の危険もあります。
授乳中のママはアルコールを避けましょう。また、泥酔状態で赤ちゃんのお世話をするのは危険です。赤ちゃんの異変に気付くためにも、お酒はほどほどにしておきたいですね。
一方で、「良い」という対策も他にあります。
科学的な根拠はわかっていないものの、おしゃぶりが乳幼児突然死症候群を防ぐために役立つという説もあるようです。
依存するほど使用すると歯並びに悪影響があると言われていて心配なので、こちらも適度に取り入れてみてはいかがでしょうか。
気付いたらすぐ119番と心肺蘇生!万一異変が起きたときの対応策
赤ちゃんの呼吸が止まっていることに気付いたら、すぐに救急車を呼びましょう。ママがノウハウを知っていれば、赤ちゃんに人工呼吸や心臓マッサージを行います。
手順
- 呼びかけて反応を見る。応じなかったら足の裏を刺激して反応を見る
- 大人が2人以上いたら、1人が心肺蘇生・1人が通報
- 大人が1人しかいなかったら、1分間心肺蘇生・その後通報・さらに心肺蘇生
- 気道を確保し、呼吸を確認する
- 心肺蘇生・人工呼吸と心臓マッサージを行う
【人工呼吸】
- 気道の確保
-
赤ちゃんのおでこに片手を当てる。もう一方の手の人差し指・中指をあごの先に当て、あごをくいっとあげる
- 呼吸を確認する
-
赤ちゃんの口や鼻に頬を寄せ、呼吸があるか、充分かを10秒間調べる。同時に胸やお腹が上下するかも確認する
- 心肺蘇生の前に
-
鼻が詰まっていると人工呼吸ができないので、鼻水を吸い出す
- 人工呼吸
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赤ちゃんの鼻を中心に、鼻と口をママの口で覆い、息を2回吹き込む。次からは1回ずつ吹き込む。
新生児は1分間に30回~60回。乳児は1分間に20回。
胸が上下したら息が入っている。上下しない場合はのどに嘔吐物が詰まっていることがあるので、赤ちゃんをひっくり返して背中をたたき、異物をたたき出す
- 脈を診る
-
赤ちゃんの首やひじで脈を確認する。脈があれば人工呼吸を継続する。
脈が触れない場合は心臓マッサージを行う
【心臓マッサージ】
赤ちゃんの乳首と乳首を線で結び、その真ん中にある硬い骨の上にママの小指以外の指を3本おき、そのまま人差し指を上にあげて指2本で5回ずつ押す
新生児は1分間に120回・乳児は1分間に100回
新生児は人工呼吸1:心臓マッサージ3・乳児は人工呼吸1:心臓マッサージ5
このまま救急隊が到着するまで処置を続けます。
こうした赤ちゃんへの心肺蘇生方法については、保健センターなどで講習が開かれています。もし機会があったら是非受けておきましょう!
赤ちゃんや子どもの心肺蘇生に関する記事もあります。下記リンクから参考にしてくださいね。
「子供の心肺蘇生法の手順は大人と違う!覚えておけば焦らない」
http://kosodate-march.jp/wp/kodomo-sinpaisosei39653/
乳幼児突然死症候群が起きやすい環境を知り、予防しよう
我が家の子どもも低体重で生まれた男の子です。冬場に生まれたこともあり、一時はとても神経質になっていました。
でも現在ではすくすく成長し、元気に学校に通っています。
乳幼児突然死症候群が起きやすい条件がそろっていても、必ずしも危険というわけではありません。
しかしパパとママ、周囲の人が喫煙をしないことやこまめに見守ること、母乳を与え続けることなど、小さな努力が赤ちゃんの命を守ることにつながります。
はっきりとした原因がわからないため、不安も大きいですよね。だからこそ家族みんなで赤ちゃんを見守り続けることが大切です。
今後、乳幼児突然死症候群に関して新たな情報がもたらされる可能性もあります。かかりつけの小児科での掲示など、こまめにチェックしておきたいですね。
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まだデータがありません。