妊婦さんがペットを飼う際の危険性と安全に過ごすための関わり方!

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2017/06/21

ペットを飼っている妊婦さん

妊娠すると家庭のペット、またはこれから飼うペットとの関係をよく考えなくてはいけません。

それはアレルギーやウイルスの問題があるからです。

昔は犬や猫を飼っていると、妊婦さんの体に良くないと言われていて、ペットを手放す方も多かったようです。

今では少し考え方が変わっていて、妊娠したからといって飼っていた動物を捨てる方はあまりいません。

妊娠中にペットとどう接したらいいのでしょうか。また、新しくペットを飼う際にはどのような点に気を付けたらいいのでしょうか。

妊娠中にペットを飼うことのリスク

妊娠中に動物を触れ合うことは極力避けた方がいいと言われています。そのため、家庭にいる犬や猫を手放すべきか悩む方も多いでしょう。

なぜ妊娠するとペットとのふれあいに気を付けなくてはいけないのでしょうか。ペットを家族の様に感じている方には辛いことですよね。以下に解説して行きます。

衛生面での問題がある

ペットを飼うことは衛生面の問題が大きくなります。妊婦さんは免疫力が低くなっていますから、ペットの持っている雑菌に負けてしまう可能性があります。

家庭で何年も飼育している犬や猫の場合でも、外でどんな菌をもらってきているかまでは判断できません。よって、ペットを飼うことは衛生面で非常に気を使うのです。

また家の中で飼っている場合には、抜ける毛のことを考えなくてはいけません。ペットを飼っている方なら経験があると思いますが、動物の毛はどこにでも付きます。

抜け毛は雑菌やダニなどの温床になります。妊娠中にペットを飼う、あるいは飼っている場合は、頻繁に抜け落ちる毛の処理に気を使わなくてはなりません。

トキソプラズマ症に注意が必要

トキソプラズマとは、犬や猫が宿主になってい寄生虫感染症です。トキソプラズマという虫が動物の体内に入り、そこから感染症が広がります。

もしペットがこの病原虫を持っていた場合には注意が必要です。妊婦さんがすでに感染していても、それが妊娠の6か月以前ならば問題がありません。

しかし妊娠中にトキソプラズマをもらってしまうと、胎盤をと通して赤ちゃんにも感染が広がってしまいます。

赤ちゃんが寄生虫に感染してしまうと、低体重や水頭症などのリスクが高まります。注意が必要です。

そこで感染予防のために、ペットを飼っている方は妊娠が分かったら血液検査をしてトキソプラズマの抗体を持っているか調べましょう。

抗体があれば、もう感染する心配はありません。お腹の中の赤ちゃんにも危険は及ばなくなります。

妊娠初期の感染
胎児がトキソプラズマに感染してしまうと、流産や死産のリスク、発育不全や水頭症などの症状が現れます。
妊娠中期以降の感染
消化器系の内臓に疾患が現れると言われています。そのため出生後に横断が現れたり、粘膜からの出血がおきたりして治療が困難になります。
妊娠後期の感染
症状は比較的軽くなりますが、そのため胎児が感染していることになかなか気づかないというデメリットがあります。

これらの不安があるので、妊娠中にペットを飼う場合は感染診断を受ける必要があります。これはトキソプラズマの抗体を持っているかどうかの検査です。

もし陽性の場合はすでに感染して抗体を持っているので、赤ちゃんへの影響は心配ありません。

陰性の場合は投薬治療によって感染を抑える必要が出て来るので、動物を飼っている方は妊娠したらすぐに最寄りの内科などで診断を受けてください。

アレルギーを発症するリスク

妊娠したら急に動物アレルギーを発症してしまうというケースもあります。

今までは大丈夫だった犬や猫が、突然アレルギーの対象になることもあるのです。

どんな種類のアレルギーも突然発症するものですが、妊娠中は特に免疫力が低くなるので症状が出る確率が高くなるのですね。

妊娠中のアレルギーは胎児には直接影響しません。ですが、ペットの毛などが原因で喘息を起こしてしまうと、妊婦さんが呼吸困難になります。

ママが正常に呼吸できなくなると、お腹の赤ちゃんに酸素が届かなくなってしまうので、赤ちゃんも酸欠を起こしてしまって心配です。

ペットがもっている可能性のある病気

トキソプラズマ以外にも、家庭で飼われている動物は、以下のような病気を持っていると言われています。

  • オウム病
  • サルモネラ菌
  • 結核菌
  • ネコエイズ

清潔な環境で暮らしている動物ならばあまり心配はありませんが、犬や猫は散歩などで外出したり他の動物と触れ合ったりすることがあります。

死亡例もあって不安なオウム病
オウム病はインコや鳩などの鳥から感染する病気です。鳥たちのフンが空気中に飛散して、それを吸い込むことで発症します。

症例は高熱が出たり悪寒、頭痛などインフルエンザの症状に似ています。そのため混同されて見逃される危険性があります。

重症化すると呼吸困難を起こしたり、髄膜炎、心筋炎など深刻な病気を発症します。死亡例もある危険な病気なのです。

感染が疑われる場合は抗生物質の投与などの治療を行う必要があります。鳥を飼っている方は一度検査をしてもらいましょう。

動物の糞から感染するサルモネラ菌
妊娠中は生卵を食べないようにと指導する産婦人科もあります。それは生卵の中にサルモネラ菌という病原菌が含まれることがあるからです。

妊婦さんがサルモネラ菌に感染してしまうと、食中毒を引き起こして最悪の場合切迫早産や流産の原因になります。

この菌は犬や猫の身体の中では無症状ですが、糞の中には大量に含まれています。

犬や猫を飼っている妊婦さんは、糞からの感染を避けるために、ペットのトレイの掃除や散歩などは旦那や他の家族にお願いするようにしましょう。

空気感染する結核菌
結核菌は、人と動物が共通して感染する感染症です。ペットの猫や犬が感染源である結核菌に感染することがあります。

ペットが感染すると、それが飼い主である妊婦さんにも感染するのです。感染経路は空気感染や経口感染です。

結核にかかったペットと同じ空間で過ごしたり、吐き出したものに手を触れることで感染します。

症状は全身の倦怠感や長期間続く微熱、体重の減少などがあります。妊婦さんが結核に感染すると、妊娠高血症候群や出血などの合併症を起こすとされています。

まれに羊水感染で、お腹の赤ちゃんが結核に感染してしまうという事例も報告されています。

免疫不全を起こすネコエイズ
人間のエイズと同様に、免疫不全を起こす猫の病気をネコエイズと言います。感染力や発症率は高くなく、感染している猫でも一生症状が見られなかったという例もあります。

エイズというと人には怖い病気なので、猫から人へと感染するのか心配になりますね。しかし、猫のエイズと人のエイズは、全く違うウイルスなのです。

飼っている猫がエコエイズにかかっていても、飼い主である妊婦さんに感染はしません。

ペットの健康を守ることで妊娠中にも安全に飼うことが出来ます

妊娠中のペットからの影響は、ペットの健康面などをしっかりと管理することでおおむね防ぐことが出来ます。

ペットから病気をもらわないようにするためには、ペットが病気にかかっていなければいいのです。

妊娠中にペットを飼っている、またはこれからペットを飼いたいという方は、動物病院に行って検査や治療をしてもらいましょう。

予防接種をしてもらったり、投薬治療をしてもらえます。その際は保険適用になる場合もあるので先生とよく相談しましょう。

ペットが健康ならば、散歩に出かけて行っても外でもらってきた病原菌に負けることはありません。

家庭で飼育している犬や猫は、きちんとシャンプーする、爪を切る、健康的な食生活を考えるなどの配慮をしましょう。

ペットもこれからやってくる赤ちゃんと同じで家族です。健康に長生きできるように守ってあげてください。

妊娠してからのペットとの過ごし方

妊娠したからといってすぐにペットと分かれなくても大丈夫です。しかし時には病気をうつされるリスクもあります。

そしてペットから感染した病気がお腹の赤ちゃんにまでうつってしまうことも。そうしたリスクを避けるために、ペットとどう過ごしていったらいいでしょうか。

トリマーさんにペットのケアをしてもらう

犬や猫を飼っている場合、一番いいのは定期的にトリマーさんを訪れて、ペットの毛の処理をしてもらうことです。シャンプーをやブラッシングをしてもらいます。

それによって抜け毛を少なくしたり、ノミやシラミを取り除いてもらえます。ペットの身体を清潔に保つことでアレルギーの発症を抑えることが出来ます。

清潔を保つことは病気の感染予防にもなります。お店によってはシャンプーやトリミングの際に健康チェックをしてくれるところもあるので、利用してください。

また怪我を防ぐためにも爪を切ってもらうことも大事です。傷口から感染したりすることもありますし、赤ちゃんが産まれてからも引っかかれると大変です。

普段ペットショップを利用していない方は、これを期にきちんとペットの健康管理をするように心がけましょう。

トリマーさんだけでなく、動物病院でも健康診断や予防接種をしてくれます。今まで動物の病気に無頓着だった方は一度連れて行ってみましょう。

出来るだけ接触を控える

ペットをかわいがるあまりに、過剰に触れ合う人が増えて病気にかかる事例が増えています。きちんとケアをしていても、あまり頻繁にペットに触れるのは注意が必要です。

特に、ペットを家族の一員と考えてしまって一緒に食事をしたり、同じ布団で寝たりするのはNGです。

健康な方でも動物に触れすぎて病原菌をもらう危険性があります。妊娠は病気ではありませんが、免疫が落ちているので普段以上に健康管理に気をつけなくてはなりません。

ペットのゲージを常に清潔に保ったり、妊婦さんが手洗いうがいを習慣づけるなどの工夫をしましょう。

また散歩や掃除、エサを与えたりなどは家族に頼むようにしましょう。妊婦さんは極力動物から離れるべきです。

特に動物に触った後には念入りに除菌処理をしましょう。専用の石鹸や除菌シートなどが市販されていますから利用してください。

妊娠中は飼い主とペット、どちらの健康管理も重要です

妊娠中に心配すべきことは、ペットから病気をもらってしまうことでした。中には胎児に影響が起こったり、妊婦さんの死亡例があるなど危険なものもありました。

そうしたことを防ぐために、先ずは妊婦さんが動物に触った後の除菌や手洗いうがいに気を配るべきです。

石鹸や除菌アルコールなどを使って手の清潔を保ちましょう。そうすれば動物から病気をもらうのを防げます。

また、動物自身の健康を保つことで病気の感染を防ぐことも出来るのです。妊娠と同時にペットを病院に連れて行って健康面のケアをしてあげましょう。

妊娠したからと言って、ペットと離れる必要はありません。しかし過剰な接触にも注意が必要です。

赤ちゃんが出来たことが分かったら、ペットのお世話は他の家族の方にお願いするのがいいですね。

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