妊婦がインフルエンザにかかったら?妊娠中のインフル対処法

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2018/03/06

妊婦さん
毎年話題となるインフルエンザの流行。妊娠中は特に胎児への影響も合わせて気になるため神経質になりがちです。

特に妊婦さんにとっては、インフルエンザになってしまった場合の治療内容や薬の副作用など心配が尽きないことでしょう。

妊娠中にインフルエンザにかかってしまったらどうすればよいのか?正しいインフルエンザの対処法を理解し、不安を軽減しましょう。

妊娠中のにインフルエンザは、赤ちゃんへ悪影響なしと考えられている!

インフルエンザウイルス自体が直接胎児に対して悪影響を及ぼすとは現時点では考えられていません。

赤ちゃんは胎盤に守られており、へその緒を通じてのウイルス感染することはないとされています。

ただし厚生労働省によると、ごくまれにウイルスが胎児に影響するとの報告もある以上リスクはゼロではないようです。

新型インフルエンザおよび季節性インフルエンザのいずれに母親が感染しても、ウイルスそのものが胎盤を通って胎児に影響することはないと考えられています。
ただし、季節性インフルエンザで非常にまれにウイルスが胎盤を通って胎児に影響することがあるとの報告もあります。

だからこそ、インフルエンザに罹った場合の対処は迅速に行いたいものです。

インフルエンザウイルスそのものよりも、症状自体に注意が必要

インフルエンザに伴う母体の症状自体が、が胎児に影響を与えることはあるので症状への対処を優先しましょう。

  • 咳:腹圧がかかるために張りが生じやすくなります。咳を止めるための判断を医師に仰ぎましょう。
  • 発熱:38度以上になると羊水の温度が上がり、赤ちゃんの心拍が早まります。妊娠中でも飲める解熱剤を処方してもらったり、体を温めてリンパを冷やし安静にしましょう。
  • 肺炎への移行:母体の安全が脅かされています。入院措置が取られることもあります。

また、妊娠中のインフルエンザは重症化しやすいという報告がなされています。妊娠中のインフルエンザの重症化の方がワクチンや抗インフルエンザ薬の副作用よりも重大であると考えられています。

特に妊娠週期が進み終盤になればなるほど重症化しやすいようなので注意が必要です。

妊娠中にインフルエンザにかかったらしておきたい3つの対策

妊娠中にインフルエンザにかかってしまった場合に、しておくべき対策は主に3つあります。

  1. 栄養補給
  2. 安静、休息
  3. 処方された薬を飲む

一つずつ詳しく見ていきましょう。

1.栄養補給は消化の良さと栄養価で選ぼう

体調不良による食欲不振は、胎児への栄養補給に影響を及ぼすことがあります。

食べられる時は、消化が良く、かつ栄養価の高いものを口にするようにしましょう。発熱による脱水症状も心配です。スポーツドリンクなどを利用し適度な水分補給を行いましょう。

消化が良く、かつ栄養価の高い食材の例を挙げますね。

【消化が良く、栄養価が高いもの】

  • 穀物:パン、お粥、うどん
  • 豆類:豆腐、納豆、きなこ(未調理大豆、ナッツは胃腸に負担をかけます)
  • 野菜類:野菜ジュース、柔らかく煮た野菜
  • 果実類:バナナ、りんご、桃など(柑橘類は胃腸に負担をかけます)
  • 魚介類:白身魚
  • 肉類:鶏のささみ、牛や豚の赤身のひき肉(加工肉は避けましょう)
  • 卵類:茶碗蒸し
  • 乳類:温かい牛乳、ヨーグルト、プリン

例えば、お粥の中に軟らかく煮た根菜と豆腐を入れたり、りんごを擦ったものをヨーグルトにかけたりすると、食べやすく栄養価も高い料理を手軽に作ることができます。

また食欲のない時に手軽に栄養補給を行えるので、栄養ドリンクを選択する方もいるかと思いますが、栄養ドリンクを飲む時は必ず注意書きを読みましょう。

カフェインが含まれているものや栄養素によっては妊娠中は口にしないように指定されているものもあります。

妊娠中のカフェイン摂取は、全くダメではありませんができるだけ避けた方が無難です。

あるイギリスの研究発表では、カフェイン摂取量が1日に100mg以下の妊婦と100mg~199mgを摂取した妊婦を比較した場合、未熟児(低出生体重児)の子供が生まれるリスクは20%高くなると報告されています。

さらに、200mg~299mgを摂取した妊婦では40%、300mg以上になってしまうと50%も高くなると報告されています。

参考:イギリス医師会雑誌 
http://www.bmj.com/content/337/bmj.a2332

2.絶対安静と無理せず休息をとることが大事!

出来る限り体を安静にし、休息をとるようにしましょう。

特に下半身を冷やさないように注意しましょう。熱でリンパ腺が腫れている場合は冷たいタオルなどで局地的に冷やしましょう。

家事もできるだけ家族をはじめとする周囲の協力を仰ぎ、無理に行わないようにしましょう。

3.妊娠中にも処方された薬は全て飲みきろう!

インフルエンザに効果があるタミフルやリレンザなどの治療薬は、妊娠中にインフルエンザに罹った場合も処方されます。

日本産婦人科学会によると、これらの治療薬は、流産や先天異常の発症率は通常の治療薬を服用しなかった場合と変わらず胎児への影響はないとされています。

むしろ、上の子供が幼稚園などからインフルエンザをもらってきてしまった場合など、家庭でよく接する人がインフルエンザにかかった時は、治療薬を予防的な意味で飲むことが推奨されています。

主治医の指示に従って、処方された薬はきちんと必要量を飲むようにしましょう。

タミフルやリレンザも服薬できる!早めの受診を

タミフルやリレンザといったインフルエンザ治療薬は、発症してから48時間以内に飲むことで重症化を避けられるメリットがあります。

インフルエンザかな?と思ったら、すぐに病院を受診して医師の判断を仰いでください。

妊娠中の私の体験から要注意症状をお伝え!

実は私自身も、妊娠後期(8か月)で季節性インフルエンザにかかりました。

【要注意なインフルエンザの症状】

  • 高熱(38度前後):予防接種済みだと37度後半でもかかっている可能性があります。(実際私はこれでした)
  • 不安定な熱の上下:型によっては、夜だけ上がって朝になると平熱というのが繰り返される場合もあります。
  • 節々の痛み:妊娠中の足腰の痛みと混同しやすいですが、腕の関節も痛くなったりするとかなり怪しいです。
  • 頭痛:自分の脈と一緒に頭でガンガン音がするような痛みがあります。
  • 頻脈、動悸:高熱からか脈が速くなり動悸が起こります。妊娠中の貧血にも似ているので注意しましょう。

しかし、予防接種をしていたことと48時間以内で受診できたことで重症化を免れることが出来ました。

周りのことも考えて!受診の際は必ずアポイントを取ってから

インフルエンザの疑いが出て受診する際、産婦人科にノンアポで行くのは厳禁です。

他の妊婦さん、乳幼児にインフルエンザが伝染してしまうリスクがあるからです。

総合病院内の産婦人科にかかっている場合は、同じ病院内の内科を紹介してもらいましょう。

かかりつけの内科へ行く場合は、事前に妊娠中でインフルエンザの疑いがあることを電話で伝えてから来院しましょう。

病院へ行く際は、必ずマスクをしてください。咳などでウイルスをまき散らす可能性があるからです。

里帰り中などでどうしても産婦人科のみの選択肢となった場合は、事前に電話をして判断を仰ぎましょう。

別室隔離などの措置の上で来院を許可されるようになります。

地方自治体によっては医療費補助の対象となる場合も

私の住んでいる地域では産婦人科からの紹介状があると医療費補助が受けられる行政の制度があり、私がインフルエンザに罹った際はかかりつけの産婦人科に連絡し、提携先の内科の紹介状をいただきました。

インフルエンザにかかっていなかった夫に頼んで、紹介状を産婦人科で受け取ってもらい、私は紹介先の内科を受診して別室隔離で検査をされました。

各地方自治体によって妊娠中の医療費補助の有無や額、申請方法は違ってきますので、必ず確認をしてみましょう。

例えば茨城県の場合、産婦人科およびその紹介を受けた医療機関への保険対象の受診であれば、月2回まで上限600円の自己負担となります。(所得制限あり)

母子手帳の交付時に説明がなされる場合が多いと思いますが、不明な場合は市役所などに問い合わせて受診方法を決定しても良いと思います。

予防にプラス重症化を防ぐ!インフルエンザの予防接種は受けたほうがいい

胎児への影響が心配であったり、効果に疑問を感じてなかなか予防接種に踏み切れない方もいるかもしれませんが、先にも述べたようにインフルエンザの重症化の方が妊婦には脅威です。

インフルエンザの予防接種に用いられるのは、不活性タイプと呼ばれるワクチンで、毒性を一度ゼロに戻す処理がされています。

活性タイプ(生ワクチン)は妊娠中の接種はご法度となっていますが、この不活性タイプについては妊娠中どの週数でも医師の判断で接種をすることができます。

ただし、予防接種をしてもその型以外のインフルエンザにかかることは十分にあり得るため、なる確率がゼロとまではいきません。

しかし、インフルエンザのワクチンの免疫によって似た型のインフルエンザであればかなり軽症で済ませることができます。

妊娠中のインフルエンザは重症化を避けることが第一目的となりますので、その観点から見ると予防接種を受けることは大切であると考えられます。

重症化しやすいので注意!風邪との違いもチェックしておこう

妊娠中は母体の栄養分が優先的に赤ちゃんへ送られているため、母体は栄養不足になりがちで、体の免疫力が妊娠前よりも低下しています。

また、妊娠初期ではつわりにより、食事が取れなかったり、嘔吐などで体力が消耗しています。更に妊娠中期から後期にかけては、赤ちゃんの分まで酸素量がたくさん必要となるため、母体の心肺機能が低下しやすい状態になります。

インフルエンザにかかると肺炎や気管支炎、インフルエンザ脳症など重症化しやすい傾向にあります。感染すると、入院が必要となる場合もあります。

インフルエンザと風邪は似ている症状もありますが、全く違う症状も出るので体調がいつもと違うと感じたら、症状をチェックしてみましょう。

インフルエンザの主な症状

  • 初期症状としては強い寒気や激しい頭痛、腰痛に襲われる
  • 3、4日間位、38℃以上の高熱が続き、全身の関節が痛い
  • 体がだるくて、横になっていないと辛い状態が続く
  • 腹痛があって、お腹を壊す
  • 喉が腫れて、痛みを感じる
風邪の主な症状

  • 初期症状としては、鼻水が出て、喉の痛みを感じ咳が出る
  • 鼻づまりや37℃から38℃位の微熱が出る
  • 体の痛みや頭痛、倦怠感などは感じない

正しい知識で妊娠中のインフルエンザに対処しよう

妊娠中にインフルエンザにかかってしまうと、焦るだけでなく心配事も無限に広がります。

赤ちゃんを思って涙してしまったり、なぜなってしまったのかと自分を責めてしまうこともあるかもしれません。

しかし、インフルエンザに罹った時の正しい知識があることで心配事を軽減して冷静に物事を進められます。

インフルエンザにかかっても、それは絶対にママのせいではありません!

体の健康を取り戻し、そして心の健康も損なわないようにするために、正しい知識を持ち妊娠中のインフルエンザに対処しましょう。

みんなのコメント
  • みみさん

    妊婦です。記事を読んで安心しました。
    医療費補助の件は初めて知りました。
    有難うございます。

  • まっちーさん

    インフルエンザにかかった可能性が高く、今妊娠8ヶ月目だったため、知りたい情報を知ることができと安心しました。
    ありがとうございました。

  • ももの月さん

    現在5カ月の妊婦です。
    今日、38℃近くあり、病院受診しました。
    きつくてどうしたらいいのか分からず、そして私の動機が激しくなるにつれて、赤ちゃんのことが心配で涙することもありました。
    改めて心の健康のことを客観的に理解できて、まだ体はきついですが、少しでも前向きに治していこうと思いました。

  • じゅりさん

    今妊娠9ヶ月目ですがインフルエンザの症状はないのですが風邪をひいてます。でも母が今インフルエンザにかかっていてもしかして私も?という感じです。雪国なので病院に行くこともなかなかできずどうしたらいいかと困っています。

  • ぴめりんママさん

    今妊娠4ヶ月で昨日インフルエンザだと診断されました。予防接種を受けていない私と娘。インフルエンザになるのは10年ぶりで、熱は39.7度まで上がり家事も全く出来ず心が折れかけていましたが、こちらの記事を読み少し安心しました。夫ともうじき5歳になる娘に助けられています。せめてもの娘に伝染らないように対策をしています。

  • あやぱんさん

    今妊娠4ヶ月です。今日インフルエンザと診断を受け、ショックが大きく自分を責めてしまい沢山泣きました。
    主人に支えられ母に助けられ、何よりこの記事に救われました。
    母親になるのだからしっかりしなきゃと思わされました。

  • ゆかさん

    妊娠5ヶ月です
    結婚して何年も子供が出来ず、ようやく授かったと思ったらインフルエンザにかかってしまい、赤ちゃんに何かあったらと申し訳なく泣いていましたが、少し前向きな気持ちになれました!ありがとうございました

  • mnさん

    タミフルは処方できませんと言われました(´・_・`)。。

  • ももすけさん

    妊娠11週目に入ったばかりの高齢妊婦です
    先日出血し、2週間安静と言われたばかりです

    そんな最中、中1男子胃腸炎。小5女子インフルBと診断されてきました
    とにかく、わたしがうつらないよう頑張るしかないですが、不安です。゚(゚´ω`゚)゚。

  • あむさん

    妊娠8ヶ月目です。
    上の子が昨夜から高熱を出し、クラスでもインフルエンザが流行っているので可能性大かなと…。
    48時間以内に薬を飲む事の大切さを知りましたので、すぐ病院へ向かおうと思いました。

  • 無記名さんさん

    妊娠16週の妊婦です、インフルエンザB型になりました。
    とっても心配で、赤ちゃんに影響がないのか、薬を処方されても吸入していいのか不安でした。でも、この記事を読んで前向きな気持ちになりました。ありがとうございました。

  • Essayさん

    >とりあえず、桜の枝は切ったり、折ったりしてはいけないと。まあ、日本人は桜が弱る以前に木の枝を切るとか、ほとんどしないが、一部の外国人観光客が知らずにやってしまったというニュースがある。  「桜切るバカ、梅切らぬバカ」というやつですなぁ。 しかし、この桜の起源論争はいつまで続くのでしょうかね。ボクハモウツカレタヨパトラッシュ ソメイヨシノ同士を掛け合わせても種子が結実せず、人間が接木で増やしてやらないと自己増殖できない完全な園芸種だと言っているのに、済州島にはソメイヨシノが自生しているとかワケワカラン事を主張してくる。 お前らの言う済州島のソメイヨシノは王桜(エイシュウザクラ)だから、見た目は似ているけど遺伝的には別の品種だからと言っているのに、自分に都合の悪い事は認識できないとなれば、もう救いようがありません。

  • かなまりゅさん

    妊娠29週目です。昨日の夕方から、37.4度の微熱がでました。それ以上上がらないけれど、下がりもせず、かかりつけの内科に電話してから、受信しました。結果はインフルエンザA型でした。高熱がでなくても、インフルエンザの診断がでました。イナビルの吸入をして、あとは5日間安静にするように言われました。
    熱がでなくても、気になったら受信するべし!と思います。

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