短時間勤務も視野に!育児と仕事の両立を目指すワーママ必見
子育て中でも仕事がしたい!と願うママは、増加傾向にあります。今後ますます教育費がかさむことを考えると、「できるだけ早く仕事がしたい!」と思いますよね。
ワーママを目指すなら絶対に知っておきたい、「短時間勤務」の制度の詳細や実態、注意点などをまとめます。
この記事の目次
「育児短時間勤務」は、法律で定められた制度です
親が仕事をしている最中に、子供を預けられる施設は多様化してきています。とはいえ、こうした「子どもを預けるための場所」にも、それぞれの事情があります。
たとえば幼稚園では、夕方までのお迎えを求められることも多いです。いざ仕事をしようとしても、「終業時間がお迎え時間に間に合わない!」というケースもあるはずです。
こんなときに頼りにできるのが「育児短時間勤務」。まずはその制度の概要についてチェックしておきましょう。
改正育児・介護休業法で定められています
平成28年に改正、そして平成29年1月から全面施行された育児・介護休業法。子育て世代が仕事を続けていくために、非常に重要な法律を定めています。
仕事を続けたいと願うママも、これから新しく仕事をスタートしたいと思っているママも、知っておいて損はありません。必要な情報をわかりやすく解説していきます。
平成22年からは「事業主の義務」に
多くのワーママが利用する「育児短時間勤務」は、この育児・介護休業法で定められている制度です。
育休中ではない3歳以下の子供を持つ労働者から「時短勤務したい!」という申し出があった場合、事業主はその求めに応じなければいけません。
ママたちの中には「限られた会社でのみ実施されている制度で、自分の会社は対象外」と誤解している方もいますが、そんなことはありません。
平成22年から育児短時間勤務による労働者のサポートは、事業主の義務となっています。
雇用者数が少ない中小企業の場合、平成24年まで実施を猶予されていましたが、それ以降は全ての会社に適用されている制度であることを、まずは頭に入れておきましょう。
「中小企業だから」「前例がないから」というだけで諦めるのはおすすめできません。まずは会社に「事業者の義務」であることを確認してみてください。
就業時間と給料について、最低限知っておくべきこと
時短勤務を検討するなら、終業時間や給料についての取り決めなど、最低限知っておきたいポイントも多々あります。
短時間勤務の実態は、企業ごとに異なっています。とはいえ共通のルールも多くあるので、最低限のポイントだけでも頭に入れておきましょう。
「短時間」は原則6時間
まず気になるのが、「短時間勤務というけれど、具体的にどれぐらい短縮できるのか」という点です。時短で働く際の原則は、「勤務時間が6時間」です。
通常の業務は8時間ですから、2時間短縮されることに。退社時刻が18時から16時になれば、子供のお迎えにも対応しやすくなります。
たとえば、これまで「一日に8時間、週に5日」というリズムで働いていた人が、時間はそのまま「週に3日に変更する」ということも可能。
こうした選択肢の中から自分の状況にピッタリな方法を見つけられれば、育児や家事と仕事を両立させることも可能になります。
会社によっては、6時間以外の制度を導入しているところもあります。
4時間や5時間など、お仕事ママの希望に合わせて対応してくれることもあるので、ぜひ確認してみてください。
働き方のパターンはある程度選択可能
勤務時間が6時間になるのが時短勤務の原則ですが、「どんな風に時間を組むのか」については、働く人がある程度選択することが可能です。
通常、8時から休憩を1時間はさんで17時まで働いていた人の場合、10時から17時までの他にも、8時から15時までなど、自分の状況に合わせて選択することが可能です。
子どもを預ける保育所や幼稚園によっても、何時から何時まで子どもを受け入れてくれるのかなど、状況は違っているはず。
子どもを園まで送り届ける時間や、お迎えに行かなければならない時間に合わせて選ぶのが一般的です。
短縮された時間分の賃金はもちろんカット…割合は問い合わせしてみて!
育児中のママも働くことができれば、家計を夫婦で支えることが可能になります。手取り金額が増える分、生活に余裕も生まれることでしょう。
仕事をする上で「お給料」は重要なポイント。だからこそ、「働く時間が少ない時短勤務中のお給料はどうなるのか」と、不安に感じる方も多いはずです。
育児・介護休業法で定められている短時間勤務の制度ですが、残念ながらその給料まで保証してくれているわけではありません。働く時間が短くなれば、その分給料もカットされるのが普通です。
職務手当が外される可能性もアリ
お給料に関して、もう一つ忘れてはいけないのが「職務手当」についてです。子どもを産む前までは、特別な職務を与えられ、バリバリと働いていたママも少なくないはず。
出産・育休を終えて時短勤務を選択すると、この職務手当てが外されることも考えられます。
とはいえ短時間の勤務の中で、これまでと同じような「特別な職務」をまっとうできるかと問われると、難しいことも多いはずです。
仕事内容と手当の内容について、よく精査して、不当な扱いを受けていないかどうか確認する必要があります。
私は対象者?気になったらチェックしてみましょう
たとえお給料が減っても、「短時間勤務を利用するメリットがある!」と感じる方も多いはずです。しかし中には、「制度利用の対象外」と認定されてしまう方もいます。
制度の利用を検討し始めたら、まずは自分が対象者かどうか、確かめてみて。チェックするためのポイントを、まとめて紹介します。
3歳未満の子どもがいれば、男女共に対象です
短時間勤務を選択できるのは、「3歳未満の子どもを養育する人」で、なおかつ「利用したいと申し出た人」となります。
時短勤務を選択するのは圧倒的にママが多いですが、実はパパの利用も可能な制度。
また、子どもが3歳の誕生日を迎えるまでであれば、何度でも申請し利用することができます。
半年時短で働いたあと、半年フルタイムで働き、その後また申請して時短勤務に戻るという方法もあります。
男女ともに利用が可能な制度ですから、夫婦交代で制度を利用するのもオススメの方法です。ママの負担も減少するでしょう。
1日の労働時間をチェック!
短時間勤務の制度を利用できるかどうかは、「どれだけ勤務しているのか」という実態によって異なります。制度を利用できるのは、1日あたり6時間以上働いている人です。
時短勤務の目的は「1日あたりの勤務時間を8時間から6時間に減らす」ということ。もともとの労働時間が6時間に満たない場合には、制度の意味を成さないことになります。
1日にどれだけ働いているのか、まずは確認しておきましょう。
労働契約をチェック!
1日に6時間以上働いているからといって、まだ安心してはいけません。次は会社と自分の間に、どのような雇用契約が結ばれているのかを確認してみてください。
会社との間に、日日雇用契約を結んでいる場合には、1日ごとに契約が満了することになります。残念ながら時短勤務を申し出ることはできません。
「普通に長期契約のつもりで働いていたけれど、実は日日契約だった!」ということもあり得るので、一度チェックしておくと安心です。
入社した時期、所定労働日数にも注意して
短時間勤務制度を使うためには、入社した時期も重要なポイントとなります。対象となるのは、入社して1年以上の時間が経過している人のみです。
また、週に3日以上働いていることも条件の一つ。残念ながら、普段から「週に2日しか働いていない」という場合には短時間勤務制度を使うことはできません。
管理監督者は制度対象外になる場合も
またもう一つ注意しておかなければならない点があります。それは、「管理監督職」に従事している場合には制度の適用除外者になる可能性があるということです。
「管理監督職」とは、労働基準法の第41条によって定められているもの。名前だけではなく、実質的に現場や従業員を監督する立場にある人を指します。
一般的には、部長や課長など、役職がついたところで「管理職」と呼ばれるケースも多いでしょう。しかし「管理監督職」は、経営者と一体的な立場で仕事をしていることが条件の一つ。
経営者と一体となる管理監督職についている場合、出社や退社に関して、他の従業員よりも束縛を受けない立場にあることが予想されます。だからこそ、時短勤務も必要ないというわけですね。
とはいえ、どのような立場で管理監督者として判断されるのか。また出退勤の時間を拘束されるのかは、職場の雰囲気によっても異なるはずです。
もし「管理監督者であるために、短時間勤務の対象にならない」と言われたら、会社側とよく話し合う必要があるでしょう。
制度を使う前に知っておきたい「細かい」ポイント
「どうやら私は対象者になりそう」と思ったときに、リアルに気になる詳細情報をまとめて紹介します。
子どもが3歳に達したあとは「会社次第」です
法律で定められている「育児短時間勤務」の制度で、対象者となっているのは「満3歳を迎えるまでの子どもを養育している人」です。
とはいえ、子育ては「満3歳になったから」という理由で、劇的に楽になるわけではありません。保育園や幼稚園にお迎えに行かなければならない状況は、変わらないでしょう。
ここで気になるのは「子どもが3歳になったあとはどうなるの?」という点です。法律で定められている部分ではないので、企業ごとの裁量によって決まるというのが現実です。
法律で定められているよりもさらに期間を延長して、子どもが就学するまで制度の利用を可能にしている会社も増えてきています。
まずは自分が務める会社の就業規則を調べてみてください。
ボーナスはどうなるの?
毎月に給与以外にも気になるお金といえば、賞与についてです。
年に2度のお楽しみにしている方も多いと思いますが、毎月の給与と同じく、働いていない時間については金額の保証がされていません。
勤務時間が短縮された分、賞与の金額もカットすることは、法律的にもNGとは判断されません。多くの会社では、働く時間に応じてボーナスもカットされているよう。
ただし、「働く時間以上にボーナスの金額がカットされている」という場合には、不利益な取扱いを受けているといえます。
退職金の算定にも影響します
正社員で働く場合には、時短勤務と退職金の関係性についても気になります。退職金については、法律で定められているものではなく、あくまでも会社独自の制度です。
しかし労働基準法により、退職金制度を設ける場合、計算方法や条件について就業規則に明記しなければならないと定められています。
不安なことがあれば、制度利用を申請する際に詳しく聞いておくのがおすすめです。
パートタイマーでも可能性アリ!
時短勤務は「正社員だけの特権」と考える方もいるかもしれませんが、これは誤解です。上の条件を満たしていれば、パートで働く人も制度を利用することができます。
パートだけではなく、有期雇用契約を結んでいる人も、1年以上雇用されていることで対象になれます。「パートだから」という理由だけで利用を諦める必要はありません。
将来の備え、社会保険料は特別措置もアリ
働く時間が減ることで、給料が減少!ここで気になるのが社会保険料への影響です。
給与の金額に基づいて納付金額が決定されるので、時短勤務で給料が下がれば、当然納付額も下がることになります。
社員として仕事をする上で気になるのが、「厚生年金保険料が下がると、将来もらえる年金額に影響が出るのでは?」という点です。
3歳未満の子どもを養育している社員が時短勤務をしている場合には、特別措置が用意されています。
特例申請書を提出することで、保険料減額後でも、減額前の金額と同等を支払ったとみなされることができます。
将来の年金減額を避けることができるので、該当する場合には必ず申請をしておきましょう。労務担当者に質問すれば、必要な手続きがわかります。
「不利益な取り扱い」は禁止されています
育児中の労働者が短時間勤務できるよう、必要な措置を講じることは事業主の義務。しかし一方で、まだまだ「仕事と育児の両立」が受け入れられていない現実もあります。
時短勤務が原因で不当な扱いを受けたり、不利益を被ったりするようなことがあってはいけません。
マタニティハラスメントとして法律で禁止されているということを、制度を利用する側が頭に入れておいてください。
▼子育てママにおすすめの職種や選び方についてはコチラも参考にしてみて!
短時間勤務中の「残業」についても知っておこう!
短時間勤務の申請をしていても、「残業」が常態化しているような職場では、あまり意味を成さないことも考えられます。
こうした場合には、短時間勤務中の残業についての知識も身につけておくと安心です。
請求すれば残業は制限されます
3歳未満の子どもを育児している人が事業主に申し出た場合、事業主は所定労働時間を超えて相手を働かせることはできません。
また就学前の子供を育児している場合、請求すれば「残業を月24時間、年150時間以内」に制限することができます。
どちらも働き手が請求して、初めて制度利用できるものですから、ぜひ頭に入れておいてください。ただし働き手の状況によっては対象外となることも。注意しましょう。
深夜労働にも制限アリ
残業と同じく、実は深夜労働にも制限をかけることが可能です。小学校就学前の子供を育てている人が利用することができます。
深夜労働は夜22時から翌朝5時までの勤務を指します。育児中であることを理由に断る権利を認められているので、必要があれば活用してみてください。
ただし入社してから1年未満の人や、深夜の時間帯に常に子供を見てくれる人がいる場合、さらに深夜労働が必要である合理的な理由がある場合は、制度から除外されてしまいます。
いずれ終了することを頭に入れて、賢く活用を!
働くママにとって非常にありがたい「時短制度」ですが、実際に利用する際には、頭に入れておくべき知識もたくさんあります。
また残念ながら、子どもが大きくなり完全に手が離れるまで、ずっと使い続けられる制度というわけでもありません。
いずれ終了することを頭に入れて、子供のサポート体制を強化すること、家族のリズムを身につけていくことなどを意識して、賢く活用していくのがオススメですよ。
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