産後の子宮収縮が痛い!症状によって違う痛みの原因と和らげる方法
出産後、大きくなった子宮が元の形に戻るため「子宮収縮」が起こりまります。この子宮収縮によって生理痛のような痛みを感じることがありますが、産後2~3日で治まっていきます。
しかし、痛みの程度は初産婦さんより経産婦さんのほうが強い傾向があり、長引く場合は違う病気が潜んでいることも考えられます。
子宮収縮の痛みの原因や考えらえる病気、痛みを和らげる方法について紹介します。
産後は子宮収縮によって体が元に戻ろうとする
妊娠中に大きくなった子宮は、出産を終えると元の大きさに戻ろうとするため子宮収縮が始まります。この子宮を元に戻す収縮の働きを「子宮復古」と呼びます。
子宮収縮が起こっている間は下腹部に痛みを伴いますが、この痛みは「後陣痛」と呼ばれ、痛みの程度や感じ方も個人差があります。
- 生理痛がひどくなった痛み
- チクチク刺さるような痛み
- 陣痛より痛みが強かった
- 軽い生理痛程度
陣痛から出産の痛みに耐え、ホッとできるかと思ったら産後は後陣痛の痛みがあり…ママにとっては痛みばかりで辛いですが、体が順調に回復できている証拠でもあるんですよ。
子宮収縮の痛みはいつまで?痛みの原因と違いについて
子宮収縮の痛みは、早くて2~3日で治まるのが普通ですが、中には1週間以上痛みが続く人もいます。痛みの強さや長引く原因も、出産方法や回数などでそれぞれ違います。
授乳中は後陣痛が強くなる
産後すぐから赤ちゃんに母乳を飲ませる練習をしますが、赤ちゃんがおっぱいを吸うことで「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。
このオキシトシンは子宮収縮を促す働きがあり、産後の体の回復が早くなると言われています。授乳の度に後陣痛の痛みが強くなり、強い痛みに耐えながら授乳をしているママもいます。
痛みは辛いですが、子宮収縮が起きると自分の体の回復が早くなるんだ、と前向きに考えていきたいですね。
2人目以降の出産は痛みが強い
すでにお産を経験してる経産婦は、子宮が柔らかく伸びやすいため初産婦に比べて痛みが強いことが多いようです。
経産婦はお産が早く進むことも多く、産後の子宮収縮も早くなると後陣痛の痛みは強くなる傾向があります。
1人目、2人目と出産回数が多くなるにつれ、後陣痛の痛みが大きくなりやすいと言えます。
双子を出産した場合は痛みが強いことも
双子や巨大児の赤ちゃんは通常よりも子宮が大きくなるので子宮収縮の後陣痛も強くなります。羊水量の多い羊水過多だったママも同じで、痛みが強くなる傾向があります。
あまりにも痛みが強い場合は、入院中痛み止めの薬を処方してもらうことができます。母乳に影響がないか心配になりますが、赤ちゃんに影響がない薬を処方してもらえるので、我慢をせずに助産師に相談しましょう。
帝王切開・無痛分娩でも後陣痛がある
帝王切開や無痛分娩だと後陣痛はなさそう…と思いがちですが、妊娠中はみんな子宮が大きくなります。大きくなった子宮が元に戻ろうとするプロセスはどんな分娩方法でも変わらず、帝王切開や無痛分娩でも後陣痛があります。
帝王切開は、術後の傷の痛みと後陣痛の痛みが加わるので痛み方が強く感じやすいかもしれません。
産後1ヶ月以上続く痛みは注意!
後陣痛は2~3日で少しずつ痛みが落ち着きますが、痛みが長引く場合や、悪露がひどい場合は別の病気が潜んでる可能性があります。当てはまる症状がある場合は、早めに病院に受診しましょう。
- 子宮復古不全(しきゅうふっこふぜん)
- 子宮が妊娠前の状態に戻るにはだいたい6~8週間程です。この期間を過ぎても下腹部痛、悪露が続く、出血の量がひどいなどの症状が見られる場合は胎盤が子宮に残っている可能性もあります。
- 産褥子宮付属器炎(さんじょくしきゅうふぞくえん)
- 産褥子宮付属器炎とは、分娩時の子宮切開で細菌に感染し、卵管や卵巣の子宮付属器に炎症が起こることです。下腹部を押したときに強い痛みのほかに発熱、嘔吐、おりものに変化があります。炎症が進むと腹膜炎や敗血症を起こすことがあります。
- 虫垂炎(ちゅうすいえん)
- 通常、右下腹部にあるはずの虫垂が、妊娠によって子宮で押し上げられると右胸の下辺りにきます。出産後は元の位置に戻るため、その途中に炎症が起こります。右脇腹に強い痛みを感じたら虫垂炎を疑います。
- 卵巣嚢腫茎捻転(らんそうのうしゅけいねんてん)
- 分娩時や産褥期に起こりやすい卵巣嚢腫茎捻転は、嚢腫がねじれ茎捻転を起こすと強い下腹部痛や嘔吐などの症状が現れます。妊娠前に卵巣嚢腫が見つかった場合は、卵巣嚢腫茎捻転になりやすいため注意が必要です。
子宮収縮の痛みを和らげる方法
後陣痛の痛みが強いほど子宮の回復が進んでいることなので、とくに病院へ行く必要はありませんが、日常に支障が出てしまうほど辛い場合は下記の方法を試してください。
冷えに注意し血行を良くする
産後は身体を冷やさないように、血行を良くすると後陣痛を和らげることができます。とくに冷えやすい下半身には、カイロや腹巻を使うなども有効です。
また、体を温めてくれるショウガ湯やココアは血行を促進し、体の芯からポカポカと温かくなります。
クッションを敷いてうつ伏せで眠る
柔らかいクッションや枕をお腹の下に敷いてうつ伏せで眠ると、痛みが緩和できます。仰向けで寝てしまうと、子宮が伸びて痛みを感じやすいため、うつ伏せやシムスの体勢もおすすめです。
シムスの体勢でもクッションをお腹の下に敷いておくと痛みが和らぎます。体勢で痛みが良くならない場合は、無理をしないでくださいね。
子宮周辺をマッサージする
妊娠線予防オイルやアロマオイルを使って、痛みがある子宮周辺をマッサージします。マッサージは血行促進と保湿効果、リラックス効果も同時に得られます。
マッサージによって痛みを緩和させ、冷え予防にも繋がります。マッサージは何回行っても構いません。痛みがあるときは、何回か試してみましょう。
リラックスできる環境をつくる
子宮収縮の痛みで気分が落ち込んだり、不安定な状態が続くとストレスで痛みを強く感じてしまうことも。
痛みを紛らわせるために趣味を楽しんだり、赤ちゃんのお世話をパパや家族に頼んだりしながらリラックスすることも大切です。
情緒の不安は直接体に影響することも多いので、上手く対処できると良いですね。
痛み止めを服用する
マッサージなどを行っても、子宮収縮の痛みが改善されず寝不足など生活に支障がある場合は痛み止めを処方してもらいます。
市販の薬は赤ちゃんに影響があるものもあるため、必ず病院から処方されたものを服用しましょう。
一時的な痛みのことが多いので、子宮の回復が順調と判断されれば薬を処方されず様子をみることもあります。
子宮収縮の痛みは回復が順調な証拠として前向きに!
子宮収縮の痛みの違いは個人差がありますが、経産婦さんはとくに痛みが強く感じることがあります。痛みを感じたとしても「順調に体が回復している」と前向きに考えていきましょう。
授乳の度に痛みが強い、痛みで夜も眠れない場合は違う病気が潜んでいることもあります。育児中のママは、自分の体を後回しにしがちなので痛みがひどく、辛いときは我慢をせずに病院へ受診しましょう。
また、産後6~8週間は産褥期と言って、体が元に戻る大切な期間です。この時期は無理をせず、適度に力を抜きながら育児をしていきたいですね。
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