子供に身に付けさせたい食事マナーと教え方を年齢別に徹底解説!
子供に普段の食事の中でマナーを教えていきたい!と思っても、何歳から始めたらいいの?どうやって教えるの?と疑問だらけですよね。
そんな悩みにお答えして、保育士の著者が年齢別に身に付けていきたいマナーと子供への上手な教え方、食事の楽しみ方を伝授します!
マナーって何?
マナーというのは「礼儀作法」ということ。食事の場合は細かいテーブルマナーから守れていないと非常識とされるようなものまで多岐にわたります。
その中でも子供にぜひ身に付けさせたいのは一緒に食事する人を不快にさせない作法です。一度に覚えることはなかなかできませんが、毎日の食事の中で気をつけていくことで自然とマスターすることができます。
以前私の高校時代の恩師が「一緒に食事をしてみるとその人のことがとても良く分かる」とおっしゃっていて、実際にご自身の奥さんと結婚する時にもそこを重視したと教えてくださったことがあります。
どんなに性格が良くて素敵な人でも、くちゃくちゃ音を立てて食べるところを見ると幻滅してしまいますよね。そうなるかならないかは親のしつけ次第です!
離乳食期からスタート
授乳だけの時期が終わったらいよいよ離乳食スタート!早いようですがこの頃からマナーの基礎を身に付けていくことは可能です。
食事に対する姿勢
この時期に一番大切なのは食べる喜びを知ること。そのためには食べることにちゃんと集中できるような環境を整えてあげましょう。
・あいさつをする(親がちゃんとして見せて。子供は手を合わせて真似できればOK)
・TVをつけない、まわりで上の子を遊ばせないなど落ち着いた環境を当たり前に
「落ち着いた環境で集中して」というのは授乳の段階でも同じことですね。以前講演で聞いた話ですが、泣いている赤ちゃんに対してこんな実験をしたそうです。
→少量のショ糖を舌にのせてあげると泣き止んだ
生後4種間の赤ちゃん
→赤ちゃんの目を見ないでただ舌にショ糖をのせる→泣き止まない
→母親が赤ちゃんの目を見て舌にショ糖をのせる→泣き止んだ
ただ口の中に食べ物を入れればいいのではなく、コミュニケーションを取るということがいかに大切かが分かる実験ですね。
授乳中はついついスマホを触ってしまったりTVを見てしまったりというママも多いかもしれませんが、親子の信頼関係を築く上での大切な第一歩です。赤ちゃんを見ていると結構授乳中も目が合うんですよ。
そんなちょっとしたことの積み重ねが食事はその場にいる人とコミュニケーションを取りながら楽しくとるものだといった、食事に対する姿勢の基礎がつくられていきます。
ベタベタ、ぐちゃぐちゃはOK
お行儀よく!というところにこだわってしまうとべちゃべちゃの離乳食を手でぐちゃ~っと掴み、さらにその手を振って飛ばしちゃうなんて汚い!と思ってしまいがち。
でも赤ちゃんの時期はそうして手で触れることがとても大切なんです。自分の手についたものを口に入れてみてゴックン、美味しい!とニッコリ出来れば言うことナシ!
ママは後片付けが大変ですし「食べているというより遊んでる!」と思ってしまいますが、ある程度は好きにさせてみてください。汚れることを嫌がって食べさせるようにしているともっと大きくなってからも自分で食べることをしない子になってしまいます。
また好き嫌いをなくすためにもいろんな食材で薄味のものを食べさせるようにして。出されたものを選り好みせずにしっかり食べるというのも大事なマナーです。
1歳のうちに
次に1歳のうちに身に付けておきたいマナーについてみていきましょう。もちろん離乳食期から始めたものは継続します。
1歳でしっかり教えておきたいのは次の4つ。
1歳ごろからなら親がする様子を見て手洗いうがいの練習を始められます。うまく出来なくても大丈夫。食事の前には必ずという習慣をつけることが大切です。
一口で食べる量もちょうどいい量をしっかり噛んで飲み込むということを徹底しましょう。入れ過ぎで飲み込めずにベェッと出してしまうことや早食いを防ぎます。
口を閉じないでくちゃくちゃ音を立てて食べるというのは、我慢できないほど不快に感じる人が一番多いのではないでしょうか。
必ず口を閉じて噛むように注意しましょう。鼻がつまっていると口が開きがち。普段から鼻呼吸を心がけることも大切ですね。
子供ですからどうしても遊びたくなってしまうんですよね。過剰に反応すると面白がってしまいますので落ち着いて「やめようね」と注意して。
繰り返し注意してちゃんと行儀よく出来ている時に何度でも褒めることで自然と遊ぶことも減っていきます。
それほど難しいことは何もありませんよね。これらのことが当たり前の食事のマナーの土台として身についていることでその後のしつけが楽になります。
2歳のうちに
「魔の2歳児」と呼ばれるほど手を焼く親の多いのが2歳。反抗期真っ只中なので何でも「イヤ!」の連発です。でも自我の芽生えと大らかに受け止めて。
2歳ではもう少しマナーもステップアップしていきます!
何しろ反抗期ですから今は気が乗らない、食べたいものじゃないという理由であまり食べないことも増え、せっかく作ったのに全然食べないじゃない!と怒りが爆発しそうになりますが、こういう時期だと諦めることも必要。
ただ好きなものしか食べないというのは問題ありですので、量は少なくてもいいからいろいろなものを食べるようにしたいですね。最初にテーブルに並べる量をいつもの半分以下にすることで簡単に食べきれるようにしてみましょう。
そして全部食べたら大げさに褒める。もっと欲しいと言えばさらに驚いて褒める。その繰り返しで結局たくさん食べることが出来る可能性大。うまくその気にさせる作戦ですね。
あまりにも食べないと心配な場合はおやつや飲み物の与え方、食事のタイミングを見直す必要があるかもしれません。
まだちゃんとした持ち方は難しいかもしれませんが、お箸を使うこと自体に興味を持ち始めた時が練習スタートのチャンス。
まずは自己流の持ち方でもいいので少しずつ使わせてみるようにしましょう。この時に大切なのは周りの人たちが正しい持ち方とマナーでお箸を使うこと。
子供は教えられる以上に自分で見ていろいろなことを学んでいきます。教えていないのにいつの間にか出来るようになることはたくさんありますよね。
パパやママの間違ったマナーを「お箸ってこうやって使うんだ」と覚えてしまうことがないように、お箸のタブーも知っておきたいですね。
背筋を伸ばす、肘をつかない、器に手を添えるなどといった姿勢を意識させるようにしていきましょう。これも大人がしっかりお手本を見せて。「この子、姿勢悪いな」と思ったら身近にそういう大人がいるものです。
また食事をワンプレートで出してしまうより、食器を分けることで器に手を添えることも上手に出来るようになりやすいです。面倒ならご飯だけでも分けるようにするといいですね。
2歳児を相手にして食事のマナーに気を配っている余裕なんかない!と思ってしまいますか?でも落ち着いて、かつ楽しく食事が出来るということは子供の心の成長にとっても本当に大切なことなんです。
そして良く出来たことに対してとにかくしつこいぐらいに褒めることで、子供に自信がつき自分で頑張って食べようとする、親も励ましながら温かく見守ることで食事の時間が親
子の絆を強いものにしてくれます。
3歳から
ここまでご紹介してきたことがちゃんとマスター出来ていれば、ほぼ目指すところまで来ていると言ってもいいでしょう。
ここからはより深い所まで子供に伝えていきたいですね。
実際に野菜などを育ててみる、料理をするところを見たり手伝ったりする、買い物も手伝わせることでまず食べ物に対する興味を育てましょう。
「これボクが皮をむいた玉ねぎだ!」「お庭で出来たミニトマトだ!」という経験が食べ物をとても身近に感じ、食べる喜びを倍増させてくれます。
食事中に会話を楽しむことはとてもいいことですが、その中で今食べているものに対しての話題や質問を織り交ぜていきましょう。
そうすることで食べ物を粗末にしたり簡単に残したりしないような子供に育っていきます。
2歳から使い始めたお箸も正しい持ち方をマスター出来るようになってくる頃です。食事中に練習すると食べるのに時間がかかったり、お箸を使うことが嫌になってしまいますのでおままごとなどの遊びの中で練習しておくようにしましょう。
3歳を過ぎたら自分で考えて行動することが出来るようになっていきます。何でも「こうしなさい」と指示するのではなく「今から食事にするよ」と声を掛けるだけにして、何をしなければいけないか?手伝うことはないか?と自分で考えるように仕向けましょう。
一番大切なこと
子供をしつけるのは親の役目!とついつい意気込んで厳しく言ってしまったり、出来ていないところを見るとグチグチ言ってしまったりしますが、まずは食事を楽しむことを絶対に忘れないで。
食べ物って「目で味わって(見た目)」「鼻で味わって(香り)」「舌で味わう(味)」と言われますよね。確かにそうなんですが、結局それを感じるのは脳なんです。
細かいことばかり注意されて怖い顔をしたママが目の前に座っていて「早く食べなさい!」なんて言われて、食べ物をしっかり味わえるわけありませんね。
まずは親が楽しく料理を味わって食べる様子を子供に見せること、これがマナーを伝えるために一番効果的で大切なこと。
家族みんなで食べる喜びを味わいながら楽しく食事しましょうね!
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