妊娠したら今までの化粧品が肌に合わない!乾燥などの原因と解決方法
妊娠すると、身体の見た目の変化だけでなく心の変化、さらには家族や職場などの環境の変化も大きく感じられるかと思いますが、実は肌も大きく変わるのをご存知でしょうか。
- これまで肌荒れと無縁だったのに急激に肌が荒れてしまった。
- ニキビの出来やすい脂性肌だったのに、いきなり皮膚に粉を吹くほどの乾燥に襲われ、ケアが分からない。
- 今まで何の問題もなく使っていた化粧水や美容液、クリームなどを使っただけなのに、皮膚にピリピリとした刺激を感じる。
- 皮膚科にかかりたいが、妊娠中に皮膚科へ行ってもいいのかさえ分からない。
人によって症状の表れ方には差があるものの、これらに思い当る節のある妊婦さんも多いのではないでしょうか。
かく言う私も妊娠発覚直後からこれまで愛用していた化粧品がまるごと合わなくなってしまい、途方に暮れた経験があります。
ここでは、そんな経験を踏まえ、妊娠に伴う肌の変化の原因とその対処法についてご紹介します。
この記事の目次
妊娠すると肌質が変わる!主な原因はホルモンと栄養補給の変化
妊娠して肌質が変わる原因として、主に2つの要素が考えられます。それは、ホルモンバランスの変化と栄養補給の変化です。
- ホルモンバランスの変化
- 栄養補給の変化
これらの変化によって肌質が変化を引き起こし、肌トラブルを引き起こしたり化粧品が合わなくなってしまったりといった事態につながるのです。
また、このような声を耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。
- 「妊娠初期はニキビが多かったのに、中期になったらニキビが減った」
- 「今まで乾燥とは無縁だったのに、急に乾燥肌になった」
このように、妊娠している期間中にさらに肌質が変化することも珍しくありません。それを踏まえて、妊娠を期に肌質が変化する主な2つの原因について詳しく見ていきましょう。
ホルモンの変化が一番の原因!受ける影響を見てみよう!
肌の状態がホルモンバランスによって変化するというのは、例えば生理前にニキビが多くなったり、不規則な生活をしていると肌が荒れてくるということでよく知られています。
妊娠もホルモンバランスが劇的に変化する状況ですので、例外ではないのです。妊娠すると起こるホルモンバランスの変化についてお伝えします。
妊娠すると、ホルモンバランスはどう変化するの?
女性に多いホルモンは厳密には2種類あります。
一般的に「女性ホルモン」と呼ばれている卵胞ホルモン(エストロゲン)、生理前に分泌量が増える黄体ホルモン(プロゲステロン)です。妊娠中はこれらの女性ホルモンの分泌がかなり活発になります。
すると男性ホルモンが相対的に減少します。男性ホルモンは肌を油性化する働きを持っているために油分が過度に少なくなり、乾燥肌を引き起こすのです。
さらに、女性ホルモンの分泌量が増えると同時にメラニン色素が増加します。
メラニン色素は本来肌を紫外線のダメージから守ってくれるものですが、増加しすぎると色素沈着の原因にもなります。その結果、今まで目立っていなかったシミやそばかすが濃くなってしまうことにもつながるのです。
ホルモンごとの特徴をよく理解した上で、肌の変化とも付き合っていきましょう。
2種類の女性ホルモンの働きや影響について知っておこう!
先にも述べた通り、女性ホルモンには黄体ホルモンと卵胞ホルモンの2種類があります。
- 黄体ホルモン(プロゲステロン):妊娠初期に大幅に増加する
- 卵胞ホルモン(エストロゲン): 妊娠15週目あたりから増加し、20週目までに黄体ホルモンの分泌量を追い越す
各ホルモンの働きはざっくりと挙げると下記のようなものが有ります。
- 黄体ホルモンの働き
-
子宮の筋肉の収縮を抑制して体温を上昇させる
出産に向けて乳腺を発達させる働きを担う - 卵胞ホルモンの働き
-
女性らしい丸みを帯びた体を作る
産後に母乳を出す働きを担う
子宮内膜の増加・子宮拡大にも関わる
この2つの女性ホルモンがどう肌に影響をあたえるのでしょうか?
- 黄体ホルモンの肌への影響
-
肌荒れを起こしやすい
ニキビの元となる皮脂の量を増加させる
肌の乾燥も引き起こす - 卵胞ホルモンの肌の影響
-
ニキビなどの肌荒れの改善に役立つ
皮膚の水分量やコラーゲンを調節する
新陳代謝を活発にして肌の調子を整える
詳しく見ていきましょう。
ニキビの量は増えたり減ったり!2種類のホルモンバランスによって変化
先ほど述べたとおり、黄体ホルモンは肌荒れを起こしやすいホルモンです。
妊娠初期に大幅に増加するので、この時期はニキビなどの肌荒れを起こしやすい時期といえます。
しかし、妊娠が進んで15週目頃になってくると、今度は卵胞ホルモンが増加し20週目までに黄体ホルモンの分泌量を追い越します。
卵胞ホルモンは、皮膚の水分量やコラーゲンを調節したり、新陳代謝を活発にして肌の調子を整える働きがあります。
2種類のホルモンの変化により、妊娠初期は肌荒れが起こりやすく、安定期に入るあたりでニキビが減るという経験をする人がいるのです。
ここで注意しておきたいことがあります。
肌荒れを起こすからといって黄体ホルモンが「悪」ではないという点です。黄体ホルモンによって妊娠の継続がなされているからです。
卵胞ホルモンが妊娠につなげる「女性らしさを保つため」のホルモンだとすれば、黄体ホルモンは妊娠した後の「母親になるため」のホルモンです。
ホルモンごとの特徴をよく理解した上で、肌の変化とも付き合っていきましょう。
乾燥肌なども、黄体ホルモンの増加で起こる
ニキビと同様、妊娠中の肌のトラブルで多く聞かれるのが乾燥です。特に妊娠初期、急に粉が吹くまでの乾燥肌に悩まされる場合もあります。
一見相反する皮脂と乾燥ですが、「肌が乾燥しているのにニキビができた」という経験をしたことのある女性も多いのではないでしょうか。
黄体ホルモンが活発になる妊娠初期は、急成長をする赤ちゃんを最優先として身体が機能するため、母体は二の次で肌の皮脂分泌量や乾燥状態などが非常に不安定になりやすいのです。
黄体ホルモンが原因の肌荒れは、子宮を大きくするために卵胞ホルモンが増加する妊娠中期以降になると改善することも多いですが、男性ホルモンは少ないままなので乾燥に対しての悩みは引き続き持つことになります。
油断せずにケアをしていきましょう。
女性ホルモンが活発になると、色素が沈着しやすくなる
先述の通り、女性ホルモンが活発になることでメラニン色素が増加し、シミやそばかすのトラブルを招いてしまいます。
シミやそばかすだけでなく、脇の黒ずみや乳輪の色素沈着に悩む方もいるでしょう。
妊娠によってメラニン色素が増加するようにホルモンバランスが変化する理由の一説には、赤ちゃんが乳首を探しやすくするためとも言われています。
加えてメラニン色素には肌自体を守る働きがあるとも言われており、授乳の刺激に備えるという意味合いがあるとも言われています。
女性ホルモンの活発化とメラニン色素とのつながりのメカニズムは解明中の内容が多いのですが、妊娠中の色素沈着は出産後のホルモンバランスの安定とともに改善することがほとんどです。
気負いすぎずに様子を見ていきましょう。
食生活が変わったことによる栄養補給の変化も一因に…
つわりによって適度な栄養が摂れなかったり、偏食になってしまったりすることで肌荒れを引き起こすこともあります。
つわりが落ち着いても、今度は胎児の分も栄養補給をしなければならず、妊娠前と異なった食生活となることがあります。
また、適切な食生活を送っていても胎児に栄養がたくさん補給されることでママの方に栄養が回りきらず、肌質の変化としてそれが表面化することもあるのです。
ホルモンや栄養補給面以外にも考えられる肌荒れの原因
ホルモンバランスや栄養補給の変化以外にも、妊娠の途中で肌がさらに変化する原因はたくさん考えられます。
主な原因は、肝機能の低下と睡眠不足です。
- 肝機能の低下
-
お腹が大きくなるにつれて肝臓が圧迫されて肝機能が低下し、胆汁の分泌が悪くなることで、妊娠中期以降の方がより肌が痒くなるとも言われています。
- 睡眠不足
-
また、妊娠中は思ったように睡眠がとれないことも多くあります。子宮が大きくなってくると膀胱が圧迫され、頻尿になり夜中に何度も起きることもあります。
妊娠後期になると、お腹の重みで何度も寝がえりを打つことになり熟睡できないこともありえます。
このようなことが原因で、肌荒れにつながってしまう場合もあるのです。
原因を一つに絞らず、一つ一つに対してあまり気負いせず肌の調子と向き合っていくようにしたいものですね。
慌てないで!妊娠後の肌質変化にあった5つの対策を紹介
肌質が変わる原因をここまで見てきましたが、実際に出来る対策もいくつかあります。
- 化粧品の成分表をチェックする
- ニキビでも乾燥でもとにかく保湿を徹底する
- 心配するなら使わない!無理に化粧をしない
- シミが気になったらUV対策を怠らない
- ストレスを貯めこまず、理論立てて整理する
ぜひ実践して肌のトラブルに対処していきましょう。
1、化粧品の成分表をチェックする
ニキビが出来た、乾燥肌になった、シミが出来た…トラブルと同時に化粧品が合わなくなった瞬間に多いのが、ピリピリとした肌への刺激感です。
化粧品を付けてピリピリとした刺激を感じる、もしくは赤みが出る、かゆみが感じられるといった症状があった場合は、配合されている成分によって肌が炎症を起こしていると考えられます。
【代表的な肌荒れを起こしやすい成分と表示】
アルコール(エタノールなど)、防腐剤(パラベンなど)、乳化剤(ラリノンなど)、界面活性剤、香料
これらの成分は本来ならば悪影響ではではなくても、肌が敏感な時期だと刺激となってしまうこともあるので注意しましょう。
また、化学成分ではなく天然由来成分の化粧品を使えば大丈夫という考えをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、天然由来成分のものを使うことで逆にアレルギーが出るなどという場合もあります。
化学成分が使われている化粧品を使うことで、逆に肌の調子が良くなることもあるようなので一概にオススメの成分を特定はできません。
まずはご自身の体質や体調を鑑みながら、パッチテストを行うなど万全を期したう上で化粧品を使用するようにしましょう。
また、洗顔料の成分にも注意してみましょう。意外と香料が使用されていることも多いのです。
何か異変を感じたら速やかに使用を中止し、敏感肌用の化粧品のラインを試すのも一つの手です。様々なメーカーから発売されています。
ドラッグストアやデパートの化粧品コーナーだけでなく、赤ちゃん用品のショップにも敏感肌用化粧品の取り扱いはあります。
あまりに刺激が強く出て炎症がおさまらない場合は、我慢せず皮膚科や産婦人科に相談しましょう。
2、ニキビでも乾燥でもとにかく保湿を徹底する
先にも述べましたが、妊娠中はホルモンの影響により肌が乾燥しやすい状態です。特に冬場でなくても、保湿に気を付けましょう。
これまで使っていた化粧品よりも保湿性の優れたものを利用したり、保湿クリームや美容液を追加したりして様子を見ましょう。
妊娠時期は肌がとても敏感になっているので、低刺激なクリームなどを必ず選んでくださいね。
ここでオススメなのが『ROVECTIN(ロベクチン)』という保湿アイテムです。
高保湿で、肌バリア機能が弱まっている肌バランスをサポートしてくれるので、辛く酷い肌荒れの緩和の手助けになってくれますよ。
刺激から肌を守ってくれる、保護してくれるので、肌荒れかな?と感じる前から肌荒れ予防にも使用しておくといいですね。
クリームタイプとローションタイプ(液状ではない)があるので、集中ケアとボディー全体の日常ケアとで使い分けも可能です。
この時期は”体全体の保湿”を心がけると妊娠線の予防にもつながりますよ。
妊娠中の肌質に合ったボディクリームを探したり、赤ちゃん用のベビーオイルを利用したりしてみましょう。マタニティ専用のクリームも発売されています。
更に、リップクリームとしても利用されている万能保湿クリームのワセリンもおすすめです。
肌が炎症を起こしてしまっている場合は、保湿クリームによっては無理に付ける必要はありません。病院での薬を塗って対策が安心です。
夜寝る時に加湿器を付けたり、濡れタオルを部屋に干しておくなどの工夫でも十分効果は得られます。これらは就寝中の肌の乾燥を防ぐだけでなく風邪予防にも効果的です。
また、洗顔の際にも保湿重視かつ低刺激の洗顔を行いましょう。
清潔な手で行うのはもちろんのこと、洗顔料を使う場合はよく泡立ててあまり擦らず、ぬるま湯でゆっくりと洗い流しましょう。
タオルで顔を拭く時も、ゴシゴシと擦らずにそっと頬を寄せるようにして水分をとると、保湿効果が薄れません。
3、心配するなら使わない!無理に化粧をしない
特に敏感肌になってしまった場合、化粧品がことごとく合わず途方に暮れることもあります。なかなか新しい化粧品で合うものを見つけられないこともあるでしょう。
そういう時は無理に化粧品を付けようとしようとせず、あるもので工夫しましょう。例えば化粧水が合わない場合、飲み水用のミネラルウォーターでパッティングをしたり精製水で拭き取ってみたりしましょう。
これらは言わば「水」ですので、安心してお手入れに利用できますね。
ノーメイクの時の洗顔は、思いきって洗顔料を使わずに洗顔を行うのもひとつの手です。
ぬるま湯でそっと顔を撫でるだけでも、表面的な汚れは落ちます。
また、基礎化粧品だけでなく出かける時のメイクの成分表の見直しと、メイクの内容も見直してみましょう。
薄化粧のほうが肌に負担がかからないのは言うまでもありませんよね。TPOをチェックしつつ、出来る限り肌に負担がかからないようにしましょう。
4、シミが気になったらUV対策を怠らない
妊娠中のシミ・そばかす・色素沈着については体質によって個人差があります。
シミはできないのに乳首だけ色素沈着が起こる人、体中もれなく色素沈着が起こる人など様々です。
どうしても気になる場合、外出時のUVケアを怠らないようにしましょう。
日焼け止めは、肌が敏感になっている人には不向きなので、そういった場合は衣服で対策を行いましょう。
顔のシミやそばかすへの対策ならば、帽子をかぶる、UVカットのマスクをする、メガネをかける、日傘を射すなどの方法があります。
身体の色素沈着は出産後に戻ることがほとんどですが、どうしても気になる場合は産婦人科で相談してみましょう。
また、妊娠中および授乳中は美白効果のある薬を自己判断で服用することができないので注意してください。
5、ストレスを貯めこまず、理論立てて整理する
母体にとっても赤ちゃんにとっても、何より敵なのはストレスです。妊娠していない時と同様、ストレスによって肌荒れが引き起こされることももちろんあります。
妊娠中はつわりで栄養が思い通りに摂れなかったり、熟睡が出来なかったりと生活リズムが狂いがちです。
他にも身体と周囲の変化への戸惑いやマタニティブルーなど、ストレスとなりうる種がたくさんあります。
大切なのはこれらのストレスをひとりで溜めこまないことです。
感情的にぶつけてしまうと何の解決にもつながらないので、身近な人には理論立てて理解を求めましょう。
なぜストレスがたまるのか、どうすればストレスが解消されるのかを理論立てて説明しましょう。
そうすることで自身にとっても整理がつき、落ち着くことができます。
産後に肌質はほとんど戻る!あまり深刻になりすぎないで
ここまでたくさんの肌質の変化の原因と対処法を述べてきましたが、気になるのは出産したら肌質が産前と同じように戻るかという点です。
ご安心ください。妊娠に伴うホルモンバランスの変化による肌質の変化は、ホルモンバランスが戻ることによってほとんど元通りになると考えられています。
しかし、産後のママの身体はまさに満身創痍です。
自身は慣れない育児へのストレスや寝不足にさいなまれますし、子宮は6週間ほどかけて元の状態に戻っていきます。
さらに、妊娠前にホルモンバランスを戻そうとすべく、これまで大量に分泌されていた女性ホルモンが激減する時期でもあります。
その結果、妊娠中とはまた違う形で肌質の変化やトラブルを実感する場合が多いのです。
しかし、これらの肌トラブルは多くの場合一時的なものですので、神経質になりすぎないようにしましょう。
思わぬ病気の場合も!迷ったら皮膚科より産婦人科へ
一時的な肌質の変化や肌トラブルならばまだ良いですが、思わぬ病気が潜んでいることもあります。
何か心配なことがあれば、自己流で対処をするのではなくかかりつけの産婦人科に相談をしましょう。
肌のトラブルなのに美容皮膚科ではなくて良いの?と思われる方もいるかもしれませんが、実際に妊娠中に他科にかかると、結局産婦人科に回されるケースも多いのです。
産婦人科で処方された薬などは、成分の使用可否などの心配もなく安心して使えるというメリットもあります。
実際に筆者自身も、妊娠中の乾燥肌と肌荒れに悩まされて産婦人科で相談したことがありますが、すぐに軟膏を処方してもらえました。
「肌のトラブルなんて…」と遠慮するのではなく、心配なことや気がかりなことは遠慮なく産婦人科に相談するようにしましょう。
大事なのは、ママになるからこその変化を受け止めること
妊娠中も産後も、綺麗な女性で綺麗な肌が良いと思うのは、女性ならば自然の考えです。
お腹の中の赤ちゃんのためにも、体に直接付けるものに気を付けたいと考えることも多くなるかもしれません。
肌質の変化をネガティブに捉えるだけではなく、ママになるからこその変化だ!と捉え、新しい美容方法にチャレンジできる機会だとポジティブに考えてみましょう。
肌質の変化と前向きに向き合うことで、限られた期間の妊娠生活を今よりももっと楽しんで過ごしてくださいね。
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