端午の節句の由来と節句飾りの意味、祝い方について知ろう!

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2017/03/22

端午の節句のこいのぼりの画像

男の子の節句といえば「端午の節句」ですよね。赤ちゃんの健やかな成長を祈願するお祝い行事となっています。

古来からある伝統的なお祝い行事ですが、家族形態や居住環境、考え方の変化によって、お祝の仕方もさまざまになってきています。

今回は、男の子の「初節句」である端午の節句の基本的な意味や祝い方を紹介します。

「端午の節句」は男の子を盛大にお祝いする日!そして同時に「こどもの日」!

女の子の節句の「桃の節句」に対し、男の子の節句は「端午の節句」と言います。

こちらも古代中国の奇数の重なる節句が由来となる日取りですが、現代ではこどもの日としても祝われていますね!

しかし、この日は元々は男の子のお祝いをするための節句です。男の子の「初節句」の祝い方をしっかりと見ておきましょう!

「端午の節句」は男の子の健康・出世を願う意味がある!

「端午の節句」は、男の子のお祝いを行う日です。以下のような願いを込めて、お祝いを行います。

  • 男の子が安全に健康に生きて行けるよう祈願する
  • 男の子が将来出世をしたり、立派な人物に成長するよう祈願する

このような願いを込めて、命を守る武具としての鎧・兜や、滝を登った唯一の魚と言われる鯉を象ったこいのぼりを飾り、お祝いをします。

昔から男の子は、幼い頃から「強く生きていくこと」を望まれ、健康や出世の祈願に「端午の節句」としてお祝いをされてきたのですね。

「端午の節句」が行われるようになった背景

「桃の節句」と同様、古代中国で5月5日が一つの節句であると捉えられていたとともに、日本でも奈良時代から「端午の日」に病気や厄を払うための行事が行われていました。

「端午の日」とは、元々は端(はじめ)の午(うま)の日ということで、5月に限らず毎月の月の初めの頃のことを指していました。

しかし、いつしか午(ご)と五(ご)の音が同じであることから、5月5日となったようです。そこに節句の考え方を重ね、この日が「端午の節句」と定められました。

また、平安時代頃から、男の子たちは菖蒲で飾った紙の兜を作ったり、紙や木で作った菖蒲人形を家に飾ったりしていました。菖蒲という植物は、強い香りで厄を払うと言われていました。

上のような男の子の遊びと、それに用いられていた菖蒲等の薬草を摘んで邪気を払う端午の行事が結びつき、江戸時代頃には今のように男の子の健康や厄払いを願う行事の日として確立していきました。

菖蒲=勝負、という語呂からの考え方もあるようですね。
なんで同日?「こどもの日」について
また、男の子のお祝いをする日である「端午の節句」と、男女関係なく子どもの成長をお祝いする「こどもの日」が同日であることに疑問を持ったことはありませんか?

こちらは、まだ歴史が浅いのですが、1948年に国会で制定をされた祝日のようです。

いつを祝日にするかを審議していた際、5月5日の他に、3月3日(桃の節句)や4月1日(学年が上がる)といった、他の子どものおめでたい日にしようという案も出ていたのですが、以下のような理由でふさわしくないとされ、5月5日になったようです。

  • 3月3日は北海道等ではまだ寒すぎるため
  • 4月1日はエイプリルフールと重なり良くない

そして、多数の請願が出ていた「端午の節句」の日を「子どもの日」と制定するにいたったようです。「こどもの日」という捉え方では、男女分け隔てなくお祝いをする日となるわけです。

しかし、「こどもの日」制定の本来の趣旨は、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日」ということのようです。

「こどもの日」にも上のような背景があるのですね。

知識として、「端午の節句」には男の子だけでなく全子供やその親(もちろん父も含みます)のお祝いや感謝をする日だということも覚えておきましょう。

このように、「端午の節句」の日には二重の意味や背景がありますが、今回は男の子の「初節句」として捉え、お祝の方法等について紹介していきます。

「端午の節句」は5月5日!こどもの日に元気な男の子を祝おう!

「端午の節句」は上の通り、5月5日です。

なお、女の子の「初節句」同様、男の子も5月5日がまだ生後間もない場合には、「初節句」を翌年にまわすという考え方もOKです。

男女とも、出産予定日が「初節句」周辺である場合には、人形飾りの用意の関係などもあるため、「初節句」を今年にするのか来年にするのかを早めに両家と話し合っておくと良いでしょう。

「端午の節句」の祝い方を紹介!

「端午の節句」は、男の子の健康や成長とともに、将来の出世を願ってのお祝い行事です。

室内に鎧兜を飾り、外にはこいのぼりを立ててお祝いをします。(それぞれのアイテムの意味は後に説明します。)

正式には、「端午の節句」の当日または前日に、両家のおじいちゃん・おばあちゃんや知人を招待し、縁起物のお祝料理でおもてなしをするというお祝方法をとります。

また、食卓でのお祝の他に、菖蒲湯に入るという伝統文化もあるようです。

子どもの厄払いの意味だけでなく、菖蒲湯には以下のようなたくさんの嬉しい効能があるので、大人の方々もぜひ一緒に入ってみてくださいね。

  • 血行促進の効果
  • 肩こり・腰痛の改善効果
  • 冷え症緩和の効果
  • リラックス効果
  • 筋肉痛や神経痛の改善効果
食事会・写真撮影・菖蒲湯でもってお祝いを行うのが一般的です。

「端午の節句」の際に準備をしておきたいもの

女の子の「桃の節句」では、主に準備をしておきたいものは雛人形一点でしたが、男の子の「端午の節句」に準備をしておきたいものは、二点あります。

それは、鎧兜とこいのぼりです。この二点をお祝い飾りとして用意しましょう。

それぞれの詳細と、その他菖蒲湯、食事や服装等についても順に紹介していきます。

鎧兜・武者人形

鎧や兜は、古来日本の武家社会において、命を守る大切な武具でした。そのため、現代でも厄除け・守り神といった意味で、男の子の健康や成長を見守るために飾られています。

大人が着衣できるほど大きな立派なものから、飾り棚におさまるコンパクトなものまで、女の子の雛人形同様さまざまなタイプの鎧兜があります。

パパ・ママの希望や、家に飾ったり収納をする際のスペースを考慮しながら選ぶと良いでしょう。

こいのぼり

こいのぼりの「こい」は、ご存知、魚の「鯉」ですね。

鯉は、沼や池でも生息することができます。デリケートな魚は、水質の些細な変化でもすぐに死んでしまいますよね。

一方鯉は、このような水場でも生きていくことができるため生命力の強い魚と言われてきました。

古来中国で、どの魚も登ることができなかった滝があり、鯉だけがその滝を登りきりそのまま龍の姿になって天に昇っていった、という言い伝えがあります。

これがいわゆる「登竜門」のこと。どんな困難も乗り越えられますように、また出世するようにと願いを込めてこいのぼりを飾るようになったと言われています。

「鯉が急流の滝をさかのぼり、竜となって天まで昇る」=鯉は生命力と合わせ出世の象徴ともされています。

このように縁起の良い鯉を、子どもが大きく高く伸びていくことを祈り、屋外にこいのぼりという形で飾る風習ができたようです。

しかし、現代社会ではマンション住まいの方も多く、ベランダにこいのぼりを飾ると危険だという考え方や、そもそもベランダにものを出すことが禁止されているところもありますね。

鎧兜同様、コンパクトなものや壁掛け飾りのものなど、住まいの実情に合ったものを用意するのでも十分です。

一番大切なのは、飾りそのものの大きさや価値ではなく、子どもを祝いたいという親心です。

お祝い飾りの言われを理解しておき、各家庭ごとの祝い方をしてあげましょう。

節句のお祝いは誰が用意する?

鎧兜・こいのぼりといった「端午の節句」のお祝飾りを誰が用意をするのかについてですが、時代や地域によって以下の考え方があるようです。

  • 一般的には、母方祖父母が贈る
  • 雛人形は母方が贈るが、五月人形(「端午の節句」のお祝飾り)は父方が贈る地域もある
  • 両親に負担をかけたくない、自宅の状況を考慮したい、といった理由でパパ・ママ自身が選び購入する
特に、パパとママの出身地が違う場合等、文化の違いからこの件でもめごとが起こる場合も多いようです。

誰が贈るのかを事前にしっかり両家と話し合って決めておきましょう。

なお、五月人形も本来であれば雛人形同様に、男の子一人につき一つ(次男が生まれたらもう一つ、三男、四男…)と兄弟の数だけ用意をするものとされていましたが、近年ではやはり伝統行事の簡素化や住宅事情の問題等から、全員分は用意しない家庭も多いようです。

その場合も、せめて名前を書いた木札だけは、男の子それぞれに用意をしてプレゼントし、飾ってあげるようにしたいですね。こちらも参考にしてみてくださいね。

▼端午の節句人形のお下がりについてはコチラも参考にしてみて!

また、節句のお祝いをいただいた際は、必ず内祝いをしましょう。心を込めて選んでみましょう。

▼節句祝いの内祝いのマナーについてはコチラも参考にしてみて!

菖蒲

菖蒲湯に使う菖蒲を用意しておきましょう。

菖蒲の花は、ちょうど「端午の節句」の頃に咲く花で、強い香りがある菖蒲は、中国では昔から「邪気を払う花」とされてきたことから、厄除け・無病息災を祈願する意味を持ちます。

また、上でも述べましたが、「菖蒲=勝負」といった語呂からも、赤ちゃんの出世に結び付け縁起物とする考え方も広まっているようです。

このような意味をもつ菖蒲を10本ほど輪ゴムで束ね、湯船に入れます。

赤ちゃんをはじめ、さまざまな健康効果も期待できるこのお祝いの湯に皆で入りましょう。

縁起の良い食べ物

これまでの行事の紹介では、主に「お祝膳の献立」と紹介してきたお祝の日の食事についてですが、「端午の節句」では献立ではなく縁起の良い食べ物を紹介します。

なぜなら、「端午の節句」には、「桃の節句」等と異なり、これを食べると良いといったものが特に決まっていないためです。

その代わりに、縁起の良い食べ物というものがあり、お祝に来てくれた方々へのおもてなしとしても振る舞いたいものがあります。それがこちらです。
柏餅 柏の葉は、次の葉が出てくるまで落葉しないと言われています。そのことから、その家の跡継ぎが絶えない・子孫繁栄を願う食べ物として、柏の葉にくるまれた柏餅が縁起物とされています。
ちまき 漢字では「粽」と書き、もち米やうるち米で作った餅を笹の葉等に巻き、加熱(蒸す・茹でる)した食べ物です。中国から節句の言われと一緒に伝わってきた伝統的な食べ物のようで、縁起物とされています。

縁起の良い食べ物としてこれらが挙げられますが、もちろん、親戚等を招いて食事会としている場でこれだけだと物足りないですよね。

そんな際には、縁起の良さそうなものから、ママが用意しやすいものや、皆の好みを考慮しながら献立を考えてみてください。

参考までに、「端午の節句」のお祝に適した献立をリストアップしておきます。現代ではお祝いの食事に対しての細かい決まりはないため、気楽に用意できそうなものを取り入れてみてくださいね。

  • お赤飯
  • お寿司
  • 尾頭付きの鯛
  • 筍を使った料理…「どんどん伸びる」ことから縁起が良い
  • 出世魚使った料理…ぶり、すずきなど「出世魚」と言われる魚が、男の子の「出世」にかかっている
  • えびを使った料理…長寿を願う

たくさんの人が集まる場合には、「端午の節句」用のお祝献立のデリバリー等を活用するのも良いでしょう。

服装

「端午の節句」の際の赤ちゃんの服装は、男の子らしいものを選ぶと良いでしょう。

といっても、カバーオール等普段着の上から、陣羽織を着せてあげるだけでぐっと男の子らしさが引き立ち、雰囲気が出ます。記念写真も映えますね!

鎧兜と陣羽織がセットになっていない場合は、陣羽織に近いアイテムを用意しておくと良いでしょう。

なお、ベビー服は正装である必要はありませんが、陣羽織は隙間から下に着ている服が見え写真にも写るため、キャラクターものや派手なものよりは、落ち着いたものにしておいた方が良いでしょう。

パパ・ママをはじめ、大人の服装に特に決まりはありません。

男の子の節句「端午の節句」意味や由来を子供にも話してあげましょう

端午の節句についてご紹介してきましたが、全部を取り入れようと思うと結構大変です。

また、前述した端午の節句の由来についてもさらっと教えてあげるといいですね。菖蒲についてはダジャレなので、子供たちには覚えやすく興味があるところではないでしょうか。

節句の飾りについては、各ご家庭でしっかりと自分たちのスタイルに合ったものをチョイスしましょう。

風習にこだわらず皆で子どもの健康を願う気持ちは今も昔も一緒ですよね。それぞれの家庭で工夫して、子供の成長を喜ぶ”端午の節句”を楽しんで下さいね!

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